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面白法人カヤック「就職活動との全面対決」を宣言

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2016年3月某日…

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f:id:eaidem:20160329165628p:plain「こんにちは。面白法人カヤック、採用担当の柴田です。えー、そんなわけでですね、我々、面白法人カヤックとしては『美大生の採用を強化したい』という思惑がありまして。インターネットでブイブイ言わせてるヨッピーさんのお力を借りられないか相談に参ったんですが……。どうしたら美大生がもっとカヤックを受けてくれるのかなぁと思って……」

 

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f:id:eaidem:20160329165907p:plain「あのー、柴田さん」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「はい」

  

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f:id:eaidem:20160329165907p:plainなんでそれを僕に聞くんですか

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「ええ。私もなんでヨッピーさんに聞いてるんだろう、って自問してます」 

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「うーん、面接受けに来た人に100万円ずつ配れば良いんじゃないですか?」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「確かに応募は増えそうですね。でもそれをやると100パーセント会社が潰れると思います」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「面接官をトムクルーズにするとか」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「それもたぶん会社潰れるレベルでお金かかるんじゃないですかね」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「ワガママだなぁ。じゃあ、いっそのこと学生本人にどういう会社なら受けたくなるか聞いたら良いじゃないですか」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「おお。なるほど」

 

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はい。そんなわけで多摩美術大学に来ました。

ここで現役の美大生に色々と就職活動に対する想いを聞いてみようと思います!

 

現役美大生クリエイターの登場

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そして今回の企画にご登場頂いたのがこちら!

現役美大生にして売れっ子クリエイターであるところのお二人であります!

チョーヒカルさん(写真左)と、ハヤカワ五味さん(写真右)だーーー! 

 

話を聞いた人:チョーヒカル

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1993年3月29日、東京都生まれ。2012年、武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科に入学。 UNUSUAL(非日常)ARTをテーマに掲げ、体にリアルな目や物を描くボディペイントや衣服のデザイン、イラスト、立体、映像作品などを制作。初の作品集「SUPER FLASH GIRLS 超閃光ガールズ」全国の書店で販売中。TwitterのIDは@soba_ba

  

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リアルなボディペイントを武器に広告案件を多数こなし、テレビや雑誌にも引っ張りだこ。初の写真集「超閃光ガールズ」も重版&増刷が決定した売れっ子現役美大生アーティストや!

 

話を聞いた人:ハヤカワ五味

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1995年、東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科2年在学中。高校時代から創作活動を始め、大学生になって立ち上げた胸の小さな女性のためのランジェリーブランド「feast by GOMI HAYAKAWA」は「品乳ブラ」として一躍有名に。2015年に株式会社ウツワを興し、代表取締役に就任。同年5月にラフォーレにてポップアップ出展。泰文堂から6月にランジェリー付きムック本『feast CollectionBook 2015 Summer』を発売。TwitterのIDは@hayakawagomi

 

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胸の小さな女性向けブラジャーブランド「feast」を展開中。株式会社ウツワCEO。

チョーさんと同じく現役美大生アーティスト。最近は「サンデージャポン」などテレビ番組にも若者代表として多数出演中。こちらも売れっ子や!

 

 

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f:id:eaidem:20160329165907p:plain「えー、そんなわけでですね。今日は『受けたくなる就職活動』をテーマに、現役美大生であるところのお二人に要望を語って頂きたいなと思います。ちなみにお二人は就職活動に対してどういうイメージがありますか?」 

 

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f:id:eaidem:20160329165907p:plain「あっ。もう怒ってる!

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「まずですね、学生って優秀な人ほど忙しかったりするんですよ。自分の作品作ったり、チョーさんみたいに企業とコラボしてバリバリ案件こなしてたりするんで。それなのに、大手広告代理店なんかを受けると『○○をテーマに作品を作って送れ』みたいな課題が出るんです」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「うんうん」

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「作品なんてそんなに簡単に作れるものじゃないじゃないですか。それで2週間とかかけてなんとか作って作品を提出して、審査通ったと思ったら『それでは第二課題です』みたいな事がザラにあるわけです。こっちはそんなに暇じゃないんですけど!? みたいな」

f:id:eaidem:20160329170317p:plain「そうそう!  学生のことを暇な連中だと思って舐めてるんだと思うんですよ。内定をエサに、企業が平気な顔して重たい課題をガシガシ出して来るじゃないですか。あれってひどくないですか!?」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「よし!殺そう!」 

f:id:eaidem:20160329170317p:plain「エントリーシートとかも、どこの会社もみんな同じようなことばっかり聞いて来るじゃないですか。それなのにやたらと分量が多かったりするし、手書き推奨みたいな風潮もあるし、めちゃくちゃ効率悪いんですよ。広告代理店のエントリーシート見た事あります!? すごい分厚いの書かせるんですよ! あんなの結局どこにも同じようなこと書いて出すんだからコピーして提出すればオッケーにすれば良いんですよ!」 

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「柴田さん。お二人はこう言ってますけど?」 

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「はい。履歴書、エントリーシート、全て他社向けのをコピーして提出してもオッケーにします!」

 

 

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f:id:eaidem:20160329170317p:plainf:id:eaidem:20160329170305p:plain「やったーーー!」

 

 

学生はそもそもお金が無い

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f:id:eaidem:20160329170317p:plain「さっき言った手間の問題以外に、やっぱりお金の問題もあるんですよ」

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「そうそう。美大生って制作にお金がかかるんですよ。ポスターを印刷するだけでも何万円もかかったりしますし。とにかく作るのが好き、みたいな人ほどバイトせずに制作に没頭してたりするんで、食費すら危うかったりするんですね。それなのに就職活動って履歴書買ったり写真撮ったりスーツ買ったり交通費もあるし、とにかくお金がかかるんですよ

f:id:eaidem:20160329170317p:plain「企業と学生って、どう考えても学生の方がお金を持っていないはずなのに、なんで学生が交通費を負担しなきゃいけないんですか!? 『面接を受けに来る学生の交通費くらい、ポンと出してあげる余裕も無い会社なんて恰好悪い』っていう風潮になるべきだと思います」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「柴田さん?」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「はい。ではカヤックの採用は交通費を全額負担します」

 

 

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ヨッピーの就職活動の思い出 

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そろそろ表情が暗くなってきた柴田さん。会社に無許可でハイハイ言ってるのでその内クビになるかもしれない。 

 

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「そもそもね、僕も就職活動っていうシステムを死ぬほど嫌ってるんですよ。12年ほど前に僕が新卒の就職活動やってた頃なんてスーパー氷河期だったし、留年しそうだったので学校にも行かなきゃだしバイトもしなきゃだしその上で就職活動でスーツ着て髪の毛を横分けにしてですよ?」

 

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「ハイ!オンシャがダイイチキボウでしゅぅ~~~!」

 

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「って、やったりするわけじゃないですか。相手だって第一志望じゃないことくらいわかっててハイハイ聞いてるんですよ。なにその茶番?っていう。自己PRだって『バイトリーダーでした!』とか『サークルの副部長です!』とかウソつくことばっかり上手くなるわけですよ」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「なるほど」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「でね、企業は企業で……」

  

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 「ワガシャは、カゼトオシの良いジユウなシャフウでしてね……」

 

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「とかやるわけですよ。そんなわけないやろと。お前の会社離職率めちゃくちゃ高いやんけと。それなのに上っ面でみんな綺麗ごと並べるじゃないですか。要は今の就職活動って、学生と企業が建前合戦やって、誰がウソつくの上手いか競ってるわけです。不毛でしょう?」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「まあ、確かにそういう所はありますね」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「殺しましょうよ」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「いや、さすがに殺すとまずいです」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「もっと気楽に、肩肘張らずに受けられるようになるべきですよ。その方が学生も企業も余計な労力使わなくて良いんだから。僕もその新卒採用通って、7年間商社で営業してたからわかりますけど、就職活動の時なんて先輩社員が前に出てきて『最高にやりがいのある職場です!』みたいな事言いますけど、実際入社したらみんな『早く帰りたい』とか『部長ウザい』とか『今度キャバクラ行く?』みたいなノリで仕事してるわけで、就職活動の頃に見かけた、やる気に満ち溢れたバリバリのサラリーマンなんて入社したらどこにもいないんですよ。あの人達はどこ行ったんですか柴田さん!」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「それは僕に聞かれても……」

f:id:eaidem:20160329170317p:plain「もっと意識が低い感じの就職活動になればいいですね。企業も学生も変に背伸びせずに見栄も張らないっていう。きっとそれがお互い幸せじゃないかと」

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「そうですね。少なくともスーツはもう辞めましょう」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「柴田さん」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「はい。カヤックはスーツで面接受けに来るのを禁止にします!

 

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他にもボロボロ出る就職活動への恨み節

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f:id:eaidem:20160329170317p:plain「あと、学歴とか別にいらなくないですか?

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「確かに。カヤックって別に大卒じゃなくても良いんですよね?」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「そうですね。高卒の社員も居ますし、大学生でも優秀な人は大学なんてとっとと中退してウチに来れば?って思ってます。美大生が欲しいって言うのも、デザイナー志望の人が欲しいだけで美大生に限定してるつもりも無いですし」

f:id:eaidem:20160329170317p:plain「じゃあやっぱり学歴要らないじゃないですか」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「はい。じゃあ学歴は書かなくても良いし、卒業証明書出せとか言いません」

 

 

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出て来た案を全部メモらされる柴田さん。可哀想。

 

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「あと、見た目で判断されるのも嫌ですよね。美大生って髪の毛や服装がファンキーな人も多いし」 

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「髪型も服装も自由でいいですよ。髪の毛がピンクでもロリータ服でも全然かまいません」

f:id:eaidem:20160329170317p:plain「顔は?顔が可愛いかどうかとかで採用決めるのってひどいですよね?」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「じゃあ、希望者には面接官が目隠しして面接に臨む事にしましょう」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「わかりました」

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「あ、あと私みたいに普段HNで活動してる人も居るからHNで応募出来るとありがたいですね」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「わかりました」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「新卒一括採用とかあんなもん企業側の勝手な都合だし意味不明なので通年でやってくださいよ。あと新卒とか既卒とかのくくりも一切関係無しにしましょう」

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「わかりました」

 

 

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やったーーーーー!

これで学生の本音に近い就職活動になった~~~~~!

  

f:id:eaidem:20160329165628p:plain「まあ、なんとか帰って社内に話をしてみますのでダメだったらすいません……僕もサラリーマンなので……」

f:id:eaidem:20160329165907p:plain「カヤックさんならなんとかしてくれるはず」

f:id:eaidem:20160329170305p:plain「ダメだったら『カヤックが意外とショボかった』ってTwitterで言いふらします」

f:id:eaidem:20160329170317p:plain「私も」

 

 

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f:id:kakijiro:20160414155124p:plainマジのクビになる可能性あるな」

 

  

 

 

 

 

 

果たして、柴田さんはクビになるのか……!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それとも、新しい採用案が会社に受け入れられるか……!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気になる結果はこちら!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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f:id:kakijiro:20160414155124p:plain会社からオッケー貰えました!

 

  

そんなわけで今回のおさらい

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以上、7つのお約束を致します!

 

仕方ないから受けてやるか」という方はエントリーを急げー!!

ただし、7つの約束はあくまで実験的な試みなので、今回の記事を読んだ人のみを対象に上記条件において採用活動を行うそうです。

エントリーの際は「ヨッピーの記事を見て応募した」という事がわかるように余白のどこでも良いから書いておいてね! 

 

 

【デザイナー志望の方】

 

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卒制採用|面白法人カヤック

  

【新卒の方】→ 新卒採用|面白法人カヤック

【中途採用の方】→ 中途採用|面白法人カヤック

   

f:id:kakijiro:20160414155352p:plain「ここまでやって応募者ゼロだったら笑う」

f:id:kakijiro:20160414155124p:plain「私は全然笑えないです」

  

ライター:ヨッピー

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「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける
Twitter ID: @yoppymodel / 公式サイト:ヨッピーのブログ(仮)


【衝撃の事実】懸賞金127万円!「つちのこ」の捕獲方法を教えます

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こんにちは、ジモコロ編集長の柿次郎です。前のめりの好奇心を武器にして、全国を旅していると思いもよらない出会いがあります。

 

なんと…

あの「つちのこ秘伝」を入手したんです!

 

 

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これまで明らかにされていなかった「つちのこ」の生態…。伝説の生物として全国で発見者の声が取り上げられてきました。とはいえ、平成28年にもなるとこういった類の情報がテレビで紹介されることもなく、ひっそりとした存在として言い伝えられています。

 

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「日本で最も美しい村」連合に加盟している東白川村

 

ちなみに「つちのこ秘伝」をジモコロ編集部まで届けてくれたのは、岐阜県東白川村で地域おこし協力隊として活動している樋口銀二郎さん。

樋口さんいわく「東白川村は、つちのこの出現率が日本で一番だといわれています。古くから住んでいる村人もつちのこを信じていますし、実際に懸賞金100万円を出して捕獲の一報を待っているんですが…なかなかヤツは捕まえられません」とのこと。

 

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こちらがその証拠。1年ごとに1万円ずつ加算されて、平成28年現在ではキャリーオーバー的に積み重なり127万円という懸賞金がかけられています。

 

大チャンス…!!

  

 

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今回ジモコロでは、樋口さんの許可を得て「つちのこ秘伝」の内容を全公開したいと思います。127万円の大金が欲しいか? 欲しけりゃくれてやる! 大つちのこ捕獲時代の幕明けだー!!!!

ここからは諸星大二郎の漫画「妖怪ハンター」が大好きだというジモコロライター・ギャラクシーと共につちのこの生態に迫ろうと思います。

 

f:id:eaidem:20160408180325p:plain「ギャラクシーさん、とんでもないことになりましたね」

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「まさか、つちのこ秘伝が手に入るだなんて…」

f:id:eaidem:20160408180325p:plain「そもそも、つちのこはどういう生き物なのか紐解いていきましょう」

 

そもそも、「つちの子」とは!?

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●体長:30cm~80cm位

●体色:黒褐色・焦げ茶色・黒・灰色(腹部黄色・背部に斑点有り)

●体型:ビール瓶くらいの胴から三角形の頭がちょこんと出ている

●特徴:大食家、一匹で行動する、昼間に活動する、いびきをかく、まばたきをする、垂直に立つ、転がる、蛇行しないで真っすぐに前後に動く、ジャンプする(2mくらいとの説有り)、動きが素早い・有毒である(無毒説もあり)春から秋(4~11月)に出没する………etc
●生息地:北は秋田、岩手から南は、九州鹿児島まで全国各地で目撃されている。特に東白川村は全国でも有数の多発地帯である。また、地方によって様々な呼び方がある

 

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「つちのこって結構デカいんですよね」

f:id:eaidem:20160408180325p:plain「15cmぐらいのイメージだったんですが、30cm〜80cmってヤバくないですか? 個体差デカすぎないですか?」

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「驚くべきところは跳躍力。2mもジャンプすることがあるそうです」

 

 

「つちの子」を捕まえるために必要なものは?

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●服装:長袖シャツ、厚手の長ズボン、厚手の山用シューズ、またはゴム長靴、帽子、手袋、雨具など

●必需品:水筒、小型ナイフ、地図、コンパス、ノート、懐中電灯、マッチ、救急用具、カメラ(小型+軽量)、フィルム、捕獲用品(例:捕獲棒・針金捕獲器・玉綱)

●作戦
イ) オトリ作戦(エサはネズミ・カエルが最適)
ロ) 釣り作戦(エサはネズミ・カエルが最適)
ハ) おびき出し作戦
a. 鳴き声
ネズミやカエルの声を録音し流す
b. するめや人間の髪の毛を燃やした匂いを好むとの説有り
ニ) いぶり出し作戦
※火事の危険を伴うので要注意

※探索は2人1組が最適と思われます

 

f:id:eaidem:20160408180325p:plain「思ってたよりも必要なモノ多いですね」

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「つちのこですよ!? 127万円ですよ!? 万全を期して臨むのは当然のことでしょう」

f:id:eaidem:20160408180325p:plain「目撃例の少なさから見ても、かなり臆病かつ、繊細な生き物だと察しがつきますね。人間の髪の毛を燃やした匂いを好むらしいので、その担当だけはギャラクシーさんお願いします」

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「髪の毛を燃やすだけの担当?」

 

もし「つちの子」に遭遇した場合

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① まずは慌てない事。つまり、冷静になって落ち着くことです
② 音をたてないこと。そっと歩くこと(息を殺して)
③ 2人のコンビで挟み撃ちにして下さい
④ 2人のコンビで前の者がカメラで撮影し、つちのこの注意をひき、後ろの者が捕獲棒で押さえて下さい。つぎに、撮影者が玉綱でしっぽからすくいとり、檻か袋かへ入れてください(捕獲棒で押さえた時点で大声で周りの人を呼ぶのが良いでしょう)
⑤ 最後に「つちのこフェスタ」実行委員会の係の者に連絡をして下さい

 

f:id:eaidem:20160408180325p:plain「なるほど。ジモコロを1年間運営してきた僕たち2人のコンビネーションなら何とかなりそうですね。よく帽子と服がかぶるし」

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「週に2回くらいかぶりますね。なんなんすか」

 

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黒ニット帽、グレイのパーカー、黒のズボンと丸かぶりしたことも

 

東白川村での目撃例

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平成2年8月/U.Kさん/河原で草刈り時。銀色にキラキラ光る、腕位の太さ

平成2年5月/Y.Fさん/自宅近く。一升瓶が転がっていると思った。太短い

平成2年頃/J.Fさん/桜峠の佐見側。頭は丸く、尾はほとんど無い

昭和63年9月/M.Iさん/曲坂の桑園で。35cm、胴6cm位

昭和63年5月/N.Yさん/自宅付近の茶畑。40cm、ビール瓶位

昭和63年5月/M.Yさん/同上。灰色に光りはいずる様に動く

昭和62年11月/T.Iさん/田の側溝。石を当てるとタイヤに当たった音

昭和62年7月/S.Fさん/茶畑の草刈り中。黒っぽいビール瓶の様

昭和62年6月/K.Yさん/茶畑。ミカン袋の様な網模様が光った

昭和62年6月/K.Yさん/同上

昭和58年6月/F.Gさん/自宅の車庫近く。鼠の様な尾、灰色

昭和57年/S.Oさん/桑畑。40cm、どたりと座ったよう

昭和50年頃/Y.Yさん/自宅前。頭だけ見えた、口中が赤い

昭和48年頃/Y.Mさん/曲坂にて。ずん胴、尾が細く灰色

昭和24年7月/A.Iさん/前山の畑。灰色ではいずる様に動く

昭和22年頃/ K.Yさん/二本松近くの道端。木の株と思った

昭和21年頃/T.Yさん/自宅で二度、桜峠で一度。灰色に光り30cm位

昭和9年頃/K.Yさん/馬崩れ。笹を倒しながら逃げていった

 

平成2年を最後に東白川村では発見されていません…!

 

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ちなみに目撃者の声も残されています。

 

 

・・・・

 

 

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f:id:eaidem:20160408180325p:plain「もうこれ、マジのやつじゃないですか」

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「完全にマジですね。つちのこは存在します」

f:id:eaidem:20160408180325p:plain「僕たちで東白川村に乗り込んで、つちのこを探しに行きましょう!」

f:id:eaidem:20160408180153p:plain「127万円いただきましょう」

 

まとめ

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以上が「つちのこ秘伝」に書かれていた貴重な情報です。いやー、まさかつちのこを激押している東白川村でも27年間発見されていないだなんて…。

このままでは東白川村に危機が訪れるかもしれないので、4月23日(土)〜24日(日)にジモコロ編集部代表として乗り込んで、つちのこ捕獲の名人に会って来る予定です。続報をお待ちください。

 

 

書いた人:徳谷 柿次郎

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ジモコロ編集長。大阪出身の33歳。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916

誰にも悩みを打ち明けられなくて辛いです - 日本一「ふざけた」会社の社長がマジメに答えます(23)

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ハンドルネーム「鈴木」さん からのお悩み

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私の悩みは「悩みを持ってしまうこと」です。私はいろいろな人に「悩みなんてなさそうだね」と言われます。でも実際はめちゃくちゃ悩みがあります。

そのうえ私は、人に相談するということができません。「私の悩みなんて誰も聞きたくないのでは?」と思うのです。陰で苦しんでいるのは、きっとみんな同じ。暗い話をして困らせるより、明るい話で盛り上がったほうがみんな楽しいに決まってます。

それに、「他人からすれば贅沢な悩みなのではないか?」とも考えてしまいます。素敵な友人がたくさんいて、大学にも行かせてもらって、好きな勉強に打ち込めて、こんなに幸せな環境にいながら、簡単に「ツラい」なんて口にしてはいけないと思うのです。

でもやっぱり、最近なんだかどうしても、以前のように立ち直れないんです。シモダさん、悩みを抱えてしまった時って、どうしたらいいんですか?

 

シモダテツヤの回答

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こんなコーナーやってる僕が言ったら元も子もないですが、僕個人の考えとしては別に悩みなんて人に相談する必要はないと思っています。

「聞いてほしいだけ」とかならわかるのですが、その人本人の性格だったり環境だったりの話なので他人から解決策が出てくることなんてあまりないし、仮に出てきたとしてもそれを「やる」か「やらない」かは本人しか決められないことなので、僕はあまり他人に相談ということをしません。

「聞いてほしいだけ」についても、結局はすでに自分の中でなんとなく答えが決まっていて悩みを聞いてもらって「賛同してほしいだけ」だったりします。

誰かから恋愛の悩みを受けた時なんてまさにそうで、状況を聞いて、自分の意見を言ったところで「いや、でも」みたいな回答が返ってきたら「もう答え出てるじゃない。僕が言った事の逆」と思ってしまうからです。

だから別に無理して悩みを外部に解き放つようなことはしなくてもいいんじゃないでしょうか。それよりもあなたにはアメリカバイソンの飼育をオススメします。

前回のお悩み相談をしてきた方にも「アメリカバイソンを飼うこと」を進言したのですが、これは誰にでも有効なとても良いセレクトです。アメリカバイソンは元々インディアンの主食でした。

しかし、開拓時代に白人がインディアンの食料であるアメリカバイソンを虐殺しまくり、食料不足に追い込む政策をしたため、一時期は絶滅危惧までされるようになりました。現在は保護の結果、その数を再び増やし始めましたが、当時600万頭近くいたと言われているアメリカバイソンは1万5千〜3万頭くらいまで減少しています。

そんな悲しい歴史を持つアメリカバイソンに比べたらあなたの悩みなんて無に等しいです。いつでもそばに偶蹄目アメリカバイソンを置くことによって「こいつに比べたら俺の悩みなんて大した事ないな」と思えたら、すべて解決、ってことになりません? なりませんよね。

 

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あなたのお悩みもお待ちしております

書いた人:シモダテツヤ

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1981年京都生まれ。Webクリエイター。バーグハンバーグバーグ代表取締役社長。 代表作は「イケてるしヤバい男 長島からのお知らせ」「インド人完全無視カレー」「分かりすぎて困る! 頭の悪い人向けの保険入門」など。著書に『日本一「ふざけた」会社の - ギリギリセーフな仕事術』がある。Twitterアカウント→@shimoda4md

 

ジモコロは求人情報サイト「イーアイデム」の提供でお送りしています

トラウマを乗り越えて「クソ田舎」に自分の役割を見つけたUターン女性の話

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こんにちは、ジモコロライターの根岸達朗です。ダウンの右袖に穴が空いたのでガムテープで補修しています。こういうのは先に言えばこっちのもんです。

 

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ジブリ映画『もののけ姫』の題材にもなった「たたら製鉄」を取材する目的で、柿次郎編集長と訪れた島根・奥出雲地方。めちゃくちゃ深い世界に震えながら書かせてもらったこの記事、まだ読んでないよ〜という方はこちらからどうぞ!

