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Channel: イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」
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瞳を閉じて - まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド(3)

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漫画家・まんしゅうきつこが「お洒落な部屋に改造したい」「出来ればお金もかけたくない」という願望を叶えるべく立ち上がった。眠ってた家を蘇らせるために何をすればいいのだろうか。次々に立ちはだかるトラブルと人間の闇…。まんしゅうきつこ版ビフォーアフターみたいな連載がドアラジオからジモコロへお引越し!


<まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド・一覧>
第3話

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<まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド・一覧>

 

書いた人:まんしゅうきつこ

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埼玉県出身。日大芸術学部卒。漫画家、イラストレーター。2012年5月にHP「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」を開設。「アル中ワンダーランド」(扶桑社)、「まんしゅう家の憂鬱」(集英社)が絶賛発売中 Twitter ID→@kitsukomz 


醤油発祥の地!? 全国1位!? 奥深い「和歌山ラーメン」の文化を掘り起こしてきた

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こんにちは、ジモコロ編集長の柿次郎です。いきなり「カトちゃんケンちゃん」みたいな人間の縮尺ですみません。えー、読者の皆さまから見て右が僕で、左は前職である有限会社ノオトの代表取締役・宮脇さんです。

 

いま、我々は和歌山県に来てます。関西圏以外の人には「和歌山ってどこ?」と脳が小パニックを起こす可能性があるので地図を貼っておきますね。実際、大阪出身の僕ですら和歌山と奈良の位置がごっちゃになるときが…本当すみません。

 

宮脇さんは過去にジモコロのインタビュー記事にも登場していただいたんですが、ベテラン編集者として活躍する大先輩であり、僕が7年前に捨て身の上京をしたら「おう、柿次郎。うちの会社に来るか?」と武力18、知力7、魅力21ぐらいの状態で拾ってくれた大恩人でもあります。

いまジモコロをやれているのも宮脇さんの教育を受けたからこそ!

 

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さらにバーグハンバーグバーグの現同僚であり、前職・ノオトの同僚 兼 先輩でもある加藤亮も和歌山取材に同行しています。脳みそのシワが増えない程度にややこしいので一回、イラストで図解しますね。

 

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…という塩梅の関係性なんですが、「前職の師弟関係」といえばわかりやすいでしょうか。

ちなみにノオト→バーグハンバーグバーグの転職に関しては、元々親交のあった宮脇さんとシモダが三国志みたいなサシ飲みの席を設けて、男同士の話で円満に進めています。一回目はシモダが宮脇さんを酒で豪快で潰し、二回目は宮脇さんがシモダを酒でコテンパンにやり返したようです。武将か。

 

 

和歌山は「醤油発祥の地」だった

さて、ここでようやく本題。

 

和歌山出身、和歌山経済新聞編集長、和歌山と東京の二拠点生活を送る宮脇さんは“和歌山のプロ編集者”と言っても過言ではありません。さらにグルメ情報の王様「ラーメン」大好きおじさんでもあります。

そんな宮脇さんに連れられて…

 

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奥深い和歌山ラーメンの文化を掘り起こしていきます!

 

 

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まず訪れたのは、和歌山駅から車で約50分ほどの場所にある「湯浅醤油本店」(丸新本家株式会社)。

 

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「宮脇さん、今回は師弟関係で和歌山の魅力を掘り起こすツアーじゃないですか。なぜ、いきなり醤油蔵に?」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「バカヤロー! お前、何年編集者やってんだ!?」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「え、いきなり熱血漢…」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain湯浅は日本醤油発祥の地なんだよ!

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「えー!大阪出身だけど全然知りませんでした!」

f:id:kakijiro:20160602172020p:plain「つまり和歌山ラーメンを語る上で、醤油発祥の地が深く関わってくると?」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「加藤、お前は物分りがいいな。今回はディープな和歌山ラーメンの歴史を振り返りつつ、地元視点の和歌山観光情報を散りばめたツアーになる予定だから」

 

 

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湯浅醤油では醤油の製造工程が学べる見学スペースがあるので、醤油の基礎を学ぶにはもってこいのスポットです。醤油樽が想像以上にデカい。

 

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こちらは醤油の原材料。黒大豆を使うのは湯浅醤油の特徴です。

 

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日本人にとって身近すぎる醤油ですが、その製造工程を理解している人はあまりいないでしょう。説明するとキリがないので、この便利な図でご確認ください。めちゃくちゃ手間ひまと時間がかかることだけは頭に入れといてね!

 

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「なんとなく醤油の製造工程は理解したんですが、和歌山が醤油発祥の地ってどういうことですか?」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「1200年代に覚心(法灯国師)という中国帰りの偉いお坊さんが、和歌山の日高郡由良町に禅寺を開いたんだよ。その覚心が中国で学んだ『金山寺味噌(きんざんじみそ)』の醸造方法を和歌山に根づかせたのがそもそものきっかけらしい」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「金山寺味噌?」

 

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金山寺味噌。独特な風味で馴染みがないと好き嫌いが分かれる

 

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「なめ味噌って言われていて、調味料として使うのではなく、ご飯のおかずとして現在でも和歌山の食卓に並ぶポピュラーな味噌のことだね。先に味噌作りが普及したんだけど、その製造工程の流れで桶底と上澄みに赤褐色の液体が出ることに気づいて。職人さんが、ペロッと舐めてみたら『こりゃ、美味い!』となって湯浅の味噌屋が醤油の研究を始めたといわれている」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「へー! たまたま舐めた赤褐色の液体がきっかけだなんて。その液体が不味かったら醤油は生まれてないのかもしれませんね」

 

 

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f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「ちなみに湯浅は、江戸時代に徳川御三家紀州藩の保護を受けて醤油屋が栄えた背景がある。この時代は和歌山の漁師たちが千葉の房総半島へ移り住んだこともあって、『白浜』『勝浦』といった同じ地名があるんだよ。航路としての相性の良さもあって和歌山から東京(江戸)へ醤油が伝わっていったんだろうなぁ…。ロマンだなぁ…。なぁ、加藤…」

f:id:kakijiro:20160602172020p:plain「へい! 一応、諸説あるって言っときましょう!」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「そう。歴史に諸説ありだな」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「仲良いなこの二人」

 

 

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湯浅町は2006年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選ばれていて、味噌や醤油といった醸造業の建物が残っています。

 

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天保12年創業の醤油蔵「角長」は今も現役! 

 

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立ち寄ったら「濁り醤 匠」を買って帰りましょう。美味い醤油は料理を豊かにする。

 

 

お前たちの知らない「和歌山ラーメン」の世界

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f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「醤油発祥の話をしたことだし、本題の和歌山ラーメンを食べてみよう。柿次郎は食べたことあるの?」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「いえ、和歌山自体ほぼ初めてなんですよね。白浜に行ったことがあるぐらいで」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「大阪人は和歌山駅周辺を通りすぎて、そのまま白浜まで行っちゃうからな。今度通り過ぎたら末代まで恨むぞ」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「そんなに!?」

 

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宮脇さんおすすめの和歌山ラーメン屋は、和歌山駅近くの中心街にある「中華そば 味」。朝5時までやっているため、飲んだ後のシメにもぴったりだそうです。

 

中華そば 味 (あじ) - 和歌山/ラーメン [食べログ]

TEL:073-423-2646

住所:和歌山県和歌山市元寺町1丁目63

営業時間:11:00~翌5:00(年中無休)

 

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こちらが味の「中華そば」(550円)。いわゆる豚骨醤油系。早速、ズズッと麺とスープをいただきます。

 

 

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見た目よりも、全然しつこくなくて美味い! 

 

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「どうだ。美味いだろ」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「30歳過ぎてから脂っこいラーメンがしんどくなってきたんですけど、このラーメンは全然いけますね。麺は柔らかめ。スープは豚骨醤油の味がしっかりきいているのにアッサリしてるというか。麺の量も少なめで、胃弱の僕には最高です」

f:id:kakijiro:20160602172020p:plain「懐かしい中華そばに、とんこつの風味が良い塩梅でミックスされてますね。濃い味文化の名古屋人なんですけど、これはちょうどいい!」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「和歌山ラーメンは大きく分類すると豚骨ベースでマイルドなスープが特徴の『井出系(いでけい)』、醤油ベースで黒く透き通ったスープの『車庫前系(しゃこまえけい)』の二種類ある。ここはオーソドックスな井出系の和歌山ラーメン代表と言っていいだろうね」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「なるほど。独特のラーメン文化だなぁ。そういえば和歌山ラーメンって急にご当地ラーメンの代表的な謳われ方してますけど、きっかけはあるんですか?」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「うーん。TVチャンピオンでラーメン評論家の石神秀幸さんが井出系ラーメンを推したのがきっかけなんて言われてるけど…」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「けど?」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「個人的な意見だけど…引き金となったのは、1998年に起きた和歌山毒物カレー事件じゃないかと思ってる。林真須美被告の自宅周辺に記者が泊まり込みで張りついてただろ? あのタイミングで全国の記者が『和歌山のラーメンが美味い!』って騒ぎ始めたんじゃないかなと。それまで地元で親しまれていただけだからなぁ」

 

 

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f:id:kakijiro:20160602164618p:plainな…なんだってーーー!!でも、地方の文化が大きな事件やイベントきっかけで全国に知られた話はよく耳にするので、その説もありえますね」

f:id:kakijiro:20160602172020p:plain「あくまでひとつの説ですね」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「加藤の保身コメントがすごい」

 

 

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f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「さっきから気になってたんですけど…無造作に置かれてるコレはなんなんですか? ゆで卵の隣にあるのは…?」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「これは『早寿司(はやずし)』。塩で浅く発酵させた鯖寿司みたいなもんなんだけど、和歌山のラーメン屋にはほぼ必ず置いてあるんだよ」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「なんすかソレ。聞いたことなさすぎる」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「物心ついた頃からラーメン屋には必ず置いてあるんだよ。和歌山のソウルフードみたいなものかもな。ちなみに早寿司とゆで卵は自己申告制で後会計。県外に初めて出て、ラーメン屋に入ったら早寿司が置いてなくてパニックになったことを覚えてる」

 

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早寿司の中身。薄い鯖の切り身が棒状の飯に乗っている

 

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「おすすめの食べ方は…ラーメンとスープをすすった後に早寿司を口に放り込む!」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「お、たしかに。とんこつ醤油のスープと不思議と合いますね」

 

 

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f:id:kakijiro:20160602164626p:plainな?

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「和歌山ラーメン関連の情報が多すぎて戸惑ってます」

 

 

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和歌山取材初日は「醤油発祥の地」「和歌山ラーメンは美味い」「謎の早寿司文化」というキーワードを得て、宿泊先のゲストハウス「RICO」ヘ。和歌山駅から徒歩圏内の立地で1泊3000円〜。オススメです。

住所:和歌山県和歌山市新通5-6

TEL:073-488-6989

 

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朝ごはんのパン、コーヒーも美味い!

 

和歌山ラーメン×早寿司のルーツを探る

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翌日、我々は超人気ラーメン屋へ向かいました。

どうやら「食べログ 全国ラーメンランキング TOP100」で1位に君臨し、食べログ読者が投票形式で選ぶ「Japan Ramen Award 2016」でも2位にランクインする化け物みたいなラーメン屋「和 dining 清乃」が和歌山県有田市にあるようです。

市内から車で約30分程度かかる場所にも関わらず、連日混雑している超人気店。アクセスの悪い店舗って行くまでの過程で期待値が上がりますよね。いやー、楽しみだな。

 

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2016年6月1日時点の全国ラーメンランキング TOP100

 

脅威の4.31評価!

 

こんな高評価のラーメン食ったことねぇぇぇ〜!!

 

 

・・・

 

・・・

 

 

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気を取り直してお次はこちら! 宮脇さんが10代の頃から通っていたという車庫前系のラーメン屋「まるやま」。電話番号が7桁で覚えやすい!

 

まるやま中華そば 小松原本店 (まるやまちゅうかそば) - 築地橋/ラーメン [食べログ]

TEL:073-423-6071

住所:和歌山県和歌山市小松原6-1-14

営業時間:平日=11時~15時、17時〜翌1時30分、土・日・祝=11時〜翌1時30分(月曜定休)

 

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f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「ここにも早寿司が! 昨日食べた井出系のトロっとしたスープの『味』と違って、あっさり豚骨醤油って感じでこれはこれで美味いですね。醤油の風味が立っていて香ばしい。東京のラーメンの7割ぐらいのボリューム感でペロっと食えます」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「1960年創業、車庫前系の老舗ラーメン店だな。数十年通っているけど、変わらない味でたまらない。名物のおでんも美味い」

f:id:kakijiro:20160606185433p:plain「(ズズズッ)」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「車庫前系で言えば、ほかにも『丸宮』『丸木』『丸平』とか有名なお店があるな。元祖車庫前系ラーメンの『丸高』から丸の頭文字を取って派生したらしい」

f:id:kakijiro:20160602172020p:plain「店名が『まる○○』だったら車庫前系ってことですね。覚えやすい!」

 

 

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久しぶりに食べた「まるやま」のスープを啜ってこの顔

 

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「これだけ歴史のあるお店だったら、早寿司の起源も知っているはず!」

f:id:kakijiro:20160614122818p:plain「え、早寿司の由来? 改めて聞かれるとわからないね…。私が生まれた約50年前にはもう当たり前のようにあったから。疑問に思ったことがないね」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「え〜。老舗でもわからずの早寿司文化!」

 

 

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f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「いろいろ調べたんだけど、どこにも載ってないんだよな…。和歌山はサバが多く獲れる土地ではあるんだけど。冷蔵庫がない環境でもご飯モノを提供するために生まれたとか、客単価を100円上げるためにテーブル常時配置×自己申告制にしたとか、寿司屋と結託して生まれたとか、いろんな仮説は考えられる」

f:id:kakijiro:20160602172020p:plain「早寿司の元となった熟寿司(なれずし)は、紀南の方に文化として現在でも残ってるみたいですね。祭りで食べるとか。味は超独特みたいですが…」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「中には30年モノのトロットロの熟寿司もあるらしいぞ。お酢が生まれる前の発行文化として、世界のとある民族では誕生年に熟寿司を仕込んで、還暦のお祝いで食べるとかって話も聞いたことがある」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「熟寿司の奥深さも尋常ないですね。うーん、これは今回の取材で明らかにできなかったので探偵ナイトスクープに依頼しときます!

f:id:kakijiro:20160602172020p:plain「他人任せかい」

  

 

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理想を言えば、澤部探偵に来て欲しいです

 

 

和歌山のおすすめグルメスポット3連発! 

ここからは和歌山観光に役立つグルメスポットをご紹介します。とりあえずこのスポットをルートに入れると旅の満足度が上がること間違いナシ。

 

●和歌山のニュースポット「じゃんじゃん横丁」

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和歌山の若者が盛り上げているニュースポットが、島崎町2丁目の交差点近くにある「じゃんじゃん横丁」 。元々歓楽街だった横丁にレトロな佇まいを生かした飲食店が並んでいます。

 

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検索してもあまり情報が出てこないんですが、こだわりのコーヒーとスイーツを提供する喫茶店「珈琲もくれん」や洋菓子店「パテセリエ みょうらく」、他にも居酒屋やBAR、占い屋などなど、かなりおもしろい土地になっています。

 

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この独特の雰囲気が伝わりますか。詳しくは公式Facebookページで!

 

 

●超大盛しらす丼!新鮮ワカメのしゃぶしゃぶ! 「満幸商店」

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続いて和歌山に来たら必ず寄って欲しい飲食店がこちら! 海の幸を思う存分楽しめる超人気店「満幸商店」です。

 

満幸商店 - 築地橋/魚介料理・海鮮料理 [食べログ]

TEL:073-459-0328
住所:和歌山県和歌山市加太118 淡嶋神社境内
営業時間:9時〜17時(基本無休)

 

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今朝獲れたばかりの新鮮なワカメのしゃぶしゃぶ!

 

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ギガ盛りすぎるシラス丼!! なんだこれー!!

 

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ちなみにこのサイズで3〜4人前のダブル(1,980円)。かき氷みたいになっていますが、丼の中はご飯がぎっしり詰まっています。幸せが満ちる…!

 

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7〜8人前のトリプル(3,980円)は、ダブルサイズの3倍だそうです。産まれたての赤ちゃんぐらいの重量。大人数で行ったときはチャレンジしてみてください。

 

 

●和歌山駅近くで迷ったらココ! 魚介類の天国居酒屋「くろしお」

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もし和歌山駅周辺で「どこに飲みに行けばいいんだろう?」と悩んだときは「くろしお」へ。

 

くろしお - 和歌山市/魚介料理・海鮮料理 [食べログ]

TEL:073-423-0480
住所:和歌山県和歌山市杉ノ馬場1-42
営業時間:17:30~23:30

 

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和歌山の漁業は盛んで、生マグロの水揚げ日本一になったこともある那智勝浦があったり、春が旬のケンケン釣り鰹が超美味かったり、実は魚介類に自信あり! この日は太刀魚をいただきました。他にもイワシやキンメダイなど、紀南の海の幸は「くろしお」にお任せあれ。

 

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全国の良い日本酒や地酒など豊富に取り揃えているので酒飲みにはたまりません。

 

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2時間後…

酒が進むに連れて師弟関係の雰囲気になってきました。こうやって宮脇さんと長時間一緒に居たのはノオトを卒業してから初めてのことで。

 

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「こうやって宮脇さんとじっくり話す機会もなかったですね」

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「たしかに。ちょいちょい飲んではいるけどな」

f:id:kakijiro:20160602164618p:plain「実は今回、聞きたいことがあるんです。ノオトを卒業して5年経った今だからこそ、僕と加藤くんに何か言いたいことないですか?」 

f:id:kakijiro:20160602164626p:plain「うーん、特にないな! 好きにやったらいいんじゃないか?」

f:id:kakijiro:20160602172020p:plainf:id:kakijiro:20160602164618p:plainないんかい!

 

 

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というわけで今回の和歌山取材ツアーを通して、和歌山ラーメンの奥深すぎる文化を学びつつ、宮脇さんとの師弟関係を深めることができました。これぞジモコロが掲げる「公私混同」の見本と言ってもいいのではないでしょうか。

美味いモノを食って、一緒に酒を飲んで熱く語り合い、風呂で裸の付き合いをする。取材旅行とはいえ、旅で生まれた会話きっかけで次の出会いや仕事に繋がるものです。

公私混同の関係性だからこそ生まれるジモコロのスタイルで、今後もその土地の文化を掘り起こしていこうと思います。それでは!

 

※お知らせ

宮脇さんが運営する五反田のコワーキングスペース「CONTENZ」が7月1日(金)、分室としてスナックをオープンするそうです。どういうこと??

  

書いた人:徳谷 柿次郎

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ジモコロ編集長。大阪出身の33歳。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916

ジモコロのフリーマガジンを作ったら「紙の重み」を知りました

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みんな〜!!

1分だけ時間ちょうだい〜!!

 

 

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ドンッ!!

 

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ジモコロ初のフリーマガジンができました!

 

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これまでWEBメディアの運営をしてきたんですが、ローカルを取材する上で「インタ―ネットが当たり前」の価値観は一度捨てなければいけないなーと思う瞬間が多々あります。

 

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都心部中心にスマートフォンの普及は駆け足で進んでいますが、自然に恵まれた環境にいるとインターネットの存在はやや薄れるもの。農家や漁師など、手間ひまのかかる一次産業に従事している人はそもそもインターネットを触る時間がなかったりします。

一番身近なメディアは作業しながら聴けるラジオだったり、影響力の強いテレビだったり、手で触れる新聞だったり…既存媒体の地盤は健在なんですよね。

 

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というわけで「新聞サイズの捨てづらいフリーマガジン」をコンセプトにして、5月頭ぐらいから制作に着手しました。少数精鋭のチームでスピード重視。もちろんジモコロのクライアントであるイーアイデムさん公認です。

とりあえず、6月25日(土)にアイデム協賛のイベントが開催されるらしく、そこでの配布を目標としました。

 

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デザインは、ジモコロやバーグハンバーグバーグのロゴもお願いしたデザイナーの中屋辰平くん。しゃくれ骸骨貴族というあだ名で呼ばれているんですが、紙へのこだわりは人一倍あるようで信頼している仲間です。

注目して欲しいのは、銀色加工のビッグフットマーク。本物を手にとったら分かるんですが、4色刷りの上に絶妙な塩梅で銀がのってます。4色刷りの後、生乾きの状態でスッと銀を入れるといい感じになるとかなんとか。足を使って一次情報を探す…そんな意味が込められてるとかなんとか…フゴフゴ言ってました。

 

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しゃくれすぎて滑舌が悪いので気のせいかもしれません。

 

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ちなみに今回制作したのは8Pの簡易版。ジモコロの代表作を紙用に再編集し、自宅にパソコンがない勉三さんみたいな人でも楽しめる構成となっています。名刺代わり的なフリーマガジンですね。

ちなみに収録記事はこのあたりです。

 

最近、地上波のゴールデン番組にも登場した絶好調状態の風岡さん。6月24日(金)19時放送の「沸騰ワード10」にまたも登場するそうです。

 

こちらは連載二つを抱える売れっ子漫画家・カメントツのロボット×仕事の漫画! WEB用に作った漫画を紙に落とすという、逆説な構成となっています。

 

最後はジモコロの根幹にある「日本の奥深い文化を分かりやすく伝える」を実践した、島根県奥出雲のたたら製鉄文化。ライター根岸達朗の渾身の記事です。

 

 

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いやー、普段WEB用の記事ばかりを作っているので、仕上がりを見たときは「これが紙の喜び!そして重み!」と心踊りました。なんといってもサイズ感。スマホでササッと消費される世界に身を置いていると、その刹那的な体験に寂しさを覚える瞬間もあるんですが、紙の所有感は別世界の喜びがあるもんですね。

とりあえず親に送ろう。あと取材時に「こんなメディアをやっていて…」と理解促進ツールに役立てよう。用途は無限大。夢が広がります。

 

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この喜びを共有したくて、あくせく働いているバーグハンバーグバーグの同僚に読んでもらいました。

 

みんな!みんな!読んでみてよ!

 

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みんな満面の笑顔で「いいね!」と言ってくれました。

 

どこで手に入るの?

