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Channel: イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」
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「最後の土地は香川県」ローカル行脚はラクじゃないよ!

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「最後の土地は香川県」ローカル行脚はラクじゃないよ!

ジェットスターを舐めると痛い目に遭う

成田空港の第三ターミナルは遠い。ジモコロ取材含めて何度か利用しているが、羽田空港の国内線に乗るテンションと比較すると、グッと下がっているのが自分でもよくわかる。

 

目的はLCCのジェットスターだ。

フライト30分前受付厳守。持ち込みの手荷物は7kgまで。スマホゲームのようにメリットを見出す特典解除はすべて有料のシステム。だからこそ、ジェットスターは信じられないぐらいの価格で飛行機に乗ることができる。

成田高松のフライトは約6,000円。たったの1時間半で行けるのだから、これは利用しない手はない。

 

ただし、この日は昼間に突発の運転免許講習で時間を奪われて、ギリギリのタイミングで成田空港に到着。カメラマンは13kgのバッグを2つ持参していたし、カウンターでの荷物預けはさらに時間がかかる。

 

「ちょっと間に合わないんじゃない? しかも、13kgの荷物が2つって無理やん」

 

取材リーダーとして不安と苛立ちが募っていた。無事、高松へ行けるのだろうか。無理なら無理でなんとかなるだろうと、持ち前のおもしろがりの感情も芽生え始めていた。

 

カウンターで交渉し始めたものの、やはり荷物重量オーバーは避けられず。カメラマンは申し訳無さの妖怪に取り憑かれたような表情をしていた。

 

そして流れで自分の荷物チェックもしてもらった。無印良品のキャリーケースだ。適当に服を詰め込んで、比較的ライトな装備で準備をしていた。なんたって旅慣れている。同じパンツと靴下で三日間は過ごせるくらいの旅慣れだ。

余裕でリミットの7kgにおさまる心持ちだったが、

結果はまさかの…

 

13kg

 

6kgオーバーって。旅慣れに胡座かいた自分を焼き殺したい。しかも散々、カメラマンをいじったあとの13kgだったのでめちゃめちゃに笑ってしまった。全然無理だったなぁ。はっはっは。仕方なく追加費用を支払って、ダッシュで搭乗ゲートへ。

 

LCCにアクシデントはつきものなのかもな…」

 

搭乗直前、カメラマンの名前がアナウンスされて再びアラートが鳴った。

今度はなんだなんだ??

 

焦って預けたカメラマンのバッグの中に機内持ち込みNGなバッテーリーが入っていたらしい。ジェットスターのスタッフは厳しい顔をしている。

曖昧な境界線の判断は絶対にしない。

そんな決意に満ちあふれている。

 

提示された選択肢は「飛行機に乗らない」 or 「その場でバッテリーを破棄する」。当然、バッテリーは破棄して飛行機に乗るしかない。6000円で意気揚々と乗り込もうとした彼にバッテリー代1万円の出費が追加された。

 

その日学んだのは、取材ではカメラマンと一緒にLCCは乗らない方がいいってことだ。

 

ジモコロ47都道府県制覇!最後の土地は「香川県」

4年目に突入したジモコロ。取材済みの広島県を除いたら、まだ記事化していない土地は香川県だけになっていた。今回の目的は最後のピースを埋めること、そして高松周辺の土地の空気を感じたい。

 

3年前に旅行で足を踏み入れたときは、ずっと讃岐うどんを食い続けていた。うどん屋からうどん屋へ。ジモコロスタート直後の「もっと郷土名物を掘りたい!」そんな焦燥感があったんだろう。

 

あっという間に時間は過ぎて、ただ讃岐うどんの有名店をまわった記憶しか残っていない。ただただ、うどんを食うだけの機械? それは私のことだ。

今と違ってオーソドックスな旅行スタイルに疑いを持っていなかったんだろうな

 

http://ha-art.com/

あと、歯ART美術館という狂ったスポットも印象強い。世界から集めた入れ歯を透明の立方体にぶちこんだ展示は、今も記憶に残っている。なんなんだろ、あれ。

記事にしようとしたけど、3年間寝かせてしまうぐらいの躊躇いが生まれるやつだし、画像貼ろうしたものの、エグすぎるのでやめとく。気が向いたら行ってみてほしい。歯と仮面とカメラが展示されている。

 

今回、香川県の高松で取材をしたのは2本。

冒頭で触れたドジなカメラマンが、四国お遍路巡りでお世話になったというカフェ&バー「半空(なかそら)」。ここのマスターは元ボクサーの読書狂い。

 

BOOK OFF100円コーナーにある本をすべて読んだ知の蓄積があり、店内の雰囲気は「読書に最適化された空間の理想形」ともいえる。

カウンターに座れば美味しい珈琲やお酒だけでなく、マスターの佇まいと会話そのものが最高の商品になっているんじゃないだろうか。

 

企画の趣旨は「なぜカフェ&バーのマスターが文学賞を創設したのか?」だった。

地元で元々嫌われていた「高松琴平電気鉄道」(通称:ことでん)」をめぐるローカルトーク、ことでん社長との出会い、そして地域コミュニティの活性のヒントになりえる思考の数々……。

 

ちょっと説明するのが難しいテーマだったが、本を愛する人たちが動かした熱量を切り取れた最高の取材となった。執筆は「海賊シェフ」でお馴染みの株式会社ツドイの今井雄紀さん。1月に公開予定だから頑張って、今井さんーー!

 

お次は直前思いつきのフリースタイル取材でやりきった「完全セルフの製麺所」の記事。

何が完全セルフなのか? 現地では茹でたうどん麺しか用意されていないため、丼、箸はもちろん、醤油やネギ、卵などなど調味料・具材一式を準備しないといけないお店だったのよ! 不便さをあえて楽しむ現代人特有の遊び!

 

せっかくだからと現地の陶器のセレクトショップに立ち寄り、ゼルダの伝説のリンク気分に浸れる超かっこいい器を購入し、調味料・具材諸々は近所のスーパーに買い出しへ。

いやー、これがフリースタイル取材特有のライブ感がめちゃんこ出ていい感じだった。香川=うどん県のルーツとなるような意外な豆知識の洪水に感性ビチャビチャ……

 

まさか香川県のうどんが、香川の小麦を使っていないなんて

 

こちらは柿次郎の気分次第で記事が出来上がる予定!

 

高松で2日連続食べ尽くした「しるの店 おふくろ」

ほかにも取材ウラ話として、高松の商店街にある名店居酒屋「しるの店 おふくろ」を紹介しておきたい。

味噌汁専門店の冠を背負っているが、実態は……料理がどれも超美味くて腹いっぱい食べても一人3000円でおさまる素晴らしき居酒屋だった。

 

気に入りすぎて2日連続ここで打ち上げ。男たちの飲みが盛り上がったのは言うまでもなく、この店のためだけに高松へ足を運びたくなるほどのパワーと旨味に満ちていた。

マジで「しる」最高だよ。あと炊きたての「こめ」も犯罪級だったよ。また行きたいな。

 

 

写真:藤原慶(Instagram


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