 

 

実はこの取材が成立したのは、島根の人と人をつないでくれたローカルキーマンの存在があったからと言っても過言ではありません。なぜなら僕らは知識もなければ、プランもない。ましてや人のつながりなんて皆無だったのに、鉄への好奇心と勢いだけで、何も知らない土地に体当たり取材をしようとしていたわけで……。

 

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「探偵ナイトスクープみたいなやつがやりたかったんです」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「結果オーライだからいいけど、あやうく単なるおっさん2人旅になるところでした」

 

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そんな僕たちの好奇心をつむいで形にしてくれたローカルキーマンの一人が、写真左の奥出雲町役場職員・三成由美さん。妻子持ちの僕がこんなことを言うのもなんですが、とてもお美しい方です!

 

f:id:ONCEAGAIN:20160308101605p:plain「根岸さんとの対比」

f:id:ONCEAGAIN:20160308101553p:plain「おっさんが邪魔って言いたいのかな」

f:id:ONCEAGAIN:20160308101605p:plain「それはそうと、島根って美人が多い気がしません?」

f:id:ONCEAGAIN:20160308101553p:plain「4年連続、美肌県でグランプリだそうで。環境もいいし、食も豊かだし、美を育む土地なのかもしれないですね」

 

話を聞いた人:三成 由美(みなり ゆみ) 

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島根県出身。奥出雲町役場地域振興課 企画員。大学進学をきっかけに島根を飛び出して、名古屋で都会生活を謳歌するも「自分の幸せとは何ぞや?」と疑問を持ち、27歳のときに島根へUターン。現在は町役場の地域振興課職員として「町民の一番身近な一番頼れる存在」を目指して活動中。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2015 地域で輝くパワフル女子」選出。

 

現在の島根県にとって欠かせない存在の三成さんは……

とにかく人をつなげる力がすごい!

 

三成さんとの偶然の出会いは、東京で行われたとあるイベントに参加したことがきっかけでした。

 

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f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「このイベントは島根のローカルキーウーマンたちが、それぞれの活動を紹介しながら島根の暮らしの魅力についてトークをするというもの。僕の友達が紹介してくれた島根出身のローカルジャーナリスト・田中輝美さんが登壇していたので、ぜひ会ってみたいと思ったのも参加の理由でした」

f:id:ONCEAGAIN:20160308101553p:plain「皆さんのお話もすごくおもしろかったです。島根はすぐに人がつながるから、仲間と一緒に何かやりたい人にはとても楽しい土地みたいで」

f:id:ONCEAGAIN:20160308101605p:plain地域のなかでパワフルに活動している女性も多いとか」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「男性の参加者も多くて、みんな島根に興味津々でしたね!」

 

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f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「このイベントで司会を務めていたのが三成さん。イベントが終わったあとに少し話をさせてもらって、『今度島根に取材行くんですよー』と言ったら、『ぜひ来てください!案内します!』って」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「ちなみにこれ、出発3日前の話三成さんはここから恐るべきスピードで人をつないでくれました」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「現地でもクルマを出して、僕らを案内してくれたんですよ。まったく土地勘がなかったので本当に助かりました!」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「島根に足を向けて眠れません」

 

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愛車は「トヨタ ランドクルーザー」。クルマのチョイスが男前!

 

さらに、三成さんは……

行動力もすごい。

 

地元の女性10人のチームからなる「おくいずも女子旅つくる!委員会」の発起人でもある三成さん。女性の視点から奥出雲を切り取った観光情報誌「Okutabi」や、女性の生き方をテーマにした「女子百花」などのフリーペーパーを発行しています。

 

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f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「女性の視点に立った丁寧な情報が載っているし、誌面のデザインもすごくこだわってますよね」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「地元への愛と熱量を感じる冊子です」

 

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奥出雲を巡る女子旅ツアーも定期的に計画しているこのチーム。

寝台列車『サンライズ出雲』でやってくるお客さんを島根の伝統芸能『安来節どじょうすくい踊り』で出迎えたり、ヤマタノオロチ伝説で有名な斐伊川の上流域にあるダム湖で女子向けのヨガイベントを開いたり、はたまた奥出雲の伝統的な神社で巫女体験ツアーを企画したりなど、自由な発想で次々とアクションを起こし続けています。

 

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斐伊川にかかる橋を舞台に、男女150人がピンク色のヒゲを付けてヒゲダンスをする動画プロジェクトを立ち上げ、話題を集めたことも。島根のご当地キャラ「しまねっこ」もこの勢いに巻き込まれてヒゲを付けています。

 

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f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「地域資源とアイデアの組み合わせが秀逸。そして抜群の行動力。人を巻き込む力もすごいです」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「まさにローカルキーマンの鏡。地域の顔役はこれからの時代、もっとフォーカスされていくべきだと思います」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「まさしく。でもローカルジャーナリスト・田中輝美さんの本によれば、ここに至るまでにはさまざまな葛藤もあったようで。地元で生きる『覚悟』はどうやって生まれたのかも聞いてみたいところです」

 

 

奥出雲の人をつなげる「ご縁」ツアー

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「このたびは本当にありがとうございました」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「いえいえ。一度お会いしても二度目がある人って少ないので、来てくれただけでうれしかったです」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「たたらの記事のなかには登場していないのですが、雲南市役所の鳥谷健二さん、鈴木佑里子さん、松蔭佳子さんなど、行政の方々にも大きなご協力をいただきました。実はその縁をつないでくれたのも三成さんでしたね」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「みんなで餅つきをして楽しかったですね!」

 

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奥出雲3大鉄師のひとつである絲原家で行われた餅つき大会

 

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「初めてやったんですが、杵が意外と重くて…」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「根岸さんの付き方がしょぼすぎて失笑が漏れていました」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「それ言う?」

 

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三成さんに案内してもらったお蕎麦屋さんで念願の仁多米をほおばる

 

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「おいしい仁多米も食べましたね!」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「最高でした」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「さすが西の横綱」

 

 

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築300年の古民家に暮らしながら、自然栽培で米や綿花をつくっている白山洋光さん

 

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「Iターン移住者の白山さんのお宅にもお邪魔しました」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain現代とは思えない暮らしぶりでした」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「白山さんはかつて『夢と魔法の国』で働いていたそうですが、映画『もののけ姫』をきっかけに島根の文化に興味を持ち移住。現在は農業や綿花栽培をしながら、自宅の古民家で民宿を営んでいます」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「きこりをしていた過去もあるみたいですね。すごい経歴」

 

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f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「山から採ってきた生木をそのままいろりに突っ込んで、火を焚いていたので部屋のなかの煙がすごかったですね。煙は家を強くするためにも必要だとかで」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain体に悪いとこがある人が煙を浴びると涙が止まらないそうなんですが、完全に涙が止まりませんでした。都会に毒されている証拠…?」

 

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都会に毒された男の顔

 

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「あと、キムチやなますなどの発酵食品に柿が欠かせない話も目からウロコでした。柿のことはこれからもっと掘り下げないと!」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「背負ってる名前が名前だけにそれはやるべきでしょう」

 

「クソ田舎」から抜け出したくて

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f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「白山さんは都会の外食産業で体を壊したことが、田舎暮らしに向かっていったきっかけの一つだったとも話していました。三成さんもかつては都会の暮らしをしていたそうですね。どうしてそれに見切りをつけて奥出雲に?」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「都会の暮らしに疲れて帰ってきたというのが最初です。でも地元に帰って仕事をしたら、人は温かいし、文化は奥深いし、今まで見えてなかったものがたくさん見えてきて奥出雲のことがどんどん好きになっていった。自分のことを頼りにしてくれる人がいたこともうれしくて」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「都会ではどうしても自分の存在が埋もれてしまう部分ってありますよね」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「奥出雲には自分の役割があるって思えたんですよね。でも、昔は奥出雲みたいなクソ田舎一刻も早く出たいと思っていたんです」

 

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f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「そうなんですか」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain私はずっと田舎の閉塞感やしがらみみたいなものに嫌悪感を抱いていたから。ほら田舎って、良くも悪くもみんな知り合いじゃないですか」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「プライベートがないみたいな話は聞いたことがあります。うわさ話の広がるスピードもすごく早いとか」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「今だから言えるけど私、小学4年生のときに全校生徒の前でおもらししたんです」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「え?」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「何を勘違いしたのか、児童会の役員に立候補しちゃって。それで、全校生徒の前で演説をすることになったんですが、自分の名前も言えないくらいガチガチに緊張してしまって」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「わー!!」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「5分くらいずっと黙った挙句に。それでもう次の日からいじめが始まるんですよ。男子におしっこまでかけられたりして」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「おしっこをかけられるって…漏らしたとか関係のない悪行ですね」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「残酷な小学生男子のテーゼ…。いやでも、この話を明るく話せる三成さんはすごいですよ。おしっこのトラウマを乗り越えてる」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「奥出雲は人口1万4千人の街。子どもの数は少ないし、小中高ほとんど同じメンバーで過ごさないといけない狭い世界。だから私は自分の過去を知っている人が多いこの街からとにかく離れたかったんです」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「それで、名古屋に?」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「はい。私は生活圏にコンビニがあるだけですごい!って思うような田舎者だったから、何でもある都会の暮らしはとにかく楽しくて。自由!最高!って思ってましたね〜」

 

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都会と田舎、両方を知るということ

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「華やかな都会の暮らしが自分を解き放ってくれたと」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「はい。それで卒業後もまだ都会にいたいと思って、家具会社に就職してインテリアコーディネーターに。好きな仕事に就いたと思っていたし、毎日一生懸命がんばっていたつもりだった。でも、気付いたら身も心もボロボロに。当時は過食症にもなっていたし……20代の真ん中くらいはほんと地獄だったな」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「最高だったはずの都会なのに」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「今思えば、お金でしか物事を判断できなくなっていた。ブランド物にお金をつぎ込んで、高いものを身に付けることで安心していたし、仕事でも社内の評価を上げるために大きなお金を動かすことばかり考えて」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「今の三成さんの活動からは想像つかないですね」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「結局自分はお金がないとなにもできない人間だって気付いたんですよ。それと同時に、お金を稼ぐよりも信頼を稼いだ方が人生豊かで楽しいと言えるんじゃないかとも思った。誰のために、なんのために働きたいのかを考えたときに、思い浮かんだのは自分の故郷のことでした」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「それで奥出雲に」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「はい。奥出雲には安全安心のおいしいものはたくさんあるし、すばらしい作り手はいるし、都会よりも圧倒的に生きる力と知恵を持った人もいたことに、一周して衝撃を受けました。奥出雲なんて何もないクソ田舎と思っていたのは、ただ自分が何も知らなかっただけだったんだって

 

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f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「都会と田舎、両方を見てきたからこそ気付けた世界」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「でも都会は都会で、私にとっては必要な場所。だって服もちゃんとしていたいし、まつげエクステもできないと困るから(笑)。都会も田舎も両方知って、どちらも自由に選べるのが豊かだなーって思うんですよ

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「なるほど。どっちもあっていいよねっていう生き方は、すごくしなやかでいいなあ」

f:id:kakijiro:20160330215230p:plain「だから今は、昔の私が知らなかったような奥出雲の魅力を伝えていきながら、この土地に興味を持ってくれた人や、ここで何かをしてみたいと思ってくれる人を全力で応援していきたい。奥出雲と都会をつなげる架け橋みたいな存在を目指しながら、これからも一つひとつのご縁を大切にする生き方をしていきたいです」

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「人生経験で積み上げた言葉には強さと優しさがあるなーって思いました。三成さんと出会えて、島根にご縁をつくれたことが本当によかったです。ありがとうございました!」

 

まとめ

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太古の時代から神々があらゆる事象の縁結びについて話あってきたという伝承が残る島根。ローカルキーマン・三成さんに与えてもらった出会いを通じて、この土地が「ご縁の国」とも呼ばれる所以を実感したような気がしました。

 

f:id:kakijiro:20160330215111p:plain「出発3日前に出会ってからの流れるような展開が未体験でした。地方取材のスピード感は決してスローではないですね」

f:id:kakijiro:20160330215101p:plain「三成さんには東京に戻ってきてからイベントに誘ってもらったりしてお世話になりました。そこからつながった縁もかなり濃厚だったので、いつかこれもジモコロで還元したいですね。公私混同最高」

 

さて次はいよいよ、フェリーに乗って隠岐諸島の離島・海士町へ。地方創生の先進的地域、この目で確かめてくるぞー!

 

ライター:根岸達朗

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1981年、東京生まれのローカルライター。1児の父。家では「うんちばかもの」と呼ばれています。Mail:negishi.tatsuro@gmail.com/Twitter ID:@onceagain74/Facebook:根岸達朗

「田我流」「若手りんご農家」「チャリティーソング」- ジモコロニュース

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こんにちは、ジモコロ編集長の柿次郎です。47都道府県の情報を届けるのがジモコロなんですが、どうしても拾いきれないニュースや作品が出てきてしまいます。そこで「ジモコロニュース」では、編集部内で気になったトピックを気まぐれでピックアップしていこうじゃないか、と。一人でも多くの人に情報が届けば、取り組んでいる人たちもウルトラベリーハッピーじゃないでしょうか。

 

山梨県のラッパー・田我流が好きすぎて

田我流、鎮座DOPENESSら4名のラッパーを起用。コールマンブランドムービーで奇跡のフリースタイル! | Qetic

 

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「いきなり趣味全開で恐縮ですが、山梨県のラッパー・田我流が好きすぎるんです。これはアウトドアブランド・コールマンのブランドムービーなんですが、田我流だけでなく鎮座DOPENESS、Big Ben、チプルソが出演し、僕にとっては『てんや』『モスバーガー』『リンガーハット』が食卓に並んだような喜びなんです。地元×ラッパーの可能性を模索しているため、あえて取り上げさせていただきました」

 

一次産業をかっこよく伝えるお手本のような映像

 

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「こちらは青森県弘前市の若手りんご農家に密着したムービー。りんご品評会は、生産技術水準の向上と生産者の士気を高めるために毎年12月に開催されているそうなんですが、奇をてらわずともストーリーと作り手の想いがあればグッと引き込まれるんだなと感動しました。こういうのもっと見たいし、もっとより多くの人に見てほしい!」

 

熊本地震を受けて制作したチャリティーソング「HOPE」

EXIT FILMや[.que]らが熊本の震災を受けて急遽楽曲をリリース、楽曲の売上は全額寄付

映像制作会社EXIT FILMやアーティスト[.que]らが、熊本での震災を受けて、急遽被災した人たちのために楽曲「Hope」をリリースした。同楽曲はitunesで販売され、売り上げは、全額日本赤十字へ義援金として寄付される

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「最近仲良くなったEXIT FILMの田村くん、ミュージシャンの.queくんたちがチャリティーソングを制作しました。インストゥルメンタル楽曲として秀逸な出来なんですが、このスピード感で映像とジャケットも仕上げていて素晴らしいな、と。一人でも多くの人に届けたいので皆さん、ご協力ください〜!」

 

 

最近のジモコロ記事まとめ

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書いた人:徳谷 柿次郎

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ジモコロ編集長。大阪出身の33歳。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916

銭湯って儲かるの? 25歳の若き経営者「湊三次郎」に現実を聞いてみた

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カポーン……ピチョン……ざざぁぁぁ~~……

フハァァ~、気持ちええわ〜。足伸ばして湯に入るってマジ最高だわ~。

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こんにちは、ジモコロライターのギャラクシーです。お風呂あがりのテカテカ顔で失礼します。

 

銭湯ってほんと気持ちいい。

でも大抵の人は日々の雑事に追われ、普段は自宅で縮こまってシャワーを浴びるだけではないでしょうか。

 

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そこで今回は、ジモコロ編集長の柿次郎と共に、京都・五条エリアにある銭湯「サウナの梅湯」にお邪魔しております。

こちらは銭湯業界の革命児と言われる湊三次郎(25)さんが経営する銭湯。

学生時代に数百の銭湯を訪れたというマニアが、遂に経営にまで挑戦したということで、NHKの取材を受けたり、雑誌POPEYEに紹介されたり、何かと話題になっているんです!

 

サウナの梅湯
住所:京都市下京区岩滝町175
営業時間:15:30~23:00
電話番号:080-2523-0626 (営業時間外不通)
定休日:毎週木曜日
twitter:@umeyu_rakuen

 

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「いや~、良い湯でしたね! でも銭湯のために京都って遠くない?」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「京都は戦前の古い銭湯がそのまま残ってたりして、銭湯好きの間では聖地とも言える土地なんですよ! 特にこのサウナの梅湯(以下梅湯)なら、若き経営者・湊さんに、銭湯業界の実情を裏の裏まで聞けるんじゃないかと」

f:id:eaidem:20160218160610p:plainこの時代に銭湯の経営か……聞きたいことがいっぱいありますね。女湯ってどんな味がするの?とか」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「もっと聞くべきことあるだろ」

 

湊 三次郎(みなと さんじろう)

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静岡県浜松市出身。高校時代に旅行した横浜で銭湯に出会う。京都での大学時代は銭湯サークルを作り、全国数百ヶ所の銭湯に足を運んだ。
2015年5月、「サウナの梅湯」の経営者となる。
Twitter:@37sanjiro10

 

というわけで今回は湊さんに、銭湯の魅力や入浴マナー、そして銭湯経営について語って頂きました。

それ言っちゃって大丈夫?という所まで赤裸々に話してくれたんですが、マジで大丈夫なのかな……。

 

銭湯経営の裏側!「儲かるライン」って?

お話を伺ったのは梅湯の休憩スペース。お客さんが次々と僕らの横でコーヒー牛乳やお茶を飲んでいくという、庶民的なインタビューになりました。 

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f:id:eaidem:20160218160610p:plain「湊さんは銭湯好きが高じて経営にまで至ったということですが、どういう経緯で梅湯を手に入れたんですか?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「梅湯自体は明治からある銭湯で、僕は前の経営者の時代にアルバイトとして働いてたんですよ」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「ということはバイトから正社員登用みたいな感じで、すんなりと梅湯の経営に?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「いえ、一旦別の会社に就職したんですが、当時の経営者が梅湯から撤退するっていう話を聞いて、『じゃあ僕がやります』と。2015年の5月のことですね」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「銭湯経営というもの自体、想像もつかないんですけど、ぶっちゃけ儲かってるんですか?

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「銭湯業界で一般的に言われている儲かるラインは、一日の客数が120人なんです。でも普通の銭湯なら実際は平均80人~90人ってところじゃないですかね。梅湯も平均はそんな感じですね」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「湊さんのTwitterで『150人達成!』ってツイートがありましたが、日によってかなり波があるんですか」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「雨の日はお客さんが少なかったりしますから。今はボランティアの人に手伝ってもらったり、自分の人件費を削ってなんとかやれてるって感じですね」

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銭湯は設備の修理や補修で簡単に何十万・何百万と飛んでいくそう

 

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「ブログに『浴槽が水漏れしてて莫大な修繕費がかかりそう』って書いてましたよね。昔からある銭湯ということは、他にも色々とお金が要るんじゃ……」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「梅湯の経営を始めた段階で、500万円くらい使って色々な箇所を修繕しました。漏水はそのあとに起こってすごく困ってたんですけど、つい先日工事して、やっと直りましたよ」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「うわー、ほんとに銭湯経営ってお金がめちゃめちゃ必要なんですね……」

 

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f:id:eaidem:20160219113613p:plain「経営に煮詰まって本当にゲロ吐きそうになったりしましたけど、好きでやってることなんで。それに、僕が引き継いでから月の売り上げが30万円くらい増えたし、燃料と電気代は約20万円削減できたんです。なんとか……やっていけてますよ」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「(めちゃめちゃ床の一点を見つめてるけど大丈夫なのかな)梅湯は入浴料金が430円ですけど、料金を見直したりといったことは考えてないんですか?」 

梅湯|現在の入浴料
大人(中高生以上)430円

中人(小学生)150円

小人(乳幼児)60円

f:id:eaidem:20160219113613p:plain料金の上限は都道府県で決まってるんです。430円は京都の上限で、それ以上の料金にはできません

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「決まってるのは上限だけってこと? 安くする分にはいくらでも安くできるんですか? 10円とかにもできるの!?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「可能です。ただ一軒だけ安くすると『じゃあウチも値下げする』『ウチはもっと安くする!』って具合に、地域で低価格競争が始まっちゃうんです。だからみんな上限価格で揃えてるって感じですね」

 

主要都市の入浴料金

札幌(北海道)・・・440円

仙台(宮城県)・・・400円

東京都・・・・・・・460円

名古屋(愛知県)・・440円

大阪府・・・・・・・440円

福岡県・・・・・・・440円

 

入浴料が一番高いのは

神奈川県・・・・・・470円

 

入浴料が一番安いのは

長崎県・宮崎県・・・350円

※2016年4月現在の料金です 

 

銭湯の売り上げで一番大事なのは常連さん

 

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f:id:eaidem:20160219113613p:plain「銭湯は常連さんで持ちこたえてるという部分が大きいんです。生活に根ざした文化なんで」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「一見(いちげん)さんも大事だけど、常連さんがいないと売り上げが予測できないっていうのもありますよね」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「だからまずは常連さんを増やしたいんですが……かなり難しいですね。銭湯の常連になるということは、ライフスタイルを変えてもらうということなんで」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「でも梅湯さんならネットやテレビ、雑誌で紹介されるといった、新しい形で客数が伸びていきそ……」

 

(ここで突然、近くでコーヒー牛乳を飲んでたお客さんが話しかけてきた)

 

f:id:eaidem:20160218160611p:plain「僕はここによう来るけどね、梅湯はええ銭湯やで」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「え? だっ……誰!?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「常連さんです」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「ああ、なるほど。梅湯のどんなところがお好きなんですか?」

f:id:eaidem:20160218160611p:plain「そらぁ、なんちゅうてもサウナやね。汗をクァーッとかいたら気持ちええんよ~! 他にも色んな銭湯いくけど、梅湯が一番好っきやわ~」

 

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梅湯のサウナ。限界を超えてガマン大会するのはカラダに良くないのでやめましょう。

 f:id:eaidem:20160218160610p:plain「ほうほう、サウナがお好きなんですね。他に梅湯の良い部分ってあります?」

f:id:eaidem:20160218160611p:plain「えっ?」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「……………………」

f:id:eaidem:20160218160611p:plain「……………………」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「ないのかよ!」

f:id:eaidem:20160218160611p:plain「ほな、そろそろワシ帰るわ~! 明日も来るでぇ~!」

 

(去っていく常連さん)

 

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「えっと、すいません、常連さんを増やしたいっていう話の途中でしたね。今みたいな人を増やしたいってことですか?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「まあ、そう……ですね」

 

 

燃料は薪!? 普通は一生見られないボイラー室に潜入!