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実はとりあえず作ってみたものの、一切流通のことを考えていませんでした。

いざ届いたジモコロフリーマガジンを手にしてみたんですが、紙って重いんですよね。当たり前なんですけど。昔、新聞配達をしていた記憶が蘇りました。紙やばい。

 

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そこで思い出したのが神楽坂にある大好きな本屋『かもめブックス』さん。ギリギリ手で持てる約70部ほどのジモコロフリーマガジンを携えて、以前ジモコロの取材でもお世話になった店長の柳下さんに相談してきたのが、この記事を公開する7時間前の出来事です。行き当たりばったりすぎてすみません。

 


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f:id:eaidem:20160623164519p:plain「柳下さん、ジモコロのフリーマガジンを作ったんですけど…」

f:id:eaidem:20160623164528p:plain「お、いいね。このサイズ、レジに置けるかなぁ…」

f:id:eaidem:20160623164519p:plain「え!? 話が早すぎる!(何も言ってないのに…)」

f:id:eaidem:20160623164528p:plain「すぐ分かるよ。置きましょう!

 

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というわけで交渉は3秒で成立しました!

 

 

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ジモコロ初のフリーマガジンはとりあえず『かもめブックス』限定で無料配布決定!(数に限りがあります)。ここは訪れる度に平積みのラインナップが変わって、あれも欲しいこれも欲しい状態になる素敵すぎる本屋です。

 

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こだわりのコーヒーも激ウマなのでフラッと立ち寄った際に、レジで店員さんに「ジモコロのフリーマガジンください」とお伝えください。ついでに好きな本を見つけて買ってみてはいかがでしょうか。そういう関係性って素敵じゃないですか。

 

●かもめブックス

住所:東京都新宿区矢来町123 第一矢来ビル1階

東京メトロ東西線「神楽坂駅」徒歩0.5分

電話:03-5228-5490

営業時間:月曜日~土曜日 10:00 ~ 22:00、日曜日 11:00 ~ 20:00

 

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WEBはWEBで良い部分がたくさんありますが、紙の制作をしたことで学びもあるもので。手に取れる喜び、制作に関わる人数の多さ、印刷所の職人的なこだわり、そして流通の大変さなど、これが「紙の重み」なのかと視野が広がったように思います。ぜひ手に取ってこの感覚を少しでも理解してもらえると嬉しいです!

 

書いた人:徳谷 柿次郎

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ジモコロ編集長。大阪出身の33歳。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916

【完全攻略マンガ】究極のハンバーグ店「さわやか」への愛と肉汁を詰め込んでみた

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『岡崎に捧ぐ』『無慈悲な8bit』でお馴染みの漫画家・山本さほ。ジモコロ編集部から「なにを描いてもいいよ!」と言われたため、逆になにを書けばいいのかわからない感じで毎回思いつきで描いていきます。

 


 

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 飯テロ用30秒ver.(切り分けからオニオンソースじゅわ~まで)

 

 

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今回食べたのは「げんこつハンバーグランチ(250g)」。ソースはオニオンを選択。

 

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 ランチにはスープと、パンorライスがついてくる。パンのクオリティ高い~!

 

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こちらは「ハンバーグと焼き野菜カレーランチ」。ハンバーグやパンにつけて食べると最高です!

 

ジモコロ編集部おすすめ! さわやかを楽しむポイント

・土日は行列必至! 開店前に行って予約名簿に記入すると入りやすい

・ポイントは牛肉を冷凍せず、チルドにこだわった流通にあり!(静岡県限定の理由)

・旨味の秘訣は、備長炭の遠赤外線効果で表面を焼き上げる調理方法

・毎月期間限定の「げんこつおにぎりフェア」に行けばお得に食べられる(7月は7日〜13日開催)

・焼きカレーにげんこつハンバーグをつけて食べると旨味倍増!!

・パンもサラダもスープも全部美味い…全部美味い…

・御殿場周辺の観光情報と組み合わせて楽しむのが吉

 

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炭焼きレストランさわやか 御殿場インター店

住所:〒412-0026 静岡県御殿場市東田中984-1

電話番号:0550-82-8855

営業時間:11時~24時(ランチは月~土11:00~15:00 ※祝日除く)

HP:げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか

 

 

漫画描いた人:山本さほ

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マンガ家。幼なじみの「岡崎さん」とのちょっと特殊な友情を描いたマンガ『岡崎に捧ぐ』や、身のまわりの出来事を描いた『ひまつぶしまんが』がネット上で話題に。『ビッグコミックスペリオール』に連載中の『岡崎に捧ぐ』の単行本1〜2巻(小学館)が発売中。また『週刊ファミ通』にて『無慈悲な8bit』を連載中で、最近1巻が発売された。Twitter:@sahoobb

【漫画】熊本震災の「現場の声」を取材してきた話

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2泊3日の熊本取材を終えて

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f:id:eaidem:20160627185351p:plain「今回の取材を通して、熊本の人たちの強さとあたたかさに触れたね。まだまだ状況的に厳しいのに、取材側の僕たちへの配慮や気遣いがすごくて」

f:id:eaidem:20160627185403p:plain「本当そうですね。いつまでもクヨクヨしてられないし、一刻も早く普段通りの黒川温泉に戻すために何が必要なのか…考え抜いた人たちの顔でした」

f:id:eaidem:20160627185351p:plain「テレビや新聞に比べたら影響力がないけど、WEBメディアのジモコロがやれることってひとつしかないと思うんだ」

f:id:eaidem:20160627185403p:plain「なんだろ…」

f:id:eaidem:20160627185351p:plain「黒川温泉にライター、編集者とかメディア関係者を集めて、お金を落として、現地で感じたことを情報発信すること!」

f:id:eaidem:20160627185403p:plain「おお〜!いいですね! やりましょう!」

f:id:eaidem:20160627185351p:plain「実はもう100人集めて、7月2日〜3日に行くことが決まってるんだけどね」

f:id:eaidem:20160627185403p:plain「僕も参加します」

f:id:eaidem:20160627185351p:plain「もちろん別のタイミングで観光支援はできるはずで。ちょうど2016年7月1日から『九州ふっこう割』っていう観光支援のためのお得な旅行プラン助成制度も始まるし」

f:id:eaidem:20160627185403p:plain「ETC限定ですけど、定額料金で乗り降り自由・乗り放題にな割引プラン『九州観光周遊ドライブパス』も2016年7月15日〜2016年12月18日限定で実施されるみたいですね」

f:id:eaidem:20160627185351p:plain「うんうん。それぞれの役割で、やれる範囲のことをやればいいと思う。一番は熊本震災もそうだけど、東北大震災含めて情報を風化させないことだなーと」

f:id:eaidem:20160627185403p:plain「僕も微力ながらお手伝いします!」

 

 


というわけでジモコロは今回の助成制度は使わず、黒川温泉の観光協会、南小国町町長の全面バックアップの元、直接お金を落とす仕組みで熊本震災支援イベントをやりきろうと思います! 続報もお楽しみに!

 

 

漫画描いた人:カメントツ

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仮面を被った漫画家ライターゆえにカメントツ。オモコロでもマンガを描いているという噂がある。仮面凸ポータルから呼ばれればどんなときも予定があいてれば駆け付けるぞ。Twitterアカウント→@computerozi

【8コマ漫画】木下晋也 『特選!ポテン生活』 (03) - フリーダイヤル/心の叫び

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<ポテン生活|一覧>

 

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<ポテン生活|一覧>
前回

 

●「ポテン生活」とは?

ギャグ漫画界の新鋭・木下晋也が描く、の~んびりして、クスッとしてしまう8コママンガ。独特の中毒性から、10巻までの単行本は大きな話題になりました。ジモコロでは、そんな「ポテン生活」から、おもしろかった話を毎月2本、選り抜きでお届けしますよ!

 

 

★木下晋也先生の人気作「おやおやこども。」、待望の続編がスタートするそう。その名も「おやおやこどもこども。」――待望の第二子を授かったお父さんが、育児に奮闘します!

 

 

書いた人・木下晋也

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1980年大阪生まれ。2008年、『ポテン生活』で第23回MANGA OPEN大賞受賞。単行本『ポテン生活』全10巻、『もここー』全2巻、『おやおやこども』が好評発売中。Docomoエンタメウィークで『マコとマコト』連載中。木下晋也公式サイト、cakesでもいくつか作品を公開中です。趣味はプロレス観戦。Twitterアカウント→@kinositasinya

 

ジモコロは求人情報サイト「イーアイデム」の提供でお送りしています

日本初のマンガ学部! 京都精華大学の教授にリアルすぎる話を聞いてきた

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 こんにちは! ジモコロライターのギャラクシーです。ヘタなイラストを描きながら失礼します。

 

僕は学生の頃、マンガ家を目指してヤンマガやスピリッツに作品を投稿していました。結局一度も賞をもらうことはなく、今ではこうしてライターとして活動しているわけですが……。

そんな僕が人生の中でめちゃめちゃ気になってたことがあります。
それは2006年、京都精華大学に創設された、日本初(そして唯一)の「マンガ学部」!

 

あぁ、自分が若い頃にこんな大学があれば……! 今頃マンガ家になってアニメ化され、ファンの要望で半年後に劇場化され、さらに1年後には実写化し「それは違う」って炎上してたかもしれないのに!

 

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というわけで実際に「京都精華大学」に来てみました。

マンガ学部以外でも、スチャダラパーのBoseさん、くるりの岸田繁さん、養老 孟司さんといった高名な教授陣を擁することでも話題になってますね。

 

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ちなみに現在の学長は少女漫画の大家、竹宮惠子先生。僕には姉がいたので、「風と木の詩」や「地球へ…」といった作品はバイブルです。

 

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講義中のキャラクターデザインコースの教室に入れてもらいました。

 

この時の講師は村田蓮爾先生! 超絶に絵が上手いだけではなく、デジタル技術に精通する作家としても有名な方です。

村田先生は顔出しできないとのことなので写真には写ってませんが、学生の描いた絵に個別にアドバイスしてました。うらやましい~!

 

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おぉ、描いてる描いてる! 明日の人気作家たちが!

どれどれ、僕も仕事でイラストを描いたりする身分。学生たちにアドバイスしてあげようカナ?

 

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うっま

 

全員、僕の67倍はうまかったです。絵がうまくなる方法教えてくり~!

なお、この講義はアナログで描いてますが、デジタルの講義も勿論あります。ワコムの液晶ペンタブレット「Cintiq 22HD touch(販売価格278,640円)」が45台も導入されたというニュースに聞き憶えがある方も多いのでは。

 

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このあとも校内を色々見てまわったんですが、そちらは後々紹介することにして、そろそろ教員の方に話を伺ってみましょう。

 

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なぜなら校舎の内外に、学生が描いたのであろう奇抜な張り紙や看板が溢れかえっていて、頭痛がしてきたからです。

 

今回質問に答えて頂いたのは、こちらのお二人。

f:id:eaidem:20160624185129p:plain前半

マンガ学部 学部長・カートゥーンコース
姜 竣(カン ジュン)先生|著書「紙芝居と<不気味なもの>たちの近代」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain後半

マンガ学部・キャラクターデザインコース
すがやみつる先生|著書「ゲームセンターあらし」

 

まずは姜先生に、マンガ学部自体のことや、マンガで食べていけるのか? 就職先は? などのゴリゴリに現実的な話を聞いてみました! マンガ業界の裏話的なことも教えてくれたんで、マンガ家志望者は必読ですよ!

 

マンガ学部って何を教えてるの?

 

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最初に話を伺った、カートゥーンコースの教員・姜 竣(カン ジュン)先生。

 

姜 竣先生のプロフィール

東京外国語大学外国語学部。筑波大学大学院歴史・人類学研究科修了。文学博士(大阪大学)。専門は民俗学、文化人類学、表象文化論で、長年日本の紙芝居とマンガ史の調査研究に従事。近年はメディア論、ポップカルチャーの消費などについても研究。

  

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「はじめまして、カートゥーンコースの姜です」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「よろしくお願いします! 姜先生にはマンガ学部全体のことや、マンガ家ってほんとに食べていけるのか、また、卒業生の就職先についてなどをお聞きしたいと思ってます」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「すごい現実的なこと聞くなぁ……」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「まず、マンガ学部にはどういったコースがあるんですか?」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「ストーリーマンガコース、アニメーションコース、それからキャラクターデザインコースや、カートゥーンコースなどがあります。また、2017年からは新世代マンガコースというのも新たに新設されます」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「わ、結構種類が多いんですね。この選択で人生決まるって思ったら悩みすぎてパニックになりそう」

 

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f:id:eaidem:20160624185128p:plain「来年から新設されるという新世代マンガコースは、どういうものなんですか?」

f:id:eaidem:20160624185129p:plainWEBやデジタルに特化した新世代のマンガ家を育成するためのコースです。今って紙媒体のメディアからWEBへ移行する過渡期……まったく新しい時代なんですよ」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「そうですね。WEBとデジタルはこれからのマンガ家にとって、絶対に必要な技術になってきそうです」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「また、今まで『紙だから』という理由で作られていたやり方やルールがガラッと変わってしまう可能性がある。WEBならページの左右は関係ないし、縦方向にいくらでもコマを伸ばせる、みたいな」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain従来のルールから逸脱したマンガは確かに増えてますね。コマのひとつを動画にしたり、特定のページで音が鳴ったり」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「表現が多様になる一方で、自分一人でやらなきゃいけないことも増えてきます。一人で描いて一人で発信していく必要がある。技術だけでなく、プロデュースやマーケティングも含めて学んでいけるコースにしたいと思ってます」

 

|マンガ学部には様々なコースがある。しかも選択科目によっては、ストーリーマンガコースの学生がアニメについて学ぶといった、コースを越境した勉強をすることも可能なんだそう。ますます悩むなこりゃ……。

 

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◆大学情報その1
ヌードクロッキー中の教室には、どれほど頼み込んでも絶対に入れてくれない。「そういう意味ではなく」「仕事として」って何回も頼んだけどだめでした。

 

実際の話、デビューはできるの?

 

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さすがマンガ学部の教授……! 姜先生の部屋は、研究書や資料がビッシリと並んでいた。

 

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「マンガ学部と聞いて気になるのは、デビューできる学生は どれくらいいるのか、ということです」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「在学中に誌面デビューする学生は一握りですね。『担当がつく』というレベルなら、かなり多いですよ。ただ正直に言うと、担当がついたからといってデビューできるとは限りません」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「え、そうなんですか? 担当がつくというと、デビューまで秒読み状態って感じに思ってしまいますけど」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「とりあえずツバつけとこう、という感じで担当がつくこともあるので。しかも最近では一人の編集者が多数の新人を担当して、結果、全員に手が回らない……みたいな状態になることもあります」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「今は編集サイドも人手不足で手が回らないんですね。ちゃんとしたアドバイスをもらえたら、デビューできる確率もハネ上がるんでしょうけど」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「うちの学部なら、プロのマンガ家や編集者だった教授陣から毎日アドバイスをもらえますけどね」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「うわっ、めちゃめちゃうまく宣伝入れてくるじゃないですか。びっくりした!」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「いや、宣伝じゃなくて本当にそうなんですよ。実力ある教授陣が揃ってますから。それに大手出版社の方々を招いて学生の作品を見てもらったりなど、デビューへの足がかりはたくさん用意してます」

 

|担当がつくというのは、今はそこまで高いハードルではないそうです。そこからどう頑張れるか、振り向かせるか、というのが大事なんでしょうね。

 

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◆大学情報その2

卒業制作のレベルが高い。

こちらはストーリーマンガコースの卒業制作から、堂園 峻平さん「あの努力が実る日まで」。

なお、京都精華大学マンガ学部の卒業制作はこちらから閲覧できます。

 

 

世の中、実はマンガで食べている人は結構いる

 

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廊下には価値の高そうなサイン入りパネルがズラリ。

 

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「先ほど在学中にデビューするのは一握りとおっしゃってましたが、ということは、他の学生は卒業後どうするんですか?」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「コツコツと原稿を描きためて投稿・持ち込みを続け、マンガ家になる学生も多いです」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「でもマンガ家で食べていくって、相当難しいですよね?」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「“マンガ家”と聞くと、ジャンプやマガジンといったメジャー誌で連載を持って……という感じにイメージしてしまいますけど、実際には他にもマンガで食べていく方法はあるんですよ」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「確かに、マイナーな雑誌とか、成人コミックを描くという手段もありますけど」

 

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f:id:eaidem:20160624185129p:plain「他にも同人誌作家や、WEBマンガ家、あと我々が機能マンガと呼んでいるジャンルがあります」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「機能マンガ!? それは一体?」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「例えば広告の商品説明をマンガで行ったり、人物のドキュメンタリーをマンガ化したり、How Toものの本をマンガで構成したり、実用的なジャンルのマンガを機能マンガと呼んでいるんです」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「あぁ~! なるほど! そういえば、今の時代って広告とか参考書とか駅のポスターとか、ほんとそこら中にマンガが溢れてますね」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain機能マンガならすぐに仕事になるという状況です。こんな国は日本以外ではあり得ないでしょうね。実際、大学までスカウトに来る業者の方も多いんです。学生が悪条件で契約するといけないんで、必ず学校を通すように通達しています」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「確かにマンガや、マンガテイストなイラストの需要って結構高いですね」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「精華大学の教授だと、ゲームセンターあらしで有名なすがやみつる先生が、80年代前半に『こんにちはマイコン』というパソコン学習マンガを、自ら企画して持ち込み、大ヒットさせています。あれがまさに実用的なジャンルのマンガですね」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「なるほど~! 世の中には意外とマンガで食べているという人は多いんですね」

 

 

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◆大学情報その3

京都精華大学出身クリエイターの一部。

・タナカカツキ(マンガ家、映像作家|『コップのフチ子』)

・イダタツヒコ(マンガ家|月刊サンデーGX『美女で野獣』)

・ミウラタダヒロ(マンガ家|週刊少年ジャンプ『ゆらぎ荘の幽奈さん』)

・新川洋司(アートディレクター|コナミ『メタルギアソリッド』シリーズ)

・はまのゆか(イラストレーター|村上龍『13歳のハローワーク』イラスト)

・七月隆文(小説家|『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』)

・金城宗幸(マンガ原作|週刊少年マガジン『神さまの言うとおり弐』/ヤングマガジン『僕たちがやりました』)

 

ちなみにジモコロライターのマキゾウ社領エミなども京都精華大学出身です。

 

就職するという選択肢はあるの?

 

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f:id:eaidem:20160624185128p:plain「ほとんどの学生が『マンガ家になる』ことを夢見て入学すると思いますが、中には『就職したい』と考える人もいますよね?」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「そうですね。マンガを描き続けるにしても、とりあえず社会人として働きながら、という場合もありますから」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「聞きにくいことなんですけど――」

 

f:id:eaidem:20160624101032j:plain

「マンガばっか描いてて就職できるんですか?」

 

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「わははは(笑)。いやマンガ学部といっても、学部共通科目として様々な講義や演習があります。フランス語やドイツ語といった外国語、哲学、政治学……クリエイティブキャリア演習などはかなり就職に役立つと思いますよ」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「ちょっとその資料を拝見してもいいですか? わ~ほんとだ! 学部共通科目、めっちゃ種類あるじゃないですか! 数学、情報処理、民俗学、自然科学……まるで大学みたいですね」

 

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「大学ですよ!」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「じゃあ、就職先はどういうところがあるんでしょう」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「やはりクリエイティブ関連が多いですね。デザイン、ゲーム、アニメの制作会社などです。京都から東京までバスを出して、企業の皆さんの前で学生にプレゼンさせたりといった、直接的に就職に繋がるようなサポートも行ってます」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「心強いなぁ~! 一般的な職種の求人はあるんですか?」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「もちろん営業、販売、製造といった求人もあります。あと教育関連の求人も多いかな。就職するということに関してはすべての学生に行き渡るように用意しているつもりです」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「マンガ家になれなかった時のサポートも万全だと」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「ただ、僕もクリエイティブに関わる人間として、就職しろ! 就職しろ! といって押し付けるよりも、美大なんだから好きな道を行くのを応援したいという気持ちはありますけどね」

 

|ちなみに精華大学では指定された科目を取れば、資格を取得することもできるそう。

・高等学教諭一種免許状(美術)
・中学校教諭一種免許状(美術)
・図書館司書
・博物館学芸員

資格は取って損することはないので嬉しいですね!

 

 

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◆大学情報その4

精華大学は京都市と共同で『京都国際マンガミュージアム』という事業を行っています。博物館でもあり図書館でもあるこの施設、貴重な資料を閲覧したり、約5万冊のマンガ単行本が自由に読めたりします。

 

『ゲームセンターあらし』のすがやみつる先生を紹介してもらった!

