こんにちは。ライターのむらやまあきです。
ここ数年はずっとボブ〜ショートヘアなので、アレンジがあまりきかないぶん、ブリーチをしたり、髪色を変えたり、パーマをかけたりしてきました。
となると日頃のヘアケアが大事になってくるのですが、ドラッグストアに行くといつも思うのです……
ヘアケア商品の種類多すぎません?
そもそもの話、コンディショナーだの、トリートメントだの、ヘアマスクだの、ぶっちゃけ何が違うのかわからないから、いつも雰囲気で選んでしまっている状況。
実際、リンスの用途とかトリートメントを使う頻度でとか、正確に把握してる人なんているの!?
ということで今回は花王ヘアケア研究所さんに、今更聞けないヘアケアアイテムの疑問について伺いました!
ぶっちゃけ違いって何? 種類が多すぎるヘアケア用品の謎
「こんにちは、花王ヘアケア研究所の杉野です」
「よろしくお願いします! さっそくですが、めちゃくちゃ初歩的な質問してもいいですか……」
「どうぞ!」
「リンスとコンディショナーとトリートメントの違いって何ですか?」
「その疑問を持っている方、多いですよね。実はリンスとコンディショナーは同じものなんです」
「まさかの同じもの!? じゃあなんで呼び名がふたつあるんですか!?」
「ですよね(笑)。リンスは日本独自の製品名ですが、最近は徐々にコンディショナーに統合されてきています」
「日本独自の言葉だったんですね。ズボンとパンツは同じものだけど、最近はパンツに統一されつつあるのと近いかも……。ではこの記事では、リンスとコンディショナーをひっくるめて『コンディショナー』と表記しますね」
「コンディショナーは、髪の表面をなめらかにして指通りを良くし、絡まりをなくす目的で生まれました。それによって毛流れ(キメ)を整えやすく、かつまとまりを良くして、パサつきを抑える助けになります。また、髪の傷みの進行を抑えられるのもポイントです」
「あれ? でもトリートメントもそういう効果がある認識でした」
「トリートメントは髪の内部に成分を浸透させて、傷みをケア・補修したり、髪をしなやかにしたり、くせを緩和して揃えやすくしたりする目的で生まれたんです」
「表面と内部の違いだったんだ!」
「同じブランドで両方ラインアップしている場合は、コンディショナーよりもトリートメントの方が補修・保護機能の効果が高く設定されていることがほとんどです。最近では、トリートメントとコンディショナー両方の機能を持ち合わせている製品もありますね」
「そうなの!?」
「ヘアケア商品といえば、他にもヘアパックやヘアマスクもありますが……あれはどういう立ち位置なんですか?」
「ヘアパックやヘアマスクも、トリートメントの一種です」
「えええ。それなら別の言葉を生み出さずに、『トリートメント』で統一してくれたらわかりやすいのに……」
「うーん、でもヘアパックやヘアマスクは、トリートメントの中でもより高い効果を目指した剤型や使い方で、差別化していることを知ってほしいという目的で名づけられているんですよ。これらも同じブランド内のトリートメントに対して、より効果が高く設定されていることがほとんどです」
「なるほど……。では、トリートメントといえば『洗い流さないタイプ』をたまに見かけますが、洗い流すタイプとどう違うんですか?」
「まず洗い流すトリートメントは、すすぐことによって髪全体にまんべんなく行き渡らせることができます。一方で洗い流さないトリートメントは、乾かす~乾燥後に、なめらかさが足りなかったり、指通りが良くなかったりする場合に使うことをおすすめしています。そうすることで、乾燥時に毛流れ(キメ)を揃えやすく長持ちさせることができます」
「乾かすときや仕上がり後に、すーっと指が通らないときに使うのがいいんですね」
「ちなみにヘアオイルも、洗い流さないトリートメントと同じ分類で、乾燥時~仕上がり後もなめらかさや指通りの良さを重要視する方が多いので、好まれていますね」
「オイルは洗い流さないトリートメントと同じ分類だったのか……ここまで、コンディショナー(リンス)、トリートメント、ヘアパック(ヘアマスク)と色んな名称が出てきましたが、それぞれどういったタイミングで使うのが効果的ですか?」
「普段はコンディショナーを使い、乾燥時~仕上がり後のなめらかさや指通りが改善しないと感じる場合には、代わりにトリートメントを使うのが一般的。特に傷みが気になるとき用に、ヘアパックなどのトリートメント類や指通り良く洗えるシャンプーを用意しておくのもおすすめです」
「そしてお風呂上がりの乾燥した髪の具合を見て、洗い流さないトリートメントやヘアオイルをプラスしたらいいということですね、なるほど! 理解しました!」
※こんな感じ?(同じブランド内で揃える場合)
ヘアケアにまつわる素朴な疑問を聞いてみた。
せっかくなので、ここからは「今さら聞けないヘアケアの疑問」をすべてぶつけてみました。
シャンプーに女性用 or 男性用ってあるの?