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「そろそろ薪を足さなきゃいけない時間なんですけど、一旦ボイラー室で作業してもいいですか?」

f:id:eaidem:20160218160610p:plainま、薪~!? この銭湯、薪でお湯を沸かしてるんですか?」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「見たい見たい!!!銭湯のボイラー室が見れる機会なんて貴重すぎる!」

 

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こちらが梅湯のボイラー室。普通の人は一生見ることはない景色

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火が弱くなり、「薪を足さなきゃいけない」という状態がこれ

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ここに薪を補給すると…………

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シュゴアアアアアア!!!!! あ…暑……いや、熱すぎるッ!

 

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「今どき薪を使っているなんてさすがですね。やっぱり銭湯マニアとして古き良き時代の……」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「いや、コスト削減のためです」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「あ、そうですか」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「以前は燃料が油だったんで、何もかも全自動でめちゃめちゃ楽でした。薪だと40分~50分に一回、こうして薪を足さなきゃいけない――」

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「僕だって、できれば油でやりたいですよ

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「でも薪なら毎月15万円くらいはコストを削減できるから……」

 

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「た、大変そうですね。サウナもこのボイラーでやってるんですか?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「サウナは電気なんです。だからどうしても節約できない。電気代が毎月10万円くらいかかります」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「東京だとサウナに入ると別料金がかかる銭湯もありますけど、梅湯はそういうのはないんですね」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「京都は基本的に別途サウナ料金を取るというのは無いですね。せっかくだから入った方が良いですよ」

 

マニアに聞く! 銭湯で見るべきポイントは?

ボイラー室での作業が終わり、再び梅湯店内に戻ってきた我々。

せっかくなので、銭湯マニアの湊さんに色んな豆知識を聞いてみました。

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f:id:eaidem:20160218160610p:plain「湊さんは大学で銭湯サークルを作って数百軒の銭湯を巡ったそうですが、銭湯で見るべきポイントってありますか?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「まずは外観ですね。特に京都は、東京と違って空襲で焼けてないから、古い銭湯がそのままの形で残ってたりします。また、どういう立地なのかも考えると良いですね。どんな土地に建っているかで何となく歴史がつかめるんです」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「なるほど、梅湯だと京都・五条エリア(旧遊郭、戦後一時期は赤線だった)にあるから、昔はきれいなお姉さんがお湯に入りに来たのかな~なんて考えると感慨深いですね」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「細かいことですが、ロッカーの古さや、その鍵も味のあるものが多いので見てほしいですね」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「銭湯には何十回と来てるけど、ロッカーの鍵に注目したことなかったわ」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「タイルなんかも『これは戦前のやつ、これは昭和初期』ってわかると楽しいんです。マジョリカタイルとかビクトリアンタイルとか、実は色々種類があるんです」

 

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タイルの種類を解説してくれる湊さん。半分以上理解不能でした

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梅湯の本棚では銭湯に関する貴重な蔵書を読むことができます

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「あとこれは一般常識レベルですが、のれんも地域によって違いがあるんです。東京型、京都型 大阪型などですね」

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 地域別のれん。決まりがあるわけじゃなく、なんとなくこう分かれているそうな

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「あ、僕もひとつ銭湯トリビア知ってるんですよ! 関東では右が男湯で左が女湯ですけど、関西では右が女湯で……」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「それ、よく言われますけど都市伝説ですよ。男湯女湯の左右は地域による違いじゃないです。店ごとって感じですね」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「…………」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「(めちゃめちゃドヤ顔でデマを披露したのかこいつ……)」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「そういえばひとつ気になってたんですけど、梅湯の番台って脱衣所の手前にありますよね? 脱衣所の中にあるのが一般的かと思ってたんですが」

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 気になる番台の位置

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「女性からするとやっぱり男性に着替えを見られるというのは恥ずかしいでしょうし、あと番台が脱衣所の中にあると、番台から下りるためにまわり込んだりしなきゃいけなくて面倒なんですよ」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「へぇ~、でも脱衣所の手前だと女の人が着替えてるところを見れないですよね? 番台といえばすべての男性が一度は憧れる仕事……その一番良い部分を捨てる結果になってませんか?」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「いや、他の銭湯の旦那衆が言ってたんですが、毎日見てたら何とも思わなくなるものですよ。完全に作業というか」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「めっちゃかわいくてド巨乳でもですか?」

 

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 「そっ……」

 

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「いや、今のままでいいです」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「(僕が銭湯経営することになったら脱衣所の中に番台つくろう)」

 

 

あなたの知らない銭湯のマナー

 

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京都という土地柄、外国人客も多いので英語の注意書きが貼ってありました

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「なんとなくみんなが守ってる“銭湯の入浴マナー”みたいなのってあるじゃないですか」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「『タオルを湯につけない』みたいなやつですか?」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「それです! そういうのってハッキリと明文化されてないから、正解がわからないんですよ。タオルにしても、湯につけないのは知ってても、どこに持っとくのがベストなのかはわからないじゃないですか」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「この際だからいくつかハッキリさせときたいマナーを教えてもらっていいですか」

 

銭湯のマナー

 

・タオルを湯につけない 

頭に乗せるか、邪魔にならない場所に置いておく

・髪の毛を湯につけない

髪の長い人はヘアゴムを使って上にまとめる

・湯船で顔をゴシゴシしない

基本的に湯船は洗うものではなく温まるためのもの

・湯船に入る前にはカラダを洗う

かけ湯だけでいい銭湯もあるが、石鹸で洗ってから入るのがベスト

・浴場から脱衣所に戻る時はタオルを絞って軽く拭く

床がビチョビチョだと他の人が不快だから

・入れ墨(タトゥー)があっても入ってOK

基本的にはOK

 

※湊さんの考える梅湯でのマナーです

 

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「え……湯船で顔をゴシゴシしちゃだめなんだ。聞いといて良かった」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「1ミリも顔に触っちゃダメというレベルではないですけどね。あまりゴシゴシやらない方がいいです」

f:id:eaidem:20160219113612p:plain「入れ墨(タトゥー)があってもOKっていうのは驚きました。結構『お断り』みたいな注意書きが貼ってある銭湯多いですよね」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「銭湯というのは『公衆浴場』なので、誰もが入れなければいけません。だから入れ墨(タトゥー)禁止というのに強制力はなく、いわば“お願い”という意味だと思います」

※ただしスーパー銭湯は『その他の公衆浴場』なので銭湯とは扱いが異なります

 f:id:eaidem:20160218160610p:plain「たぶん他にもとんでもないマナー違反とかがあるんでしょうね」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「海外の方ですが、湯船でお酒を飲もうとした方もいましたね。外国人旅行者だったので、温泉で日本酒みたいなイメージと混同したんだと思いますが」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「ああ~なるほど! 海外だとマナー以前に銭湯っていう概念自体がない国もあるんだ!」

 

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この国に銭湯があって良かった…… 

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この雰囲気って銭湯にしかないですよね

f:id:eaidem:20160219113613p:plain建物がめずらしいのか、店の前で立ち止まって、眺めてる外国人旅行者も多くて。そういう人にはこちらから『パブリックバスだよ、入っていく?』って声をかけます」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「銭湯は日本の誇る文化ですから、外国の方にも知ってもらいたいですよね。そして僕らはその文化を守っていかなきゃ! よ~し、東京に帰ったら銭湯に行きまくろうっと!」

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「東京にも良い銭湯たくさんありますからね。わからないことがあったらいつでも聞いてください」

f:id:eaidem:20160218160610p:plain「はい! 今日はありがとうございました!」

 

 

 

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取材が終わってから、世間話として兄弟はいるのか質問したところ――

f:id:eaidem:20160219113613p:plain「弟は東京で銭湯のバイトをしてます。もう少ししたら、ある会社で銭湯運営の現場担当になる予定だそうです」

とのこと。

おそらく悟空とラディッツのように、湊兄弟には銭湯民族としての血が流れているのでしょう

 

 

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【おまけ】こちらは女湯の写真。営業時間外なので裸の女性がいるわけもないんですが、すごくドキドキしました。

ライター:ギャラクシー

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株式会社バーグハンバーグバーグ所属。よく歩く。走るし、電車に乗ることもある。Twitter:@niconicogalaxy

ジモコロ編集部に呼び出された - 山本さほの「なに描いてもいいの?」

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『岡崎に捧ぐ』『無慈悲な8bit』でお馴染みの漫画家・山本さほ。ジモコロ編集部から「なにを描いてもいいよ!」と言われたため、逆になにを書けばいいのかわからない感じで毎回思いつきで描いていきます。


 

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漫画描いた人:山本さほ

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マンガ家。幼なじみの「岡崎さん」とのちょっと特殊な友情を描いたマンガ『岡崎に捧ぐ』や、身のまわりの出来事を描いた『ひまつぶしまんが』がネット上で話題に。『ビッグコミックスペリオール』に連載中の『岡崎に捧ぐ』の単行本1〜2巻(小学館)が発売中。また『週刊ファミ通』にて『無慈悲な8bit』を連載中で、最近1巻が発売された。Twitter:@sahoobb

ムキムキすぎる歯医者の「人生哲学」を聞いてきた

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こんにちは! 株式会社人間の社領エミです。

 

私は、ただいま…

 

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歯科検診の真っ最中でございまーす!

 

なぜこんな状態になっているかというと…。

皆さんは2014年、ネット上でとある歯科医院のサイトが物凄い話題を攫ったことをご存知でしょうか? 

 

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ム、ムキムキの歯科医がおる〜っ!!!

 

『何故タンクトップ』『素手で歯抜きそう』などのコメントと共にこの医院の情報は瞬く間にネット上を駆け巡り、サイトを紹介したツイートはなんと6000RT! NAVERまとめには、この院長先生のまとめが出来るほどの人気っぷりとなりました。

 

新日本プロレスのトップレスラーであるオカダ・カズチカ選手も通っていて、当時こんな写真をTwitterにUPしていました。

 

背筋は範馬勇次郎を彷彿とさせるオーガ級…!

 

そしてそんな情報に、2016年にして気付いた私……。

し、知らなかった〜! こんな歯医者〜! しかし、私もマッチョ好きライターの端くれとして放っておくわけにはいきません。院長先生に会いた〜い!

 

ということでやって参りました。

東京は表参道にございますパトリア歯科医院!

 

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こちらがパトリア歯科医院の待合室でございます! す、すご〜! ハワイか!

 

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やっぱりというべきか、こんなフィギュアも飾られております!

 

先生はなんでマッチョなの? どうして歯医者でマッチョなの?

今日は、根掘り葉掘り聞いちゃいたいと思いま〜す!!

 

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「先生、よろしくお願いします!」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「はい、関西からはるばるどうも。よろしくお願いします」

 

嶋田先生の超理論『歯=筋肉』

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嶋田泰次郎(しまだ・たいじろう)。1976年東京生まれ、40歳。パトリア歯科医院 院長。
2010年「ボディビル東京オープン」(70kg級)にて、初出場で見事優勝を飾った。

 

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「ムキムキだと思ったらボディビルのチャンピオンやがな! 先生は、どうして医院のホームページにあんな写真を?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「ホームページ用の写真撮影の時、たまたま患者で来てたやつに『先生、タンクトップの方が絶対良いっす』って言われて脱いだんだよね。そしたら、サイトを開設した翌年にものすごい数のアクセスがあってさぁ。サーバーがダウンしたって聞いてびっくりしたよ」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「私もあのサイトにはびっくりしました…!! 先生は、どうして体を鍛えてるんですか?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「筋トレ自体は、高校時代から趣味でずっと続けていたんだよ。鍛えれば必ず自分の体が応えてくれるのが面白かったんだよね。ボディビルを始めたのは34歳の時、知人に『一緒にやろうよ』って軽く誘われたのがきっかけだね」

 

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2010年、東京オープンで優勝した時の写真。歯科医にあるまじきキレキレすぎる筋肉!

 

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「歯科医とボディビルを両立なさってたんですね! 大変じゃなかったですか?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「ヤバかったよ〜! 仕事終わってから23時までジム、クタクタで帰宅して減量用のあっさり飯を食って、夜中に日サロ行って…。で、日サロ出たら朝の4時。鳥チュンチュンみたいな」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「夜明けじゃないですか!」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「大会前の1年間を使って鍛えたんだけど、その1年の間に結婚したし子供もできたしで大変だったよ。家帰ったら嫁は初めての子育てで疲れてるし、俺は初めての減量でキツいし、子供は夜泣きしてるし…。マジ家庭崩壊しそうだったから、そこからしばらくボディビルは辞めてたね」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「夫婦で『初めて』のジャンルが違いすぎて笑う…。でも、最近また大会に出てらっしゃるとか」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「そうだね、減量の方法にも慣れてきたし。これは2014年の写真」

 

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f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「か、か、かっけ〜〜〜!!!!!」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「まぁ、2位だったんだけどね」

 

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f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「ボディビルは、これからも続けるんですか」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「いや、今年で大会に出るのは本当にやめる。俺は筋トレよりも、家族と仕事の時間を大事にしたいなと思ってさ。ただ、ボディビルから得たものは沢山あるよ。一番大事なのは継続力だとか」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「継続力? わたしが一番苦手なことだ…!」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「肉体は、『筋トレ』と『健康的な食生活』を継続することで結果が出るからね。それって、歯でも同じことが言えるんだよ。ちゃんと継続して磨くことで虫歯にならないでしょ? 歯も筋肉も継続が大事! 歯=筋肉!

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「うわ〜〜!!! マッチョっぽい言葉〜〜!!!」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「だってどっちも肉体改造じゃん。楽したら、歯も肉体も維持できないよ

 

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f:id:emicha4649:20160415114119p:plain(ヤバい……最近マジで歯が痛いなんて言えない……

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「診てあげよっか?」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「えっ!?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「診るよ。今歯がどんな状態かチェックしてあげる」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「え〜〜〜〜〜!!!!!」

 

嶋田先生おすすめ、正しい歯の磨きかたとは?

f:id:emicha4649:20160408155633j:plain

そして、話は冒頭に戻ります。なんと嶋田先生に歯を診ていただくことに! あがー!

 

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「結果は……」

 

 

f:id:emicha4649:20160408155634j:plain

 

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain虫歯6本、歯垢どっさりです

f:id:kakijiro:20160426142708p:plainき、汚ねえ〜! カメラマンが横から口だしてゴメンだけど汚ねえ〜〜!!

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「ご、ごめんなさい〜。私、小さい時から『夜しか歯を磨かない』という謎の習慣が…

f:id:kakijiro:20160426142708p:plain「朝は磨かないってこと!? 寝起きの口って肛門より汚いらしいよ……。社領ちゃんの口、肛門じゃん……

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「無念な気持ちしかない……」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「こんなんだったら後々歯がグラグラなっちゃうよ。歯って何から生えてるか知ってる?」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「なんだろう…? 歯茎?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「ブー。答えは『骨』です」

 

f:id:emicha4649:20160408155635j:plain

本当だ。そういえば、ドクロって歯が生えてる!

歯茎というのは、骨から歯にかけてを覆っている皮膚のことなんだとか。

 

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「歯茎と歯の間の歯周ポケットに歯垢が溜まるとダメなんだよ。まずあなたみたいに歯ブラシを歯に直角に当ててる人は、歯の表面しか磨けてない。歯ブラシは歯に対して斜め45度に当てて、歯周ポケットの中まで掻き出すことを意識して磨くべきなんだよね」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「ふむふむ」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「あとは、歯の間だね。歯磨きのあとは絶対にフロスと歯間ブラシを使わないと、後でとんでもないことになるよ」

 

f:id:emicha4649:20160412224152j:plain

 

f:id:emicha4649:20160408155636j:plain

実演してくれる先生! この時、歯肉炎だった私はムチャクチャ血がでました。

 

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「これをしないと、マジで骨が溶けます」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「ひ、ひえ〜!」

f:id:kakijiro:20160426142708p:plain「俺も頑張ろう…」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「歯が悪くなってから歯医者に行く人がいるけど、それは大間違いだからね。たまに『詰め物が取れたからもう一回つけて』って頼まれるけど、取れちゃうのは詰め物がひっついてる歯自体がもうボロボロだからだよ。日頃からきちんと歯磨きをして定期検診に行っていれば、痛くなる前の虫歯も見つかるし、悪い状態になってないから治療費もかさまない」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「正論すぎる…」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「痛いのが嫌っていう人がいるけど、痛くしてんのは自分だからね。歯医者に行って治したからって、その歯が一生虫歯にならないことなんてないんだよ。だから、歯磨きを継続することが大事。分かった?」

 

f:id:emicha4649:20160408155637j:plain

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「筋トレも、継続することが大事」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「ちょいちょい筋肉挟むな…。でも、先生のおっしゃる通りです…!」

 

1日に診察するのはたった10人。その理由は?

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f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「そういえば、嶋田先生は1人の患者さんを診察するのに、かなり時間をかけていらっしゃるんだとか」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「そうだね、1日10〜15人かなぁ。もともと、歯っていうのは短い時間で診れるもんじゃないと思う。患者さんの未来を決めてく大事な作業なんだから、時間をかけないと」

 

f:id:emicha4649:20160408155642j:plain

ホームページにも掲載されています。こんな熱心な歯医者さん、周りにいるか…!?

 

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「嶋田先生は、どうしてそんなに親身な方法をとるようになったんですか?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「俺は人が好きだからさ、患者さんと向き合って人となりもよく知りたいんだよね。でね、そういうスタイルでこの仕事を16年やってると面白いのは、人生観が全然変わるってこと」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「例えばどんな?」

 

f:id:emicha4649:20160408155638j:plain

 

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「やっぱりちゃんと人と向き合ってると、患者さんも継続して通い続けてくれるし、近況とかも色々聞けるわけ。すると、何年にもわたって診療する中で、お互い色んなことが変わってくのがわかるんだよね。俺はこの16年の間に嫁と子供ができたでしょ。患者さんの場合は、小学生だった子が大人になって家庭を持ったとか、アメリカに嫁いでったとかさ。そしてもちろん、病気をする人もいる。そんな時、人生って一回きりだし、必ずいつか終わるんだって思うんだよね」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「思わぬ深い人生観…!」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「俺がボディビルをやめようと思ったのって、そういう部分もあるかもね。一度きりの人生じゃん。ボディビルはすごい競技だけど、俺にとっては、これ以上筋肉だけに打ち込むのは味気ないなぁって思ったんだ」

 

歯=筋肉=人生と悟った、嶋田先生の深い教え

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「ボディビルを辞めたあと、次は何をされるんですか?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「そうだなぁ。とにかく、“自分らしさ“が出せればいいと思う」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「自分らしさ…?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「どんな変な奴でも、むちゃくちゃ怖い奴でも、みんなひとつは最高の良い部分があるんだよね。些細なもので、自分しか持っていなくて、誰かと戦う必要もないようなもの」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「それが“自分らしさ”ってわけですね。先生がそう思ったのに、何かきっかけはあったんですか?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「実は俺、超エリートな双子の兄がいるんだけど、いつも比べられてさぁ。すごいコンプレックスだったんだよね。大人になってもずっと誰かと自分を比べてたし。でも嫁と子供ができて、やっと自分だけのものを見つけて、『自分は自分だから、まっすぐ生きてりゃいいんだ』って思えるようになったね」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「うわ〜、全国の子供達に伝えたい言葉だ。先生は、ごく最近までそう思えてなかったってことですか?」

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「そうだね。でも時間をかけてまで見つける価値は十分にあった。まぁ、『自分らしさを出したい=わがままで良い』ってわけじゃないんだけどね。まずは己を知って、自分に足りないものは何か、補うには何をすべきかを考え続けないといけないと思うよ。現状を知らないと何も変えられないじゃん、例えばさ…」

 

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f:id:emicha4649:20160415114123p:plain俺の筋肉でいうと、俺は足・背中の下・ケツが弱い。それに特化したトレーニングをするしかない」

 

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f:id:emicha4649:20160415114123p:plain歯でいうと、患者さんの歯磨きの中で弱い部分を俺が解明して、対策できる方法を伝える。で、患者さんにそれを実行してもらう」

 

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f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「人生もそうじゃん。すなわち、歯も筋肉も人生も同じじゃん」

 

 

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f:id:emicha4649:20160415114119p:plain歯って人生だったんだ〜〜〜!!!

f:id:emicha4649:20160415114123p:plain「俺は今年から息子の幼稚園のPTA会長だし、それを頑張ってみようと思う。他にも『護身術』とか色々やりたいことはあるけど、果たして次の“自分らしさ”が活かせる場所がどこなのか、今から楽しみだね」

f:id:emicha4649:20160415114119p:plain「嶋田先生、ありがとうございました〜〜〜!」

 

まとめ

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嶋田先生は筋肉をアピールするいかにも変な歯医者かと思っていたんですが、想像異常に深い人生観をお持ちの方でした。嶋田先生が次にどんなチャレンジをされるのか、私もとても楽しみです!

それにしても、歯磨きを入念にしないと骨まで溶けることになるとは…。歯垢だらけだった私ですが、大阪に戻ったらすぐ歯医者に行くぞ!

よ〜し! 今日から毎日、朝晩ちゃんと歯磨きするz……

 

う!!

 

 

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う…ぐ……お……

 

f:id:emicha4649:20160414230400j:plain

 

お…お…おご……

 

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おおおう〜〜!!!