 

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「続いては大学についてではなく、マンガの雑学や疑問に思ってたことなど、マンガそのものに対する質問をしてみたいと思います」

f:id:eaidem:20160624185129p:plain「う~ん、でも僕はマンガ家の経験がないからなぁ。そういう質問ならプロの先生に聞いた方がおもしろくなると思うよ。ちょうどさっき すがやみつる先生の話が出たから紹介しますよ。メールしてみてください」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「え」

 

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すがやみつる先生のプロフィール

71年、石ノ森章太郎が主宰する石森プロに所属。独立後「ゲームセンターあらし」をコロコロコミックで連載、アニメ化されヒット。

 

 

というわけで、ここからは すがやみつる先生が、メールで質問に答えてくれました。僕は『ゲームセンターあらし』のドストライク世代なので、嬉しいと共にめちゃめちゃ緊張しました。

 

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f:id:eaidem:20160624185128p:plain「はじめまして!『ゲームセンターあらし』全巻持ってました。よろしくお願いします」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「ありがとうございます。マンガの雑学的なものを知りたいとか」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「そうなんです。例えばマンガ・アニメ業界で『最初に○○をしたのは☓☓先生』といった“パイオニア情報”なんかを知っていたら教えて頂きたいなと」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「ああ~、なるほどそういうことね」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「音がないことを擬音で表現する『し~ん』は手塚治虫先生が初めてマンガに採用した、バイクのテールランプが残像として尾を引くのは大友克洋先生が最初にやった、みたいな」

 

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参考:Google画像検索 AKIRA 大友克洋 バイクのテールランプ

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「スクリーントーンを最初に使ったのは永田竹丸先生、スクリーントーンの“削り”を最初に始めたのは園田光慶先生、とかそういうことですね?」

永田竹丸=代表作「おにいちゃん」。藤子不二雄のチーフアシスタントとしても有名
園田光慶=代表作「あかつき戦闘隊」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「まさしくそういうことです!」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「驚いた時の“ガーン!”は、『巨人の星』で川崎のぼる先生が使ったことで有名になりました……が、実は貸本劇画などでは、さいとう・たかを先生を筆頭に、普通に使われていた擬音なんですよ。知ってました?」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「へー! 川崎のぼる先生って一時期さいとう・たかを先生のアシでしたよね。それでなのかなぁ」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「ちなみに貸本劇画では“ガーン!”とカタカナで表記されていましたが、『巨人の星』では“がーん!”とひらがなで書かれていました」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「細かい(笑)。それってそんなに重要な問題なんですか?」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「当時の講談社の統一規則で、擬音を使う時は――

・擬声語(ワンワン、ガチャンなど、耳に聞こえる擬音)=カタカナ
・擬態語(めらめら、ぎらぎらなど、耳に聞こえない擬音)=ひらがな
で書く、と決められていたんです」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「うわ、そんな決まりがあったんだ! 他にもそういう決まりってあったんですか?」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「セリフで『‥』『…』といったリーダーを使用する時、他の出版社は『…』(三点リーダー)ですが、講談社は『‥』(二点リーダー)と決まっていました。最近は三点リーダーも増えてますけど」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「え! 気づかなかった! ちょっと調べてみていいですか?……ほんとだ!! たしかにワンピース(集英社)や名探偵コナン(小学館)は『…』だけど、はじめの一歩(講談社)は『‥』だ!」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「出版社別の特徴でいうと、昔も今も、セリフに句読点(、。)を使っているのは小学館だけ、とか色々ありますよ」

 

絵を見れば「女性作家」とわかる? 見分け方は……

 

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「プロとして見る、絵がうまいマンガ家というと誰でしょうか?」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「私が画力が高いと思うのは、一ノ関圭先生と井上雄彦先生です。お二方とももはや画家であり、あのデッサン力には敬服しています」

 

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※一ノ関圭=代表作「らんぷの下」など

参考:Google画像検索 一ノ関圭

 

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※井上雄彦=代表作「SLAM DUNK」「バガボンド」

参考:Google画像検索 井上雄彦 バガボンド

 

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「ただ、マンガ家を目指している人に言いたいのは、『絵のうまい、へた』を判断基準にしている学生は、アシスタントにはなれてもマンガ家にはなれません。マンガの基準はおもしろさだからです」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「なるほど。一ノ関圭先生といえば女性作家ですよね? 最近では荒川弘先生(鋼の錬金術師)や林田球先生(ドロヘドロ)のように、男性が描きそうな絵柄なのに『実は女性』という作家がいます。絵だけ見て『あ、女性が描いてるな』ってわかるものですか?」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「それは難しいかもしれないですね」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「個人的には“女性の描くマンガにはタートルネックを着ている人が多い”というイメージがあるんですが」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「タートルネックはわかりませんけど、高橋留美子先生(うる星やつら)が少年サンデーに登場した時、『女性の絵だな』と強く感じました」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「そうなんですか? 当時の少女漫画の絵柄からいうと、『うる星やつら』もかなり男性っぽい絵だと思いますが」

 

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参考:Google画像検索 1981年の少女漫画の絵柄(うる星やつらは1981年連載開始)

 

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参考:Google画像検索 1981年の少年漫画の絵柄。

 

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参考:Google画像検索 高橋留美子先生の絵柄。すでに完成され過ぎ……!

 

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「高橋留美子先生の絵は、顔の輪郭などが途切れて、線がつながってないという特徴があって、ラフに見えたんです。当時の少年漫画は『きちんと』描くのが一般的だったんで。今は男性がラフな絵を描くことも多いですが、もともと少女漫画に多かった技法なんですよ」

 

マンガの素朴な疑問

 

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「マンガやアニメは『においがわからない』という特性がありますよね。最近ふと思ったんですけど、それに甘えすぎてる作品が多いんじゃないかと」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「どういうこと?」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「例えば『もののけ姫』のサンはお風呂に入ってないだろうから、ものすごい体臭のハズなのに、よくアシタカと抱き合ったりしたなと」

 

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アシタカは「くっせwwwww」と思っていたのだろうか……。

参考:Google画像検索 サンとアシタカ

 

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「なるほど。まあ、マンガやアニメであまり現実的にしちゃうと、夢がなくなっちゃいますから」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「そりゃそうですけど……」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「『ゲームセンターあらし』もあまり現実的とは言えないマンガでしたし。マンガっておもしろさを追求するものですよ」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「でもある程度のリアリティって必要じゃないですか? 例えばファンタジー漫画で冒険している勇者たちってどう考えても軽装すぎですよね」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「それは……そうかもしれませんね」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「旅をナメてるとしか思えない。テント泊にも対応できるよう、最低でも容量60リットル以上のリュックを装備すべきではないでしょうか」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「いやだからね、マンガですから」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「あとアクションマンガの主人公って左肩ばっかり撃たれすぎじゃないかとか」

f:id:eaidem:20160624185130p:plainまあ、マンガだから

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「あばら骨が折れたり、目尻のあたりを『ビッ』とかいって剣先がかすめ過ぎだし」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「マンガだからね」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「出っ歯でレバーを操作してゲームしたり、カラダから炎が出たり……」

 

 

 

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「マンガだからー!」

 

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「もう一度言いますけど、マンガの一番のキモは“おもしろさ”です。今、マンガ家を志してる人もおもしろさを念頭に置いて、自由にのびのび描いてほしいですね」

f:id:eaidem:20160624185128p:plain「わかりました。僕も一度は諦めたマンガ家への夢がふつふつと燃え上がってきました。今日はありがとうございました!」

f:id:eaidem:20160624185130p:plain「ありがとうございました。描きあがったら見せてくださいね」

 

 

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というわけで、今回は京都精華大学の姜 竣先生と、すがやみつる先生、お二人にお話を聞くことができました。

精華大学では他にも

田中圭一先生(「ドクター秩父山」他)

板橋しゅうほう先生(「ペイルココーン 蒼ざめた繭」他)

さそうあきら先生(「神童」他)

おおひなたごう先生(「俺に血まなこ」他)

など、錚々たる講師陣が講義しています。さらに客員講師として、東村アキコ先生、森本晃司先生、山田章博先生なども! 豪華すぎる~!

 

マンガ家を目指すみなさん、公式サイトで学部やコース、さらに卒業生の就職先などがチェックできるので、まずは確認してみてはいかが?

 

www.kyoto-seika.ac.jp

 

 

ライター:ギャラクシー

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株式会社バーグハンバーグバーグ所属。よく歩く。走るし、電車に乗ることもある。Twitter:@niconicogalaxy

リアルすぎる市民の「小さな町おこし」に密着してきた

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前回までのあらすじ

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愛知県熱田区、神宮前商店街。ここは日本有数の熱田神宮のお膝元でありながら信じられない程のシャッター商店街である。

 

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約1年前その商店街に「ご連絡をお願い致します」と書かれた明らかに不審な張り紙を発見し、連絡をしてみたところから僕はこの商店街に接近する事となった。

 

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怪しい貼り紙の主は、一人で商店街復活の為に試行錯誤する女性、aigasaさん。それは「何とかしたい」の一心で商店街の空き店舗を借りたものの何をすべきか迷い、広く意見を求める捨て身の貼り紙だった。

そんなaigasaさんを通じて知ったのは商店街の悲しい現状。

 

 

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だけどもはや死に体かと思われた神宮前には魅力的な一面があり、僕は徐々に惹かれ始め何か手伝いたいと思うようになった。

 

 

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aigasaさんが作ったオリジナルキャラクター「あつたSUN」はちゃんとしたヤツにしてプレゼント。あつたSUNのツイッターアカウントを通じて、記事を読んだ方からの意見を広く募集することにした。

こうして僕は、この見ず知らずの商店街の小さな町おこしを応援してみようと思うようになったのである。

 

※詳しくはこちら

 

神宮前には新しいお店が出来ていた

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あれから1年が経ち神宮前商店街にも小さな変化があった。新しいお店が出来ていたのだ。まずはそんなお店を紹介してみよう。

 

●喫茶ユキ

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喫茶ユキは、70年前からこの地にある神宮前の老舗喫茶店。2代目の引退の後2年間お店は閉まっていたが、今年の4月に跡を継いだ3代目によりリニューアルオープンを果たした。

神宮前に老舗が復活したのである。

 

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このお店を継いだのは3代目の藤本さん夫婦。

ヒルトン名古屋の厨房で15年働いた後、同じくヒルトンで働いていた奥さんと共に独立し、喫茶ユキに戻ってきたのだそう。

  

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家族連れも遠慮なく入ってください、という店内には広いテーブルもある

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「商店街は昔と変わりましたか? シャッターが多い気がしますが」

f:id:eaidem:20160615163046p:plain「シャッターは仕方ないですね。ここは商店街であり商店街の人々が暮らす街でもある。家として改装してしまった人もいますし」

f:id:eaidem:20160615163112p:plain「昔は市電も走って賑やかだったんですけどね。道沿いには屋台も出てたけど今は規制が掛かってしまったり、駐輪場になってしまったり」

   

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f:id:eaidem:20160615163033p:plain「そもそもこちらには戻っていらっしゃる予定だったのですか?」

f:id:eaidem:20160615163046p:plain「そうです。お店を継ぐ予定でした」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「先代からの『ユキ』を継ぐということですよね」

f:id:eaidem:20160615163112p:plain「お店の名前は変えようかなと思ったこともあるけど、地元の常連さんの間では『ユキにいるよ』で待ち合わせするぐらい定着した名前なのでそのままにしました」

 

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新旧の「ユキ」が並ぶ素敵な光景。オリジナル看板は老舗の証だ。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「ただその、2年間のブランクがあると常連さんも減ってしまったのでは?」

f:id:eaidem:20160615163112p:plain「いなくなってしまった常連の方はいますが、また戻ってくる人もちゃんといます。場所柄、1年に1回参拝のときにだけこの商店街にやってくる人も多いんですが、そういう人が気づいてくれたりね」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「昔の雰囲気を知らない僕ですが、店内はとても綺麗で静かで、居心地が良いです。縦長だから隣にテーブルが無くて個室みたいな感じ」

 

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f:id:eaidem:20160615163033p:plain「あと、鉄板ナポリタンもいただきましたがとても美味しかったです!」

f:id:eaidem:20160615163112p:plain「鉄板ナポリタン、オススメメニューですよ」 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「お食事にも力を入れられているのが伝わります。喫茶店激戦区の名古屋だから、長く続いているお店はどこも美味しいですね」

  

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ブレンドコーヒーは松屋ブレンド。パンは本間パン。ズゴックはシャア専用。どれも名古屋の喫茶店御用達のブランドだ。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「店内のリフォーム以外に、何か昔と変わったことはありますか」

f:id:eaidem:20160615163112p:plain「基本的には以前からずっと変わりません。ただ、ブレンドコーヒーは先々代の味とは少し変えていますよ。でもアイスコーヒーは同じ」  

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「変わるものと変えないものがあるんですね。またここから新しい喫茶ユキの歴史が始まるんだなぁ…」 

 

 

●神宮串かつ 

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残念ながら潰れてしまったたこ焼き屋の跡に、新しく飲食店が出来ていた。

串カツ&立ち飲みで商店街を彩るのは「神宮串カツ」。先代から引き継いだ喫茶ユキとは事情が異なり、新たにこの場所にやってきた人である。

オーナーさん(顔出しNG)、店長さんにこの場所でお店を開いた背景を聞いてみた。

 

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f:id:eaidem:20160615163033p:plain「ここにお店を出した背景は何ですか。正直かなり寂れてますよね。儲かりますか」

f:id:eaidem:20160615163631p:plain地元だからですよ。でも全然儲からないんで地元じゃなかったらこんなところでやってないですね。友達と飲んでて地元に一つ店舗が空いていることを知ったんで、その場の勢いでやる!って感じで。ほんとに勢いで」

 

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開店準備の大半は自前で。掃除に一番手間が掛かったそうだ。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「先立つものが無いとなかなかお店やるって事には踏み切れませんよね」

f:id:eaidem:20160615163631p:plain「ガス工事、看板以外は自分たちでやりましたよ。1ヶ月以上掛かったけど準備も楽しかったかな」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「かなり苦労されたんですね。それでも地元がいいってことですね」

 

 

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オーナーさんと店長は地元の知り合い。オーナーの「店長はめっちゃいい人」という言葉通り、店長は人の良さの権化の様な方だ。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「店長は商店街が寂しいことについてはどう思いますか」

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「元気になって欲しいですよ。人通りは意外と多いんですけど、商店街がこの感じなんで本当にここは通過するだけ。だからウチはお店やってるんだっていうのをアピールしていきたいですねえ」

f:id:eaidem:20160615163631p:plain「JRと私鉄に挟まれて場所柄恵まれているって言うけど、JRを使う人は遠くから来る人。私鉄は割と近隣の人。それぞれが全く別の人を乗せて来て、目的も違うからね」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「JRの人は熱田神宮へ直行するから商店街を通らない。私鉄の人は商店街通過するだけって感じですか」 

f:id:eaidem:20160615163631p:plain「私鉄の人も減ったかなあ。最近商店街の私鉄側の入り口にあったエッチなお店が閉店したのがかなり痛い(笑)あれでまた大分人減ったんじゃないかな」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「この商店街はエッチなお店に依存していたんだ・・・!」

 

   

aigasaさん再び登場

同じ日にもう一人会っておきたい人がいた。あの貼り紙によりその存在を知られることとなったaigasaさんである。

僕の元にも前回の記事リリース後に結構な数の連絡が来た。どれも具体的な案はまだないが「応援したい」というものばかり。

ではそんなaigasaさんは今、何をやっているのだろうか。

  

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aigasaさん、お元気そうでなにより

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「ご無沙汰しております。約1年ぶりですが、運営されていた『こころcafe』どうなりました?」

f:id:eaidem:20160615164154p:plain手放しました

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「手放したんスかー!」

 

 

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/disco-ninja/20150725/20150725065502.jpg

あの「こころcafe」は、もう手放したそうだ

 

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「はい…。別の方がオーナーの新しいお店がオープンします。この前の記事のことは知らない方ですよ」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「ビックリ」

 

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「こころcafe」においてあった謎のテントももう無い

 

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「私一人、お店で無理して粘らず、もっと広い目線で商店街の活性化を考えたいなぁと」  

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「そうですかー。何か寂しいような」

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「今回分かりましたがお店の場所としてはこの辺はとても良いみたいです。物件が出るとすぐに3、4人から問い合わせあったそうです。ちょっと安心しました」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「この辺に新しいお店が出来ないのは、やはり不動産に物件が出てこないことがひとつの背景なんですね」

 

f:id:disco-ninja:20160524225533j:plain

この二年間で店舗運営にウン十万使ったaigasaさん。いざとなったら首もとの宝石を売ればいいですよ、とアドバイスした。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「記事の後の反響はどうでしたか?」

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「私への問い合わせは7、8件ですかね。メールだけの人、電話してきた人、会ったのは3人です。本屋さん、雑貨屋さん、私が思いつかない色んなアイディアを寄せてくれましたよ。楽しかった」 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「知人の方の反応は何かありました?」

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「『なにやってるの』と冷ややかでしたね(笑)」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「(俺はこれからも絶対に顔を出さないでおこう)」

 

f:id:disco-ninja:20160524235636j:plain

「こころcafe」は別の方の手に渡り、5月17日に新しいカフェとしてオープンした。オープン初日にお邪魔したが、初日とあってかお店は大盛況。小奇麗な店内にはあの時の面影はない。

 

f:id:disco-ninja:20160524235912j:plain

aigasaさんが情熱だけで始めた不気味な秘密基地はいつしか本物のカフェへと生まれ変わった。

 

 

f:id:disco-ninja:20160524235710j:plain

不気味なステンドグラスは取り払われ、今はLEDが店内を明るく照らす。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「これで良かったんですかねぇ」 

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「良かったんだと思いますよ」

 

あつたSUNのその後

そしてもう一つ気になるのが、世間からはほとんど相手にされずに静かに消えて行くであろうと思われたあつたSUNだ。意外にも無骨なツイートの連発にも関わらずその後以外にもフォロワーは伸び、それなりに人気を博している。 なぜなんだ。

 

f:id:disco-ninja:20160528181334j:plain

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「唐突にプリクラかってくらいものすごくサイズの小さい画像を送って頂いたんですがコレは...」

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「これはあの記事の後に、商店街の若手の方が関係しているイベントに声を掛けてもらってなぜか『人生相談』をやったときの写真です」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「(なぜ人生相談なんだ)」

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「で、このイベントのフライヤーにあつたSUNが使われたんですよ」

 

f:id:disco-ninja:20160528181638j:plain

こちらがイベントのフライヤーだが…

 

f:id:disco-ninja:20160528181821j:plain

あつたSUNが確かにいる。真面目に商売されてるいろり屋さんマジですいません。

 

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「思った以上に人気じゃないですか!このキャラを使った町おこし何か進みました?」

 

やる気の無いツイートにもマッハでいいねが付くイージーモードのあつたSUN。やる気が無い割にはフォロワーは700人を超える。真面目にツイッターをやってる皆さんマジですいません。

 

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「好きに使ってくださいということで、パン屋さんに『あつたパン』を持ちかけようと思ったんですが、商店街で全く認知度がないのでどうしたものかと」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「そりゃ、Twitterの中で『サン、サン』言ってるだけだから...」

f:id:eaidem:20160615164154p:plain「商店街に新しいお店が出来始めたので、この機会に何とかあつたSUNを定着させたいですけどね」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「よおし、もうひと働きしてみますか」

 

あつたSUN、神宮前商店街公認キャラへの道

f:id:disco-ninja:20160528183814j:plain

という訳で、店長がとにかく良い人であることにつけこんでさっき取材したばかりの「神宮串カツ」に再訪、店長に頼んでみることに。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「店長、ちょっとお願いが…」 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「あれ、また来たの??」

 

f:id:disco-ninja:20160611161550j:plain

店長はお客さんに飲まされ若干出来上がっていたのか、言語はウェーイになり、ムーブがいささか激しい。

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「手前どもで勝手に作ったこの商店街の非公認キャラの『あつたSUN』というヤツがいまして、これを店内に飾るなどしてPRに使ってもらいたいのです。」

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「なんすかこのパチンコのキャラみたいな奴は」

f:id:eaidem:20160615163631p:plain「完全にパチスロに居そうなキャラだね」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「色々ご意見はおありかと思うのですがこれを何とかお店で使ってもらえないかなぁと…。本当に何でも良いんですけど」

f:id:eaidem:20160615163631p:plain「めちゃくちゃ地味なツラだよねえ。でもいいこと考えたからちょっと待っててよ」 

  

―5分後― 

 

f:id:disco-ninja:20160525000229j:plain

パチスロ、パチスロと言われながらもオーナーがその場でメニュー表を作成してくれた。

 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「あ、すごい」 

f:id:eaidem:20160615163631p:plain「こんな感じかな。まあ、いいんじゃないの。使ってあげるよ」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「おお、早速!神宮前商店街公認キャラの第一歩だ!ありがとうございます!」

 

 

f:id:disco-ninja:20160526002958j:plain

 

f:id:eaidem:20160615163631p:plain神宮前だから、神宮ってつけといたわ」 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「(一気に地方のお土産センター感が増したッ!)」

 

f:id:disco-ninja:20160612074425j:plain

商店街にあつたSUNがついに登場した!

 

だがまだ満足してはいけない。

これだけではまだまだパンチ力がない。キャラクターとコラボしたメニューが必要だ。そう、名物料理、名物メニューが!

  

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店長の酒が更に進み正しい判断が出来ないチャンスに一気に畳み掛ける!

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「店長、これはものすごい儲け話なんですが、あつたSUN串揚げみたいなの作るってのはどうですかね。キャラビジネスです。ほんとに簡単なやつで儲けます。アレの形どおりに揚げるだけで、ワーッてお客さんきますよ!」

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「うーん、え?あつたSUNを?いやそりゃ、アイディアと材料ポーンと持ってきてくれたらうちでザーッと揚げるのはそりゃやってあげるけど、アレの形そう簡単に出来んでしょう?」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「出来ますよ!!ちょっとだけお時間ください、これからバーッと考えて、必ず案と材料をダーッと持って来ますので!ガーッとアレを作りましょうよ!」

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「いやいやいやァ、やるんだったらガンガンやりましょうよぉ!ジャンジャン揚げますよォ!ヨシキタア!ヨシキタア!

 

擬音だらけの勢いだけの会話ながらもトントン拍子で話は進み、また、終盤の店長の異様なやる気に若干の怖さを感じつつ、僕は妻に相談した。

 

「あつたSUNっていうキャラを串揚げで作りたいのだけど」

「冷蔵庫に魚肉ソーセージとたまねぎがあるね」

「それでチャチャッとなんか考えてよ」

 

という様な淡白なやり取りをした数分後。

  

f:id:eaidem:20160615165715p:plain

こうしてものの5分であつたSUN串揚げのアイディアは完成したのであった。

 

―1週間後― 

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「店長、設計図を持ってきました。CADにしたかったんですが時間無くてラフ図ですいませんなんですが、構想1週間、色々考えた挙句、コスト、材料の入手性、その他諸々を色んな人に聞きました。これで何とかひとつあつたSUN串揚げをば!ひとつ!」

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「おやあ!いっやあ、これは天才あらわる!ヤバいっすね!よっしゃー、やってみましょう!」 

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「(怒られるかと思った)」 

 

f:id:disco-ninja:20160526003836j:plain

 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「あのう、魚肉ソーセージとタマネギには何か意味が?」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「魚肉の様にお手軽に買える庶民的な商店街を目指し、えっと、タマネギのようにすげえ、アノ、、栄養のある商店街にしたいという意味も込めてます」

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「・・・・へえ~?」

 

f:id:disco-ninja:20160526003942j:plain

あつたSUNを用いたオリジナルメニューが今誕生しようとしている。 

 

f:id:disco-ninja:20160526004043j:plain

商店街を活気付ける人気キャラ。そのオリジナルメニューがあればもっと認知されていくだろう。そしてその人気キャラと一緒にこの商店街がもっと知られていけば僕はとても嬉しい。

 

f:id:disco-ninja:20160526004140j:plain

それが今、目の前で揚げられようとしている。 

 

「出来ましたーーーーー!!!!」

 

 

f:id:disco-ninja:20160526004219j:plain

 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「ヨシャ!」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「店長。設計図のほう見ていただけましたかね。ちょっとフォルム面に異常アリなんですが。なんつーか、プレデターSUNになってるような気が…」

 

f:id:disco-ninja:20160526004300j:plain

 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「あーーー!ああ!いかーん!ごめんなさいごめんなさい!ちょっとよく見てなかった」

 

f:id:eaidem:20160615170835p:plain

 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「目がついてなかったわけですね!!」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「店長ォーーーー…!」

 

死ぬほどベタな展開が目の前で起こったがシコミでないことはどうか信じてもらいたい。

 

f:id:disco-ninja:20160526004539j:plain

酒が入った人間同士で作業すると意外と難しいあつたSUNのフォルム。だが試行錯誤の末にそれらしいものがようやく誕生した。

 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「これっすかね?」

f:id:eaidem:20160615163033p:plainうーん(もういいッ、これが今日の限界だッ・・・・)」

 

f:id:disco-ninja:20160526004619j:plain

いざ、揚げるサンッ!!