「シャンプーって、CMも基本的に女性が出演しているイメージがあって。たまに『for MEN』みたいなシャンプーも見かけるのですが……男性の場合はやっぱり男性用シャンプーを使ったほうがいいんですか?」
「20〜30代の男性は、女性より髪が短く、頭皮のベタつきやかゆみ、ニオイの原因の元となる皮脂や汗の分泌が多い傾向です。さらに、ワックスなどのスタイリング剤を多量に使っている方も多いので、男性用は洗い上がりがすっきりするように開発されています」
「ということは、↑この傾向が当てはまらなければ『男性だからfor MENを使わなきゃいけない』ってわけじゃないんですね」
「そうですね。男性でも髪が長めの方でしたら、コンディショナーやトリートメントを使って指通りを良くしておきましょう。髪が短めの方には、ハリ・コシやボリューム感を出しやすくする製品もおすすめですよ」
香りが混ざったら変な匂いにならない?
「たとえばシャンプーはフローラルな香りだけどトリートメントは柑橘系の香りの場合、混ざって変な香りになりませんか?」
「正直、異なるブランドの商品の場合、組み合わせによっては変な香りになってしまうことはないとは言い切れないですね……。ですが同じブランドであれば、香りを揃えられますし、違う香りでも相性の良い組み合わせを用意しているので安心してください」
「とりあえず、同じブランドで揃えた方が香りのリスクは少ないと。でもそう考えたらボディシャンプーの香りとか洗顔料の香りも統一したほうがいいのかな……とか考え始めたらストレスがすごいです」
「普通に販売されているものの組み合わせなら、そこまで極端に変な香りにはならないから大丈夫ですよ(笑)」
「敏感肌用」って実際どうなの?
「敏感肌用のシャンプーが気になっているのですが、そもそも敏感肌用って、それ以外のものと何が違うんですか?」
「敏感肌用の製品は、香料や着色料を使用しない、皮膚や粘膜に対して刺激の少ない成分を用いるなどしています。赤み・かゆみなどの炎症を起こしやすい人を想定して、抗炎症剤を配合している製品もあります」
「なるほど。肌にやさしいのは魅力的なのですが、マイルドなぶんきちんと汚れを落とせるのか不安です」
「肌への刺激が少なく、洗浄力や泡立ちが良い洗浄成分もありますし、洗浄力や泡立ちを他の成分で補っている製品も出ているので安心してください!」
坊主頭の人って、トリートメントどうするの?
「すごく素朴な疑問なんですが、坊主頭など髪がかなり短い場合、トリートメントを使おうとすると頭皮を避けて使用するのは難しいのでは? その場合は、使わない方がいいのでしょうか?」
「坊主頭の方でも使っていただいて問題ありません! ただ、ヘアトリートメントは一般的には髪用の製品ですから、使う必要がありません。頭皮のフケや乾燥が気になる場合は、頭皮用のスカルプケアローションなどを使うことをおすすめします」
「それなら安心ですね!」
「むらやまさん、坊主頭にする予定があるんですか?」
「今のところないですが、将来的に突然世を捨てて、尼さんになりたくなるかもしれないので……」
花王がおすすめする最近の人気商品
「長年ヘアケア研究に力を入れている花王さんから見て、最近はどんなニーズが多いと感じていますか?」
「近年では、髪色をかなり明るくするブリーチやヘアカラー後の傷みに対応する製品や、容器・原料のサスティナビリティを考慮した取り組みが注目されていますね」
「おお、たしかに今っぽい。最近、花王さんで人気の商品ってどれですか?」
「乾かす時に毛流れ(髪のキメ)を揃えやすく、乾かしやすく設計した、『Essential THE BEAUTY』は人気があります。また、4月8日に新発売の『Essential THE BEAUTYバリアシリーズ』はダメージや、湿度や摩擦などの外部刺激が気になる方にも、ぜひお試しいただきたいです」
「あとは、1970年から続くロングセラー『メリット』も人気があります。頭皮ケアを重視した製品で、業界の中でも先駆けて“髪と地肌と同じ弱酸性”にしています。あと実は、あまり知られていないのですがシャンプーはノンシリコーンなんですよ。『頭皮ケアに関して信頼できる』、『頭皮も髪もすっきり洗える』といったお声をいただいています」
「『メリット』ってノンシリコーンシャンプーだったんですね……! 50年の歴史があるシリーズってすごい」
「さまざまな製品が出ていて迷うこともあると思いますが、まずは今のご自身の髪の悩みを見つめ直してみてください」
「それで言うと、わたしは以前ブリーチをしたせいか、毛先のパサつきとぼわっと広がってしまうのが気になっています」
「度重なるカラーやパーマで毛先が傷んでいて、他の部位より乾きやすく、パサつきやすい状態になった場合でも、シャンプー~乾燥時~仕上げた後まで指通り良く保つと毛流れが整えやすくなり、パサつきや傷みの進行を抑えられます。今使っている製品より、指通り良くなるものを探索して選ぶと良いと思います」
「なるほど。プロに相談に乗ってもらうの心強いなあ」
「花王では『くせ毛が気になる』や『ボリュームが出にくい』など様々な髪の悩みに着目して製品開発を行っています。シャンプー後しっかり乾かして、毛流れ(髪のキメ)を揃えたり、ボリュームやシルエットを整えることがくせ毛対策やボリューム対策になりますので、それらをアシストする機能を持つヘアケア製品を試していただけたらと思います!」
「疑問も解決したし、改めて自分の髪の悩みも認識できたので、いろいろ試してみようと思います。本日はありがとうございました!」
まとめ
長年のもやもやがすっきりした~~!
おかげで、ドラッグストアのヘアケアコーナーの棚を前にしても怯えず、無駄なお買い物をせずにすみそうです。皆さんもお買い物の際には、ぜひこの記事を思い出してくださいね!
(おしまい)