 

 

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f:id:emicha4649:20160414230418j:plain

 

(終)

 

ライター:社領エミ(株式会社 人間)

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"面白くて 変なことを 考えている"会社、株式会社人間の書けるムードメーカー。マッチョが好き。
Twitterアカウント→@emicha4649


自己啓発書=アルコール説

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f:id:madmania:20160427120201p:plain

こんにちは、上田啓太です。

今日のテーマは「自己啓発書」です。もうすこし正確に言うならば、「自己啓発書はぜんぜん役に立たなかった」という実体験から、「なぜ役立たなかったのか?」という分析、そして「じゃあ、どうすりゃよかったのか?」というふうに進めていこうと思ってます。

さて、私の人生は22歳のときに行き詰まったんですよ。

行き詰まるというのは、「自分がどうすればいいのかさっぱりわからない」ということで、要するに、海に溺れているようなもんです。なので余裕がない。余裕がないが何か、とにかくすこしでも自分を浮上させてくれるものがほしい。そんなときに人は本を読みたくなる。

はじめて「自己啓発書」の存在を知ったのはそのときで、近所のコンビニに置いてありました。当時の自分は読みました。そのときはものすごく感動したし、興奮しました。「うおおお!やるぞー!」というかんじ。

しかし、気持ちは続かない。

私は何冊か読んで、いつもこのパターンになっていると気づいて、やめました。意味ないじゃん、という感じ。

 

その興奮はアルコールに似ている

「酒を飲んで自分を変えよう!」という発想がギャグなのは分かると思います。「いや酔いは覚めるだろ」とツッコみます。

しかし、「本を読んでイイ気分になって新しい自分になる!」も似たようなものなんです。要するに、寝ると冷静になる。基本的に、本というものにはそれだけの力しかありません。

とくに、一度だけ読んだ本で人生が変わるなんてことはないんです。通読するとしても、せいぜい二時間か三時間だと思います。それで「新しい自分」になっちゃうとしたら、むしろ危険ですよね。

本よりも睡眠のほうが強いです。一晩寝ることはプラスもマイナスも身もふたもなくリセットしてきます。じゃあ、睡眠というリセット機能にどう対処すればいいのか。

翌日も読めばいいんです。

 

一冊と決めてボロボロになるまで読め

最初はとにかく何冊か読んでみなきゃいけない。

そのうち「うおおお!」と思う本が見つかったら、そこで、次にいくのはやめる。そしてその本を毎日読む。ボロボロになるくらいに読む。電子書籍の場合でもしつこく読む。できれば紙の本がいいかもしれない。というのは、「特別な本」として接したほうがいいからです。

わかりやすく言えば、キリスト教徒が聖書を読むように読め、ということです。宗教における聖典のように読む。神のことばが書かれたものとして読む。それくらい徹底的に「ハマる」こと。これがポイントだと思います。

なお、ここでハマるべきなのは「本」であって「作者その人」じゃありません。というのは、作者にハマると十万円くらいの変なセミナーとかに行くことになりそうなんで……。

できれば古典がいいとおもいます。要するに、作者はもう死んでいて、その後も長く読み継がれているようなものですね。

 

やたらと量を読むのは無意味です

最悪なのは、「次々と色々な自己啓発の本を読んでいるが、どれも一度も読みかえしていない」という状態です。これがいちばんどうしようもない。要するに色んな酒を飲んで楽しくなってるだけです。自己啓発界のパーティーピープルです。

10冊とか20冊とか、ましてや100冊とか1000冊とか自己啓発系のものばかり読まないこと。1000冊も読むなら絶対にジャンルをバラけさせたほうがいいですし、そもそも1000冊いうのは結果であって目的にするもんじゃありません。

時間と好奇心(と図書館)があれば結果的に1000冊くらいは読んじゃいますが、それはむしろ「ああ、こんなに読んじゃったのか…」と落ち込むようなもんですね。とくに、自己啓発系の本ばかり1000冊も読んでいるなら、1冊目を読んだ時に抱えてた問題が1000冊読んでも解決してないということなんで、落ち込むのが普通です。

だから「この本!」と決めること。たぶん5冊も読めば、1冊くらいは自分にとっての当たりを引けるとおもいます。その本を読みながら、自分の生活にどのように適用できるのかを常に問いかけていったほうがずっと良いです。

 

しつこく読みながら日常を巻き込んでいく

日常を巻き込むことが大事です。

人には日常しかないんですが、本を読む時は日常をカッコに入れがちなんですね。すると頭と体が平気でどんどん離れていきます。本と日常を切り離さないこと。人付き合いに関しての記述は自分の身近な人間を想像して読む。仕事に関する記述なら自分の仕事を想像して読む。

本の記述は絶対に読み手の現実とズレてます。その隙間は自分で埋めていくしかありません。この隙間だけは自分でなんとかするしかないんです。それを放置するなら、言葉と行動の隙間をほったらかすということになります。

そして、日常を巻き込んでしつこく読んでも、じわじわ染み込んでゆくような形でしか、本は人を変えません。「ああ、俺、変わったなあ」というのは、数年後にふっと気づくものです。読んだ直後にいきなり「俺は変わった!」と思ったなら、たぶんそれはお酒です。

 

まとめと次回予告

ということで、現在の自分の結論は

・読書でどれだけ興奮しても、寝ると消える

・本の興奮も酒の興奮も大差ない

・本当の変化は実践を伴った精読から起こる

・それでも数年はかかる

というものです。まあ、あんまり嬉しい結論じゃないですが、そんなもんです。近道はありません。

これで今回の話は終わりなんですが、最後に、次回の連載について。

自己啓発書に幻滅した私は、すぐに「日常を巻き込んだ精読」には進みませんでした。むしろ、色々なジャンルの本を読むようになったんですね。心理学、脳科学、行動経済学、進化論、認知療法などなど。つまり「人間の心理の仕組み」を知りたいと思ったんです。これが連載第二回で書いた「社会の退場と肉体の発見」という話にもつながっていきます。次回はそのへんのことを書きたいと思います。

とりあえずみなさん、自己啓発界のパーティーピープルになるのはやめましょう。

 

※前回までのコラム 

 

 

ライター:上田啓太

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京都在住のライター。1984年生まれ。
居候生活をつづったブログ『真顔日記』も人気。
Twitterアカウント→@ueda_keita

GWの予定が一切ない人に役立つジモコロ観光情報まとめ

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f:id:kakijiro:20160428223008p:plain

こんにちは、マンスーンです。

みなさんゴールデンウィークの予定は決まりましたか?

 

f:id:mansooon:20160427043409j:plain

僕は普段から家にこもりがちで、インターネットさえあれば何もいりません。そのため遠出なんて滅多にしませんし、最後に東京から出たのは6年くらい前です。

 

そんな僕ですが、ゴールデンウィークの予定がまだ決まってない人のために様々な場所を取材してきた「ジモコロ」でお出かけに役立つ記事のまとめをお届けしたいと思います。

 

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あ、ちょっとディスプレイの中に入りますね。

 

f:id:mansooon:20160427043450j:plainそれではここからまとめをお楽しみください。

 

 

日帰りでサクッと出かけたい 

www.e-aidem.com

東京から車で1時間半くらいで行ける山梨県。何もないと思われがちな山梨なんですが実は最高の観光スポットがたくさんあるのをご存じでしょうか。こちらはヨッピーがレポートしてきた記事です。

 

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おいしいジビエに舌鼓を打ったり、ウィンドサーフィンで自然に触れたりと、日帰りの旅行でも様々な体験をすることができます。

 

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そして記事の最後に出てくる「ほったらかし温泉」から見える夜景は、「本当にここが新宿から片道90分で来れる場所なの?」と驚いてしまいます。

 

 

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日帰りでもおもいっきり遊びたい!!って人にはこんなプランがオススメ。

 

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馬に乗って

 

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空を飛んで

 

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 川に飛び込む!!!!!

 

これを全部1日で体験するエクストリームなプランです。

次の日、体の節々が痛くなりそうですが大丈夫!だってゴールデンウィークだから!!

 

 

非日常感を味わう

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せっかくの長い休みだから日常を忘れたい。

そんな人にオススメするのは「座間味島」での優雅な時間です。

沖縄本島から50分で行けるアクセスの良さで本当の沖縄を味わえます。

 

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青い海、白い砂浜、燦々と照らす太陽。

 

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こんな透き通っている海に入れば嫌なことなんて全部吹っ飛んでしまいます。そう、いま自宅にひきこもりながら、こんな記事を書いていることも…!

 

 

とにかく温泉に入りたい!

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旅行と言えば温泉!とにかく温泉に入りたい!!っていう温泉狂いの人には長野県の野沢温泉に行ってみてはいかがでしょうか。北陸新幹線を利用すればスッと行けます。

 

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野沢温泉の最大の魅力は…あちこち13箇所に点在する外湯に無料で入浴することができること! ヨッピーさんみたいに自分で作った温泉卵を食べながら制覇するのも面白いかもしれません。ただ湯あたりにはお気をつけください。

 

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ちなみにヨッピーさんは二時間半で13箇所を制覇したそうです。

温泉妖怪のなせる技ですね。

 

 

グルメな人はここに行け!

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おいしいものが食べたい人には千葉県佐倉市にある「佐倉きのこ園」で最高のシイタケを思う存分味わうプランはどうでしょうか?

シイタケなんて...と思ってしまったあなたは何も分かっていません。赤子同然。

 

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自分でもぎ取ったぷりっぷりの自家栽培のシイタケを…

 

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その場で焼いて食べる。

 

そんな幸せな時間を体験せずに一生を終えるなんてもったいなさ過ぎます。ちなみに味付けにバターや醤油もいいですが、本当においしいシイタケは塩で食べるのが一番だそうです。

 

 

歴史を知って賢くなりたい

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歴史好きの人に勧めたいのは、島根県を中心として営まれてきた伝統的な鉄作りの技法「たたら製鉄」の歴史を辿る旅です。

たたら製鉄は 映画『もののけ姫』の題材にもなっている技法で、かつては日本の鉄の8割以上がこの技法によって作られていました。

 

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「鉄の歴史博物館」では門外不出の貴重なドキュメンタリー映像を鑑賞することができ、どうやって鉄を作るのかを学べます。

 

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また、たたら場を再現した「管谷たたら山内」では当時にタイムスリップしたような感覚に浸れること請け合い。日本の製鉄文化のルーツを学んで鉄作りの深さを感じれば、きっと世界の見方が変わると思います。「鉄のおかげで日本の文明は発展したんだな…。鉄と母親にマジ感謝…」と。

 

 

ちょっと変わった場所が好き 

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こちらは徳島県の秘境・祖谷渓谷。険しい山とエメラルドグリーンの川を両サイドに見ながら進んでいくと…。「村人よりもカカシが多い集落」に行けます。これだけでは意味がわかりませんが、実際に訪れてみれば理解できるでしょう。

 

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めちゃくちゃ カカシ いる

 

夜に行くとホラーすぎる光景ですが、地元住民の手作りカカシと触れ合ってみるのも良いんじゃないでしょうか。

 

 

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あぁ、なんて淫靡な響きなんだろう「秘宝館」って。

 

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友達と行ってワイワイするもよし、カップルで行ってその夜燃え上がるのもよし。温泉だけじゃない熱海の秘宝を見つけに出かけてみてはいかがでしょうか? 

 

 

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動物が好きな人は宮城の「キツネ村」がオススメ。

 

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こんなにたくさんのキツネさんに囲まれたらもう至福の時間ですね。 

でもキツネに化かされないように気をつけて下さい。

 

 

思い出を残したい 

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大切な記念日や家族の成長を写真に残すなら、石川県にある超シャレオツな記念写真館「TORUTOCO(トルトコ)」を訪れてみてください。ちなみに予約必須です!

 

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遊び心あふれる最高な記念写真を残すことができます。僕には一生縁のない世界かもしれません…。

 

人とは違う旅行がしたい 

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「長距離(100キロ以上)を一筆書きで後戻りせずに旅行すれば、きっぷを保持したまま改札の外に出ることが出来る」という途中下車のルールを使えばお得に旅行をすることができます。

 

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ちょっと何を言っているのかわからないと思いますが、僕も全然わからないので詳しくは記事内の説明を読んでください。

普通に切符を買うよりも安く旅行をすることが可能なので時刻表を読んで自分なりの経路を考えてみるのも楽しいかもしれません。

 

 

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空間を自由に操れる能力者には沖縄と北海道を同時に楽しむ旅行がとても便利。

 

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有名観光地をいっぺんに楽しめるので、どっちに行くか悩んでしまう優柔不断な性格でも大丈夫です。

 

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ソーキそばと札幌ラーメンも同時に味わえます。

能力者の人はいいなぁ。

 

 

最後に

今年のゴールデンウィークは最大で10連休にもなります。このまとめを見て気になる土地が見つかったら是非訪れてみてください。

また、ジモコロには今回紹介したもの以外にも旅行に行きたくなるような地元にフィーチャーした記事がたくさんありますので、「単純にヒマだ!」というタイミングで是非読んでみてください。ウェブとは思えない長い記事ばかりなので! 

 

・・・

 

いやー、記事をまとめていたら、出不精の僕でも何だか旅行に行きたくなってきました。

 

 

 

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まぁディスプレイから出られなくなったのでもうどこにも行けないんですけどね。

それでは皆さん、後悔のない連休をお過ごしください。

 

 

書いた人:マンスーン

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「ハイエナズクラブ」「オモコロ」などで記事を書いています。理系大学出身をまったく生かせていない低い技術力で役に立たない電子工作をしたり、B級映画のVHSテープを収集したりしています。
Twitter:http://twitter.com/mansooon
HP:http://man-sooon.tumblr.com/

 

●マンスーンの記事をもっと読む 

【8コマ】木下晋也 『特選!ポテン生活』 (01)<“ポテン”がジモコロで読める!初回4本立て!>

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<ポテン生活|一覧>

 

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<ポテン生活|一覧>

 

●「ポテン生活」とは?

ギャグ漫画界の新鋭・木下晋也が描く、の~んびりして、それでいてすこしクスッとしてしまう8コママンガ。独特の中毒性から、10巻までの単行本は大きな話題になりました。ジモコロでは、そんな「ポテン生活」から、おもしろかった話を毎月2本、選り抜きでお届けしますよ!

 

 

 

書いた人・木下晋也

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1980年大阪生まれ。2006年、「Comic ギャグダ」(東京漫画社)にて『ユルくん』でデビュー。2008年、『ポテン生活』で第23回MANGA OPEN大賞受賞。単行本『ポテン生活』全10巻、『もここー』全2巻、『おやおやこども』が好評発売中。Docomoエンタメウィークで『マコとマコト』連載中。木下晋也公式サイト、cakesでもいくつか作品を公開中です。趣味はプロレス観戦。Twitterアカウント→@kinositasinya

 

ジモコロは求人情報サイト「イーアイデム」の提供でお送りしています

エキスポランドの跡地「EXPOCITY」が大阪の癖にけっこうイケてる件

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こんにちは。「なにわの関羽雲長」ことヨッピーです。
大阪のスラム街みたいなところで育ちました。

普段は東京で暮らしているのですが、帰省ついでの取材にすれば交通費が浮くなと思って本日は大阪に来ております。


なぜかと言うと…

 

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万博記念公園に「EXPOCITY」という新しい商業施設がオープンして、「割とイケてる」という噂を聞きつけたからです!

 

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日本最大級 大型複合施設 EXPOCITY-エキスポシティ-

元々、エキスポランドという遊園地があった跡地に新しく生まれた日本最大級の大型複合施設「EXPOCITY」。太陽の塔でお馴染みの万博公園の隣にあるのだ。2015年11月19日にオープンしたばかりなので、関西圏以外の人にはあまり知られていないはず!

 

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ショッピングセンターの「ららぽーと」、海遊館プロデュースの生きているミュージアム「NIFREL(ニフレル)」、自然体験型エンターテイメント施設「オービィ大阪」、留学気分で楽しく英語を学べる「OSAKA ENGLISH VILLAGE」が気になる。

ほかにも「ポケモンEXPOジム」や4DXシアター搭載の最新鋭シネマコンプレックス「109シネマズ 大阪エキスポシティ」、バンダイ直営の「ガンダムスクエア」などなど…国内最大級の大型施設であります。

 

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ウヒョー!楽しみ!

大阪の癖にけっこうイケてるらしいから早速突撃してみよう!

 

 

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※なお、本文には全く関係ありませんが、今日はあいにくの天気なので、ヨッピーの天然パーマがこのあとどれくらい曲がってゆくのかにもご注目下さい。

 

今までになかったコンセプト型の水族館「NIFREL」

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そんなわけでまずは、斬新なスタイルのミュージアム、「NIFREL(ニフレル)」にお邪魔します!

 

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まず最初は「いろにふれる」のコーナー。薄暗い施設内にカラフルな魚が展示されてる様子は水族館というよりは美術館のたたずまいであります。

 

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f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「なにこれ。めちゃくちゃオシャレやんけ」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「これすごいですね。ホントに美術館みたい」

※編集担当:大阪出身の柿次郎

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「ほんとほんと。大阪にできた施設だとは思えん。黄色い熱帯魚と黒い熱帯魚を共生させた『阪神タイガース応援コーナー』みたいなやつが絶対あると思ったのに」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「あー、ありそう。オレンジ色の熱帯魚の水槽だけやたらと落書きされてたりね」

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「そうそう。その横に阪神タイガースのハッピ着た外国人の係員が居て、名札見ると『バース』って書いてある」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「それ見て大阪のオバちゃんが感激して泣きだすんですね」

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「おい。そろそろ怒られるぞ」

 

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続いては「わざにふれる」のコーナー。

 

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こちらのコーナーでは変幻自在に体の色を変化させるイカや、水を飛ばして虫を捕食テッポウウオなど、特殊能力を持つ魚が展示されております。

 

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f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「川柳が良い味出しとるね。ちゃんと勉強できるようになってる」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「これも大阪っぽくないですね。吉本芸人のイラストが入ってない」

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「あーわかる。『メダカ』のコーナーには吉本新喜劇の池乃めだか師匠のイラストが入っててね。『小さくて 女性に人気の メダカかな』とか書いてる」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「チョウチンアンコウのコーナーには辻本茂雄さんのイラストが入ってて『誰がフランスパンじゃ!』って」

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「関西人以外に一切伝わらないだろそれ」

 

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ちなみに2億年前からそのままの生態で知られるカブトガニの姿も。裏面が原始的すぎてゾゾゾとなる。

 

f:id:kakijiro:20160502131407p:plain「ぎゃー!!気持ち悪いー!!」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「気持ち悪いのに見たくなるやつー!!」

 

 

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続いては「すがたにふれる」のコーナー。

 

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大人気のチンアナゴも、透明なビーズを利用する事で全体の姿がわかるようになっております。

 

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ダイオウグソクムシの顔が意外と可愛い。

 

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あとはやたらデカい地球を模した球体もある。プロジェクションマッピング的に映像を360度から投影しているそうな。

 

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こんな風にキメポーズを取ると、隕石を落として世界を滅亡させようとしてくるラスボスっぽい写真が撮れます。

他にも「みずべにふれる」「つながりにふれる」などなどのコーナーがあるのですが、圧巻だったのがこちらの「うごきにふれる」のコーナー!

 

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f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「えっ!いきなり鳥!?」

f:id:kakijiro:20160502131407p:plain「うおおおおお!なにこれ!放し飼いやんけ!」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「うわーめっちゃ近い!これ、檻の中に人間が入る感じで動物が見られるんですね!」

 

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見ての通り、動物と僕の間を隔てる檻が無い!

 

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f:id:kakijiro:20160502131407p:plain「普通に手を伸ばせば届く距離にいる……!」

 

これらの動物はこのコーナーの中を自由に動き回っていて、触ろうと思えば触れる距離を闊歩しているのだ。

もちろん動物に触るのは禁止なので、近寄ってきたらある程度距離を取ってそっと眺める必要があるのですが、それでもこの距離感はすごい。

 

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突然の事で写真は撮れなかったんですが、巨大なペリカンがこっちに向かって飛んできた時はつつき殺されるかと思いました。

 

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白目を剥いて寝るコツメカワウソも居るよ。

 

f:id:kakijiro:20160502131413p:plain「いやー、これは良い。全体的に距離感が近くて良いね」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「ここ、海遊館がプロデュースしてるらしいんですけど、海遊館とはまた違った良さがありますね」

f:id:kakijiro:20160502131413p:plain「確かに。海遊館みたいな巨大な水槽でドーン!っていう迫力は無いけど、それぞれの距離が近いからずっと眺めてても飽きんわ」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「いやほんと、アクアリウムとか欲しくなりましたもん」

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「それはやめた方がいいと思う」

※アクアリウム=凝り始めると設備費や維持費でとんでもなくお金がかかる貴族の遊び

 

英語を楽しく学べる「OSAKA ENGLISH VILLAGE」 

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続いてやってきたのがこちらの体験型英語学習施設「OSAKA ENGLISH VILLAGE」。


ここはアメリカをモチーフにした内装になっていて、

 

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ホワイトハウス

 

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レストラン

 

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化石の発掘現場

 

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報道センターなど、様々なシチュエーションに合わせた英語を北米出身のネイティブスピーカーから学ぶことができる。入場料は500円。1レッスン(30分~45分)=1回1000円の値段設定であります。

 

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せっかくなので「レストランで使える英語」のレッスンを受けてみたのですが、

 

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f:id:kakijiro:20160502131413p:plain「これは一体、何語なんやろか……?」

 

高校、大学と一切を勉強してない中卒レベルの僕に社会人クラスは少し難しかったです。子供向けのクラスは習得度によって3段階にレベル分けがされてるし、わからない所は正直に言えばちゃんと教えてもらえるぞ!

 

セガとBBC Earthの異色のコラボ「オービィ大阪」

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そして次にやってきたのがこちらの「オービィ大阪」という施設。

 

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館内はこんな感じで、プロジェクションマッピングやモーションセンサーなど、最新技術を惜しげなく投入して生物の生態を楽しく学べる施設になっております。

 

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この時に見たのは、BBC Earthが撮影したマウンテンゴリラの生態についての映像。3Dメガネをかけることで立体的に見ることができて、さらに椅子が動いたり、ミストが噴射されたり、流行りの4D体験まで再現されています。シルバーバックのマウンテンゴリラが目の前に…! クソデカい…!

 

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「まぁ、ゴリラが飛び出してきてもあんまり嬉しくはないけど」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「余計な事を言うな。ゴリラ好きにはたまらんでしょ」

 

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こちらは手をかざす事でカーソルを操作し、海の生物の生態について学習できる装置。時間帯によっては夕方のサバンナに切り替わり、陸の生物の生態についても勉強できる。

 

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そしてこちらはマイナス10℃の温度を体感出来る装置!
こっちはTシャツなのに殺す気か!!!!!!!!!!!!!!!1

 

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ヤケクソみたいにでかいスクリーンで見られるウミガメの生態!