  

f:id:disco-ninja:20160526004653j:plain

揚がったサン!!!!

 

 

f:id:disco-ninja:20160526004741j:plain

出来たサン・・・。

  

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「(ベジータSUNじゃん)」

 

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しかし眺めていると段々愛着が沸いてくるから不思議である。店長の嬉しそうな笑顔を見ていると、もうこれで良いんじゃないのか。これがあつたSUN串揚げなんだ。そんな気持ちになってくるのである。

 

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「いやあこれかわいいなぁ、売れますかね?」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「売れますよ!」

f:id:eaidem:20160615163843p:plain「売れますかねえ!!!??」

f:id:eaidem:20160615163033p:plain「絶ッ対、売れますよッ!!!!」

 

f:id:eaidem:20160615170226p:plain

 

f:id:eaidem:20160615163033p:plainf:id:eaidem:20160615163843p:plain「夢があるなぁ〜!!」

 

 

f:id:disco-ninja:20160611162610j:plain

男たちの果てなき夢は続く…。

 

書いた人:zukkini

f:id:kakijiro:20150825163800j:plain

四流情報サイト「ハイエナズクラブ」で会長を名乗っています。長所、特技、趣味等は一切無く、ただ性格はとても明るいです。ブログ「ぼくののうみそ・x・」、twitterアカウント→@bokunonoumiso

 


自分の心の問題を解決したくて読んだ3冊の本

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自己啓発書はアルコールのように人を興奮させるだけだ。そう思った私は、人間心理について書かれた本を読み始めた。それで自分の問題が解決するんじゃないかと期待したのだった。結論から言うと、これらの読書は知的な面白さはあるが、自分の問題を解決する手助けにはならなかった。なので、書名をざっと並べるだけにしておく。

 

プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

投資の行動心理学

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)

奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 (ハヤカワ文庫NF)

 

『プロパガンダ』は、マスメディアが人間心理をどのように操ろうとするかについて。『影響力の武器』は、セールスのような場において、消費者の心理をいかに引っかけようとするかについて。どちらも様々な事例とともに紹介されている。

『投資の行動心理学』は、株式投資において人間の心理が陥りやすい間違いについて書かれている。『人間この信じやすきもの』や『奇妙な論理』では、人間が疑似科学やデマを信じこんでしまう心理が書かれている。

 

一般論の罠

このあたりの本はどれも面白かったんだが、「面白い」がちょっと強すぎた。面白いというのはどこか他人事だからであり、「知的なもの」として処理してしまえる弱みがある。「人間ってそうらしいよ」というふうに一般論として語れるならば、まだ弱い。語りかたに「自分」との距離があるからだ。

そういう意味で、上記の本はどれも、徹底的に自分に引きつけて読むという特殊なことをしないかぎり、「話のネタ」になってしまうと思う。一般論というのは現在の自分を保存・維持するためにあって、人は傷つきたくないとき、自分を変えたくないときに、一般論によって身を守る。そうすれば一時的に「自分」を無関係にしてしまえるからだ。

では、一般論にならないように、自分の問題を解決するために使えた本は何かというと、私の場合、以下の三冊が役に立った。

 

いやな気分よ、さようなら

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法

  • 作者:夏苅郁子,小池梨花,野村総一郎,David D. Burns,佐藤美奈子,林建郎,デビッド・D.バーンズ,山岡功一
  • 出版社/メーカー:星和書店
  • 発売日: 2004/04/27
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 36人 クリック: 321回
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かなり分厚い本だが、私がこの本から学んだのは「自動思考」という考え方に尽きる。連載第二回の後半で「血液が勝手に流れるのと同じように、思考も勝手に流れている」という話をちょろっと書いたが、そのことに気づくきっかけになったのがこの本だった。「考えすぎて苦しむタイプ」の人には、この本を読むことを強くすすめる。

人が思考によって苦しむ時、じつは自分で苦しみを増幅させている。「自動思考」の意味が実感されると、その苦しみの「出来レース」ぶりに笑いそうになるほどだ。最初のネガティブな思考は、何らかの刺激に反応して、フッと生まれる。それはどうすることもできない。しかし、思考の苦しみは、そうして生まれてきた思考に無自覚に飛びついてしまうことから起きる。

ネガティブな思考はパターン化されており、もはや「自分」とは無関係に起きている。だが、その思考に即座に同一化してしまうから、「自分が考えている」という思い込みが生まれる。実際のところ、人は勝手に展開するネガティブな思考に「巻き込まれている」のである。

この事実に気づいたとき、「自分が考えている」という状態から、「思考が勝手に展開しているのを自分が見ている」という状態に意識が切り替わる。「見る」というのは距離があるということで、「距離」が生まれることで、はじめてネガティブな思考の軌道も見える。すると、そこには飛躍があり、歪曲があると気づく。アホらしいものになり、そこで苦しみは消える。それは、他人の悩み事を聞かされたときに、「そりゃ考えすぎだよ」と笑ってしまう状態に似ている。

 

毒になる親

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

 

これは「親との関係から自分の問題を問いなおす」という本なんだが、私はもうすこし抽象化して、「濃密な人間関係が生み出す毒を、いかに中和するか」について書いていると読んだ。つまり、「毒になる親」だけでなく、「毒になる教師」や「毒になる親友」や「毒になる恋人」というふうに勝手に展開させていった。

特定の誰かと深く付き合うことは、問答無用で素晴らしいことのように思われがちなんだが、実際は多量の毒を含む。深い関係は必ず「こじれる」んだが、そこが見えにくいし、認めにくい。それは単なる「嫌いな相手」よりも、ずっとややこしく、根が深い。

この本を読んだことがきっかけで、私は親、教師、友人、恋人などの「記憶」を書き出してみた。その作業の過程で、自分の頭の中に、断片的な「言葉」や「表情」が残っていることに気がついた。親に言われた言葉や、友人の見せた表情が、強い感情とともに残っているのだ。「頭の中にほったらかされて腐臭を放っている記憶」と言ってもいい。それは「個々の記憶を、当時の不快な感情とともに、しっかりと細部まで思い出す」ことで排出された。

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者:アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー:大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
  • この商品を含むブログ (421件) を見る
 

この本は、読書の習慣が生まれてすぐの頃に読んで、「どうも他の自己啓発書とは感じがちがうぞ」と思った。他の本は、やたらと「元気出せよ!」「明るく行こうぜ!」と背中を叩いてくる感じだったんだが、この本は「人が苦しむ仕組み」を見抜こうとしていると感じた。

今の私の言葉だと、この本で「箱」と呼ばれているのは、「自我」のことである。日常のある状況において、人は小さな箱に入ってしまう。それはつまり、ある状況において人は「自我に囚われてしまう」ということである。

おそらく、現代の人々は「自我はずっとある」と思っている。しかし、そうではない。「自我」というのは、ある状況において「グワッと強まる」ものなのである。人間関係の場に身を置いていると、自我を堅い殻のようなものだと思いがちなんだが、むしろそれは霧に近い。その霧が、ある状況で、グッと凝縮して「殻」のように感じられるのだ。

この数年、私ははじめて「人付き合いの極端に減った状態」を体験したが、そこでは自然と「自分」が薄れていった。その状態でたまに人と会うと、グワッと凝縮する「自分」を体感することができて面白かった。たとえば、「自分の名前」を呼ばれるだけでも、自分という霧がすこし硬ばるのを感じる。「ほめられる、けなされる」と一気に凝縮して、ほとんど殻のようになる。するともう、「自分」というものが確固として存在しているように錯覚してしまう。

 

仮構された自我

「自己啓発書を読みはじめた時、自分は何を求めていたのか?」と考えてみれば、それは、「揺るぎない自己」を作ることだったと今は言える。さまざまなものに影響されてすぐにグラグラになる「弱い自分」に、ひとつの筋を通したいということだ。それは「もっと強くなれば傷つかなくて済むはず」という発想で、これが極端になると、「自我の要塞」とでも呼ぶべきものを完成させることが目標になる。

だが、自我は霧のようなものであり、仮構されたものにすぎないと気づいたとき、「自我の要塞」などは妄想だと分かる。むしろ、そのように時には霧となり、殻となる自我をただ見守ることが肝要だった。同時に、自動的に流れていく思考や、ふっと頭をよぎる記憶を見守るようになる。そのとき、「じゃあ、そういった諸々を見守っている、『このこれ』は何なんだ?」という問いが生じる。

私の現在の関心はそこにある。

 

<過去のコラムはこちらから!>
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ライター:上田啓太

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京都在住のライター。1984年生まれ。
居候生活をつづったブログ『真顔日記』も人気。
Twitterアカウント→@ueda_keita

【8コマ漫画】木下晋也 『柳田さんと民話』 - 5話「美剣士・椿 綾之介」

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<柳田さんと民話・一覧>
第5話

 

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<柳田さんと民話|一覧>
前回

 

●「柳田さんと民話」とは?

ひとり旅を趣味とする男性・柳田久仁夫が、日本各地で地元に伝わる民話を聞き歩く、ユルくておもしろくてためにならない8コママンガです。

 

 

★木下晋也先生の人気作「おやおやこども。」、待望の続編がスタートするそう。その名も「おやおやこどもこども。」――第二子を授かったお父さんが、育児に奮闘します!

 

書いた人・木下晋也

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1980年大阪生まれ。2008年、『ポテン生活』で第23回MANGA OPEN大賞受賞。単行本『ポテン生活』全10巻、『もここー』全2巻、『おやおやこども』が好評発売中。Docomoエンタメウィークで『マコとマコト』連載中。木下晋也公式サイト、cakesでもいくつか作品を公開中です。趣味はプロレス観戦。Twitterアカウント→@kinositasinya

 

ジモコロは求人情報サイト「イーアイデム」の提供でお送りしています

陰と陽- まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド(4)

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漫画家・まんしゅうきつこが「お洒落な部屋に改造したい」「出来ればお金もかけたくない」という願望を叶えるべく立ち上がった。眠ってた家を蘇らせるために何をすればいいのだろうか。次々に立ちはだかるトラブルと人間の闇…。まんしゅうきつこ版ビフォーアフターみたいな連載がドアラジオからジモコロへお引越し!


<まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド・一覧>
第4話 

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<まんしゅうきつこのリフォームワンダーランド・一覧>

 

書いた人:まんしゅうきつこ

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埼玉県出身。日大芸術学部卒。漫画家、イラストレーター。2012年5月にHP「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」を開設。「アル中ワンダーランド」(扶桑社)、「まんしゅう家の憂鬱」(集英社)が絶賛発売中 Twitter ID→@kitsukomz 

【熊本地震】腹が減っては復興はできぬ!? 悪魔に被災飯テロの極意を教わった

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f:id:eaidem:20160712143838p:plain

 2016年、4月14日に発生した熊本地震。 日本国内の観測事例としては阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災につづいて4度目の震度7を記録する大地震となりました。

多くの方が電気や水道を断たれ、あるいは住む場所を地震によって奪われました。ライフラインが復旧せず、避難先で満足に食べるものがない……といったトラブルも報道されていましたね。

まずは身の安全を保障できる空間、続いて食べ物をいかに確保するかが、大きな災害が起きた時に大切なことではないでしょうか。

 

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みなさんはじめまして、平山と申します。通称は「おかん」です。眉毛が白飛びしまくって、元ヤンみたいな風貌ですみません。先日、「日本おもしろ記事大賞」で長嶋有賞をいただきました。

あっ、おかんはニックネームであって、未婚で子どももいません。

 

 

わたしも幼少時に阪神大震災で震度7を経験しました。避難先の体育館で子どもながらに「これからどうなるんやろ……」と不安だったのを覚えています。

あと、ちゃんとした食べ物があんまりなかったんですよね。

あったかいごはんが食べたくて仕方なかったなぁ。熊本地震のニュースを見ながらそんなことを考えていたら、こんなツイートが話題になったのです。

 

みなさんは「被災飯テロ」なるTwitterのハッシュタグをご存知でしょうか。

 

おおおお!?

 

この状況でまさかの飯テロ!!!

 

しかも、超絶うまそうなもん食ってんじゃねぇか……。

 

「誰だよこのポジティブ野郎」と思ってツィート主を見たらこれがビックリ。

こ、このお方は……燻製講座の悪魔さんやないか!!

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悪魔近影。見たことある!って人も多いんでなかろうか(提供:Dark=Kochang)

 

説明しよう! 悪魔ことDark=Kochangは、ニコニコ動画初期に活躍された動画投稿者。強烈なビジュアルとは対照的に、家庭的で丁寧な燻製講座のギャップが話題を呼び「ニコニコ馬鹿十二神将」のタグをほしいままに、今なお人気を誇っている。

Youtubeにもアップされているので、詳しくはそちらを参照されたし。

 

「被災飯テロ」の仕掛人がまさかこの人だったなんて……。あのハッシュタグの理由や、被災しての体験談を聞いて、わたしも来たる次の災害にしっかりと備えたい!

しかも当時、何度もこの動画を見ていた人間からすれば、もうこれは実際に話を聞くしかないやないかーい!

そんなわけで、Dark=Kochang氏にネットインタビューを行い、熊本地震での体験談や、被災飯のコツなどをきいてきました!

 

熊本地震、悪魔宅はどうだった?

f:id:yh1123:20160617152712j:plainこちらが悪魔の世を忍ぶ仮のお住まい。これは被災前(提供:Dark=Kochang)

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「やや、このたびはお見舞い申し上げます。Dark=Kochangさんのお住まいの場所は、どのくらいの被害だったんですか?」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「阿蘇なので震度6弱ですね。体感的には6強くらいだったと思うけど、そのあとも余震の震源地になったりもしましたし」

 

f:id:yh1123:20160617154130j:plain
室外機は倒れ、玄関は歪んで動かないとか(提供:Dark=Kochang)

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「甚大な被害のなかよくぞご無事で!」

f:id:eaidem:20160628101838p:plain「うちは運良く助かってます(笑)。けど、玄関や部屋のドア、間仕切りが動かないとか、そういった被害はまだ解決できていません」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「地震当時は何をしてたんですか?」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「Netflixで『ジェシカジョーンズ』を見てて、ガッと揺れて。リアルに『何だこりゃぁああああ!!』と叫びました(笑)」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「突然の松田優作」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「外国ドラマに影響されすぎて、ドアが開かなかった時、『うおおぉ!くそったれ!』と叫びながらタックルしましたね(笑)」

 

f:id:yh1123:20160617151108j:plainドアをぶつけ壊し、臨月の奥さんとお子さんを連れて外へ避難

 

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「上の娘は地割れのようにズレたベッドの隙間に飲み込まれたまま寝てました

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「ご家族みなさん無事だったから言えますが、カオスすぎる」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「父親のオレが平気にしてるから、彼女もトラウマがないのがよかったなぁ」

 

好奇心から生まれた「#被災飯テロ」

f:id:yh1123:20160620114527j:plain揺れで荒れ放題の悪魔部屋。PCは壊れた。そのあと自力で直したらしい(提供:Dark=Kochang)

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「被災飯テロ、話題になりましたね。ポジティブオバケすぎて爆笑しました」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「あれはですねー、別に周囲に元気を与えようとかいう意図は全く無いんですよ。『被災してるけど頑張ろう!』とか思ってもなかった」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「あ、確かにそれは感じなかったです」

f:id:eaidem:20160628101838p:plain「(ククク……ここで飯テロかませたら、みんなビビるかなぁ……?)という、純粋な興味で」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「震災時って、たとえば『おいしいお肉食べました〜♡』なんて言うと『被災した人の気持ちも考えろ』って叩かれたりして、過剰な不謹慎狩りがあるじゃないですか」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「当時は『オレ自身が不謹慎になることだ』って思ってました」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「某マンガの主人公かよ」

 

3日生き延びるための備えが大事

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しっちゃかめっちゃかの台所。この中を引っかきまわして食材を探したそう(提供:Dark=Kochang)

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「被災飯テロのきっかけは不可抗力なんですよ。冷蔵庫の中身がいっぱいだから、処理しようかっていうタイミングで」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「そうだったのか!結果的に助かった感はありました?」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「他にも備蓄があったので、なくても問題なかったですけど、処理が一気に進んでよかったなと。非日常で食うポークソテー、めちゃくちゃウマいですよ

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「朗らかすぎて笑う」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「何と言うか、3日生き延びればなんとかなるだろ、っていう確信みたいな、日本の技術力に対する信頼があるんですよね。先の東日本大震災を見てて」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「復旧できるまでの数日を自力で生き延びられるってのは大事なことかもしれませんね」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「あとこれは田舎だからだけど、野菜なりいろいろと食べ物を貰えたりする環境なので、餓死だけは絶対ないから気が楽でしたね」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「都会は地震が起きると動きが止まっちゃうし、かといって身近に食べ物がタダでとれるなんて環境はないので、自力で備えなきゃですね」

 

ネットができる装備は現代ではマスト

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「水や電気は大丈夫だったんですか?」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「水はエコキュートに溜まってたし、電気は太陽光発電を取り入れてるので昼間は使えました」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「何それチートすぎる」

f:id:eaidem:20160628101838p:plain「もしものために要塞になるように家をつくってたので。停電してると売電しないから、充電用に住民に開放したら、なかなか好評でした」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「神かよ……いや、悪魔か」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「キャリアの通信障害も、太陽光でルーター起動させてWi-Fi繋げて解決。停電時に太陽光発電で何ができるか把握してたのがよかったですね」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「生き埋めになった人が友達にLINEをして救出されたってニュースもあったもんなぁ。状況によっては充電切れると詰みますね。太陽光発電は無理でも、せめてモバイルバッテリーくらいは持っておかなきゃ! それにしても悪魔無敵すぎんよ……」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「それでも個人でできることには限界がたくさんあります。災害復旧のために、全国から集まってくれた自衛隊や電力会社、ボランティア、携帯キャリア、すべての人々に心から感謝します!」

 

f:id:eaidem:20160627185645p:plain

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「モバイルバッテリーを常備しとけば、行きつけの飲み屋で毎度毎度iPhoneの充電器を借りるってこともなくなるよね!(ホントすいません)」

 

手軽に使えて必要な装備とは? 

f:id:yh1123:20160620182114j:plainこちらは阪神大震災の被災写真。火災が多発し、倒壊に加えて延焼被害が多かった(借用:一般財団法人消防防災科学センターより)

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「阪神大震災で被災して何日か避難してたんですが、食べ物があまり満足になかったので、避難中はちゃんとご飯らしいご飯が食べたかったんですよね」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「飯は大事ですからね。餅は保存が利いて腹持ちもいいのでオススメです」

 

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散乱した室内で餅を発見するの図(提供:Dark=Kochang)

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「これは持ってたら有事の際に役に立つ!ってのはありますか?」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「カセットコンロはマジでいいですよ!操作難しくないし、燃料がすぐに手に入るので、アウトドア用品よりよっぽど現実的です」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「災害=サバイバル=アウトドア用品……って、思い込みがちな構図ですね」

f:id:eaidem:20160628101838p:plain「アウトドア用品のバーナーとかあるといいとか言うけど、あんなの家族のなかでもお父さんくらいしか使い方知らないでしょ(笑)だったら断然カセットコンロです」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「単身者は持ってない人も多いし、家庭でもホットプレート派の人もいますもんね。ふむふむ、カセットコンロは超便利……と」

 

f:id:eaidem:20160627185647p:plain

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「鍋に水を湧かして、タオルで拭けば風呂替わりにもなるな」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「あと、今回鉄のフライパンが大活躍でした」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「鉄ですか」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「普通のテフロンでもいいと思いますけど、鉄はハードに扱えるので。あと、鉄フライパンは洗剤が不要なんです。水だけで洗うのが正しい洗い方」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「なるほど。洗剤を使わない分、水の節約になりますね」

 

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f:id:eaidem:20160628101838p:plain「今回で鉄のフライパンの魅力がわかったんで、家庭のメインフライパンに躍り出ました」

 

完全復旧はまだまだこれから

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住宅の基礎と犬走り(建物の軒下などに、外壁に沿った周囲の地面を砂利やコンクリート敷きにして固めてある部分)はビッキビキに壊れてしまったんだそう(提供:Dark=Kochang)

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「そういえば先日下のお子さんが生まれたんですよね。おめでとうございます!」

f:id:eaidem:20160628101838p:plain「ありがとうございます」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「子育てに家の手直しに、お忙しいですね」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「ですねー。家を直すのは大工さんの手が足りないから、自分も手伝う予定ですけど」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「Dark=Kochangさんって日曜大工マスター感ありますよね」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「職業柄、何でも屋みたいなところがあって、いろんな職人さんの仕事をよく見ているので、他の人よりやり方をたくさん知っているところはあるかもしれませんね」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「あと菜園もありません?」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「そうですね。タイム、ローズマリー、セージ。あと紫蘇とバジル、パクチーとか。あ、ブラックペパーミントも」

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「家庭&子持ちで、家も自分で修理するくらいDIYが得意で、ハーブを育てている、悪魔……?」

f:id:eaidem:20160628101838p:plainひとりTOKIOを目指してるんです

 

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(想像図)

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「絵面がヤバイ」

f:id:eaidem:20160628101839p:plain「まだまだ途中ですけどね。子どもの世話や家事、家の復旧が落ち着けば、何とか今年中には飯テロ動画の投稿を復活させたいですね」

 

 

f:id:eaidem:20160627185642p:plain「新作が見られる日を楽しみにしてます! 今日はありがとうございました! 私も教わった知恵を活かして料理に挑戦してみます!」

f:id:eaidem:20160628101838p:plain「ありがとうございました!」

 

 

もしもの時の訓練に!被災飯テロを実践しよう!