 

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地面に寝転がりながら見られるので完全に寝かせに来てる。

 

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自分たちの顔を自動認識して、動物に加工してくれる撮影スポットもあちこちにあります。

 

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帰り際に写真プリントすることも可能。よくある観光地の1枚=1000円の写真よりもよっぽどコスパが良い設計になってる。

 

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それ以外にも、ツボをおさえたブランドが入ってる大型ショッピングモール「ららぽーとEXPOCITY」もあるし、

 

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4DXの最新映画館「109シネマズ 大阪エキスポシティ」もあるし、

 

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オリジナルのアトラクションで遊べる「ポケモンEXPOジム」もあるし、

 

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バンダイ直営のガンダムショップもあるよ!

 

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日本一の高さ=全高123メートルの大観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL」(現在工事中)は2016年7月1日にオープン予定!

 

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「なるほどね」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「どうでした?」

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「思ったよりも『テーマパーク!』って感じじゃなくて、普段使いできる施設でいいね。買い物に来たり、各施設をスポット的に利用したり、英語の勉強で通ったりとか。大阪っぽさが全然ないのは、むしろ地元人向けの施設だからじゃなかろうか」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「全国的に流行ってるモノが全部詰まってる感ありますもんね」

f:id:kakijiro:20160502131420p:plain「万博記念公園駅は、新大阪駅から30分くらいで来れるし、大阪旅行に来た人が『新幹線乗るまでにまだ2〜3時間あるなぁ』って時に足を伸ばすとちょうど良さそう。太陽の塔も見れるし。あと、子供連れの家族は絶対楽しめるだろうから完全にオススメ!」

f:id:kakijiro:20160502131909p:plain「たしかに……。僕も子供の頃、こんな所に連れてきて欲しかったっすわ……」

f:id:kakijiro:20160502131407p:plain「ちょっと、落ち込むからその話はやめてよ……」

※柿次郎も大阪のスラム街みたいな所で育ちました

 

 

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ちなみに冒頭で見せた天然パーマは最終的にこんな感じになった。

 

まとめ

f:id:kakijiro:20160502005255j:plain今回のEXPOCITY以外にも、梅田や天王寺の再開発、USJや外国人向けの観光需要はグイグイ来ていることを考えると、最近の大阪は結構アツいのかもしれない。

違う媒体で書いた記事だけど「【永久保存版】地元・大阪人が選ぶ大阪に行ったら絶対に立ち寄りたい観光地まとめ」、「【永久保存版】地元・大阪人が選ぶ「大阪で絶対に食べたい厳選たこ焼き8店」という旅行に役立つ大阪観光まとめもあるので参考にしてみてね!

 

●EXPOCITYの情報

住所:大阪府吹田市千里万博公園2-1
最寄り駅:大阪モノレール「万博記念公園駅」徒歩約2分

アクセス方法はこちら

営業時間はこちら(店舗によって異なるので要注意)

 

ライター:ヨッピー

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「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける
Twitter ID: @yoppymodel / 公式サイト:ヨッピーのブログ(仮)

【母の日】33歳男が本気を出して「最強の肩たたき券」をプレゼントしてきた

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こんにちは、山口むつおです。
もうすぐ母の日。子供の頃、母親にこんなものをあげませんでしたか? 

 

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そう、肩たたき券です。

 

子供の頃はお金をかけてプレゼントするって事はできませんでしたから!僕もよく母親に肩たたき券を作ってプレゼントしたものです。

  

でも、子供の肩たたきなんてマッサージのうちにも入らないですよね。つまり何も気持ちよくないマッサージを、母親は承知の上で僕の自己満足にのっかってくれていたのでは……!?

リベンジしてぇ……。そして大人の本気の「肩たたき券」をプレゼントしてぇ……!

 

というわけで……。

 

 

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ちゃんとしたマッサージを学ぶために、鍼灸マッサージの学科がある「東京衛生学園専門学校」にやってきました!

 

待ってろ母ちゃん……本物の「肩たたき」っちゅうもんを見せたる!!

 

 

 

「マッサージ」という言葉は資格がないと使えない!

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今回マッサージについて色々と教えてくださる、東洋医療総合学科・学科長の波田 康先生です!

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「今日はよろしくお願いします。母親に肩たたき券をプレゼントしたいんです(今年34歳)」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「結構な事です。ちょうど今日実技の授業があるので見に行ってみましょうか。それまで学校の中をご案内しますよ」

 

 

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東京衛生学園専門学校は、東京都大田区にある鍼灸マッサージの技術を学ぶ事ができる専門学校。他にも、理学療法士や看護師を目指す学生さんたちもいるそうだ。こちらは生徒さんの教室。

 

 

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東洋医学に関する書物が多数収蔵されている図書室(見せてもらっているのは2000年以上前の内容を書き写したもの)があったり……。

 

 

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鍼灸マッサージに関する新しい測定機材を開発する研究室も!

 

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「ところで山口さんは、マッサージにはよく行かれますか?」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「たま〜に行きますね、デスク仕事が多いので。どうしようもないくらいに肩がこった時に行くようにしてます」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「ちなみにどちらの?」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「え? ◯◯◯◯ですけど……。ほら、この検索結果の上のほうに出てるやつです」

 

 

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f:id:eaidem:20160506105548p:plain「そこ、マッサージの資格持ってないですね」 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「えー!そうなんですか?!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「あまり知られていないのですが、ちゃんとしたマッサージをできる人って、国家資格を取った人だけなんです。あん摩マッサージ指圧師がそれにあたります。3年以上学校に通ったうえで国家試験に受からないと取得できない資格なんです」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「じゃあ、よく聞く『整体師』は国家資格ではないんですか?」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「民間資格なので、取っても取らなくてもよいものですね。なので、山口さんがこの瞬間から『整体師』と名乗っちゃえば、今からでも整体師になれますよ」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「そうなんだ!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「『マッサージ』という言葉をお店に使えるのは、先ほど申し上げた国家資格を取った人だけです。なので資格を取っていないお店は『リンパマッサージ』や『リラクゼーションサロン』、『カイロプラクティック』といった言葉を使っているんですよ」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「知らなんだ……っていうか頭に言葉をつけて『◯◯マッサージ』って言うなら資格いらないんだ。ややこしい!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「とはいえ、ちゃんと違法にならない範囲で施術しているぶんには問題ないんですけどね。国家資格を持っているかいないかで、施術できる範囲が違うんです……そろそろ教室につきますよ」

 

 

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見学させてもらったのは2年生のマッサージ実技の授業。学校は3年制で、実技を中心とした授業構成となっているとのこと。

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「学生さんの平均年齢はいくつくらいなんですか?」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「昼間と夜間と2つのコースがあるんですけど、昼が28歳くらい、夜が34歳くらいですかね」 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「けっこう歳いってた!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「社会人の人が多いんですよ。会社が終わってから学校に来る人が結構多いですからね」

 

 

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めちゃくちゃ真剣な目で授業を受ける生徒の皆さん。

 

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f:id:eaidem:20160506105548p:plain「今日は『軽擦法(けいさつほう)』という手技(しゅぎ)を学びます。文字通り軽く擦るような技術ですね。マッサージにおいて最も基本となります」

 

 

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今度は2人1組になって、お互いに施術をしてみる授業に。実は患者役が重要で、施術者がきちんとできているか的確に伝えてあげないと技術は向上していかないそうだ。確かに。

 

 

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久しぶりの「授業」というものを真剣に受講する僕。

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「こんなに真剣に授業受けたことないかも。やっぱり『母親にマッサージをしてあげたい』というモチベーションがあるからこそですな!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「……真剣に聞いてくださっているところに言い難いのですが、素人が「マッサージ」行為をするのは違法になります

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「!!!!!」 

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「先ほどちょっとだけご説明した、国家資格を持っているかいないかでの『マッサージできる範囲』がキモになってきます。お灸や針はもちろんですが、『おす・揉む』といった体の深部への施術、それから『さする』といった体の表面への施術もマッサージ行為にあたります。本当はお子さんがお母さんにするような、素人同士でもやっちゃいけないんですよ」  

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「あちゃ〜!じゃあ肩もみとかは無理なのかぁ」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「まぁ…さすがに、お家の中でやるような事までは取り締まったりはしませんけどね。なので、のちほど『肩たたき』についてだけご紹介します。たたくといっても、拳を下に落とすだけの非常に軽い刺激のものですので、それくらいであれば」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「ほっ!」

   

やっぱり「国家資格」は地方で働く時も有利らしい 

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授業後。自主練習をするために多くの生徒さんが教室に残っている……熱心だなあ。 

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「卒業生の進路って、やっぱり自分の鍼灸マッサージ院を開くのが多いんですか?」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「そうですね、やっぱり最終的にそこを目指す人が多いと思います。働き方としてデスクワークが増えた影響で、マッサージの需要もいまかなり多いんです」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「この記事を掲載している『ジモコロ』って、"地方"と"働く"ってことをテーマにしたWEBメディアなんですけど、マッサージ師ってそこにも結構はまる職業のような気がします」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「働きに上京した人がしばらくしてから改めて自分の働き方を見つめ直し、マッサージ師の資格を取って地元に帰って治療院を開業したり、病院に勤務する……。確かにそういう流れはあると思います。それにこの資格を持っていると、なかなか食いっぱぐれにくいですしね。資格の取得にはそれなりに時間もお金もかかりますが、いつか自分の地元で働きたいと思っている人には良い働き方かもしれません」

 

 

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授業後、インタビューを受けてくれた2年生の大久保さん。もともとソフトボールの選手で、怪我をした時にマッサージを受けたのがこの道を志したきっかけなのだそう。大久保さんも、ゆくゆくは地元の千葉県で鍼灸マッサージ師としてやっていきたいと思っていると話してくれました。

 

 

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また、授業が終わった後でも自主練習をする学生さんが多い! 先生立ち会いのもと、練習をしていた学生・高木さんに、お灸のやり方を教えてもらいました。

 

f:id:eaidem:20160506105556p:plain「こうやって、モグサをひねって爪の先ほどの大きさの円すいを作ります。これを100箇所ある方眼の交点に置いて、線香で火をつけていく……という練習です。モグサが多いと火力が強すぎて紙に穴が空いてしまうので、焦げ目がつく程度に気をつけながら行うのがポイントですね」

 

 

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この「モグサ」と呼ばれるフワフワしたやつを爪の先ほどに小さくちぎって円すいの形にし……。……

 

 

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方眼の交点に置いて線香で火をつける……と。

 

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「作業細かすぎる! 息吸うときに一緒に吸ってまうわ!」

f:id:eaidem:20160506105556p:plain「これが慣れるまで大変なんですよ! 一箇所でも穴が空いちゃうと最初からやり直しですし。鍼灸マッサージ師になるには、とにかく練習を重ねることが大事だという事を身をもって体験できる作業です……」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「卒業するまでに、この課題を300枚以上提出してもらう事になります。穴の空いてない、成功したやつをね……!」 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「ってことは、それ以上の失敗した骸が存在すると……。こりゃあ大変だぜ……!」

 

 

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ちなみに、こちらは卒業生の課題。卒業する頃には、ご覧の通り100箇所を10分切るスピードでできるようになるらしい。努力ってすごいぜ!

 

 

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その他にも、患者さんの病状を聞きだすための医療面接(昔は問診と呼ばれていた)の練習をしている生徒さんや……。 

  

 

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鍼の練習をしている生徒さんも。資格を取るためには、とにかく練習が必要だという事がよくわかります。 

 

刮目せよ……これが本当の「肩たたき」だッ!!!! 

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 一通り、鍼灸マッサージの授業がどんなものか教わったところで、ついに本当の「肩たたき」を教えてもらう事に!

 

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「一口に肩たたきと言っても、大きくは『叩打法(こうだほう)』と『曲手(きょくで)』と呼ばれる2種類に分類されます。当校ではそれぞれ5種類ずつ、合計10種類を練習していきます」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「はいっ!!!!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「それでは、まずは基本中の基本である『こぶし』を使った『しゅけんこうだほう』というものをやってみましょう。しゅ、けん、こう……あれ?」

 

 

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f:id:eaidem:20160506105548p:plain『こぶし』ってどう書くんだっけ??」 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「先生、何言ってるんですか! 上に『ツ』みたいなの書いて……って、あれれ?」

 

 

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その場にいる全員(6人くらいいた)が「拳」という漢字を忘れるという事案が発生。5分くらいずっと悩むことに。

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「グレート!めちゃめちゃ地味な『スタンド攻撃』を受けているぜッ……!『本体』はどこだッ!!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「とにかく思い出しました!『手拳叩打法(しゅけんこうだほう)』です!これはみなさんが思っている肩たたきに近い形だと思います」

 

 

 

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f:id:eaidem:20160506105548p:plain「こんなふうに軽く握り、ちょっとだけ手首を内側に向けます。この状態で、拳を軽く肩の上に落とす。叩くのではなく、軽く落としてやるくらいの力加減です。早速やってみましょう。叩く前には先ほどの授業でやっていたような『軽擦』をするようにしてください」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「わかりました!」

 

 

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実際に手拳叩打法をやってみます。

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「意外と……ムズい! 力加減もそうですけど、左右同じリズムを刻む力の制御ができない!」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「初心者が最初にぶつかる壁ですね! こればっかりは練習を重ねるしかありません。他の肩たたきもやってみましょう。次はけっこうアクロバティックな手技です」

 

 

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f:id:eaidem:20160506105548p:plain「そうそう、そこでグリグリやって溜めて……払う」

  

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f:id:eaidem:20160506105548p:plain「スパーーーーン!!!」 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「ふざけてます?」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「いえいえ!これは四指挫き(ししくじき)という、曲手(きょくで)と言われる手技の一つです。曲芸の曲と同じ意味で、どちらかと言うと治療目的よりも施術者の熟練度を見せるパフォーマンス的な意味合いが大きい手技です。もういっぺんいってみましょう」

 

 

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スパーーーーン!!!

 

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「山口さん、これだけうまいですね」 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「何故かこれだけはできるんです」 

 

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そして、床屋さんでもよく見るこの肩たたきは「宿気打法(しゅくきだほう)と呼ばれるもの。

 

その他にも……

 

 

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合掌叩打法(がっしょうこうだほう)

 

  

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拍打法(はくだほう)

 

 

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車手(くるまで)

 

 

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横手(よこで)

 

これに加えて「切叩方法(せつだほう)」「突き手(つきて)」「母指挫き」などなど、一口に肩たたきといっても方法はいっぱい!

 

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「まさかこんなに色々あるなんて知りませんでした」

f:id:eaidem:20160506105548p:plain「資格を取るには3年間かかるようなものなので、それだけ覚える事もたくさんあります。流石に全部は難しいと思うので、この中からうまく出来たものを選んで、お母さんにやってあげてください」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「わかりました!今日はありがとうございました〜!!」

 

 

母親に「最強の肩たたき券」をプレゼントしよう

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数日後……。 

 

 

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最強の肩たたき券を母親に渡すため、地元に帰ってきました。 

 

 

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僕の地元は 兵庫県西宮市。甲子園球場や涼宮ハルヒの聖地として有名な町ですね。いつの間にか死ぬほど開発が進んでおり、どうやら「関西で住みたい町ナンバーワン」になったらしい。

確かに大阪へも神戸へも電車で15〜20分で出られるし、町としてもかなりの都会だし、すぐ近くに山も海も川もあるし、小中高と学校が全部徒歩圏内だし……。地元を出た今になって「住むには最高の町だな」と気付かされました。

 

 

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そして今回、撮影を手伝ってくれる幼なじみの前田。以前、地元をネタにした取材をした時に手伝ってもらってから、毎回お願いしています。

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「前田よ、今回も頼む!」

f:id:eaidem:20160506105601p:plain「了解したよ。むつおの家に行くのは何年ぶりだろう。早速向かおう」

 

 

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駅から歩いて15分くらいで我が家に到着。母親は事情を何も知らず、前田にカルピスを出そうとしてくれています。

 

 

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f:id:eaidem:20160506105851p:plain「子供の頃、母の日に『肩たたき券』って渡したことがあったと思うんだけど」 

f:id:eaidem:20160506110537p:plain「はいはい、あったね」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「あの頃の肩たたきなんて、正直ショボかったな、と……。そこで、マッサージの専門学校の先生に肩たたきを教わってきたので、『最強の肩たたき券』を用意してきました」 

f:id:eaidem:20160506110537p:plain「????」

 

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f:id:eaidem:20160506110537p:plain「?????」

  

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f:id:eaidem:20160506110537p:plain「これ……肩たたき券?」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「そうです」 

f:id:eaidem:20160506105601p:plain「そんなん用意してたんだ」

 

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早速、先生に教わった肩たたきを実践!まずは「手拳叩打法(しゅけんこうだほう)」!

 

 

床屋さんでお馴染み、「宿気打法(しゅくきだほう)」!

 

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そして、曲手の1つである「横手(よこで)」! 

 

 

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肩から背中をローラーのように刺激する「車手(くるまで)」!

 

 

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そして力を溜めて溜めて溜めて……!

 

 

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スパーーーーン!!!!

 

 

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スパンスパンスパーーーーーン!!!!

 

 

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f:id:eaidem:20160506110537p:plain「………」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「………どう?」 

f:id:eaidem:20160506110537p:plain「確かに普通の肩たたきよりはいいけど、全然物足りないわね……。」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「ですよね」

 

 

そういうわけで……。

 

 

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……という事が判明しました。そもそもマッサージをきちんと体得するには3年以上、学校で学ぶ事が必要! 一朝一夕で身につく世界じゃない! という事が身にしみてわかりました。

逆に言えば、確かな技術を一回身につけてしまえば、東京だろうが地元だろうが場所に関係なく働けるのは魅力だよな〜とも思いました。「いつかは地元で働きてぇなぁ」と思ってる人には、いい職種かもしれません。

 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「それにしても、母の日に肩たたき券は失敗だったな……冷静になってみたら、33歳でやる事じゃなかったわ」 

f:id:eaidem:20160506105601p:plain「それ、東京にいる段階から気づいてないといけないところだよ」 

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「母の日はやっぱり別の何かをプレゼントしなきゃな……」 

f:id:eaidem:20160506105601p:plain「むつお、そういう時に役立つ、良い言葉を教えてあげるよ。この西宮市に古くから伝わる言葉だ……」

f:id:eaidem:20160506105851p:plain「……ゴクリ」

f:id:eaidem:20160506105601p:plain「いいかい……?」

 

 

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取材協力:東京衛生学園専門学校 

迷った時に行ったらいい場所:高島屋

 

書いた人:山口むつお

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株式会社バーグハンバーグバーグで働く人。物忘れが激しいが、昔プレイしたゲームのパスワードはすらすら言える。

個人ブログ: むつおちゃんブログ
Twitter: @e_yamaguchi

 

大人になってから弟と会話がありません - 日本一「ふざけた」会社の社長がマジメに答えます(24)

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ハンドルネーム「にがみ」さん からのお悩み

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私の悩みは、弟とうまく話せない事です。

小さい頃は話したり喧嘩したりしていたのですが、お互い大きくなってどんどん会話が減り今では年に1~2回程度です。

特に話したい事もないのですが、せっかくの姉弟で仲良くしたいとは思ってるのですか…。どうやったら話せるでしょうか。

 

シモダテツヤの回答

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無理して仲良くする必要はないと思います。

僕も妹が一人いますが、ずっと仲良くありませんでした。仲良くなかった理由として、幼少時代に僕が噛んでいたガムを捨てる場所がなかったので妹のポケットに捨ててたのが親にバレて鉄拳制裁を食らったことを逆恨みしたからです。

あと、歯茎の面積が歯よりも多いところもあんまり好きではない理由でした。馬みたいだからです。

 

しかし転機が訪れます。

我々兄妹は大人になり、僕は実家京都から東京へ行き、妹と顔をあわすのも1年に1〜2度程度になりました。そして、なぜかこの頃から少しずつ会話が増えたように思えます。

増えた会話は「歯茎」についてです。僕が「出てるぞ」と言うと「出してんねん」と妹が答えるようになったのです。上京前も出てる指摘は数万回と繰り返してきたのですが今までは完全に無視されてました。

それがたまにしか会わないとなると「出してんねん」に変わるのです。「ニンジンいるか?」と僕が問うと「さっき食べたから今はいいわ」と返ってくるのです。

僕はそのとき「これが兄妹の会話か!」と気づきました。

僕が毎日呪詛のように悪態をつき、それを妹が無視するというコミュニケーション不全の理由は「一緒にいる時間」にあったのです。毎日から年に1〜2回の遭遇に変わるだけで人の心(妹の心)というのは穏やかな状態で僕をいなしてくれるようになりました。

 

今ではまだ3歳の姪っ子に「おじちゃん、お金ちょうだい」という言葉を仕込み、僕の財布から1万円札を誘拐していくという新たなコミュニケーションも生まれています。

このように、実家を出て大人になり、たまにしか会わなくなれば「レア感」を感じるようになって自然と会話は増えていくかと思います。

もしそれでも会話が生まれなかったら、その弟さんは実在する弟さんではなくあなたの妄想かもしれません。そんな人は最初からいなかったのです。

 

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あなたのお悩みもお待ちしております

書いた人:シモダテツヤ

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1981年京都生まれ。Webクリエイター。バーグハンバーグバーグ代表取締役社長。 代表作は「イケてるしヤバい男 長島からのお知らせ」「インド人完全無視カレー」「分かりすぎて困る! 頭の悪い人向けの保険入門」など。著書に『日本一「ふざけた」会社の - ギリギリセーフな仕事術』がある。Twitterアカウント→@shimoda4md

 

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【最強の離島】まちづくりの代表格「海士町」が歩んだ30年の歴史

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フェリーの上から失礼します、ライターの根岸達朗です。

突然ですが、皆さんは島根県にある「海士町(あまちょう)」という場所をご存知ですか? 地図をみてもらうと一目瞭然なのですが…

 

「島」です。

 

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大小約180の島からなる隠岐諸島では「中ノ島」と名の付いた島で、約2400人が暮らしています。

 

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この海士町、実は「まちづくり」の先進地域として超有名なんです。

 

 

過疎化に苦しみながらも独自のやり方を突き詰めて…

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夕張市に続いて財政破綻する可能性もあったのですが、町長の手腕で…

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さらに町長だけではなく海士町の強みは…

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少子化が進んで廃校寸前だった高校をIターン移住者も巻き込んだ取り組みで、

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島前高校は、全国から入学希望者が集まるようになったそうです。

 

とにかく「ギリギリからの這い上がり方」がすごい。

 

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いったいこの離島に何があるのか?

人を惹きつける特別な磁場のようなものがあるのか?

 

 

本土から約60キロ離れているため、フェリーでは片道4時間の船旅。日本も広いなって思いながら、滞在約20時間の強行取材をしてきたら、この島の「強さ」の秘密が、少しだけわかったような気がしました。

 

課長が考案した「マルチワーカー」の働き方

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「海士町、初上陸! 今日はよろしくお願いします」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「遠路はるばるお疲れさまです。僕の天才的なガイドでいろいろと島をご案内しますよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「天才的なガイド…いきなり変なキャラの人が出てきた」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「自称です、自称天才……。お手柔らかにお願いします!」

 

出迎えてくれたのは、海士町観光協会の太田章彦さん。太田さんは大阪の専門学校を卒業後、島根県に移住。限界集落の写真を撮りながら作家として活動し、約4年前に海士町へ。現在は観光協会に務めながら、季節ごとに働き方を変える「マルチワーカー」として活動しています。

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「いきなりで恐縮なんですが、マルチワーカーとは?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「観光協会にいる一部のスタッフが実践している島の新しい働き方です。働く現場を春夏秋冬で変えていくっていう」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「兼業とはまた違う感じ?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「そうですね。島の産業には季節ごとに繁忙期があるので、それに合わせて働くというスタイルですね。たとえば春は岩ガキ、夏は観光業、秋はイカ、冬はナマコって感じで。一年中繁忙期の現場で働くことになるんでそれなりに大変ですけど、いろいろ学びも多い働き方ですよ」

 

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海士町の産業を支える岩ガキの養殖場。島産の岩ガキは「春香」というブランドで全国に販売している。

 

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収穫直後の岩ガキ。市場に並ぶ前はこんな感じですが、丁寧に綺麗にしていきます。

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「確かにいろんなことを経験できそうですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain海士町の産業って通年雇用できない現場も多いんですよね。その時期だけ人が欲しいっていう。だったらそういう現場をつなぎ合わせたらいいんじゃない? そしたらこの島で働きたい人にも仕事が生まれるし、現場も助かるよね? というわけで、生まれたのがこの働き方で」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「なるほど、理にかなってる」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「ただ、この働き方を広めていくには、まだまだ現場の選択肢が少ないっていうのは課題なんです。僕は仕事をしながら写真を撮らせてもらうことで、自分のやりたいこともさせてもらっているのですが」

 

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太田さんの作品「Stranger Of Island」/引用:akihikoota.com

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「漁をしながら撮ったんですか? めちゃくちゃすてきな写真」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「あ、すいません」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「謙虚な自称天才だなー」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「実はこの働き方を考えたのは役場の課長なんです。海士町って課長の力がすごく大きくて

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「え、課長ですか? 町長じゃなくて?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「町長はもちろんめちゃくちゃすごい人なんですが、その下にいる課長たちがみんなやり手で。企業出身の町長をはじめ、僕が特に尊敬する4人の課長たちがみんな経営者みたいな思考でプロジェクトを動かしているっていうのは、この島の強みなのかなと」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「へーおもしろいですね。課長というと上からも下からも突き上げられて大変!っていうイメージが」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「中間管理職的なイメージはまったくないですね。町民からの信頼も厚いです」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「課長4天王、覚えておきたいキーワードですね」

 

「ないものはない」で「外貨」を獲得する

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「そういえば太田さん。さっき港で食べたイカ丼がめちゃくちゃうまかったんですけど、あれも島の海で獲れたやつなんですか?」

 

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寒シマメの漬け丼。シマメはスルメイカのことで、冬の一番美味しい時期のものを島では「寒シマメ」と呼んでいる。港隣接の地元産品の販売拠点「承久海道キンニャモニャセンター」のレストランで食べられる。

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「そうですね、旬は冬なんですが、今の時期でも食べられるのには理由がありまして。CAS(キャス)ってご存知ですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「いえ」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「セルズアライブシステム(CELLS ALIVE SYSTEM)の頭文字をとった略称です。海産物の細胞を壊さずに冷凍できるので、解凍しても旨み成分がでません。つまりこのシステムがあれば、輸送に時間のかかる離島でも海産物の鮮度を保ったまま本土に出荷することができます

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「へえ。そんなすごいシステムがこの島に」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「今から10年以上前になるんですが、町の財政が底を尽きかけていたときに町長が導入しまして。生き残るためには島のなかでお金を循環させるだけじゃなく、島の資源を活用して『外貨』を獲得しなくちゃいけないっていう方針を打ち出したんですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「外貨か。国からの補助金をいかに引っ張ってくるかっていう考え方でやっているところも多いと聞くので、それだけに頼らないぞっていうのは勇ましさがありますね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「当時の財政規模的にはかなりの大型投資で島民の反対もあったらしいのですが…。町長をはじめとする経営幹部が『絶対に必要だ!』と決断をされて」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「じゃあ、主幹産業は漁業?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「漁業はもちろん大きいのですが、海士町って実はほかの産業もちゃんとあるんですよ。まずは農業。海士町には天川の水っていう日本名水百選に選ばれている水源があって、とにかく水が豊かできれいなんです」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「水の良さは大きいですね。おいしい米づくりにも欠かせないですし」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain半農半漁で、漁師をしながら米づくりをしている人も多いですね。昔から住んでる人って兼業が普通なんで」 

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「あとはやっぱり畜産業でしょうか。隠岐牛って言うんですけど」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「ブランド牛がある?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「はい。隠岐潮風ファームという民間の建設会社が隠岐牛を松坂牛に負けないくらいの全国的な知名度にしようとがんばっています。産業のブランド化は町のミッションでもあるので、ずっと前から行政も応援しています」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「松坂牛と張り合うとかてっぺん取ろうとしてますね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「島では当たり前に獲れる『さざえ』を具材に入れた『島じゃ常識 さざえカレー』とか、地元のものを使ったご当地品の開発にも力を入れています。そういえば、海士町には『ないものはない』っていうキャッチコピーがあるんですが……」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「あ、港でポスターを見かけて気になってました。どんな意味なんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain『なくてもいい』という意味と、『大事なことはすべてここにある』っていう意味ですね

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「なるほど、たしかにその精神で産業を盛り上げようとしている雰囲気は感じますね

f:id:ONCEAGAIN:20160421090649p:plain「そういえば、観光協会の上司で青山敦士さんっていうIターンの先輩がいるんですが、もしよかったら彼にも話を聞いてみてもらえませんか? 海士町が注目を集めるようになった背景なんかをもっとわかりやすく説明してくれると思います」

 

島流しの歴史と「よそ者」の関係

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というわけで、観光協会の職員として「海士の島旅」のブランディングや、島の未来を経営視点で考えていく「島会議」の企画などを手がけている青山さんに会って、話を聞いてみました。 

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「青山さん、よろしくお願いします! 今日は太田さんに島のあちこちに連れてってもらいながら話を聞かせてもらったのですが、まだまだこの島の成り立ちとか勉強不足なので少し教えてもらえたらと」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「歴史をたどれば、ここは後鳥羽上皇や小野篁(おののたかむら)が送り込まれた流人の島。ただ、流人の島とはいっても貴族が流されるような島ですから、今日見てもらったと思うんですが、いい水があります」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「確かに自然環境の良さを感じました。そういう意味でいうと、ただの流人の島ではなかったわけですね。選ばれた島というか

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「そうですね。実際、島流しの歴史っていうのは、島の人の誇りにもなっています」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「じゃあこの環境を求めて、島に移り住んでくる人も昔から多かったんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「先祖をたどれば、外の血が入ってる人も多いですよ。だからなのかはわかりませんが、外から新しいものが入ってくることを受け入れる懐の深さみたいなものもあって。象徴的だったのは、山内道雄町長が当選した選挙でしょうね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「あ、町長も外の人だったんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「町長の生まれは海士町ですが、ご両親はIターン移住者。親戚の少なさは選挙では圧倒的に不利だと言われるのですが、蓋を開けてみたら、血縁の濃かった対立候補を抑えて大圧勝。つまり血縁よりも政策を持った『よそ者』の勝利と言われた選挙になりました」

 

f:id:ONCEAGAIN:20160418150645j:plain

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「当時はどのくらいヤバい状況だったんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「町長が当選した2002年には、町の借金が100億円を越えていました。町の貯金も7億円ぐらいしかなく、それもどんどん目減りしていくなかで、夕張と同じように破綻するのは海士町かもしれないなんて言われていて」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「まさに崖っぷちだ」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「はい。当時は『平成の大合併』のタイミングで、海士町も合併の問題とぶつかっていました。全国的にも合併して当たり前という流れ。でも海士町は合併をせず、自立の道を選んだ」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「自立の道」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「自分たちの島は自分たちでやるって覚悟を決めたんですね。そこから給与カットとか、無駄の見直しを徹底的にやっていくなかで、CASを導入してそこに島の命運をかけると」

 

海士町の取り組みについては、町長が書いたこちらの本に詳しいので、気になってきたら読んでみてください↓

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「僕がこの島に来たのは2005年で、当時はそういう動きが本格的に始まってまだ2年くらい。そのせいで島の雰囲気もかなりピリピリしてましたね。島に来たきっかけは海士町で高校魅力化プロジェクトに関わっていたIターン移住者の岩本悠さんっていう人で。東京の大学の先輩なんですけど」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「あ、隠岐島前高校の島留学をやってる方ですね。廃校寸前だった高校を復活させたという」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「島留学には県外からの入学希望者が殺到しているそうです。今や倍率2倍以上の狭き門。まさに選ばれし者たちですね」

 

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取材中にたまたま出会った隠岐島前高校の地域学研究チーム。隠岐諸島のイベント情報を発信するツイッターアカウント(@dozenevent)を立ち上げるなど、精力的に活動中。全員島外出身で寮生活中。この日は隠岐経済新聞の取材を受けてきたのだとか。

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「僕はその岩本さんに誘われて大学4年のときに、何の気もなしに遊びにきたんですが、初日の夜の出来事があまりにも衝撃で……」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「何があったんですか?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「役場の課長さんと町の人が集まるバーベキューに参加させてもらったら、そこでいきなりケンカが始まっちゃって。CASなんていうわけのわからない冷凍庫に4億円とかどういうことだ!って。でも、町の人も役場の人もみんな我慢してて苦しいときだったんでしょうね。お互いに涙流しながら言い争ってる。なんじゃここはと……」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「おおお。熱い」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「東京で内定も決まってたんですけどそれも断ってこっちに来たのは、単純にここならおもしろい仕事ができそうだなって思ったからなんですよ。僕は別に東京が嫌だったわけでもないし、田舎に憧れがあったわけでもないから。ただ一生懸命働ける場所を求めていただけなんです」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「海士町の熱が青山さんを引き寄せたんですね」

 

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こちらも取材中にばったり出会ったIターン移住者の角真理子さんと川島稔さん。2人は海士町の地域づくりプログラムや情報発信などを行っている「巡の環」スタッフ。島内で精力的に活動している移住者が、新たな移住者を招き入れるケースも少なくない。

 

「スーパー」よりも「ポンコツ」が活躍できる島に

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「青山さんから見て、今の海士町ってどうですか? 世間の注目を集めているなかで、現場の人はどう感じているのかなと」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「海士町って今の町長になって改革が加速したイメージを持たれる人も多いと思うんですが、実際は20年以上前から地道にまちづくりを進めてきたんですよね。だから、今は課長さんをはじめ、青年団として活動してきた方々が若手のときから布石として打ってきたことが少しずつ実り始めた状況かなと」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「そうなんだ、そんなに前から」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain島の経済が厳しいことには変わりないですし、今の状況が成果や実績と呼べるかといったら……」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「まだまだなんですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「はい、現実は。メディアにうつる印象って大きいですよね。それでいうと、僕はちょっと思うところがあって」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「はい」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「海士町って、スーパー町長、スーパー四天王課長、スーパーIターンがいてっていう……そういう紹介をされるんですよ。何か野心を持って活動したい人にはいい環境みたいな。でも、現場感覚だとそれは少し誤解を与えるかなと。僕らは別にスーパーを求めているわけじゃない。ポンコツでいいんですよ」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「ポンコツ?」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「そう、僕たちはみんなポンコツじゃないですか。だから、僕はどんなポンコツでもその人らしく生きて、その人らしく活躍できるステージをつくっていくことが大事だと考えています。これ全部僕の上司の受け売りなんですけど」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「なるほど」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「じゃあ、それをどう実現するか。僕は仕組みづくりだと思います」

 

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観光協会が出資し、青山さんが社長を務めている「島ファクトリー」のリネンサプライ事業。海士町の民宿や旅館はこれまで、シーツや布団カバー、浴衣などのリネン品のクリーニングを本土の業者に依存してきたが、その流れを改めることで、島にお金が落ちる仕組みをつくろうとしている。

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「自分たちのことは自分たちでやっていく島の自立精神にも通じますね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「この仕組みが、島に働く場所をつくることにつながったらいいと考えています」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「いいですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090708p:plain「幸いなことに今、海士町には追い風が吹いています。メディアがそれを後押ししてくれた部分も大きいです。でも、僕らとしてはそれに甘んじたり、勘違いしちゃいけない。追い風に乗せてもらいながらも、現場ではこれからも地道にやっていきたいです」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「同じような課題を抱える地域も多いなかで、海士町が注目を集めるようになったのは、周りに流されることなく自分たちの仕事を積み上げてきた結果なんでしょうね。現場視点の貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!」

 

取材を終えて

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「恵まれた自然環境に伴う食料自給率の高さは、ある意味『最強の離島』。災害も少ないし、生きる知恵と力もあるし。本土にあまり影響されない独立感が、島の個性に繋がっている」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「今まちづくりで注目されているような地域は、どこも20〜30年の地道な努力の積み重ねがあるなと。たとえば、IT起業のサテライトオフィスがわさわさ進出して有名になった徳島県神山町も、1990年代初頭から地元のNPOが民間主導でまちづくりをがんばってきたわけで」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「ゆずでゴールドラッシュした高知の馬路村も、ゆず製品の開発を始めたのは1980年代。主産業だった林業が衰退して立ちいかなくなっていたところからの起死回生でした」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「逆境から這い上がるためには、自分たちの現状をちゃんと捉えて、そこにある資源を活かしつつ、ひたすらやるべきことをやっていくだけなのかもしれません。それがゆくゆくはどこも真似できない個性になっていく」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「個性という意味では、記事のなかには登場してないけど、取材中に出会った島の人たちもユニークで楽しかったですね」

 

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島の理容室「ヘアーサロン的地」にて。店主の的地茂樹さんは、自宅で島留学の学生を受け入れている。この島でうまくやる秘訣は「おすそわけを断らないこと」。もらったものが食べきれないときは、さらに他の人に回す。小さな島ならではの循環の仕組みがあるのだとか。

 

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シャモジを両手に持ちながら歌う伝統の「キンニャモニャ踊り」で迎えてくれた旅館・但馬屋の女将さん。「キクラゲチャカポン持って来いよ〜♪」という囃子言葉が独特のグルーヴで印象的でした。島ならではのおもてなし、あったかかったです!

 

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「太田さんに連れてってもらった島のスナックも味わい深かった。まさか海士町であいりん地区・西成の歌『釜ヶ崎人情』を聴けるとは。もしかして、大阪とのつながり強い……?」

 

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f:id:ONCEAGAIN:20160421090621p:plain「航路に秘密があるのだとしたら興味深いですね」

f:id:ONCEAGAIN:20160421090636p:plain「地図を見ただけじゃわからない土地のつながり……ジモコロでもいつか掘り下げてみたい」

 

ちなみに後日、CASで冷凍された岩ガキ「春香」を「海士Webデパート」(運営:巡の環)から取り寄せてみました。言うまでもありませんが震えるほどおいしかったので、この牡蠣をまたいつか食べられるように人生がんばろうって思いました。

 

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それではまたお会いしましょう。

 

ライター:根岸達朗

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1981年、東京生まれのローカルライター。1児の父。家では「うんちばかもの」と呼ばれています。Mail:negishi.tatsuro@gmail.com/Twitter ID:@onceagain74/Facebook:根岸達朗


「秘密結社 鷹の爪」「リアル脱出ゲーム」…遊びをビジネスに変えた男たち

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こんにちは、ライターの朽木です。

ちなみに左の壁際でうつむいてメモをとってるグレーのパーカーが僕です。

 

先日開催された『大ベンチャー展』。前回はそこで行われたセミナーのレポート『編集者とクリエイターはテクノロジーを無視できない―佐渡島庸平×加藤貞顕』の模様をお伝えしました。

今回はセミナーの大トリ「DLE×SCRAP×バーグハンバーグバーグ『遊びをビジネスにする方法』」をレポートさせていただきます!

 

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登壇者はこちらの御三方。まさに『遊び』に特化した会社の面々ですね。

 

株式会社ディー・エル・イー:FROGMAN

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株式会社ディー・エル・イー所属。代表作「秘密結社 鷹の爪」はTOHOシネマズのマナームービーとして話題となり、現在はLINE LIVEで毎週新作を配信中。アニメでは絵とシナリオと声、ほぼすべてを一人で行う。今回のセミナーでも、その場で総統と吉田くんのやりとりを再現してくれて歓声が上がった。本人はプロフィールに『クソアニメとよばれ続けて10年』と書いていたが、海外での評価も高く、名実ともにトップクリエイターと呼ばれる存在。

株式会社SCRAP:加藤隆生

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株式会社SCRAP代表取締役社長。ホールや遊園地、東京ドームなどを貸し切り、参加者を閉じ込め、謎を解かせて脱出させるというリアル脱出ゲームの生みの親。学生時代に作っていたフリーペーパーの一企画として始まったイベントだが、今や海外でもイベントが開催されるほど人気コンテンツに。 

株式会社バーグハンバーグバーグ:シモダテツヤ

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株式会社バーグハンバーグバーグ取締役社長。オモコロジモコロといったメディアの運用を行うほか、ウェブを中心に、笑いに特化したワケのわからない広告を制作している。今回の大ベンチャー展でも堀江貴文氏とほぼ同じDNAを持つというホリエザウルス(全高2m超)や、SCRAPの加藤さんの祖先と称し“SCRAP原人”を製作した。

 

 

自己紹介で飛び出した知られざる過去! 

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写真左からDLEのFROGMANさん、SCRAPの加藤隆生(かとうたかお)さん、バーグハンバーグバーグのシモダテツヤさん

 

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モデレーターにフリーライターのセブ山さんを迎え、いよいよトークがスタートしました!

 

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「さっそくですが、壇上のみなさんに、どんなことをしている人なのか、改めて自己紹介して頂きましょう。まずはFROGMANさん」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「はじめまして、FROGMANと申します。株式会社DLEという会社でFlashアニメーション『秘密結社 鷹の爪』を制作しております」

 

 

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「“鷹の爪”を知らない人は、この中にはいないですよね? 10年も続いている有名な作品です」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain当初は『クソアニメ』ってめちゃくちゃ叩かれたんですよ。その頃のアニメは有名な声優や監督、原作じゃないと、注目されなかったというのがあって。そんな作品を10年も続けることができて、よかったですよ」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「そんなドラマがあったんですね~。続きまして、SCRAPの加藤さん、よろしくお願いします」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「SCRAPの加藤です。『リアル脱出ゲーム』という体験型ゲームを制作しています」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「今回、加藤さんの自己紹介スライドにSCRAPさんの年表があるんですけど、2002年にバンド『ロボピッチャー』結成って、どういうことですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「たぶん、この資料を準備したうちの社員の茶目っ気だと思うんですけど、昔バンド活動でメジャーデビューしていまして。『ロボピッチャー』っていうバンドなんですけど、嘘だろって言うくらい売れなかったですね」

 

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ロボピッチャー時代の加藤さん(写真提供:株式会社SCRAP) 

 

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「売れなかったことを社員にイジられたってわけですね。じゃあ、最後はシモダさん、お願いします」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「はい、バーグハンバーグバーグ(以下BHB)のシモダと申します。インターネットの広告関係を制作したり、メディアの運用をしたりと、どちらかと言えばおふざけに寄ったブランディングの会社です」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「僕もBHBのメディアのひとつ『オモコロ』に記事を書いたりしていますが、説明するのが難しい会社ですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「この大ベンチャー展でも、隣に座ってる加藤さんの祖先みたいな展示物を作ってまして、本当に何の会社なのかわからなくなってきました」

 

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展示されていたSCRAP原人 

 

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ということで今回はそんなお三方に、『遊びをビジネスにする方法』をいろいろと聞いてみたいと思います!」

 

実は最初から商業をやろうと思って始めました

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f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「まず最初にお聞きしたいのは『遊びからビジネスに変わった瞬間』についてです。FROGMANさん、どうですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「いや、僕は遊びのつもりはなかったんですよ」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ええ~~! せっかくテーマに沿って話してもらおうと思ったのに! じゃあどういうつもりでアニメを作り始めたんですか」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「1990年代の終わりから2000年の始まりにかけて、2ちゃんねるとかでFlashアニメが流行ってましたよね?僕は当時、実写の映画やドラマの仕事をしていたんですが、訳あって島根で暮らすことになり、Flashアニメなら島根からでもできるな、と思ったんです」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「もともと実写をやっていたなら、島根で実写映像を作ればよかったのでは?