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さて、Dark=Kochang氏からの体験談をもとに、被災飯テロを実践してみようと思います。 バッチリ空焚きして油に慣らした鉄のフライパンも準備!

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コンクリブロックの上にカセットコンロをセット。そして、タイムとにんにく、レモン汁でマリネしておいた豚トロを……。

 

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豪快に焼く!!

 

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でも絵面は地味!

 

野外感を出すため家の裏庭で実践しておりますが、灼熱すぎて溶けそうです。

 

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食器は被災時に便利だと聞いた、お皿にラップでコーティングしたものを使用。砂利の上にテーブルを置いてるので皿が傾いてしまう……。

 

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フライパンに残った油とタイムを再利用して、冷凍庫にあった餅とトマトジュースをドボン。水分を飛ばしてソースをつくります。

 

水分が飛び、ソースが餅によく絡んだら……

 

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完〜〜〜成〜〜〜〜〜!

 

トマトソースにはダメ押しのチーズを投入。なかなかの飯テロ感ではないでしょうか?

 

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いざ実食! いただきます!

 

……。

 

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おいしい!!(クソ汗だく)

 

トマトジュースを煮詰めてつくったソースも、豚トロの脂とハーブのおかげで塩を加えるだけでしっかりコクがあります。餅に合う〜。

冷蔵庫の処理にもなるし、もしもの時にちゃんと肉が食べられるというのは嬉しいですね。これは元気が出るメニューです!

 

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さて、食ったらとっととお片づけです。

フライパンに残ったソースをキッチンペーパーできれいに拭き取って、

 

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タワシで汚れをこすり落として水をポイ、空焚きして終了!

 

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発生したゴミは皿に張っていたラップと、拭き取ったキッチンペーパーのみ。水も150mlほどしか使いませんでした。

ちなみに、実践して感じたことは以下。

 

1:お皿にラップは結構スベる

ソースなどは結構滑ります。浅い皿でも、ピンと張ってしまいがちなので、使うのは結構難しい。使用感としては紙皿のほうが便利かも。

 

2:鉄のフライパンは実際かなり便利!

洗剤を使わなくていいので、片づけがものすごく楽です。このラクさは使ってみて実感した! 我が家でもすっかりメインのフライパンになりました。

 

3:備蓄は用意しておくべき、マジで

何を今更……と思うかもしれませんが、常に缶詰やらレトルトやらを常に備えてる人って結構少ないと思うんです。一人暮らしの人は特に。のんきに暮らしてると、わかっていても用意しないんですよねぇ。

 

家の台所に何もない人は、このあとスーパーに行ってください!

 

 

今回の取材でわかったこと

誰しも被災の危険はすぐ近くにあります。ヨソでも散々言われてますが、ちゃんと備えておくことが大切!わたしもちゃんと備蓄を揃えなきゃ。

また、天災は避けようがないもの。被災飯テロのハッシュタグのように「どうしようもないから、せめて面白く」精神で、明るい発信をすることが、くじけそうになる心を支えてくれるかもしれません。 

 

www.e-aidem.com

7月にあった熊本震災支援イベント、私も参加してきました。おいしい食べ物を食べて、お酒を飲んで(酔いつぶれ)、たくさん散財してきましたよ!

 

そのレポはまた別記事にて!

 


書いた人・平山(通称:おかん)

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京都の編プロ、合同会社バンクトゥの編集/ライター。兵庫県出身。大学のあだ名「おかん」がそのまま通称に。しかし実態は色々とおっさんに近い。酒場と酒を愛し、将来の夢はスナックのママ。
個人ブログ:おかんの人生飲んだくれ日記/Twitter:@hirayama_okan/所属:合同会社バンクトゥ

 

ジモコロは求人情報サイト「イーアイデム」の提供でお送りしています

【街ブラ】東京スカイツリーが倒れたら…心配性の女子大生が調査してきた

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皆さんこんにちは。 あぐ味です。

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本日はここ、押上駅にやってきました……。

 

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この押上駅は、ご存知、あのスカイツリーのふもとにある駅です。

 

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スカイツリーといえば、墨田区押上一丁目にある全長634mの電波塔。

地上から450m地点には展望回廊があり、眼下に広がる街並みを見下ろしては「愚民どもが」と好きなだけ優越感に浸ることができます。

さて、そんなスカイツリーですが、皆さんは一度でもこう思ったことはありませんか?

 

「スカイツリーって倒れたりしないのかな」

「もしもスカイツリーが倒れたらどの辺まで届くの?」

……と。ちなみに私は常日頃思っています。

 

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そこで本日は、そんな不安を体感するために、スカイツリーを中心とした半径634mいわばスカイツリーが倒れてくるかもしれない範囲をお散歩してみようと思います。

とはいえ、私がずっとハラハラしてる顔を見せてもしょうがないので、

 

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普通にスカイツリー周辺の街並みを楽しみたい、ライターのARuFaさんにもご一緒していただきます。よろしくお願いいたします。

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「いきなり呼ばれた上に、よくわからない企画に参加させられてしまった」

f:id:Arufa:20160630103040p:plain「ARuFaさん、そうやって余裕をぶっこいていられるのも今のうちですよ……」

 

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と、いうわけで、さっそくお散歩開始。

確かこの近くで上を見上げれば、スカイツリーが見えるはずだけど……

 

あっ!!!!!!

 

f:id:Arufa:20160630103019j:plain

「デカーーい!!!!!!」

なにこれCG? なんで普通に下町の中にこんなのが立ってるの?

もし突然現れた巨人がこれを指でつついたりしたらと思うと……怖い! 怖すぎる!

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「そんな怖い? かっこいいじゃん」

f:id:Arufa:20160630103040p:plain「……ARuFaさんって身長いくつですか?」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「164cmだけど」

f:id:Arufa:20160630103040p:plain「となると、スカイツリーは634mなので……ARuFaさん386.6人分の高さということになるんです! だとしたら怖いじゃないですか!」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「高さを人数で例える時に小数点をつけないでよ。0.6人分の奴が腰あたりでブッた切られてるじゃん」

 

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f:id:Arufa:20160630103042p:plain「……そんなことより何かやってるよ! ご当地キャラクターフェスティバルだって!」

 

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わぁ……! みんなご存知、台東区のまもり神こと「台東くん」だ…可愛いなぁ…!

 

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でも……。

 

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すぐ頭上にはヤツがいる……!

もし倒れてきたら、台東くんがモシャモシャーーン! となってしまう!

 

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「こうしちゃいれない! 早くここから離れましょう!」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「え、なんで? もっとゆるキャラ見てたいんだけど」

 

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「いいから行くんだよ!! 早く!!」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「え~、ゆるキャラ見たいよ~」

 

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「ゆるキャラなら他にもいるわ馬鹿が!! 変なTシャツ野郎!!!」

 

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(本当に変なTシャツだった)

 

ゆるキャラを見に行こう

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……というわけで、我々は別のゆるキャラを求め、スカイツリーから徒歩5分の位置にある「おしなりくんの家」にやってきました。

【おしなりくんの家】

「墨田区おしなり商店街」のゆるキャラである『おしなりくん』の家。

観光案内所兼お休み処として運営しており、グッズや軽食などが販売されている。

 

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中にはこの家の主、おしなりくんがちゃんと住んでいます(動かないけど)

モデルは在原業平という歌人で、この烏帽子はスカイツリーをイメージしてるんだとか。カワイイ!

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「本当に他にもゆるキャラがいるんだ……しかもゆるキャラの家があるってすごいね」

f:id:Arufa:20160630103040p:plain「まあ、ここも634m範囲内なので、もしスカイツリーがアレなことになったらアレしちゃいますけどね」

 

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f:id:Arufa:20160630103041p:plain「……あっ、でも頭がめっちゃフカフカだから、スカイツリーが直撃しても衝撃を吸収してくれるかも」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「イケるかな~?」

f:id:Arufa:20160630103041p:plain「スカイツリーの重さにもよりますけどね。5トンくらいならこのフカフカで何とかなる気がします。何故ならそのくらいフカフカだから」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「……あ、今調べたらスカイツリーの重さは」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain41,000トンだってさ」

 

f:id:Arufa:20160630202129j:plain

ビクンビクンッ!!

 

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f:id:Arufa:20160630103040p:plain「ダメだ無理だ、早く遠くへ行きましょう」

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「だから倒れないって……あっ!

 

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f:id:Arufa:20160630103042p:plain「何か出店やってるよ! 出店好き~~~~!」

 

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f:id:Arufa:20160630103042p:plain出店~~~~~~!!!!

 

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f:id:Arufa:20160630103042p:plain出店ウマ~~~~~~~い!!!!

 

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f:id:Arufa:20160630103040p:plain「(よく食欲湧くなぁ……。こんなにも危険な場所なのに……)」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「辛気臭い顔してないで、なんか食べなよ~~~」

 

f:id:Arufa:20160630202133j:plain

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「あ!そうだ! キュウリ買ってあげるよ!」

 

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f:id:Arufa:20160630202136j:plain

f:id:Arufa:20160630103042p:plain「ほら…こうやってキュウリとスカイツリーを並べたら、スカイツリーなんてちっぽけなものに思えてこない?」

f:id:Arufa:20160630103040p:plain「 (なにを言ってるんだろう?)」

 

f:id:Arufa:20160630202135j:plain

…ちょうどその時、優しい屋台のおじさんが、「撮るよ撮るよ~!」と言って写真を撮ってくれたのですが、ヤバい構図になっていて笑ってしまいました。

とはいえ、押上の人々の温かみに触れたような気がしてホッコリしました。

 

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ただ、私がスカイツリーが怖いこととは何ら関係もないので、 先へ急ぎます。

 

タワービュー通り周辺を散策

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f:id:Arufa:20160630202139p:plain「へぇ~、タワービュー通りだって! その名の通り、スカイツリーがめちゃくちゃよく見えるね!」

f:id:Arufa:20160630202137p:plain「道が良い感じにまっすぐなので、ここにスカイツリーが倒れてきたら道にスッポリはまりそうですね」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「うん……」

 

f:id:Arufa:20160630202142j:plain

f:id:Arufa:20160630202138p:plain「でももしそうなっても私が受け止めてやりますから! ARuFaさん、心配せずにこの道を歩いて下さい!」

 

f:id:Arufa:20160630202141j:plain

f:id:Arufa:20160630202138p:plain「かかってこいやコラァ~~~~~!!!!」

 

f:id:Arufa:20160630202143j:plain

「………」 

 

f:id:Arufa:20160630202154g:plain

スゥ~~~~~~~~~

f:id:Arufa:20160630202137p:plain「ちょっと! 待ってくださいよ!」

 

f:id:Arufa:20160630202144j:plain

f:id:Arufa:20160630202137p:plain「ん…? なにここ! 道に突然砂場がある! おもしろい!」

 

f:id:Arufa:20160630202145j:plain

f:id:Arufa:20160630202137p:plain「なるほど… 四方が建物で囲まれているし、完全なる"安全地帯"ですね。やっぱりスカイツリーが倒れてきたときのことが考えられているんですよ」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「思想が偏ってきてるなぁ…」

 

f:id:Arufa:20160630202152j:plain

f:id:Arufa:20160630202137p:plain「あっ! これも! スカイツリーを受け止めるために用意された手ですよ!」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「手のカタチをしたオシャレなイスにしか見えないけどなぁ…」

 

f:id:Arufa:20160630202210j:plain

…ふと上を見上げてみると、亀甲縛りにされている座布団も見つけましたが、恐らくこれもスカイツリーと何らかの関係があるものでしょう。

 

f:id:Arufa:20160630202138p:plain「あっ!」

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f:id:Arufa:20160630202138p:plain「ARuFaさん、『わんぱく天国』がありますよ!」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「わんぱく天国? 何それ?」

 

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【わんぱく天国】

押上駅から徒歩5分にある公園。

ロープスライダー、畑、池、工作室などがあり、都会の中のオアシス的遊び場。

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「親子連れが多くて賑やかだね。いいところ~」

f:id:Arufa:20160630202137p:plain「でもここは……地図によると、スカイツリーからちょうど450m地点……」

 

f:id:Arufa:20160630202202j:plain

 

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f:id:Arufa:20160630202137p:plain「もしスカイツリーがこっちに倒れてきたら、あの天望回廊にちょうどブチ当たる場所なんです!」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「もういいから遊ぼうよ」

 

f:id:Arufa:20160630202209j:plain

というわけで、わんぱく天国で遊んでみる我々。

わんぱく天国には様々な遊具があり、子ども達が思い思いに楽しんでいたのですが、私的に印象に残った遊具はこちらの…

 

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力ずくで成長を止められている切株と、

 

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めちゃくちゃ怖い人形でした。

 

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とはいえ、タワービュー通りと同じように、わんぱく天国にも安全地帯があったので、もしもの時にはこの穴に逃げ込みましょう。

 

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ただでさえ防御力の高い土管をさらに土に埋めてあるので、この中ならスカイツリーでも隕石でも余裕で防いでくれるでしょう。

ただ、スペース的には大人5人くらいしか入れないので、心配な人は常にこの中に住んでおくと良いと思います。そして警察に捕まって下さい。

 

ボーダーラインの634m地点!

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f:id:Arufa:20160630202138p:plain「あぁっ!! ARuFaさん!!! 地図によるとここがスカイツリーからおよそ634m地点、つまりスカイツリーが倒れてきた時にちょうど先っぽらへんにあたる場所です!!」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「へぇ~、ちょうど『たばこと塩の博物館』っていう建物があるんだ」

 

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【たばこと塩の博物館】

日本たばこ産業が運営する、たばこと塩の歴史・文化をテーマとした博物館。愛称は「タバシオ」。

 

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f:id:Arufa:20160630202138p:plain「ここです、この辺りにあのスカイツリーの先っぽが!」

 

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f:id:Arufa:20160630202139p:plain「あれがちょうどココに……?」

 

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f:id:Arufa:20160630202139p:plain「…え、なにしてるの?」

f:id:Arufa:20160630202138p:plain「スカイツリーが倒れてきたときのシミュレーションです。先っぽがちょうどこの唇をかするので、スカイツリーとキッスができるってことですからね!」

 

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※イメージ

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「唇もげるんじゃない?」

f:id:Arufa:20160630202138p:plain「スカイツリーが倒れてきて、唇だけで済むのなら結果オーライですよ」

f:id:Arufa:20160630202139p:plain「ネガティブなのかポジティブなのかわからない」

 

スカイツリーの中に入ってみよう!

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さて、634mのボーダーラインを満喫した後は、「逆にスカイツリーの中なら倒れても安全なんじゃ…?」と思ったため、スカイツリーに近づくことに。

 

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ちなみに、その道中には昔ながらの駄菓子屋さんや、

 

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今はあまり見ないガチャガチャがありました。さすが下町~~~!!!

f:id:Arufa:20160704014016p:plain「ARuFaさん、ガチャガチャやってみましょうよ」

 

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f:id:Arufa:20160704014016p:plain「これやりましょう! 『ザ・バクダン』!」

f:id:Arufa:20160704014017p:plain「シンプルに物騒かよ」

 

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というわけで、ガチャガチャを回した結果…

 

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「火薬を詰めて投げると自爆する恐竜」が当たりました! この子が一体何をしたっていうんだろう…

 

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f:id:Arufa:20160704014017p:plain「僕は、それこそ爆弾みたいなやつが当たりました」

 

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f:id:Arufa:20160704014017p:plain「ウマい」

f:id:Arufa:20160704014015p:plain「えっ、何、急に怖い!!」

 

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……さあ、そんなこんなでスカイツリーの前までやってきた我々。

それでは恐る恐る中へと入ってみたいと思います。

 

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スカイツリーの内部に入ると、「世界各国のタワーの中でいかにスカイツリーがデカいか」という図がありました。比べてみるとダントツでスカイツリーがデカい……

こんなに高いんだから、倒れたときのこと想像しちゃうのもおかしくないよね…。

 

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ん…? なんだこれ。

f:id:Arufa:20160704014015p:plain「ん? ARuFaさん! この丸ってなんですか?

f:id:Arufa:20160704014017p:plain柱の太さじゃない?」

f:id:Arufa:20160704014015p:plain「え!!?これが柱? 太い!!! 絶対倒れないじゃないですか!」

f:id:Arufa:20160704014017p:plain「うん、絶対倒れないんだよ」

f:id:Arufa:20160704014015p:plain「スカイツリー、絶対倒れないの!?!!」

f:id:Arufa:20160704014017p:plain「うん」

f:id:Arufa:20160704014016p:plain「まじかよ……!」

 

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f:id:Arufa:20160704014016p:plain「安心した…。これで安心して、私も元の大きさに戻れます

f:id:Arufa:20160704014017p:plain「え?」

f:id:Arufa:20160704014016p:plain「もしもスカイツリーを倒してしまったらと思うと、いつも不安で歩けなかったけど…」

 

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f:id:Arufa:20160704014012g:plain

ズモモモモモモモモモモ…………

 

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シュゥゥゥ………

 

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f:id:Arufa:20160704014016p:plain「ARuFaさん、少しの間だったけど、人間サイズの私にたくさんの楽しい思い出を与えてくれて、ありがとうございました」

 

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「…………?」

 

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f:id:Arufa:20160704014016p:plain「あ、本当だ! ちょっと押したくらいじゃ倒れない! よかったぁ…」

 

楽しい思い出をありがとう、ARuFaさん……そして押上……

これだけ丈夫なら、安心だね……

 

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ドシーン、ドシーン………

 

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ドシーン……ドシーン……

 

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ドシーン…

 

 

(おしまい)

ライター: あぐ味

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現役女子大生ライター。全長696m。
 あぐ味のTwitter

【保存版】明日は我が身! 災害時に役立つ「車中泊マニュアル」を教わってきた

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は〜どっこいしょっと。

 

 

んじゃ、おやすみなさ〜い。

  

ぐぉぉぉ……ぐぉぉぉ……すぴぃ……

 

 

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なんて……

 

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って車で寝られるわけないだろおおおおおおお!!!!!

 

  

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取り乱してすみません、ライターの根岸達朗です。

 

皆さんは、車中泊を経験したことがありますか?

 

先の熊本地震では被災者の避難手段にもなった車中泊。プライベート空間が持てるのはいいけれど、足は伸ばせない、シートはデコボコ……。僕も一回やったことあるんですけど、とにかく体がきつすぎて、ただシートに横になればいいというもんじゃないなって痛感したんです……!

 

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「車中泊はちゃんとしたやり方を知らないとヤバいです。僕も先日、気温5℃の車後部座席で泊まってみたんですが、寒さと勝手のわからなさで大変な目に遭いました。あと、盲腸にもなったんですよ」

f:id:kakijiro:20160713163946p:plain「盲腸は無理しすぎたせいでしょ」

f:id:kakijiro:20160713163955p:plain「まぁね。でも、こないだコンビニで『車中泊マニュアル』という雑誌を見つけて読んだら、知らなかった知識がわーっと入ってきて、これさえ知っておけば、全然違っただろうなあと思ったんです。これは生きる知恵だなと

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「車中泊が生きる知恵……!?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「そう! 大げさな話じゃなくて、明日は我が身の問題です。備えあれば憂いなし。快適な車中泊マニュアルを取材して、その知識をジモコロの読者にも届けましょう。そしてみんなで車中泊マスターを目指そう!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「家族を持つ人間としても知っておいた方がいいことなのかもしれないですね。わかりました!」

 

というわけで、今回は車中泊の正しい知識を学ぶべく、車中泊専門誌『カーネル』を発行する出版社「地球丸」さんを訪問! いざというときに使えるテクニックや、車中泊を快適に楽しむコツなど、柿次郎編集長と一緒に勉強してきました。

 

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http://www.chikyumaru.co.jp/carneru/



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話を聞かせてくれたのは、カーネル編集部の友光哲さん

本日はよろしくお願いします!

 

明日は我が身! 生きる知恵としての「車中泊」 

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「先の熊本地震では避難所に入れなかった人たちが車中泊をしてエコノミークラス症候群になったとか、ネガティブな報道もたくさんありました」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうでしたね」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「もし自分がそういう状況になって、とりあえず家を出よう、でもプライベートは確保しようとおもったときに、やっぱり車中泊っていうのはひとつの選択肢になると思うんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「震災のときは、車中泊の問題点が一元的に報じられていた印象もありますね。少なくとも、車中泊をポジティブに捉えているものではなかったなあと。そのあたりどうですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「車中泊をテーマにした雑誌をつくっている私たちもそれはすごく感じましたね。だからこそ私たちとしては、車中泊の魅力を正しく伝えていく必要があると思っていて」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「車中泊自体は悪いものではないという?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうですね。実際、アウトドア好きの人や、車中泊を趣味にしている人たちなどはその利便性の高さから車中泊をしています。工夫すればいくらでも快適に寝る方法はあるんですよ」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「実際移動もできて、寝泊りもできるなら、これほど合理的なものはないと思います。ただそれにはある程度の慣れが必要なんじゃないかと。準備なしにいきなりやるといろんなトラブルがありそうで」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうですね。特に災害時だと普段よりも限られた状況になりますから、あれもこれもしようっていうのはむずかしいと思います」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「最低限の道具で車中泊をしなければならないわけですよね。実際、熊本の現場はどんな感じだったんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「次の写真は避難所になっていたグランメッセ熊本で車中泊をしていたクルマを編集長が撮影させてもらったものです。家のなかにあるものや、その場で手に入れたものなどを使って車中泊をしている人も多かったようですね」

 

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「自分だけの空間」を求めて、車中泊を選択した男性(26)のクルマ。シートの段差を少なくすることに特化して、大量の布団を詰め込んでいる

 

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愛犬がいるため、避難所生活ではなく車中泊を選択した男性(23)のクルマ。バックドアを持ち上げて、そこに布団を干している。車内の目隠しにはタオルを使用

 

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車中泊者向けに支給された日よけアイテム「パラクール」を使って、暑さ対策をしている男性(62)のクルマ。こちらもバスタオルをカーテン替わりにしている。ロープを渡して洗濯物を干す工夫も

 

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「初めは慣れなくて安眠できなかったという人もいたようですが、みなさんなんとか工夫をして乗り越えていたようです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「クルマで避難するとなると、自分のことは自分でやらないといけないですしね。アウトドアの下地みたいなものが大事になってきそうな気がします」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうですね。実は私たちも雑誌づくりではアウトドアカルチャーとずっと向き合ってきたんです。うちの雑誌の名前になっている『カーネル』も、元々は釣り人用語なんですよ」

 

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車中泊専門誌『カーネル』を出版している「地球丸」。ログハウスの建て方や釣り人のための雑誌など、アウトドアカルチャーに関わる本を数多く手がけている

 

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「え、そうなんですか。なんか気になる名前だなとは思ってましたが」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「魚が釣れるのって夜中だったり、早朝だったりするじゃないですか。それで、みんな夜のうちに釣り場の近くにクルマを止めて車中泊をしていた。それが琵琶湖周辺の釣り人たちの間で『カーネル』と呼ばれていたんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「『今日俺、カーネルだから』みたいな?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「『今日俺、クルマで寝るから』と文字数変わらないのに」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「まあ、そうですね(笑)。でも、編集長いわく、一部の釣り人には浸透している言葉だったみたいですよ。それが私たちのルーツです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「へえ。車中泊もひとつのアウドドアカルチャーだったんですね。おもしろいなあ」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「はい。というわけで、今日は僕の方から最低限知っておいてもらいたい車中泊の知識を皆さんにお伝えしようと思います。これさえ押さえれば、とりあえず車中泊はできますよ!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「おおお、めちゃくちゃ頼もしい! 外に僕のクルマが停めてあるんで、ぜひレクチャーしてください!」

 

車中泊の真髄は「水平」にあり

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「12万キロ走ったトヨタのアレックスというコンパクトカーです。息子がお菓子を食べ散らかしてめちゃくちゃ汚いですが、掃除なんてしてたら逃げ遅れることまちがいないので、そのまま来ました!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「このくらいのサイズでも1〜2人であれば、十分車中泊はできますよ。もちろん車が大きければ大きいほど車内空間は快適になりますが、狭い軽自動車を改造して車中泊をしている人もいるくらいなので問題ありません」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「そうですよね。今あるものでなんとかする精神が大切だと思います」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「ちなみにこのクルマは後部座席を倒してフラットシートにできますか?

 f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「あ、どうなんだろ。やってみますね」

 

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 f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「お、できそうですね。何年もこのクルマに乗ってるけど、はじめてやったかも。意外と自分のクルマの構造を知らないんだな……」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「フラットシートって車中泊の基本で、これができるかどうかが実はかなり重要なんですよ。実用性を考えてクルマを買うのであれば、そのあたりは検討材料のひとつにしてもいいくらいです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「なるほど。そうなってくると、必然的に車種は荷室とキャビンがつながっているハッチバックやSUV、バンのようなタイプになりますね。でもなんでフラットシートがそんなに大事なんですか?」

 

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「人は水平じゃないと絶対に安眠できないからです」

 

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「わかるー! 縦とか斜めの状態で寝るのってめちゃくちゃつらいんですよ。終電逃してネットカフェのオープン席で寝ようとしたら地獄でした。寝るときは絶対に水平じゃないとダメ。あとは落ち着く環境で好きなタイミングでウンコができれば最高。それが幸せの最低ラインです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「新しいタイプのミニマリストか。でもまあ、究極的にはそうかもしれない。まずは平らな場所を探して……」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうです。一見平らに見える駐車場でも、意外と傾斜になっているものなんです。こだわる人はジャッキでクルマを持ち上げたりもしますよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「すごい。それだけみんな水平の大切さを知ってるわけですね」

 

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 f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「ん、なんですかこれ?」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「子どもが好きなクマのぬいぐるみとビニールの剣です。子どもと車中泊をするなら、多少ファンシーなアイテムがあった方が和むなと……え? あれ? 違う? アンパンマンのボールもあるよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「2億%いらないアイテムですよね?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「……精神的な安定は大切なので、まあいいでしょう。それよりもむしろ、クマのぬいぐるみの横にあるタオルの方が必要ですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「タオル!? それは意外な……」

 

車中泊における「タオル」活用法 

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 f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「あ、これですね?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうです。とりあえずそれだけ出しといてもらって、現状のままで横になってみてもらますか?」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「どうですか? 寝られそう?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「あー足が多少伸ばせるだけでぜんぜん違いますね。ただちょっと硬いのと、倒したところのつなぎ目がボコボコしてて、安眠できるかっていうと……」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「はい、そこでタオルを敷く! ボコボコになってるところをタオルで埋める!!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「え……あ、はい!」

 

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 f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「こ、こういうこと……?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「はい。タオルや衣類は自由度が高くてクッション性があるので、間を埋めるのに便利なんです。ウォークスルーのあるクルマなら、窪みに大きめのリュックやカバンなどを詰めつつ、タオルで段差を微調整するといいですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「へええ……まったく想像してなかった使い方です」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「まずはタオルでできるだけフラットなスペースをつくる。その上に銀マットエアマットを敷けば、かなり快適になると思います。100円ショップなどで売っているタイルカーペットも悪くないです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「そのくらいだったら普段からクルマのなかに積んでおいてもいいかもしれないですね。タオル数枚となんらかのマットと……」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「あと、意外と大事なのが窓の目隠し。実はこれもタオルで大丈夫です。パワーウィンドウに挟んでみてもらえますか?」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「こんな感じですか? とりあえずやってみた感がすごいですが」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「はい、いいと思います。プライベートが確保できますし、冬場は防寒にもなります。ただこれだと窓が開けられないので、夏場だったら外側からマグネットなどでくっつけてカーテンみたいにするやり方もありです。ロープを張って、洗濯バサミやガムテープでとめてもOK」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「なるほど〜。家に帰ったらいらなくなったタオルを探してみよう」

 

あると便利な「車中泊」アイテム

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「ほかにも便利なアイテムがあれば教えてもらえますか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「時期によって持っておきたいアイテムは変わるのですが、どのシーズンでも使えそうなアイテムを厳選してみますね!」

 

▼The 車中泊便利アイテム

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「おおお! 確かに必要になりそうなアイテムばかり。これだけ揃っていたらかなり安心感あります」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「意外と忘れがちなんですが、持っておくと便利なのは十徳ナイフ。工具も何かと使えるので、一式をまとめたツールボックスをひとつトランクに積んでおくのもいいと思います」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「ああ、確かに。アウトドアだと、食料の開け口がつぶれてどうにもならないときとか、ちょっとしたモノの修理が必要になる場面とか、実際ありますもんね。とりあえず、ぬいぐるみやビニールの剣を積み込んでる場合じゃない!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「車中泊にファンシーはいらない……と。じゃあ、気候が厳しくなりそうな夏とか冬だったら何が必要ですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「夏だったら、虫対策でしょう。虫除けスプレーは必需品です。あとはホームセンターなどに売ってる網戸シート。これを窓のサイズにカットして貼り付けます。夜はランタンなど光の出るものを車から少し離れたところに置いて、そこに虫を集めるのもいいですね。ただし、近くにほかのお客さんがいるときは迷惑にならないようにしてください」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「光に集まる虫の習性を利用するとか、すごくアウトドア的。じゃあ、夏場の車内の暑さ対策は?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「湿度を取り除くだけでもだいぶ違いますね。なので、タンスの湿気取りに使うような除湿剤を車内にひとつ置いておきましょう。USB扇風機もあるといいですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「なるほど……でも、それだけで寝られるかなあ。暑がりなんで」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「うーん。であれば、30分くらいクルマを走らせて、標高の高いところに移動するというのも手です。単純に標高が上がれば気温は下がります。山間の展望台の駐車場などを利用してもいいと思います」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「おお。移動できるクルマならではのテクニック! それはよさそうですね。でも、冬場は逆に平地に降りた方がよさそうですね。高いところだと気温も低いし、雪が降る可能性もあるわけで」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうですね。寒さに関しては、重ね着をした上で厚手の寝袋に入る、カイロや湯たんぽなどのあったかアイテムを利用するなどして、意外と乗り越えられます。気を付けたいのは、雪や凍結によるトラブルでしょう」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「どんなトラブルがあるんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain朝起きたらクルマが雪に囲まれていて身動きが取れなくなったとか、夜中に用を足そうと外に出たら地面が凍っていて転倒した……なんていう話は聞きますね。場所選びは重要だと思います」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「冬は結構気をつけること多そうですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうですね。あと、冬場は絶対にエンジンをかけっぱなしにして寝ないこと。誌面でも注意喚起してますが、クルマのマフラーが雪で埋もれてしまうと、車内にガスが逆流して……」

 

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「一酸化炭素中毒で死にます」

 

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plainf:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「こえええええ!!!!!!!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「当たり前ですが、体調不良や命の危険を感じるようなことがあったら、すぐに車中泊をやめましょう。どの時期にも共通して言えるのは、絶対に無理はしないということです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「はい! 死にたくないので気をつけます!」

 

エコノミークラス症候群を防ぐために

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「いやーそれにしても、後ろのフラットシート、僕ひとりならいいけど、家族で寝るとなったら厳しそうだなあ。ハイエースくらい大きなクルマだったらいいけど……」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうですね。その場合は誰か一人が避難所に泊まるか、前席に寝るか……。前席はフラットにしにくいのでなるべく避けたいのですが、試しに一回寝てみてもらえます?」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「こんな感じですかね」

 

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 f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「ちょっとー! これダメなんじゃないですか!?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「うーん、そうですね。足が水平になってないんで……」

 

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「エコノミークラス症候群になりますね」 

 

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「え? なるの確定!?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「確率は高まります。エコノミークラス症候群は血液のなかに血栓ができてしまう病気ですが、足を下にして長時間同じ姿勢だと、血流が滞って血栓ができやすくなってしまうんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「なんと……どうすればいいんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「そうですねえ、どうしてもここで寝るというのであれば、せめて足の下に寝袋やリュックなどを置きましょう。できるだけ高さを上げてフラットに近づけることが大事です」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「ああ……これ、フラットとは言えないけど、不思議な安心感あるな。足を上げるだけでぜんぜん違う!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「この男、エコノミークラス症候群……別名、急性肺血栓感染症をなめていたとしか思えない! 正式名称で危険を訴えていくぞ!」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「急性肺血栓感染症……字面のヤバさがすごい。でも、この機会にいろいろ知れたからよかったなあ」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「私たちとしても、できるだけ普段から経験してもらうことをおすすめしたいんですよ。たとえばこれからの季節だったら、旅行などとからめるのもいいですよね。3日間の旅行のうち2日間を車中泊にして、浮いた分のお金で最後の日にちょっといいホテルに泊まるとか」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plain「それはいい! 車中泊を選択することで、旅の自由度もすごく広がりそう。非日常感もあって楽しいかもしれません」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120223p:plain「まずは車中泊をひとつのレジャーのように捉えてもらえたらいいなと。一度やってみると、自分にとって何が必要で何が必要でないのかもわかると思うので、ぜひいろいろと工夫をしながらやってみてください。車中泊って意外と奥深いんですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160708120216p:plainf:id:ONCEAGAIN:20160708120209p:plain「勉強になりました! ありがとうございます!」

 

<車中泊これだけは覚えておこう!>

・自分のクルマがフラットシートにできるか確認する

・車内の凸凹はタオルで埋める

・できるだけクルマは水平の場所に止める

・便利アイテムはできるだけ車内に常備しておく

・車内が暑くて寝られないときは思い切って高地に移動する

・冬場は雪・凍結に注意(エンジンを入れたまま寝ないこと!)

・エコノミークラス症候群を予防するのも「水平」が大事

 

取材を終えて

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移動手段としてのクルマも視点を変えれば、我が身を守るシェルターになる。もちろんある程度の準備や慣れは必要になるけれど、そういう使い方ができるんだということを意識するだけでも、災害への心構えは変わってくるのではないでしょうか。

 

まずは練習がてらに、レジャー感覚でやってみる。旅の選択肢のひとつとして、車中泊があってもいいし、もしかしたら中途半端な宿に泊まるよりもそのほうが経済的でいい!なんてこともあるかもしれません。

 

普段からクルマに乗っている人も、都会暮らしなんでクルマはいらないよ〜なんて思っている人も、ちょっとだけ車中泊のことを考えてみてもらえたらうれしいです。僕も今はがぜんやる気になってます。

  

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おやすみなさい、またどこかで。

 

 

書いた人:根岸達朗

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東京生まれ東京育ちのローカルライター。ニュータウンの端っこで子育てしながら、毎日ぬかみそひっくり返してます。Mail:negishi.tatsuro@gmail.com/Twitter ID:@onceagain74/Facebook:根岸達朗

宇宙空間において最強の都道府県は「新潟県」に決定!?

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ご機嫌麗しゅうございます。都道府県マスターの潤です。

今日もみなさまに、耳よりなお役立ち都道府県情報をお届けしようと思います。
本日ご紹介するお役だち情報の都道府県は……。

 

 

 

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新潟県です。新潟県ではカマキリのことを「いぼむし」と言う人がいるらしいのですが、カマキリのカマキリ感を全部無視した仕様ですよね。
いぼむしいた!と言われたら絶対丸いヤツ探しますよね。

 

 

 

 

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まぁそんなことより、みなさんに言いたいとこがあります。

もしも都道府県がそれぞれ宇宙に飛んでいってしまったらどの都道府県が
強いと思います?

 

 

 

 

 

f:id:eaidem:20160715104942j:plainこの流れでいったらわかりますよね。

そうです。

 

 

 

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新潟県だろうがぁああああ!!!!

 

 

 

 

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おおお?
なぜ新潟なのか?
なぜ新潟なのかって?

そんなもん。

 

 

 

 

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ですよね?

よくわからない人も多いと思うので
百聞は一見に如かず。
こちらをご覧ください。



 

 

 

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ね?

佐渡がオプションの役割をしていますよね?
間違いないですよね?

 

 

 

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佐渡がオプションとして攻撃してくれるんだから、
新潟県最強です。

しかも、下のパワーアップ装備を使用すればもっと強くなれるんですよ。

 

 

 

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例えば一番左のコシヒカリを使用すれば、玉であるコシヒカリがたくさん撃てるようになります。

 

 

 

 

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これは酒ミサイル。
新潟といえばお酒ですもんね。
地面を走る敵に有効です。

 

 

 

 

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これは上越新幹線ビームです。ビームをよく見ると上越新幹線になっています。JRと共同開発でビーム化に成功したようです。
攻撃力が格段にあがりますね。

 

 

 

 

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さらに佐渡をもうひとつ付けられるというこちらの「SADO」は絶対欲しいところです。

 

 

 

 

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最後の
TANAKA
はなんでしょう?

 


使用してみましょう。

 

 

 

 

 

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あ!!

 

 

 

 

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バリアだ!

いや、ただのバリアじゃないぞ…

 

 

 

 

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角栄バリアだぁああ!!!!

新潟出身の田中角栄先生のお力が
新潟県を守ってらっしゃる!!!
さ、最強~~!!!

 

 

 

 

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よーし最強の状態でスタートだ!

上上下下左右左右BA!

 

 

 

 

 

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フーーーーー!!
最強~~!!!

 

 

 

 

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ん?
敵機発見!
最強状態の新潟に向かってくるとはいい度胸だよ!

おお!どこのどいつだい!?

 

 

 

 

 

 

 

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ト、トキだーーーーーーーー!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

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トキだけは倒せない!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

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お役に立ちましたでしょうか?

 

 

 

「都道府県マスター潤」一覧はこちら

 

 

ライター:室木おすし

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イラストレーター。イラスト・マンガ・GIFアニメ等を使用して活動中。オモコロライターとしても活動。特技「たべっ子どうぶつ盲牌」がフジテレビの番組「ジマング」で取り上げられて、そのことをたまに思い出してはニヤけている。お仕事常に募集中!お気軽に! 公式サイト:スシックスタジオ(http://www.susics.com)/ TwitterID:@susics2011

 

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名刺って必要ですか? - 日本一「ふざけた」会社の社長がマジメに答えます(27)

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ハンドルネーム「とむそーや」さん からのお悩み

f:id:kakijiro:20150508151051p:plain

私はボランティアサークルで活動をしている学生です。活動上、社会人の方とやり取りをすることが多いのですが、いつも気になるのが名刺です。

私は名刺を持っていないので、いつも名刺をもらうばっかりなんですが、これって失礼なんでしょうか? 私もなんらかの名刺を用意しておいた方がいいんでしょうか?

シモダさん教えてください!

 

シモダテツヤの回答

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個人的には、名刺なんて見返すこともないので面倒だなと思ってたりするんですが、一応世の中の文化的に名刺交換が存在するので、学生さんであっても名刺を用意しておくのは色々と得することはあると思います。

例えば誰かの講演を聞きに行ったときなど、「ご挨拶だけでも」みたいな入り方で講師の方と話せたり、相手側もその名刺の中からヒントを探して会話を作ってくれたりなど、まぁ、持ってても損はないものかもしれません。

ただ、「名刺を何種類も渡してくる人にだけはなるんじゃねえ!」と強く強くお願いしたいと思います。

どれくらいの強さかというと、母親と電話で喋ってたときに先日生まれた姪っ子の名前を聞いたら「忘れた」と返ってきたときの僕の「おいっ!!」という声量くらいの強さです。

よく、クリエイターの方との名刺交換の際に、「実はこんなこともやってましてぇ〜」と本業とは別の名刺を2枚とか3枚とか頂くことがあるのですが、かさばるし、今、自分の前に立っているお前はどのお前なんだと思ってしまうからです。

もらう側からしたら、肩書をいっぱい渡されても覚えるのも面倒だし、目の前にいるのは同じ奴だし、そんなもの会話の中でさらっと説明してくれよといつも悶々としてしまいます。

1回の挨拶で一石二鳥を狙ってる感じもイラっとしてしまう要素なので、名刺交換の際は複数の名刺を渡すような人にはならないでください。

 

逆に名刺でなければ何枚渡しても大丈夫です。

例えば「干物」。干物なら名刺1枚に対して20枚くらいまではセットにしてOKでしょう。くさやなら、さらにインパクトを残せるかと思います。

もらった相手は名刺に書いてある情報なんて一切頭に入ってきませんが、「干物のひと」という印象は脳に深く刷り込まれるので、人に覚えてもらうという意味では大成功間違いなしのテクニックといえます。がんばってください。

 

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あなたのお悩みもお待ちしております

書いた人:シモダテツヤ

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1981年京都生まれ。Webクリエイター。バーグハンバーグバーグ代表取締役社長。 代表作は「イケてるしヤバい男 長島からのお知らせ」「インド人完全無視カレー」「分かりすぎて困る! 頭の悪い人向けの保険入門」など。著書に『日本一「ふざけた」会社の - ギリギリセーフな仕事術』がある。Twitterアカウント→@shimoda4md

 

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精巣ガンのライターが、精巣ガンのマンガ家に会ってきた

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こんにちは、ジモコロライターのギャラクシーです。

 

実は僕、去年のクリスマスに精巣ガンが発覚し、左精巣を手術で摘出しました。

左だけニワトリの卵くらいの大きさになってるのを発見した時は、「なんかおかしいなぁ?」とは思ってたんですが、まさかガンとはね……。

 

その体験を「オモコロ」というメディアで記事にしたところ、2万リツイート・100万ページビューと、そこそこ話題になりました。

 

何より嬉しかったのは、医療関係者の方から

「精巣ガンの早期発見に繋がる意義深い記事」

「医者が真面目に言っても聞いてもらえない啓蒙を、あえてギャグマンガのように描くことで多くの人に伝えている」

と多数のお褒めの言葉をもらえたことです。

 

 

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omocoro.jp

 

この記事は精巣ガンが発覚してから手術、そして退院までの5日間を綴ったものだったんですが、実は退院してからも色々と困ったことがあったんですよ。

 

例えば

・仕事上の付き合い程度の人や、友達の友達などに『先日、タマがガンになりました』と報告する恥ずかしさ

・片方摘出してセックスはできるの? 子供は? と山ほど聞かれる

・今は一個しかないの!? 見せて見せて! 見せてよ~!見せて見せて見せ………ってアホの同僚に言われる

 

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ちなみに僕が働いてる会社には、『誕生日の人はプレゼントとして僕の一個しかないタマを見ることができる』という制度があります。

 

こういう話を誰かと語り合いたいんですけど、精巣ガンは10万人に一人しか発症しない珍しいガンらしく、周囲に同じ体験をした人は皆無。誰とも話題を共有できないわけです。

 

そこで、同じ病気を経験した人はいないかなぁ? と探していると色んな人からこちらのマンガをおすすめされました。

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さよならタマちゃん (イブニングコミックス)

さよならタマちゃん (イブニングコミックス)

 

 

イブニングに連載された『さよならタマちゃん』というマンガ。

読んだことがない人のためにざっとあらすじを書くと、

 

主人公・武田一義はマンガ家になる夢を持ちながら、現在はアシスタントとして生活している35歳。ある夜、妻に「あなたの睾丸がおかしいような気がする……」と言われ、病院で診察したところ、精巣ガンだと告げられたのだった。

ガンは肺に転移していたため、精巣摘出手術だけでは治らず、数ヶ月かかって抗癌剤治療を行うことになるが……

長期の入院で仕事はどうするのか? 治療の苦しさは?

マンガ家という夢や、妻との絆に支えられて、主人公は精巣ガンに立ち向かう……

 

ガンとの闘病だけじゃなくて、家族や仕事への影響も描かれていて、めちゃめちゃ共感できるっ! そして泣ける!

会いたい。これ描いた人に会って、10万人に一人だけがわかる「精巣ガンあるある」などを思う存分語り合いたい。

 

 

というわけで!