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「もちろん実写もやろうとしました。でも島根ではそういうプロジェクトに、誰も付いてきてくれなくて。『じゃあ、1人でできる映像はないかな』と考えていたら、アニメに行き着きついたわけです」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「なるほど! アニメだったらシナリオも絵も自分でできる!」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「そうなんです。だから僕の場合、最初から商業アニメを作ろうと思ってやり始めたんですね。実は三十歳過ぎまで絵すら描いたことがなかったんですが、他に選択肢はなかったし」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「それでも、ウェブサイトを立ち上げて動画を公開するうちに、1日で7〜8万人が来てくれるようになったわけですよね?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「そうですね。でも、みんな観て帰るだけで、正直お金にならなかった。キャラクターを起用したいわゆるバイラルムービーやバズムービーを制作するようになってから、次第にいろいろなところからコラボや広告のお仕事の声が入るようになりました」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「そうやって『秘密結社 鷹の爪』が誕生したんですね~。加藤さんはどうですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「僕は逆に、ずっと遊びのつもりでした。学生時代にフリーペーパーを発行していて、ファンに謎を出すとか、そういうことをやっていくうちに、集まる人がワーッと増えて」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「会社としてここまで大きくする過程には、かなりの苦労があったんじゃないですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「いや、リアル脱出ゲームって先行投資が特に要らないんですよ。例えば、今この場所でも、紙を10枚くらいとペンを用意してもらえれば、たったそれだけの材料で、30分くらいでリアル脱出ゲームは作れるんです」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「えっ、それはやってもらえるってこと……?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「いえ、やらないです(笑)。もう今はビジネスなので、もちろんお金をいただきます」

 

(会場笑い)

 

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「当時の僕にとってリアル脱出ゲームというイベントは『お小遣い』くらいの感覚でした。なぜなら、その頃まだ自分の本業をミュージシャンだと思っていたので」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ああ、『ロボピッチャー』の(笑)」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「今なんか、バカにしませんでしたか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「してないです! あの資料を作った社員はバカにしてるかもしれないけど、僕はバカにしていないです」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「それくらい軽い気持ちでやってたんですが、いつの間にか、自分たちのお店を作るようになったんですよ。で、ある時、原宿の大きなお店を借りようってことになったんですけど、初期投資が2000万円かかかると言われて。『ああ、この2000万を払ったら、もう“ビジネス”だな』と」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「なるほど、その瞬間にビジネスに変わったんですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「でもね、すごい迷った。生まれて初めて泥酔するくらい飲んで、道端にいた占い師に『今から人生の勝負に出ようと思うんだけど、観てくれない?』って頼んでみたんです。そしたら『今は勝負の時じゃないから止めなさい』って」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「あら~。で、どうしたんですか」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「ムカついて、その場で電話して借りました」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「すごい! 占いを信じなくてよかったですね!」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「僕の場合は、もともと『オモコロ』っていうバカ記事ばっかり作ってるメディアを10年前から運営してまして。だから会社より先に、まずオモコロがあったんです」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「僕も以前からオモコロで活動させてもらっていますが、初期の頃の運営はどんな感じだったんですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「色々くだらないことをしていたら、いつの間にかお仕事をいただけるようになってきたんですよ。 で、当時はライター代も雀の涙くらいしか払えていない、という状況だったので、お仕事が来たらそれをみんなで山分けするシステムでした」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「斬新なシステムですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「でも、ビジネスのやり方もわからなくて。例えば『いろんなおもしろい言葉を500パターンくらい用意する』という内容の仕事がきた時、『1パターン書いてくれたら500円払う』と言ったんです。そしたら『うんこ』とか書いてくるヤツがいて」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ヒドい」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「仕方ないから『うんこ』って書いたヤツにも500円払ったんです。そしたら別のやつがまた「うんこ」って書いてきて。だから僕の場合、最初に『うんこ』って書いたヤツに500円を払ったときから、ビジネスが始まったのかもしれないです」

 

半年くらいまったく働かなくなって気づいたこと

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f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ここからはお三人に『これで食っていけるな』という自信がついた瞬間を聞きたいと思います」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「最初の作品はDVDも自分の手で焼いて、ECサイトも自分で借りてきて、全部手で売ったんです。1枚2,000円でしたが、かなり売れたんですよ。やったー!とは思いましたけど、『これで食っていける』なんて確信はぜんぜんなかったですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「2,000円のDVDが売れるって結構すごいことですが、それでも食っていける確信は持てなかったと」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「そうですね。ただ、当時はそろそろPCとかモバイルで動画が流せる時代がやって来ると言われ始めた時代でした。でも既存の制作会社は、1分の動画を作るためにも、何百万っていうお金をかけなきゃいけない」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「動画にはコストがかかるというイメージがありました」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「この先インターネットが普及したときに、動画を作る人たちは、きっと1人とか数人、そういうマイクロプロダクション的な手法になるはずだと思ってました。そんな時、椎木(DLE代表・椎木隆太氏)と出会ったんです」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「おお、社長と! 運命の出会いですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「椎木は僕の意見にすごく共感してくれて、『ずっとそういうことがやりたかったんだ』と言ってくれました。僕も椎木に対して『この人は絶対、次の時代のコンテンツがわかってる』と思えたんです。この頃ですね、ようやく食っていけると確信が持てたのは」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「時代と、出会いが確信を持たせてくれたってことでしょうか。加藤さんはどうですか」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「僕の場合は、リアル脱出ゲームがおもしろいっていうことにはすごく自信があったんです。一方で、ビジネスのことはホントに、全然わかってなかった。だから、お客さんはどんどん増えていくのに、不安で不安でしょうがなかったですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「お客さんが増えてるならもっと自信を持っていいと思うんですが」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「最初の頃は単なるブームだって言われてましたから。それでもとうとう東京ドーム開催にまでたどり着いて、イベントは無事成功しました。で、打ち上げすることになったんです。スタッフの方に『撤収が終わったらお店に来てください』って言われて」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ほう、良いじゃないですか。撤収さえ終われば楽しい飲みの時間だと」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「僕は『わかりました、じゃあ15分後に行きます!』って言ったんですね。そしたらスタッフさんがすごいビックリして。1万人も2万人も集めた公演が15分で撤収できるって、キミらのエンターテイメント、ヤバすぎるぞ!って」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「なるほど! 言われてみたらものすごいことですよね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「それまで、おもしろさには自信を持ってたけど、低カロリーでできるって利点にあんまり気づいてなくて。東京ドームに普通の車で乗り付けて、パネルを10枚くらい会場中に貼って、あとは来るお客さんにA4の紙を1枚ずつ配っただけのゲームで、人を集められるんだと」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「まさに低カロリーですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「自分たちはアイディアだけで、コストをかけずにここまで来ているんだなって気づいたときに、『ああこれは、ひょっとしたら食っていけるのかも』と思いました」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「お話を聞いていると、最初にコストをかけずに、自分たちの手が届く範囲からやるというのが共通点でしょうか。では次に、シモダさんはどうですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「会社を設立したときって、すごくワンマンだったんです。何やるのにもジャッジは自分、企画も僕が気に入らないとやらない。こだわりがとても強かったんですけど、そうすると仲間たちは、『何で俺のアイディアは通らないの』みたいな雰囲気になってきたんですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「社長になったということで、シモダさんも気合が入りすぎてたんですかね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「そう!『自分がすべての責任を背負っている』と過剰に思ってたんですね。人に任せるのがすごく怖かった。でも、そうこうしているうちに、僕が離婚しまして。それから半年くらい、働かなくなったんですよ、ショックすぎて」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「こう見えてナイーブですから」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「もう、きれいな夜空を見ていたら、涙がツーって流れてくる、みたいな状態になって。 毎晩飲んで気絶するように寝て、会社に行くのも16時とか17時とか。で、また19時くらいから飲みに行くという生活をまあ、半年くらい続けました」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「最低じゃないですか。気持ちはわかりますけど」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「普通ならそんな社長を見捨ててしまうと思うんですが、社員のみんなが『シモダがヤバい! 俺らがなんとかしないと!』って言ってくれて。頑張ってくれるようになったんです」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「めっちゃいい話じゃないですかー!」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「それを見たときに、『ああ、食ってけるなあ』って。『もうずっと、食わしてもらおう』と」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ヒモじゃないですか! まあ、でも、『自分がいなくても会社が動く』と気づけるのはいい経験ですよね」

 

仕事よりおもしろいものが他になくなって不感症に……?

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f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「楽しみながらお仕事されている一方で、遊びをビジネスにする苦労とか苦悩っていうのもあると思うんですが、いかがでしょう」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain社長に言われているのは『絵が上手くなっちゃダメだ』と。あの特有のゆるさというか、いわゆるヘタウマ感というのが大事だということですね。あと、うちの作品はやっぱり、情報をどう削ぎ落としていくかがテーマなんで」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「足し算ではなく、引き算で制作されている、と」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「少ない情報だけでいかに効果的に、相手へのメッセージを伝えるかが重要で、だからラグジュアリーな映像をやっちゃいけないっていうのが、うちの会社ではひとつのルールになっています」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「お金と時間をかけた大作をやるより、むしろ難しい作業じゃないですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「ひらがなだけで相手を感動させる小説を書け、と言われてるようなものですね。でもそれをやらなきゃいけないのがうちなので。これからも『クソアニメで居続けろ』ということなんでしょうね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「見ている人からすると『楽しやがって』と思うかもしれませんが、苦悩してあの絵に辿り着いてるわけですね。続いて加藤さんはどうですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「一時期真剣に悩んだのが、仕事以外に何をしても不感症になってしまったことですね。映画を観るとか漫画を読むとかより、仕事のほうがエキサイティングだから、他のものが面白くなくなってしまったんです…」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「遊びを仕事にしてしまったがゆえに、他の遊びが楽しめない――羨ましい悩みでもありますけどね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「でも仕事自体が目的になってしまうと、働くことで得られる何かしらの目的がなくなってしまって、『何のために働いているんだろう』って思っちゃいますよ」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「じゃあ仕事以外のすべて……たとえば合コンに行っても楽しくないんですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「え? いや、合コンは……まあ、ほら、今日は合コンの話じゃないから」

 

「普通の人間」が遊びをビジネスにしたときの、リアルな本音

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f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「続いては、『遊びをビジネスにする表と裏』というテーマなんですけど、シモダさんはどうですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「仕事がふざけた内容ばかりなんで、初対面の人と名刺交換する時なんかに『意外と普通なんですね』ってよく言われるんですよ。『どうしたらいいんだ』と。頭のおかしなキャラクターを期待されても、僕だって人間なんで、そういう時は普通なんですよ」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「シモダさんって結構ちゃんとしてますからね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「まあ、酔っ払ったら、セブ山さんの部屋でおしっこしたりとかはありますけども」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「!! あったわ、そういうこと! 部屋で飲んでた時ね! 『トイレ借りるわ』って言って、洗濯機の中にオシッコするんですよ! 空(から)じゃないですよ? 服が入ってる洗濯機ですよ!?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「オシッコで言うとね、豆知識ですけども、歩きながらオシッコって、できないんですよ。進行方向だから自分にかかってしまって」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「ああ! なるほど」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「何の話をしてるんですか! FROGMANさんも『ああ!』じゃないですよ。『遊びをビジネスにする表と裏』についてトークしてください!」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「僕もシモダさんと一緒で、変な人だと思われているんですよ。周囲からの期待と本当の自分とのズレみたいなものが悩ましいですね。だから帽子被るとか、サングラスかけようとか、口ひげ生やそうかなとか、いろいろ考えています」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「もしキャラ付けしたいんだったら、このスーツをお貸ししますよ」 

 

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f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「絶対嫌です」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「そうですか……。他に悩みはありませんか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「あとは、僕は基本的に何でも1人でやっているので、あまり他人に頼らないんです。もちろん、会社にはアシスタントとか一緒に働いている仲間はいますが、“悩みを聞いてくれる友だち”みたいな相手はいなくて。そういう人が欲しいとは思ってますね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plainわかる! 悩みを話したい! 僕は“業界がない場所”に一人でポッと現れたので、先輩がいないんです。遊び仲間も」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain僕もわかります。どうしたらいいかアドバイスがほしくても、聞くべき人がいない。この業界で自分より経験が上の社長がいたらいいのになってよく思います」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「『連れ回される』という体験をしてみたいですね。芸能人ってすごく羨ましくないですか? 脈々と受け継がれている歴史の中で、自分は今ここのポジションだっていうのが、わかりやすいじゃないですか」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「はいはい、『師匠に連れて行ってもらった』とか」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「居酒屋でくだを巻いているサラリーマンの人たちが、真剣にうらやましいんです。自分はそういう経験がないまま来てしまったので」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain僕のところは、みんな昔からずっとインターネットをやっていたヤツらばっかりなので、今“遅れてきた青春ごっこ”をしているところが大きいですね。体育会系に憧れてます」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「その結果が他人の洗濯機におしっこするってこと……?」

 

会場からの質問「自分は天才じゃないか!? と思った瞬間は?」

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最後は会場から質問タイム。みなさん真剣な眼差しで質問してくれました。「これまでたくさんの制作をされていますが、ひらめいた瞬間に『自分は天才じゃないか』と思った経験があれば、ぜひ教えてください」という質問に対して…

 

f:id:seiichirokuchiki:20160328075051p:plain「誰も思いつかないような圧倒的なものがパーンと降りてきて、“絶対当たる!”と確信できたときっていうのは、何度かありました。『インド人完全無視カレー』なんかは、字面を見ただけで、これは売れるなーと思えましたね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075017p:plain「僕はやっぱり、リアル脱出ゲームっていう形態を思い付いた瞬間です。ホントに雷に打たれたような感覚でした。僕は『誰も思いつかないこと』よりは、誰でも思いつきそうなのに誰もやってないもの』を思いついたときに、やった! と思いますね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「僕は、お二方とはちょっと毛色が違うんですけども。テレビ朝日で鷹の爪のセカンドシーズンを放送することになって、提供がサントリーさんだったんですね。で『ただスポンサーについてもらうのではなく、何かおもしろいことをやってほしい』ってことになって」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「“サントリーさんがスポンサーである”ということを使って面白い企画を考えてねってことですか?」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「そうです。で、『サントリーが提供しない番組にしよう』と。公式のWebサイトで8月くらいに『10月から鷹の爪のセカンドシーズンがはじまります、スポンサー募集!』って告知を始めて、8月の終わりになったら、サントリーがスポンサーについてくれます、と発表したんですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「ほうほう、ここまではごく普通の“お知らせ”ですね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「でも、9月の直前になって、『吉田くんのミスでサントリーさんがスポンサーについてくれなくなりました』と」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「視聴者の人たちは、どうなっちゃうの?ってなりますよね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「オンエアを観ると、『この番組はサントリーが提供していません』非提供』という文字が出る。それを毎週やったんですよ。そして、最後の最後にサントリーが提供してくれて『祝提供』っていう文字が出る。

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「エイプリルフールみたいなことだったんですね!」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「そうです。でも、テレビでウソをつくっていうのは、バラエティ番組などではよくありますけど、本当はNGなんです。そんな企画を持っていった時、テレビ朝日がカッコよかったのが、『本当はダメだけど、おもしろいからやりましょう』って言ってくれたんですよ」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「えーーー! カッコいい!」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「サントリーさん側から『こういうウソをテレビでやるのは大丈夫?』という意見が出たときには、今度は広告代理店が『わかりました、じゃあ本当にサントリーからお金をもらわなければウソにはならないですよね? うちが立て替えます』って言ってくれて」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「うわーーー! それもカッコいい!」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075038p:plain「もともとは僕の思いつきで無茶なことを考えたのですが、みんなが一生懸命に男気を見せてくれて。最後、本当のサントリーのCMが番組中に流れるんですけど、なんか感動しちゃいましたね」

f:id:seiichirokuchiki:20160328075059p:plain「最後に来てめちゃくちゃいい話でしたね! 今日はみなさん、ありがとうございました!」

 

まとめ

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レポートのことなどすっかり忘れて、ゲラゲラ笑いっぱなしだったこのセミナー。

ビジネスのつもりで遊びをするのも、遊びがビジネスになるのも、まず卓越したセンスが必要なのは間違いないようです。しかし、そこから先に進むために必要なのは、リスクを取り、マナーを身につけ、人間らしく苦労と苦悩をするという経験。つまるところ、普段の仕事とも大きな差はないと感じました。

唯一無二の超人のように見える彼らの、一見して特殊な経験からは、僕たちもたくさんの学びがありそうです。

 

書いた人:朽木 誠一郎

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編集プロダクション「ノオト」の記者・編集者。見た目は超人。最近つけられたあだ名は「ハム」。 Twitter:@amanojerk

地元のオウンドメディア「ジモコロ」を一年間運営した結果

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2015年5月11日にオープンした「ジモコロ」ですが、皆さまのおかげで無事1周年を迎えることができました。ありがとうございます。あっという間の1年。メディアとしても個人としても大きな変化が起きました。

 

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改めて、ジモコロ編集長の柿次郎です。こんにちは。この1年、47都道府県の地元に転がっている面白い「仕事」「人」「文化」などを取材してきたわけですが、途中でジモコロの目的を3つ定めたんですよね。

 

●47都道府県の「仕事」「地元」を独自に取材する

●一次情報を企画・編集の力でより多くの人に届ける

●公私混同で自分たちの「好奇心」を満たしていく

 

大前提は、イーアイデムのオウンドメディアとしての価値を最大限に発揮すること。同軸で編集長としての大きな役割があり、それはジモコロが向かうべき方向性を舵取ることです。簡単に言うと「頑張る!」ってことですね。

 

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昨今「地方創生」という言葉が叫ばれ始めていますが、その時流に乗っかるべくローカルメディアとしての軸足を作りつつ、イーアイデムとしてのテーマ「仕事」も拾っていく。過去の記事を見ていただけると分かると思うんですが、ローカルとは関係のない企画も数多く存在します。

にも関わらず、ローカルメディアとしての色が強くなってきたことこそ、ここ1年の一番大きな成果ではないでしょうか。僕自身はそう捉えています。

また、昨年末から記事広告の制作も始めたんですが、そこでローカルメディアとしての需要、新しい切り口で踏み込める領域の広さを実感するばかりで。過剰に行動し、誠実に制作する。この積み重ねでジモコロの2年目はより面白いことにチャレンジできるんじゃないかとワクワクしています。

 

一年間の数字を振り返ってみた 

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せっかくなので一年間の数字を振り返ってみたいと思います。2015年5月11日〜2016年5月4日までの累計PVは6,230,233。累計UUは2,021,689ですね。ここから導きだされる答えは何一つないんですが、参考までにご覧ください。 

 

・2015年5月:140,004PV / 54,089UU

・2015年6月: 306,282PV / 134,840UU

・2015年7月:367,546PV / 154,704UU

・2015年8月:491,975PV / 224,279UU

・2015年9月:507,183PV / 227,414UU

・2015年10月:476,099PV / 203,370UU

・2015年11月:598,720PV / 251,877UU

・2015年12月:617,312PV / 241,826UU

・2016年1月:606,328PV / 236,137UU

・2016年2月:605,944PV / 267,605UU

・2016年3月:742,255PV / 324,578UU

・2016年4月:692,221PV / 280,305UU

 

月別のPV/UU推移はこんな感じ。月に12〜18本程度更新しているんですが、オモコロ以外の他媒体からの流入が見込めない離島メディアとしては、いくら頑張っても月間100万PVがひとつの天井じゃないかと考えています。

兼ねてから「PVは良いヤツで、誠実に作っていれば企画の良し悪しが正直に表れる」と公言しているんですが、地方×文化×一次情報と掛け算する内に興味の対象が絞られるのも事実で。そのときは興味関心のあるユーザー層に“深く刺さることを目的”としています。情報の届き方、刺さり方を多面的に捉えることで、息の長いメディアとしての立ち位置が少し見えてくるんですよね。

もちろんローカルメディアとしてはまだまだ新参者でしかないため、どちらかに偏りすぎず、絶妙なバランスで今後も好奇心を燃料に突き進んでいきたいと思います。

 

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ちなみに地域別のユーザー層は、1年通して興味深い結果となりました。東京に偏らず、各地方都市の割合が増えることがジモコロにとって目指すべき状態のはずなので、少しずつ分散させていきたいですね。TOP10に限っていえば、大阪+横浜+名古屋+福岡+京都+札幌で36.74%となっています。

 

●ジモコロ年間PVランキング TOP20を発表!

ここからは恒例のPVランキングを発表したいと思います。なんだかんだライターにとってのモチベーションになりますし、僕自身も妖怪PV舐め回しとして毎日のようにチェックしているので。年間TOP20を整理した結果、ARuFaの独壇場になっていました…!

 

1位 252,400PV

ARuFa初の取材記事が堂々の1位。2.4万ツイートと大当たりしました。

2位 217,303PV

昨年10月公開以降、「アンデルセン公園」の検索流入が止まりません。

3位 186,217PV

こちらも「沖縄 北海道」で検索すると1位表示。ジワジワと伸びています。

4位 177,004PV

ヨッピーが両親にライター仕事をカミングアウトした記事も人気!

5位 115,573PV

親ネタは強い。カメントツが父親と向き合った企画も多くの人に読まれました。

6位 114,268PV

徳谷姓のルーツを探しに高知へ行ったら、半日で辿り着いた企画です。

7位 105,322PV

ARuFaのジモコロデビュー記事。徳島県祖谷渓谷のカカシは健在です!

8位 103,109PV

本人が言うのもアレですが、ジモコロの代表作と言っていいでしょう。

9位 102,628PV

カメントツのコンビニバイト体験談。検索流入の強さでジワジワと伸びています。

10位 97,726PV

ヨッピーが世の就職活動に対してブチ切れた記事広告が10位にランクイン!

11位 95,282PV

往復航空券、材料代を入れると5万円以上かかった本気のサッポロ一番。

12位 93,926PV

またARuFaです。このあたりからGIF画像の使い方がすごくなってきます。

13位 83,728PV

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このGIFきっかけで本記事はもちろん、朝の情報番組にまで「燕三条の金属加工技術がすごい!」と波及しました。

14位 77,938PV

こういう東京 VS 地方といった対立構造の記事は今後も作りたいです!

15位 75,742PV

紅白出場も果たしたアーティストのインタビュー漫画。音楽×仕事の価値観をカメントツが上手く落とし込んでいます。

16位 74,473PV

音楽シリーズで「イケる!」と自信を持てた一発目の企画です。 

17位 73,852PV

本人もその価値に気づいていなかった「フリーランスの日常」を赤裸々に書いてもらいました。 

18位 68,984PV

カメントツが身近で体験した「ロボットに仕事を奪われた男」の話…。

19位 59,485PV

再掲載の編集記事が、元記事以上の反響を生みました!

20位 57,928PV

原宿が心と体力と鉄を削って作り上げたナイフマスター講座のレポート記事。

 

以上です。ARuFaがもし死んでしまったら、ジモコロのPVが半減する…。これだけはマジだということが判明しました。早急にARuFaのクローンを作る必要がありますね…。

 

クライアントを立てるためにMVPを選んでもらった

過去何度も触れていますが、ジモコロはアイデムさん、読売広告社さん、そしてバーグハンバーグバーグの3社で運営しています。この三角関係のバランスこそ、ジモコロの頑丈な地盤と言っていいかもしれません。関係性を持続するためにも、ここでクライアントを立てるための各MVP記事を紹介したいと思います!

 

●アイデム 東日本事業本部 マネージャー 岡安伸悟さま

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まずはジモコロに対する予算権限を全部握っているアイデムの岡安さん。どこかで見たことのあるようなポーズで編集部にプレッシャーを与えています。そんな岡安さんが選んだ記事は…

 

こちら!