 

 

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実際に作者の方にお会い……あの、すいません。取材に伺ったんですが。

 

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「ちょっと待ってくださいね(シャ~、シャッシャッ)。キリのいいところまでやっちゃいますから(シャッシャッ)」

 

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 「はい、お待たせしました。『さよならタマちゃん』の作者、 武田一義です」

 

武田一義(たけだかずよし)

奥浩哉のアシスタントを経て、自身が体験した精巣ガンについてのエッセイコミック『さよならタマちゃん』でデビュー。現在はヤングアニマルにて『ペリリュー〜楽園のゲルニカ〜』が好評連載中。Twitter=@144takeda

 

精巣ガンあるある「で、セックスはできるの?」

 

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 f:id:eaidem:20160701161019p:plain「すいませんね~。締め切りが近いものですから」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「いえいえ、お忙しいところをご自宅にお邪魔しちゃって。『さよならタマちゃん』を読ませて頂きました! 実は、僕も去年の年末に精巣ガンになったんですよ」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「オモコロの体験記、読みましたよ~! おもしろかったです」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「ありがとうございます! 周囲に精巣ガンになったことがある人なんて、なかなかいなくてですね、同じ病気の人とお話ししたいなと」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「10万人に一人のガンですから。なかなか同じ病気の人には会わないですよね」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「ちなみに僕は左精巣を摘出したんですが、武田さんは……?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「僕も左なんです」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「あ~、右じゃないんですか……惜しい! 二人がかりでやっと一組揃うと思ったのに!」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「そんな生命体になりたくない」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「今回お聞きしたかったのは精巣ガンあるあると言いますか、例えば、事情をまったく知らない人に精巣ガンになりましたと伝えなきゃいけない時ってどうしてます?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「伝えにくいですよね! 言葉の選び方が難しい……」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「そうなんですよ! 胃ガンとか食道ガンと何ら変わりない深刻な事態なのに、精巣ガンの場合は『いやぁ~、タマがガンになっちゃいましてね(笑)ウェヘヘ』みたいな雰囲気でお伝えしなきゃいけない」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「そんな決まりはないけど、言いたいことはわかります。僕は女性に伝える時に気を使いましたね。セクハラになりそうで」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「わかる! 部位の名称を言うとメチャ気まずくなりますよね。女性としては『あ~、ハイハイあの部分ね!』って思い浮かべてる時の顔は、見られたくないでしょうし」

 

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f:id:eaidem:20160701161019p:plain「変なとこがガンになっちゃってすいません……という感じになっちゃいますよね。別に下ネタを言ってるわけではないんですけど」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「僕が書いた精巣ガンの記事は、医療関係者からも褒めてもらったんですけど、ガンになった部位が精巣だと、記事のカテゴリーとしては下ネタに分類されてしまうんですよね」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「イラストとかで説明すると、どうしても性器を描かなきゃいけないですからねぇ。難しいところはあると思います」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「“その部位”をどう絵で描くのかってかなり悩みませんでした? 武田先生はユルめの絵柄で『タマちゃん』を描いてたから大丈夫でしたけど、あれが北斗の拳みたいな絵柄だったら出版できないですよね」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「あの絵柄はエッセイマンガだから、わざとユルい絵にしたんですよ。闘病ものなんで、リアルな絵柄にしちゃうと重すぎるから」

 

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こちらがタマちゃんの絵柄。ほんわかした優しいタッチが特徴的。

 

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武田先生の元々の絵柄がこちら。めちゃめちゃうまい! でも確かにこの絵で闘病を描かれると深刻すぎて読むのが大変そう。

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「『精巣ガンになりました』って伝えると、言われた人は当然『で、セックスはできるの?』っていう質問をしたいわけじゃないですか」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「まあ、言葉には出さなくても、そうでしょうね」

 

精巣ガン患者はセックスできるのか

精巣ガンで片方の精巣を摘出しても、残るもうひとつは普通に機能しているため、性生活に支障はない。子供を作ることも可能。

 

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「でも“病気になった人にそんなこと聞いたらマナー違反かな?”というのがあるのか、なんか、目の前で言い澱むじゃないですか。だから先回りしてこっちから『片方残ってるんで子供作ったりは普通にできるんですけどね~』って」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「言いますね(笑)。『それで、お子さんは……その……?』みたいな感じにモゴモゴされるとこちらも気を使いますし。結局なんか半笑いで前置きしなきゃいけないですね」

 

 

精巣ガンあるある「まずは一人で試してみる」

続いては手術の話題に。精巣ガンの摘出手術は、タマだけを取り出すのではなく、精巣に関わる器官をゴッソリ摘出します。

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 f:id:eaidem:20160701161017p:plain「手術の前の全身麻酔、眠らないように抵抗してやろう!と思ってたのに、次の瞬間には手術が終わってた。体感時間としては『長めのまばたき』くらい」

 

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「あ、ハイわかりました」と返事をした直後……

 

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いつのまにか手術が終わっていた。寝てるあいだに鼻にイワシを詰められてもわからないな……と思ってちょっと怖かった

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「僕は下半身だけの部分麻酔でした。だから手術中も意識があるんですよ。お腹あたりにカーテンがかけられて、向こうでゴソゴソされてるわけです」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「こわ~っ! 全身麻酔だと呼吸ができないから(そのため人工呼吸器をつける)、部分麻酔の方が安全なんでしょうけど……」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「自分の場合は麻酔師さんが下手くそだったらしくて、たまに呼吸ができなくなりました

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「じゃあ怖いだけじゃん!」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「腰から下は感覚がないんですけど、意識はあるからカーテンの向こうの光景とか想像しちゃうんですよ。やっぱり怖かったですね」

 

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マンガにも登場する、武田さんの愛犬「ビッグ」くん。取材中、なぜかずっと吠えられてました。

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「僕は退院したその日に一人でしてみたんですが、武田さんはどうでした? 医者に『夜の営みは普通にできますよ』って言われても、やっぱり不安だから、まずは一人で試してみませんでした?

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「それはありました。いきなり奥さんとしようとして、『やっぱ無理だったわ……』ってなるとお互い気まずいから。一回自分で試そうっていうのは、確かにあった。その時はイマジネーションでしたけど」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「え! オカズなしで、イマジネーションでいけるんですか?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「できます」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「へぇ~、マンガ家ってすごいですね」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「職業は関係ないです。できます」

 

こちらは『さよならタマちゃん』の第3話

抗癌剤治療の影響で無精子症になる可能性が高いということで……

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このページだけ見るとおもしろおかしい話のように見えるかもしれませんが、「治っても、もう元の体じゃないんだ……」と悩む主人公の姿に何かを感じずにはいられません。

 

病気と生活への不安について奥様にも話を聞いた

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「武田さんは奥浩哉先生のアシスタントだったんですよね?」

奥浩哉(おくひろや)

代表作は『GANTZ』『変[HEN]』など。現在イブニング(講談社)にて『いぬやしき』を連載中

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「そうですね。『さよならタマちゃん』でデビューするまで、奥先生のアシスタントとして働いてました」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「ガンになった時『これは良いマンガのネタになるぞ』と思いました?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「う~ん、ガンになった時点ですでにマンガ家だったとしたら、ネタにできるって思ったかもしれないですけど。当時はまだアシスタントだったから、何ヶ月も休まなきゃいけないな~という気持ちの方が強かったですね」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「確かに何ヶ月も休むとなると、普通ならクビになってもおかしくない。確か当時すでにご結婚なさってたんですよね? 奥様はどんな気持ちだったんだろう……」

 

▼というわけで、ここからは武田さんの奥様である森和美さんも交えて、どのようなことを考え、どのように夫婦で支えあったのか、を聞いてみます。

 

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「はじめまして、妻の森和美です」

 

ちなみに夫婦で名前が違うのは、奥様も森和美名義で活動するマンガ家だからです。とはいえ「武田さん」「森さん」だと夫婦というのがイメージしにくいので、この記事では「和美さん」と表記します。

 

和美(もりかずみ)

2013年6月、イブニング『おうちにかえろう』でデビュー。2014年より『エシカルンテ』連載。全2巻が発売中。Twitter=@morimorikazun

 

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「マンガを読んでると、最初に睾丸の異常に気づいたのは本人ではなく、和美さんだったそうですね」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「夜の営みの最中に気づいたんです。硬さが全然違ったんですよね。あれ? ここどうしたのって」

※精巣ガンになると、睾丸が硬くなり、鶏卵くらいに大きくなる。

 

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f:id:eaidem:20160701161017p:plain夜の営み中に、タマってそんなに触ります??」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「え? まあ……それはいいじゃないですか」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「いや実はマンガを読んでて、そこがずっと引っかかってたというか。男って自分のを触ることがあまりないから、たまに触っても違和感とかわからないじゃないですか」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「確かに。僕も異常には気づかなくて、『こんなもんだったんじゃない?』って言ったんですけど、『いやおかしい』と。何回か言われてやっと『そこまで言うなら違うのかな……?』って思い始めたんですよね」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「男が自分で触ってもわからないのに、パートナーの女性が気づくってすごいなぁと。よっぽどタマに触ってたんですね

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「普通です!」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「医者も言ってましたが、パートナーが気付くことが多いらしいですよ」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「触った感じがスーパーボールみたいだったんですよね。変な固さがあって。最初は精巣腫瘍というガンがあることすら知らなかったんですけど、知ったうえで触れば明確に違和感がありましたね

 

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f:id:eaidem:20160701161018p:plain「色んな可能性を考慮してネットで調べたんですけど、精巣腫瘍っていうワードしか出てこないんですよ」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「こんなに検索して、結果がこのワードなら、たぶんそうなんだろうと。その日は不安で眠れなかったですね。翌朝 病院に行ってみたら『まさしく精巣ガンです』って言われて」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「『ガンです』と言われた瞬間、めちゃめちゃ怖くなかったですか?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「なんで俺が!とはすごく思いましたけどねぇ。怖いっていうのとはちょっと違うかな」

 

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f:id:eaidem:20160701161019p:plain「病気を告げられた瞬間って、みんなアドレナリンが出て普通じゃない力が出る。死ぬかもみたいな心配って、シャットアウトしちゃうんですよね、精神が」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「手術や抗癌剤治療などで数ヶ月は仕事ができない、という説明もあったと思います。生活はどうしよう……とは思いませんでしたか?」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「生活への不安はものすごく大きかったですね。生存率は高いってことだったから、ガンに関しては治る治る、治るんだって思えたんですけど」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「実際の話、“死ぬ不安”ってよく理解できないじゃないですか。でも仕事がなくなるっていう不安はものすごく現実的なことで、明日困るようなことだから。何カ月もかかりますって言われた時は二人ともショックが大きくて」

 

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武田さんは抗癌剤治療の副作用で、今もペンを強く握れない。 握り方を変えて対応しているそう。

 

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「ですよねぇ。和美さんはそういった心配を武田さんに訴えたり……?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「彼女は芯の強い女性なので、あまりなかったですね。泣いたりもしませんでした」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「へー! そういう時って女性はわんわん泣いてしまうようなイメージですけども」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「ただ、クビを覚悟で職場に『治療に数ヶ月かかります』と伝えた結果、先生の奥様から連絡を頂いたんですよ。『仕事のことは心配しなくていいから』って。その時は……ね?」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「その時はもう、さすがにホッとして。泣いちゃいましたね~。カラダから力が抜けた感じで」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「うんうん、芯が強いって言っても、そりゃあ不安だったんでしょうねぇ……(グスッ)」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「え? あれ? ひょっとして泣いてます?」

 

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まったく無関係なのになぜか泣くライター(私)

 

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「奥浩哉先生とその奥様が待っていてくれたっていうのは、ほんとに安心感がありました。今後の不安が全くない状態で治療できたのは、かなり恵まれていたと思います」

 

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仕事机から見える、奥浩哉先生の色紙と、スタッフからのメッセージ。

 

夫婦で支えあってガンに立ち向かう

 

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f:id:eaidem:20160701161017p:plain「マンガを読んでいると、入院中には和美さんにかなり支えられたといった描写があります。具体的にどんなことが嬉しかったとかありますか?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「とにかく頻繁に見舞いに来てくれたことですね。入院って見知らぬ他人との集団生活ですから。お互い励まし合ったりできるんですが、さすがにず~っと一緒だと、やっぱり疲れるんですよ」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「同室の人同士でコミュニケーションをとるのは大事だと思うんですが、そういうのをシャットダウンする時間も大切だなって。私が行けばカーテンを閉めて二人の空間にできるし」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「武田さんが“治療うつ”になった時も、夫婦の絆にかなり助けられたみたいですね。あのシーン何回読んでも泣けます」

治療うつ

治療が長く続くと、慣れない入院生活や・治療の苦しさ・生活への不安といったストレスから「うつ病」を発症することがある

 

 

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f:id:eaidem:20160701161019p:plain「こういう病気になると、周りに心配かけちゃいけないと思って、無理に明るく振る舞おうとするんですよね。結果、心の中でものすごい摩擦が起きる。文句を言ったり弱音を吐ける相手がいるのというのは、心強かったですね」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「そうやって和美さんに支えてもらいながら、数ヶ月もかかってやっと退院することになったわけですけども、ふたりの関係に変化はありましたか?」

f:id:eaidem:20160701161019p:plainぼくは変わりましたね。今までは家庭よりマンガのことが最優先みたいな感じで、一緒にいる彼女としては大変だったと思いますけど。そこらへんが軽くなりました」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「この人は、あんまり人生を楽しんでなかったんですよね。マンガ以外のことは全部無駄だって感じだったんですけど、色んなとこ行って色んなことしようって感じになってきたかな」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「生活の質というか人生への取り組み方が変わった。そういう意味では彼女も前よりはラクになったのかなって」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「『さよならタマちゃん』の単行本を発売した結果、話題になって印税が入ってきたわけじゃないですか。お世話になった奥さんに何か買ってあげたりしたんですか? ペンダント的な」

 

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「………………」

 

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「………………」

 

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「もらってないですね」

 

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「生活費に回しました。いや、入院費だって高いんですよ!? もっと余裕ができたら、ね」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「武田さんはそういうの一切やらないタイプなんですか?」

f:id:eaidem:20160701161018p:plainはい。ただ、1回だけお花をもらいました。売れ残りで300円くらいの、クタッとしたやつ。でも……」

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「でも?」

 

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「うれしかったですね~」

 

f:id:eaidem:20160701161017p:plain「うんうん、良かったですねぇ……。なんか、また泣けてきたんで、今回はここまでにします。今日はありがとうございました」

f:id:eaidem:20160701161019p:plain「ありがとうございました」

f:id:eaidem:20160701161018p:plain「ありがとうございました」

 

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自分がガンになった時、誰かがそばにいて支えてくれるって、すごい大事だなと実感しました。普段はそんなこと全然思ったこともないんですけどね。

武田さんも、和美さんや職場の人など色んな人たちに支えられたからこそ、つらい経験をマンガにできたのでしょう。

 

精巣ガンは進行が非常に早く、発見の遅れから転移する人が多いガンです。

チェックする方法は簡単! 大きさと硬さを左右で比べるだけです。不自然に硬く、大きくなっていませんか?

男性は自分のを、女性は恋人or旦那さんのを、今すぐチェックしましょう!

 

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手術直後の僕

 

 

 

今回お話を伺った武田先生の新刊、『ペリリュー~楽園のゲルニカ~』第1巻が、7/29に発売されますよ~! 書店に急げ~!!

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

 

ライター:ギャラクシー

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株式会社バーグハンバーグバーグ所属。よく歩く。走るし、電車に乗ることもある。Twitter:@niconicogalaxy

【初心者】山形の酒蔵「出羽桜」で日本酒の基礎知識を学んできた

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こんにちは、ライターの根岸達朗です。大酒飲みのきこりみたいな顔ですみません。

酒もってこーい!

 

突然ですが、皆さんはお酒が好きですか?

 

近年は地酒ブームで、特に日本酒は男女や年代を問わず幅広い人気。利き酒にハマってみたり、蔵元見学ツアーに参加してみたり、趣味の世界を満喫している人もいるんじゃないでしょうか?

僕もお酒は好きな方なので、日本酒を語れるようになるのは夢といえば夢なのですが、残念ながらその知識はほとんどゼロに近くて……

 

f:id:ONCEAGAIN:20160624120444p:plain「ちょっと、大酒飲みの顔してるくせに勉強足りないんじゃないですか。日本酒っていうのは、まさにジモコロが取り上げるべきディープな地元の仕事なんですよ。そこんとこわかってますか!」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「のっけから気迫がすごい…。でも、たしかに最近は地酒ブームだし、日本人なら日本のお酒のことをちゃんと知っておかないとというのはあるよね」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120444p:plain「地酒で有名な山形県に、『出羽桜』『東の麓』っていう僕が東京でそのお酒を飲んで完全に惚れた酒蔵があるんです。この機会に山形の酒文化はどうなっているのか、どんなこだわりを持ってお酒をつくっているのか、ぜひ取材させてもらいましょう。単なる飲兵衛から脱却するにはこれしかない」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「人を呑んだくれみたいに……でもお酒飲めそうだから行きます」

 

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というわけで今回は、日本酒のあれこれを学ぶべく、柿次郎編集長とともに地酒ブーム発祥の地のひとつでもある山形県へ。長野・奥信濃のフリーペーパー「鶴と亀」を手がける小林くんをカメラマンに迎えて、がっつり日本酒を勉強してきました。

 

日本酒の「違い」を知る

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お話を聞かせてくれたのは、山形の地酒をいち早く全国に広めた創業123年の老舗酒蔵「出羽桜酒造」の鴨田直希さん(写真中央)

 

出羽桜酒造株式会社

  

実は山形って「出羽桜」をはじめ、「十四代」「くどき上手」「初孫」など、プレミア銘柄を数々輩出している全国屈指の酒どころなんですよね。

そんな山形の地酒シーンをリードする存在でもある老舗の酒蔵は、どんな思いで日々酒づくりと向き合っているのでしょうか。日本酒に対する素朴な疑問も投げかけつつ、いろいろと話を聞いてみました。

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「ようこそいらっしゃいました。まあ、まずは一杯。こちらは『純米大吟醸 一路』というお酒です」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「いいんですか、すいません。仕事だから仕方ないですよね。仕事だからなあ。昼間から飲むのはあれだけど、こればっかりはなあ……」  

 

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「ふぉぉぉぉぉぉ……」

 

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「おいしいなぁ。華やかな香りがふわっと鼻に広がりますね。この純米大吟醸っていうのは、どういうお酒なんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「原料となる酒米の50%以上を削って、お米の中心部だけでつくられた贅沢なお酒です。『純米』と名のつくお酒の材料は米と麹だけで、あとは米の磨き方の違いで『純米大吟醸』『純米吟醸』『純米』と分かれています」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「純米ってそういう意味だったんですね。よくラベルに書いてあったりしますけど、いまいち意味がわからなかったので」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「このほかにも日本酒には、米と麹に加えて醸造アルコールを添加する『大吟醸』『吟醸』『本醸造』があり、先にご説明した純米系のお酒と一緒にこれらは特定名称酒と呼ばれます。そこに属さないお酒を『普通酒』と呼んで区別しているんです」

 

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日本酒の銘柄一覧。原料の酒米は磨いた分だけ、必要な量も増えるため価格がUP。純米大吟醸や大吟醸は、たくさん磨いている贅沢なお酒なのでそれだけ価格も高くなる  

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「なるほどー。でもお酒って本来、米と麹だけでつくることができるものですよね。なんで醸造アルコールを足すんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「お酒の香りを引き立てて、キレを出すため。つまり、日本酒の香りや味わいを良くするためのテクニックとしてアルコールを添加しているんですよ。アルコールを添加することは俗にアル添などと言われます」

 

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日本酒には、米と麹だけでつくる純米系と、醸造アルコールを添加する非純米系がある。どの日本酒も最終的には「好み」で美味しさが決まる世界だ

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain「実は地酒ブームのきっかけをつくったうちの『桜花吟醸』も『吟醸』なのでアルコールを添加しているお酒になるんですよ」

 

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地酒ブームの火付け役になった「桜花吟醸」(720ml=1512円)

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「へー! アルコール添加はテクニックだったんだ。なんとなく米と麹だけでつくってるものの方が純粋でいいもののような気がしてたので」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「日本人の気質として純粋さを求める人が増えているのは事実です。ただ、私たちはアルコールを添加したお酒、添加してないお酒、どちらにも良さがあると考えていましてね。実際に鑑評会に出品して、金賞をもらっているのはアルコールを添加している『大吟醸』なんですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「なるほど。アルコール添加も使いどころによってはいいところがあるんですね

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「そういうことです。ほんとうはつくっているところもお見せしたいのですが、今はあいにく酒蔵が工事中で入れないんですよ。仮事務所で恐縮なんですが、場所を移動して続きのお話をしましょう」 

 

最強の酒米「山田錦」と日本酒業界

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f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「今回はお忙しい中ご対応いただいてありがとうございます。今は梅雨入り前ですけど、酒蔵的にはどういう時期なんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「お酒はすべてしぼり終わってて、瓶詰め作業を日々やっている、そんな状況ですね。お酒は寒い季節につくるものですから、この時期は比較的落ちついてるんですよ。我々は10月くらいからお酒を仕込んで、3月4月にはすべて終える。いわゆる『寒仕込み』。地方の小さな地酒屋はこのスタイルが多いんですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「寒仕込みかあ。一年中つくり続けてるわけじゃないんですね〜」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「そうですよ。そもそも山形はお酒の生産量では全国10位くらいの中堅。地酒では有名ですが、つくってる量が特別に多いわけではないんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「生産量が多い地域っていうのはどこなんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain灘・伏見ですね。灘は兵庫県神戸市東灘区、伏見は京都府京都市伏見区のことです。灘には『白鶴』さんがありますし、伏見には『月桂冠』さんがあります。どちらもとても有名なメーカーさんで、日本全国で目にするようなお酒をつくっています」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120444p:plain「へーずっと大阪に住んでいたけど、灘・伏見が日本酒の大生産地だったことぜんぜん知らなかったです。寒いところの方が酒づくりが盛んだと勝手に思い込んでた。それにしても、なんでそのエリアはお酒づくりが盛んなんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「『山田錦』というお米はご存知ですか?

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「よく日本酒のボトルのラベルに書いてあったりしますよね。特別なお米なんですか?」

 

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「最強の酒米ですね」

 

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plainf:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「最強の酒米!!!」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain酒づくりのために開発されたので、非常に使い勝手がいいんです。『山田錦』は今全国に産地を広げつつあるのですが、もっとも生産量が多いのは兵庫県。産地との距離が近いこともあって、灘・伏見は今も昔も酒づくりが盛んなんですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「地酒で有名な『獺祭』さんも山田錦にこだわっていると聞いたことがあります」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「へえ、山田錦ってすごいんだ。でもそれじゃないとお酒はつくれないということではないんですよね?」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain「もちろんそうです。酒米というのは『酒造好適米』といって、実は『山田錦』のほかにも全国で100種類を超える品種が開発されています。山形産の『つや姫』などは、食用にもお酒の仕込み用にも使えるお米なんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「100種類! 日本酒の多様性を物語っている気がします」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「有名な銘柄だと新潟の『五百万石』、長野の『美山錦』、山形の『出羽燦々』、岡山の『雄町』など。山形はオリジナルの酒米をつくろうという動きが早かったので、県内産の品種だけでも4種類くらいあります。山田錦をはじめ、それらの酒米を使い分けて、私たちはお酒づくりをしているんですよ」

 

『桜花吟醸』で切り開いた出羽桜の歴史

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f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「出羽桜さんって東京でもその名前をお聞きするすごく有名な酒蔵さんですけど、今に至るまでのストーリーってどのようなものだったんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「私たちの名前が全国に広まるようになったのは、1980年に出した『桜花吟醸』がきっかけです。『桜花吟醸』は簡単に言うと、鑑評会に出すようなスペシャルなお酒だったんです

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「へえ、鑑評会用のお酒。それって普通には買えないものなんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain「昔はそうでしたね。あくまでも鑑評会用で、それを売るという感覚がなかった。でも、出羽桜はそれを売るということをいち早くやったんです。それが品質の良さもあって、結果的に東京で受け入れられたんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「東京で受け入れられるかどうかっていうのは、大きいことだったんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「昔は関西でつくった酒を船で江戸に運んでいたのですが、そのことを江戸に『くだる(下る)』と言っていました。これはいわゆる現代語の『くだらない』の語源になっていましてね」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「くだらないの語源……?」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain「はい。つまり、世の中的には、江戸にくだる酒が一番いい酒で、くだらない酒は認められなかった。実はそんな時代が70年代まで続いていて、私たちの酒蔵のお酒も例外ではなかったんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「へええ……今だったら考えられないですね。じゃあ『桜花吟醸』はある意味カウンターのような?」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「結果的にはそうなりましたよね。今でこそ地酒に悪いイメージはないと思いますが、当時は地酒を都会に売りにいこうものなら『お前なんて帰れ』と、門前払をくらっていたそうなので」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「そういう時代だったんだなあ……」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain「日本酒の出荷量も今の3倍。一升瓶で年間9億本も売られるほど競争が激しかった。でも、我々は都会へのパイプがない。じゃあどうするということで、地方の小さな酒蔵としては、これまでにないことをやるしかなかったんです」

 f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「でもそのときに一歩踏み出したからこそ、今があるわけですよね。ドラマだなあ」

 f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「ありがたい話ですね。ただ、それが今の地酒どころの山形をつくったかというと、それだけでもないと僕は思っています。実は山形って昔から、酒蔵同士の連携を強めてみんなで県全体のブランドイメージを上げていこうと努めてきたところなんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「おお、横のつながりが深いんですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain「そうですね。お互いライバルの関係性ではあるけれど、情報共有もするし、蔵の垣根を越えて一緒にお酒を飲むことも多い。よりよいお酒をつくるにはどうしたらいいかということを、みんなで考えながらやってきたんです。今地酒どころとしての山形があるのは、そういう関係性のなかでそれぞれの酒蔵さんが地道な努力を積み重ねてきた結果だと思います」

 f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「なるほど。いやー日本酒の知識から山形の地酒文化まで、今日はとても勉強になりました」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155832p:plain「それはよかったです。あ、そういえば、おみやげがあるのでよかったらお持ち帰りください。今日召し上がっていただいた『純米大吟醸 一路』です」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plainf:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「えーいいんですか!」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120502p:plain「もちろんです。ぜひこれからも山形のお酒を飲んでくださいね!」

 

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「ありがとうございました!」

 

<初心者のためのうんちくまとめ>

・日本酒の原料は「米・米麹」または「米・米麹・醸造アルコール」
・「アル添」は味をよくするためのテクニックのひとつ
・日本酒の大生産地は「灘(兵庫)・伏見(京都)」
・山田錦は酒づくりのために生まれた「最強の酒米」
・江戸に流通しないお酒が、現代語「くだらない」の語源(江戸に下らない酒)
・70年代は日本酒の出荷量が今の3倍(今のようにたくさんの種類のお酒がなかった)
・生き残りをかけて高級地酒を売ったことがカウンターになって今のブームをつくった

 

取材を終えて

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まったく知らなかった日本酒のつくり方の違いから、業界の全体像、そして出羽桜の挑戦の歴史まで……

まだまだ日本酒の酒飲みとしてはよちよち歩きではあるけれど、地酒どころの山形を代表する酒蔵を取材できたことで、点の知識で漠然と捉えていたその世界がおぼろげながら、ひとつの線につながってきたような気がしました。

 

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一言に日本酒といっても、その製造方法や成り立ちは千差万別。だったら実際につくっている現場も見てみたい! というわけで、次回は柿次郎編集長がその日本酒の味に感銘を受けたという山形・南陽市の酒蔵「東の麓」からのレポートをお届けします。ぜひこの記事と合わせて楽しんでもらえたらうれしいです!

 

 

※後編は7月22日(金)10時公開予定

 

  

●取材先:出羽桜酒造

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住所:山形県天童市一日町1-4-6

電話:023-653-5121

http://www.dewazakura.co.jp/ 

 

書いた人:根岸達朗

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東京生まれ東京育ちのローカルライター。ニュータウンの端っこで子育てしながら、毎日ぬかみそをひっくり返してます。メール:negishi.tatsuro@gmail.com、Twitter ID:@onceagain74/Facebook:根岸達朗

ジモコロ激押し! 日本酒の入り口は山形の地酒「東の麓」で決まり

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ごぉ〜〜〜ん………………

 

パンパン。

 

今日もおいしいお酒が飲めますように。

 

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お酒好きのみなさん、こんにちは!

ライターの根岸達朗です。大酒飲みのきこり顔ってよく言われます。

 

僕は今、日本酒の知識を深めるべく、柿次郎編集長&『鶴と亀』小林くんのトリオで、地酒で有名な山形県に来ています。

 

www.e-aidem.com

 

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本日はこれより、明治29年創業の老舗酒蔵「東の麓(あずまのふもと)」を訪ねます。

 

清酒 東の麓 〜山栄遠藤酒造店〜

 

「東の麓」があるのは、山形市内からクルマで約50分の南陽市。

今回の目的はずばり……

 

酒がどうやってつくられているのかを学ぶ。

 

ただそれだけです。いたってシンプル。

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「何を隠そう、僕は『東の麓』のお酒が大好きなんですよ! 派手さはないけど丁寧で繊細。値段もそこまで高くないのに、誰が飲んでもおいしいと素直に思えるようなお酒をつくる酒蔵なんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「へええ。日常的に飲むお酒としてもよさそうな」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「最近はお酒を飲まない若者も増えていると聞くけど、それはもしかしたらちゃんとしたお酒を知らないだけなのではと。日本酒デビューが『東の麓』だったら、日本酒好きの若者がもっと増えると思ってるんです!」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「そんなに!? 酒飲みおじさんとしてもめちゃくちゃ気になってきた」

 

 

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というわけで今回話を聞かせてくれたのは、「東の麓」製造部部長・新藤栄一さん

 

日本酒をつくっている現場に入るのは初めてなので、今日はいろいろと勉強させてもらおうと思ってます。よろしくお願いします!

 

日本酒の「発酵」とはなにか

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 f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「大きな釜ですねえ。これは?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「お米を蒸すための釜です。ここに水を張って沸かし、蒸気をあげるんです。蒸す前と蒸した後のお米の目方を図り、吸水率なども見ながら蒸米をつくっていきます」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「蒸米づくりかあ。これがベースになっていくわけですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そうですね。ここで吸水ムラがでると後の仕込みに影響するので、この作業はとても重要なんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「なるほど。ここでちゃんと狙い通りに蒸しあがっていないといけないんだ。あの……初歩的な質問で恐縮ですが、ここで蒸すお米っていうのは、家で米炊くときみたいに洗うんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「はい。機械で洗っているものと、手洗いしているものがあります。大吟醸などに使われる『高精白』と呼ばれる磨きの高い酒米は扱いがデリケートなので、すべてあそこにあるザルで手洗いしてますね」

 

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「東の麓」で使っている酒米のサンプル。すごくいろんな種類がある

 

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「へえ、手間がかかっていますね。じゃあ、そうしてできた蒸米のその後の流れは?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「蒸米の用途は2つあります。ひとつは、そのまま仕込むために使う。もうひとつは、麹をつくるために使う。次にご案内するのは『製麹室』といって、麹をつくるための部屋になります。どうぞこちらへ」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「おおお。扉の分厚さがすごい……失礼します!」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「酒づくりに必要な麹はすべてこの部屋のなかでつくっています。そこに木の障子枠みたいなのが立てかけてありますが、あれを寝かせて、その上に布を敷き、蒸米を一粒一粒ばらばらにほぐして広げるんですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「へえ、一粒一粒ですか」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「はい。そこに麹菌を振りかけて、布で包んで24時間。次に大きな箱状のものに盛って、だんだん広げていき、さらに24時間経つと麹はできあがります。そこから更に別の部屋で薄く広げて24時間乾燥させるとタンクに仕込むための麹ができます」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「計3日間かあ……あの、また初歩的な質問で恐縮なのですが、麹っていうのはどういう役割を担っているものなんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「お酒は酵母が糖分を分解することによって生じる『アルコール発酵』でつくられます。酵母は糖分を食べて発酵するので、その糖分をつくるのが麹の役割なんです。麹はお米に含まれるデンプンを糖に分解する酵素を発生させます」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「????」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120444p:plain「なるほど。つまり麹が糖分をつくり、それを食べた酵母がアルコールをつくる。それが同じタンクのなかで同時進行しているわけですね。もやしもんの世界ですね! おもしろいなあ」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「『もやしもん』の世界で少しだけピンときた……」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「たとえばビールは麦芽に入っている酵素で麦芽糖を発生させて、麦汁を甘くするんです。その甘くなった液に酵母を添加することでビールができる。ここまではよろしいですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「は、はい……なんとか」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「これを日本酒でも同じようにやるとどうなるか。麹で甘酒をつくったものに、酵母を入れて発酵させるということになります。極端に言えばですが」 

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「ふんふん……甘酒に酵母を入れて……」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「つまり、発酵の過程が日本酒はワンステップなのに対し、ビールは2ステップということですね。お酒によって作り方ってぜんぜん違うんだなあ」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「はい。ただ、酵母と麹を同時に発酵させていくというのは非常に繊細でむずかしい作業でして……」

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「(ついていくのが必死だ……)」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「麹づくりだけでも、酵素を出し続けられる麹をつくるためには米の表面積はどのくらいがいいのか、水分をどの程度含ませるのか、どんな箱を使ってどこまで乾燥させるといいのか、温度・湿度は……などなど考えることがたくさんある。日々試行錯誤の連続なんですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「学問の域ですねこれは。でも、昔の人はたぶんこうだろうって、経験と勘でやってたわけで……。日本人の知恵すごい」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「あの……海外でもいろんなお酒づくりってありますよね。こんなに複雑なお酒ってあるんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「日本酒は特にむずかしいお酒だと思います。たとえばワインは、ぶどうの皮をつぶして絞ると勝手に発酵していくので、ある意味とても荒々しく、アバウトなお酒です」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「荒々しいお酒! そういうイメージなかったから新鮮……」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「日本酒はできあがるまでに最低1か月はかかりますが、ワインだと最短で1週間から10日です。もちろんその荒々しさがワインの良さでもあるんですけどね」

 

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ワイン、ビール、日本酒の発酵の違い。同じお酒でもアルコールが発生するまでの過程が違うことを覚えておきたい

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「なるほど……やっと頭が追いついてきたような気がします。そう考えると、日本酒って日本人の繊細さが表れているようなお酒かもしれない?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そうかもしれませんねえ。昔の人はよく考えたものです。それでは続いて、仕込み蔵をご案内しましょう」

 

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 f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「うわあ……タンクでかっ!」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「ここが仕込み蔵です。普通酒から純米まで、大きめの仕込みをするところで、このタンクひとつで 7千リッターのお酒が入ります。この部屋、ちょっと寒くないですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「そういえばそうですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「実はここの壁って土壁なんです。この仕込み蔵は大正時代に建てられたものなんですが、土壁には断熱効果があって、夏の日中で外が30度以上あるときでもここのなかは24度くらいにしかならないんですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「おお。天然のクーラーだ」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そうですね。朝晩はさらに冷え込むので、そういうときは窓を開け放って外の空気を入れたり、扉を開けたり、人為的な方法で適温になるように調節しています」 

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「そっか、日本酒は温度管理が大事なんだもんなあ。じゃあ、お酒はこのタンクのなかで発酵を繰り返してつくられていくわけですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「はい。このタンクにさきほどの製麹室でつくった麹と蒸米、そして酵母を入れてじっくりと発酵させていきます。酵母はここに入れる前に、酒母室というところにある小さめのタンクで培養します

 

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酵母のアンプル。これをもとに大きな仕込みに耐えられる酵母を培養していく

 

f:id:ONCEAGAIN:20160624120427p:plain「酵母を増やすってどうやるんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「うちは効率を重視しているので、『速醸』と呼ばれる方法で醸造された乳酸を投入し、酵母を増やします」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「酵母は乳酸に反応するわけですね……ふむふむ」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「このほかにも、乳酸菌の自然発生を待つ『生酛(きもと)』『山廃(やまはい)』といった昔ながらの方法もあります。ただ、後者は非常に手間がかかるので、どの方法でやるかはその蔵の考え方によりますね」

 f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「うーむ……一つひとつの工程の奥深さがハンパじゃないですね。それを一元的に管理するってめちゃくちゃ大変なのでは?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「もう何年もやっていますが、至難の技です(笑)。酵母も麹も生き物なので、毎年同じようにやっても同じ酒ってできないんですよ。そこが難しさでもあり、おもしろさでもあります」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「マニュアルがない世界なんだ……奥深いなあ」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「蔵のなかはざっとこんな感じですね。ここでできあがったお酒は最後に瓶詰め、検品をして、みなさんのお手元に届けます」

 

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瓶詰めしたお酒に光を当てながら、割れがないか、ゴミが入っていないかなど、人の手で細かくチェックしていく

 

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機械でラベルを貼って完成。1日で約3000本まで生産可能

 

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昭和のラベル貼り付けマシーン、動きがかっこいい…!!

 

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720mlで1,000円〜1,500円台のリーズナブルなラインナップから、3,000円〜5,000円台の高級酒(大吟醸など)まで幅広くそろえる

 

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「いやー勉強になります。山形に来て一気に日本酒の知識がなだれ込んでる」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「それはよかったです。事務所の方にお酒をご用意してますから、ぜひ召し上がってみてください」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「うひょー! いいんですか! やったー!!!!」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「待ち望んでた感がすごい」

 

酒造り職人としての「杜氏」の今昔

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f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「おつかれさまでした。どうぞ好きなだけ召し上がってください。うちは手酌スタイルなので、お酌はしませんけど(笑)」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plainf:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「ありがとうございます。いただきます!」

 

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(ごく……)

 

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 f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「ふう……うまさしかない。そして今はただ、静かに味わい続けたい……」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「取材できてること忘れてるでしょ」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「……忘れてないから。今回、蔵のなかでお話を聞かせてもらって感動したのは、これを人間がやってきたことのすごさですね。環境や気温などで菌の性質が変わる。それを昔の人たちは経験と勘だけでコントロールしてきたわけで」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そうですね。私たちが今やっているのは、昔の杜氏(とうじ)、つまり酒づくりを先導するリーダーたちがずっと実践でやってきたこと。それが技術としてひとつの形になった。今はそれに加えて、これがこうだからこうなるといった理屈が、数値的にも証明できるようになってきました」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「後から説明が付いたことがたくさんあったと。じゃあ現在の杜氏さんっていうのは、そういった理系の知識をお持ちの方だったりするんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「昨年うちに40代の新しい杜氏が入りました。でも、彼は大学で経済学を専攻していた完全な文系人間。お酒づくりに興味を持ってマニアックに追求した結果、杜氏になっていたタイプで……」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「へえ、そうやってこの世界に入ってくる人もいるんだ」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そうですね。数字で証明できることも増えてきたとはいっても、理系だからいい酒がつくれるかというと、そういう世界でもないんです。なんていうか、この仕事って……」

 

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「数字で計れない未知の部分がたくさんあるんですよ」

 

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「ふ、深い言葉……。杜氏さんは今、その方1人だけなんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plainはい、船頭は2人いらないので1人だけです。私が酒づくりの方向性を決めて、杜氏は現場の最高責任者として、スタッフである蔵人に指示を与えながら目標とする酒をつくっていきます」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「なるほど、あらかじめ方向性を決めてお酒をつくっていくんだ。やっぱり杜氏さんというのは、独自の勘が冴えわたるような人じゃないとだめですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そのあたりは経験がものを言いますよね。その蔵で何年も仕事をしてきた蔵人がたたき上げで杜氏になることもあります」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「地元でずっとやってきたような人が多いですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「山形は地元の杜氏が多いですね。でも、うちの場合は酒づくりの季節になると、蔵と契約を結んだ杜氏集団が、岩手や秋田、新潟といった米どころからやってきていましてね

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「杜氏集団? フリーの酒づくりチームみたいな感じでしょうか」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そうですね。彼らは普段地元で農業などをやっているのですが、農閑期に入る10月くらいから自分たちの一派を従えてやってきて、蔵に泊まり込みで4月くらいまで酒をつくります。そして、酒をつくり終えたらまた地元に帰っていく」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「季節労働的な感じですね」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「はい。でも、私は彼らの働きだけに頼っていてはこれからの酒づくりには限界があるとずっと感じていました。だって、彼らはつくれば地元に帰ってしまうでしょう。我々のような蔵の人間はつくったものをその先も売っていかないといけない」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「ああ。確かにいくらおいしいお酒をつくっても、売らなければ事業としては継続できないから」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「そうですね。だから私は、自分がつくった酒に責任を持ち、年間を通じて管理できる杜氏が絶対に必要だと思っていました。そこに今、先ほどお話した杜氏が社員として入ってくれた。これは杜氏集団に頼ってきた小さな酒蔵にとって、大きなチャレンジなんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「なるほど。社員の杜氏ならコミュニケーションもとりやすいし、蔵の未来も一緒に考えていけると」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「うちの社長ももう88歳ですから、次の世代へのバトンタッチも真剣に考えています。私たちがつくったお酒を愛してくださる地域のためにも、そして山形の日本酒文化を残していくためにも、若い世代の力でさまざまに挑戦していきたいですね」

  

 

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「東の麓」の社長・遠藤孝蔵さん

 

f:id:ONCEAGAIN:20160625155819p:plain「いやー今日は貴重なお話をありがとうございました!」

f:id:ONCEAGAIN:20160625155826p:plain「すごく勉強になりましたね。僕ますます『東の麓』のファンになったので、お酒買って帰りたいんですけどいいですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160712140420p:plain「ありがとうございます。手間暇かけてつくっているお酒なので、ぜひ召し上がってみてください」

 

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買ったどーーーーー!(その場で10本買いました)

 

  

まとめ

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酒好きなら日本の酒のことを知らずしてどうするという、素朴な好奇心からはじまった今回の山形取材旅。地酒ブームを常にリードしてきた日本酒は、どんなところでどうやって、どんな人たちの手によってつくられているのか。その文化、その仕事にほんの少しでも触れることができたのは、自分の雑すぎた酒飲み人生の大きな糧になったと感じました。

 

発酵という名の人知を超えた世界、そこに経験と勘だけで飛び込み、酒づくりをしてきた人間たちの挑戦……。掘り下げれば、さらにずぶずぶの世界に突入していくことは間違いなさそうなので、今日はこのあたりで失礼いたします。

 

山形の地酒、すごくおいしいのでぜひみんなも飲んでみてね!

 

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今夜も乾杯!

 

 

●取材先:東の麓

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住所:山形県南陽市宮内2557

電話:0238-47-5111

http://www3.omn.ne.jp/~yamaei/

 

www.e-aidem.com

  

書いた人:根岸達朗

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東京生まれ東京育ちのローカルライター。ニュータウンの端っこで子育てしながら、毎日ぬかみそひっくり返してます。Mail:negishi.tatsuro@gmail.com/Twitter ID:@onceagain74/Facebook:根岸達朗

【風情】京都を愛しすぎたマンガ家が振り返る「夏の風物詩SP」

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京都出身の孤独な漫画家・マキゾウ。上京して早8年経って、東京の暮らしにも慣れたようですが…夏になると風情ある京都の情景を思い出すようです。下鴨神社で開催される「御手洗祭」、鴨川の「川床」、そして山に囲まれた京都ならではの「五山の送り火」。京都生まれじゃなくとも「良いな、京都…」と思える漫画をお楽しみください。

 

下鴨神社のみたらし祭

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f:id:eaidem:20160722183749p:plain「大阪出身だけど、これまで一度も通っていない京都の良さがある…。下鴨神社の雰囲気、最高じゃないか。もっと早く知りたかった」

f:id:eaidem:20160722183758p:plain「ふふふ、これが京都の底力よ」

 

 

鴨川の川床(ゆか)文化 

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f:id:eaidem:20160722183749p:plain「大阪も同じ盆地だから、真夏はアスファルトが陽炎みたいにゆらゆらしていてヤバい。その記憶しかない。それに比べて川床の風情は羨ましいなぁ。島耕作の京都編でしか触れたことない世界観!」

f:id:eaidem:20160722183758p:plain「京都に帰りたい〜〜〜!」

 

 

毎年8月16日に行われる「五山の送り火」

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f:id:eaidem:20160722183749p:plain「マキゾウの『フリーランスの孤独すぎる日常』を読んでから、今回の漫画を読むとジワジワと胸が締めつけられる思いになるな…」

f:id:eaidem:20160722183758p:plain「うるさいよ」

 

 

f:id:eaidem:20160722183749p:plain「なんにせよ京都に行きたくなったのは事実! 今回紹介したお祭り目当てに京都旅行を計画するのも乙なもんやね」

f:id:eaidem:20160722183758p:plain「そうだ京都、行こう」


 

漫画:マキゾウ

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鼻ミゾにちょっとしたこだわりをもって、イラストやマンガを描いています。絵を描く以外はたいていご飯とお金のことを考えています。早起きと脂身と臭い肉が苦手です。Twitter:@makizou_11

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