岡安さんからの総括コメント

去年の今頃、コロッケネタから始まったジモコロも一周年。企画段階にあった「地元のゴリを探す」とか「地元の場末のパブで聞き込みする」とか「借りパクしたファミコンを今更返しに行く」とか、何となく地元をこじつけたネタは、実は一つも実現していません。

いつの間にかコロッケマイクも消え、いつの間にかコロ沢も終わり、それでもいつの間にかジモコロっぽいポジションを作っています。多分、「自分の地元」と言葉で表現した時、そこに居た時には感じられなかった空間・風景・匂いなどが思い起こされ、いつの間にか自分の「地元」として想起され定着する現象に近いのだろうなと思います。

ジモコロがいつかあなたの地元を取材できます様に。これからも応援よろしくお願い致します。

 

●アイデム 東日本事業本部 伊志嶺彩さま(ジモコロ裏編集長) 

続いてジモコロ裏編集長の伊志嶺さん。取材同行や地方でのイベント参加など、現場の空気を一番知ってもらっている方です。そんな伊志嶺さんがMVPに選んだ記事は…

伊志嶺さんの総括コメント

この取材には同席していたのですが、途中ICレコーダーが回っていなかったことに気づいてからの柿次郎さんのフォローの仕方や、そのハプニング自体を記事に入れてしまうところなどを見て、「これがジモコロの記事の作り方か〜」と感心しました。普通なら流してしまうことをキャッチしているから、取材先で偶然面白いことに出会う確率も高いんでしょうね。
ジモコロの裏側を知ることができた記事です。

 

●読売広告社 佐藤さん&及川さん

最後は読売広告社の担当者お二人。お金の話やお金の話、そしてお金の話からお金の話まで。気を遣って言いづらいお金の話は読売広告社さんにお任せしてます!

お二人からのコメント

ジモコロのメディアテーマである、地元で働くこと、を体現した一つの完成系とも言える記事かなと思います。
燕三条のものづくりへのスポットライトの当て方も素晴らしく、読み物としてとても面白かったです。イーアイデムのブランドイメージにも跳ね返ってくるでしょうね!

 

クライアント側の声をもっと知りたいという方は、同日公開のはてなビジネスブログのアイデムさんインタビュー記事(前後編)をご覧ください。ウラ話が盛りだくさん。

 

 

バーグハンバーグバーグTVでも最近、ジモコロの回が公開されました。暇すぎてTwitterをリロードする中毒にかかっている人におすすめです。

 

総括「今後のジモコロについて」

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一年前の編集会議ではTシャツを作ったり、コロッケマイクを作ったりなど、他のメディアとの差別化を図ろうと必死だったんですが、今ではビジュアル的な差別化よりも記事内容での差別化に意識が強く向いています。

編集長としてもほとんどの記事制作に関わることができて、ジモコロが目指すべき方向も少し見えてきました。1年間で約190本。6〜7割は取材記事ではないでしょうか。残りはコラムや漫画といった制作配分です。

 

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取材で周った土地は「札幌」「青森」「福島」「新潟」「千葉」「埼玉」「神奈川」「静岡」「山梨」「長野」「岐阜」「富山」「愛知」「石川」「京都」「大阪」「和歌山」「島根」「高知」「徳島」「福岡」「熊本」「沖縄」など、とにかく自分の目で見たもの、現地の人の声に耳を傾けることに全力を注いできました。

 

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正直ネットで調べた情報はあまり役に立たなくて、現地に飛び込まないと分からなかったことばかり。人と会って話して、その人がじっくりと培ってきた繋がりの縁を紹介してもらう。その繰り返しでしか地元の奥深い情報に飛び込むことができません。

当初から「熱量を持って取り組む」「足を使って一次情報を拾う」ことを大切にしてきましたが、結果的に真似されにくいメディアになったんじゃないかと思います。

 

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また、個人的な所感ですが、不思議なことに日本全国を旅して「地元」を知れば知るほどに、知らないことが増えてくるんです。知らなさすぎだろって。農業や林業、漁業といった日本人の本質的な営みはもちろん、民族学的な分野にも興味津々です。

「長野には昔、あんこを死ぬほど食わせる文化があった」「山の落ち葉が減ると、日本の里山の生態系が崩れる」「千葉と和歌山は昔、港の交流が盛んだったから同じ地名が多い」とか、あちこちで「なにそれ!おもろ!!」という驚きの連続。日本の文化はおもしろすぎる!

 

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そんな気持ちで一年間続けてきた結果、ジモコロの取材を通して僕自身の価値観が大きく変わりました。超インドア派だったのに、アウトドア派に。同時に「好奇心」という名の生き物が心のなかで爆速で成長中。誰かと酒を飲むたびにマニアックな話をするダメなおしゃべりおじさんと化してます。「うるせえ!」と思ったら遠慮なく言ってください。

というわけで24時間365日、オンオフの境目なく「ジモコロ」に好奇心をぶつけてきた経験や知識は、2年目以降のメディア運営の血肉となるはずですし、今年は「新キャラクター」「紙版のジモコロ」「リアルイベント」「メディアコラボ」なども計画中です。5年、10年と続けていきたいと思っているので今後とも応援、ご協力のほどよろしくお願いします!

 

最後に余談ですが、PVランキングから分かる通り「親ネタはウケる」を改めて実証できた話。好感度を上げるべく、両親が離婚してから一度しか会っていない母親にカーネーションを手渡してきたら、ものすごい数のいいね!がつきました。「共感ってこういうことなのか…」と気付きがあったので、適度ないやらしさを携えて今後も親ネタの記事を作っていこうと思います。ではでは!

 

※追記(2016/05/12 17:00)

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「ジモコロTシャツが欲しい!」という声をいただいたので、本記事のURL+ハッシュタグ「#ジモコロ一周年記念」を合わせてツイートしてくれた人の中から抽選で5名にTシャツをプレゼントします! サイズはUNIQLOサイズでS・M・Lの中から選べます。色は白のみ。期間は5月12日(木)〜15日(日)17時まで。よろしくお願いします!

 

●イベント登壇告知

オウンドメディア解放区 | OpenCU | Learning Platform Designed for Creative

5月18日(水)19:30-21:30 (懇親会〜22:30)@渋谷で、ロフトワークさん主催のイベントに出ます。明石岳人さん(Spotwright主宰)、佐藤慶一さん(現代ビジネス編集部/ブロガー)と共にオウンドメディアについて話すことになるので興味のある人はぜひ!

 

書いた人:徳谷 柿次郎

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ジモコロ編集長。大阪出身の33歳。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916

【8コマ】木下晋也 『柳田さんと民話』 - 3話「トリッキーな化け狐」

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<柳田さんと民話・一覧>
第3話

 

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<柳田さんと民話|一覧>
前回

 

●「柳田さんと民話」とは?

ひとり旅を趣味とする男性・柳田久仁夫が、日本各地で地元に伝わる民話を聞き歩く、ユルくておもしろくてためにならない8コママンガです。

 

 ■木下晋也が描く初のラブストーリー「マコとマコト」の電子版が発売されました! 甘すぎず切なすぎない、ほのぼの系恋愛模様。笑いながらも心あたたまる本(電子だけど)になっております~!

マコとマコト 分冊版(1)

マコとマコト 分冊版(1)

 

木下晋也先生のTwitterでは、各メディアに連載中の作品情報や、Twitterのみで公開されるちょっとしたイラストなども見ることが出来ますよ!フォローしてみよう!

 

 

書いた人・木下晋也

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1980年大阪生まれ。2008年、『ポテン生活』で第23回MANGA OPEN大賞受賞。単行本『ポテン生活』全10巻、『もここー』全2巻、『おやおやこども』が好評発売中。Docomoエンタメウィークで『マコとマコト』連載中。木下晋也公式サイト、cakesでもいくつか作品を公開中です。趣味はプロレス観戦。Twitterアカウント→@kinositasinya

 

ジモコロは求人情報サイト「イーアイデム」の提供でお送りしています

大阪の地下鉄でよく見る『解像度が低すぎる掲示物』の謎に迫ってきた

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みなさんこんにちは~!

株式会社人間の社領エミ(しゃりょう・えみ)どぇ~~す!

 

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突然ですがみなさん、電車、乗ってますか~!?

私は乗ってま〜す!

 

最近私には、電車に乗る度に気になっていることがあります。それがこちらなのですが…

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何だこいつら…!?

このゆるすぎるキャラたちですが、大阪市内の駅でそりゃもうメチャクチャよく見かけるのです!

調べたところ、どうやら大阪市内でも市営地下鉄の駅にのみ存在するキャラクターのよう。しかも、私が今までに降りた駅のほとんどに存在しており、駅ごとにキャラクターもテイストも全く違うので、ものすごく種類が多そうです。

 

その中でも、特に気になっているキャラがこちら!

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私がよく乗り降りする駅、地下鉄四つ橋線本町駅のいたる所にベッタベタ貼られているこいつ…!

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ほんまっちょマンです!

 

どう見てもマッチョじゃないこの体、妙に老けた顔、山下清ばりの五厘刈り……こいつ、ゆるキャラの名を騙ったおっさんやないか!

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極め付けはこの、改札を抜けてすぐに掲示されている大判イラスト。

 

よくよく見てみると…

 

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この解像度…!!

最高〜〜〜! この明らかにアマチュアが作っている感じ! たまらないと思いませんか!?

ほんまっちょマンの作者に会いたい! なんでこんなキャラデザにしたのか、なんでマッチョなのにただのおデブちゃんなのか、色々聞いてみたいよ〜!

 

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ということで、このヘンな活動を行う理由を解き明かすため、交通局に直接聞きに行くことにしました!

これって、誰が何のために作ってるの?

これが地下鉄を運営する大阪市交通局の命じたことだとしたら、一体何を考えているの…!?

大阪の地下鉄ユーザーみんなが思っている『駅に貼られた謎のキャラ』の真相を! 今、解き明かしたいと思いま〜す!

 

やっぱり色んなところにいる『駅キャラ』

はい! まずは四ツ橋線の始発駅、『西梅田駅』にやって参りました。
こちらが西梅田駅のキャラ、『西梅マン』です。

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ゆる〜〜〜〜っ…!!

やはり本町駅と同じく、西梅マンは実に様々な場所で活躍しておりまして…

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調べたところ、駅構内にペタペタ貼られてその数なんと22個!

精力的に貼られすぎ! 早速、駅員さんに聞いてみるぞ〜!!

 

取材場所として案内されたのは、西梅田駅の駅長室。

私、駅長室に入るのは初めてなのですが、なんかむちゃくちゃアットホームな空間!

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黒板に貼られた標語に手作り新聞、駅員さんが自由に飾った絵馬や、長年大事に使われてきたであろうスチールデスク……そして、その上に鎮座する数世代前のWindowsPC…!

なんだか職員室を懐かしく思い出します!

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「あ〜〜!」

 

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f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「つ、机の上にオーブントースターがある!!」

f:id:emicha4649:20160406153442p:plain「ここで、お昼休みにパンとか焼いて食べるんですよ」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「か、かわいい〜!!!」

f:id:emicha4649:20160406153442p:plain「コーヒーメーカーや冷蔵庫、シャワーブースまでありますよ。駅務室は丸一日いる空間ですし、もはや家のように落ち着けます」

 

5年間一切反響のない『西梅マン』

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ということで、このアットホームな駅に勤める勤続40年の大ベテラン! 西村さんにお話を伺うことにしました。

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「西村さん、今日はよろしくお願いします。早速ですが、西梅マンを作ったのは西梅田駅の駅員さんなんですか?」

f:id:emicha4649:20160406153442p:plain「そうです。作者自身は別の駅に異動になったから、今は居ないんですけど」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「えー! いないのか! あの、西梅マンは何がきっかけで作られたのでしょうか?」

f:id:emicha4649:20160406153442p:plainCS活動の一環やね」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「CS活動?」

f:id:emicha4649:20160406153442p:plain「CS活動っていうのは、『カスタマーサティスファクション活動=お客さま満足活動』という意味です。当初はご近所さんと一緒に駅周りを掃除したりとか、そういった地域に根付いた活動のことを言っていたんですが、ちょうど5年前、地下鉄全体でもっとCS活動に力を入れようとした時期があって…」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「ほうほう」

f:id:emicha4649:20160406153442p:plain「その時、うちが活動自体のモデル駅として選ばれたんですよ。で、『駅員でたまたま絵がうまいやつがいるし、キャラクターでも作るか!』となったのがきっかけで、西梅マンが出来ました。僕らの駅が先陣を切って作ったんですが、今は四ツ橋線のほぼ全駅がキャラクターを持ってますね」

 

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こ、こんなにある〜!

なんば駅だけは所属するグループが別で、既にプロが作った別のキャラがいるため、駅員さんの手作りキャラは居ないそうです。

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「駅を降りるたびに別のキャラを見かけるな〜とは思ってましたが、こんなに数がいたとは! ちなみに西梅マンの反響の方は?」

f:id:emicha4649:20160406153442p:plainないですね

f:id:emicha4649:20160406153449p:plainないの!?

f:id:emicha4649:20160406153442p:plain「全然ないです。私たちは楽しんで掲示物を作ってるし、お客さまの目に触れるだけで全然良いんですけどね。うちは西梅マンよりも、別で展示してるパンチカスアートの方が有名だし、そっちに話を聞いてみたほうが参考になると思いますよ」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「パンチカスアート…?」

 

休みも使って制作延べ300時間!?それでも頑張る駅員さんたち

ということで、西梅田駅内に発見! 噂の『パンチカスアート』はこちらです! 

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どどん!こちらが、駅員さんによる1.5m×1mの大きな作品、『パンチカスアート』。

なんと、ぜ~~んぶ切符のパンチカスを貼り付けて作られているのであります!

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どわー!! 細かすぎる〜〜!!!!

そしてこちらが、パンチカスアートの作者であり、西梅田駅に勤める駅員さんの山口さん。

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パンチカスアートは、地下鉄四ツ橋線の開業50周年に合わせた展示イベントのために制作されたそう。

この作品はすべて山口さんお一人で制作されていて、制作時間は300時間、なんと15万粒ものパンチカスを貼り付けられているんだとか…。

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「山口さん、今日はよろしくお願いします!それにしても300時間ってすごすぎますね…この作品もCS活動の一環なんですか?」

f:id:emicha4649:20160406153501p:plain「はい。ずっと前から『切符のパンチカスで何か作れないかな?』と思っていたこともあり、挑戦してみたんですが…この時はさすがに疲れましたね…」 

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f:id:emicha4649:20160406153449p:plainコメントに滲み出てますね

f:id:emicha4649:20160406153501p:plain「自宅で全て作ったのですが、家族からは応援も非難もなく…」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「ご家族、もっと興味持ってあげて〜! 自宅で制作されたんですね。駅員さんって、普段はだいたい何時ごろが就業時間なんですか?」

f:id:emicha4649:20160406153501p:plain「駅員の勤務形態はいわゆる会社勤めの方とは少し違うんです。基本的な勤務時間は朝8:30〜翌朝8:30の24時間ですね」

 

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f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「え〜!? 駅員さんって24時間ぶっ続けで働いてるんだ…!?」

f:id:emicha4649:20160406153501p:plain「いえ、電車が止まっている時間は仮眠をとりますよ。休憩もあるので、週に約40時間勤務という点では皆さんと同じです。ただ、近隣でイベントがある日などのお客さまが多い日は、泊まりで一日働いたあと、非番で仕事することも…かなり稀ですけど」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「じゃあ、朝のラッシュで見かける駅員さんって、退勤前の一番疲れてる状況では!? 急に可哀想に思えてきた…。その激務をこなしながら、更にCS活動としてパンチカスアートを作ったわけですが、特別なお金は出るんですか?」

f:id:emicha4649:20160406153501p:plain「いえいえ、出ないですよ。むしろ、CS活動ってほとんどお金が出ないのが当たり前で、ただただ『駅を明るくしよう』という各駅の自由な取り組みなんです。僕は、ただただやりたかったことを楽しんでやっただけですし、僕の作品に限らずどの駅のCS活動も駅員が一生懸命作って喜んでるだけだと思いますよ」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「私、休日に仕事のこと考えたこと一度もないですけど…!? どっからきてるのその情熱!?」

 

制作直後は『もうやりたくない』と語ったものの、そろそろ次を作りたいなぁと思い始めているという山口さん。

え〜!? また300時間かけてやるんですか!?

CS活動の内容が気になって初めた調査ですが、むしろそのCS活動にかける駅員さんの情熱がかなり気になってきました。そこまで頑張るワケって、一体なんなの〜!?

 

念願の『ほんまっちょマン』の作者と対面!

こうなったら、実際にキャラクターを作った方にもお話を聞いてみたい! ということで、ついに…!

 

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こちら、地下鉄四ツ橋線の本町駅へやって参りました!

いよいよ、冒頭でご紹介した『ほんまっちょマン』の生みの親…!

Iさんにお話を伺いま~す!!

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本町駅で働いて8年のIさん(47)!恥ずかしいので、顔出しは無しでとのことでした。にこやかでシャイな男性です。

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「Iさん〜〜〜! いつもほんまっちょマン見ておりました! お会いできて光栄です!!」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「ありがとうございます、今日はよろしくお願いします。」

 

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ここで、Iさんにお聞きしたほんまっちょマンの基本情報!
・ほんまっちょマンはヒーローではなく、変装の名人である
・衣装のデザインは本町駅を通る四つ橋線・御堂筋線・中央線の三つの路線をモチーフにしている
・『ほんまっちょマン』の名前の由来はノリらしい。

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「ノリなんだ」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「どう見てもマッチョじゃなくて太った人じゃないですか」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「意外と辛辣!!」 

今までに制作したイラスト達、その数なんと30作品以上!全部書き込みがメチャクチャすごい!

 

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「実はほんまっちょマンって、Windowsソフトのペイントで描いてるんですけど」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「ペ、ペイント!? ペイントって、あの……」

 

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これ…!?

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「懐かしすぎるでしょ!! ペイントって、私が小学生の時に触ってた記憶しかないんですけど…

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「なるべく『あるものでやろう』という意識があって。パソコンで絵を描くのは初めてだったんですが、最近はだいぶ慣れてきましたよ。ただ、拡大縮小ができないので、大きさを間違えたらいちいち全部書き直しの繰り返しで…」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「鬼だな…」

 

 

駅員が楽しむことで、お客さまも楽しめる駅に

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「Iさんは、どうしてこの活動を始めたんですか?」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「やはりCS活動の一環ですね。僕はもともと人の似顔絵を描くのが好きで、駅員の顔なんかもよく描いていたのですが、CS活動を強化するタイミングで『ちょうどいいし僕のイラストを駅に貼り出そう』ということになって…。その時初めて『ほんまっちょマン』が生まれました。2013年の11月から、欠かさず月替りでイラストを描いています」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「毎月! じゃあ、今までに30作品以上!」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「登場人物はほんまっちょマン含め、全員うちの駅員をモデルに描いています。これまでも鉛筆でノートの隅に絵を描いたりはしていたのですが…こんな風に人の見る場所で連載のようにやるのは初めてで」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain齢47にして絵心の開花…!反響はどうですか?」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「そうですね。何人かのお客さまから『描いた人は誰ですか?』というお問い合わせはあったのですが、『作者は休んでる』と対応するようにみんなに伝えています(笑)恥ずかしいし…仕事に支障が出てもいけないので」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「シャイだなー!」

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f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「一枚の制作期間はどのくらいですか?」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「1つ作るのにやっぱり1ヶ月はかかりますね。非番の日とか、仕事が終わったあと夜中に1時間ほど作業して、コツコツ描いてます」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「駅員さん業務もありつつで大変だなぁ。ヘトヘトになりそう…」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「でも僕は、仕事が終わってから飲みに行ったりもしますよ!ヘトヘトでも、同じ駅のみんなで飲みに行くと元気になるんです!」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「あ、朝の8時半から〜!?すごい体力! 長時間業務をして、CS活動にも打ち込んで…その情熱って、どこから来るんでしょうか?」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「そうだなぁ。でも僕はただ、駅員を題材にして遊んでるだけなんですよね。出来上がった時にみんなで笑ったり、一緒にラミネートしたりするのが楽しいだけなんです。ただ、自分が楽しくやらないと見た人も楽しめないとも思っていて……」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「め、めっちゃええ仕事の考え方!!」

f:id:emicha4649:20160406153437p:plain「少しは手間もかかりますが、全部楽しくやっています。自分が楽しむことによって少しでもお客さまに和んでいただけたり、日頃のストレスが緩和されたりしたらいいなと思いながら、制作しています」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「なんて愛のある…!Iさん、色々お答え頂きありがとうございました!」

 

ほんまっちょマンの作者であるIさんは、『自分が楽しんで制作することでお客さまにも楽しんでもらいたい』という素晴らしい仕事観をお持ちの駅員さんでした。

 

地下鉄の駅に増殖する駅キャラたちの背景に、全く見返りを求めない駅員さんの真心があったとは…。 最初は解像度が気になって行った取材ですが、人の気持ちを変えるのに解像度なんて関係ない! 楽しめればそれでいい! 駅員さんたちの自然体なクリエイションに、制作会社に務める会社員の私は、めちゃくちゃ感銘を受けたのでした。

これからも応援していきたい! 大阪市営地下鉄の駅キャラ活動ー!

 

さて、こうした駅員さん独自の取り組みですが、地下鉄を運営する側の方々はどう感じているのでしょうか?

最後に少しだけ、地下鉄全体のお話を聞いてみましょう!

 

全くのノーチェックだからこそ、ここまで自由に成長したCS活動

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お話をお伺いするのは、大阪市交通局のこのお二人。インタビューにご同行下さった駅務課の藤本さん(左)と、広報の辻野さん(右)です!

まずは、藤本さんにCS活動の全貌からお伺いしたいと思います。

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「早速ですが、交通局さんから見たCS活動の現況と所感を教えて頂けますでしょうか。駅ごとにかなり自由な印象がありますが…」

f:id:emicha4649:20160406153431p:plain「おっしゃる通り、CS活動は駅員さんの完全自由、交通局のチェック無しで行って頂いています。キャラ以外にも駅主催のイベント等、様々なCS活動がありますが、今はキャラクターが盛んですね。西梅田駅がキャラクターを産み出したことをきっかけに、各駅がどんどん独自にキャラクターを作り始め……2014年の集計の時点では30キャラも存在しています」

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f:id:emicha4649:20160406153449p:plainぜ、全部ユルいしテイストが全然違う〜〜! 完全自由だからこそ、このツッコミどころの多さと駅員さんの異常な楽しみっぷりがあるわけか!」

f:id:emicha4649:20160406153431p:plain「そのせいかちょっと引っかかりそうなものを作っている駅もあるので、大々的に表に出せていないというのも現状ですが…。現在、キャラクターの数はもっと増えていると思いますし、平面的なもの以外にこんなキャラクターもいますよ。例えばこの子なんかはネットで結構話題になったんですが」

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(画像提供:あべの経済新聞)

谷町線天王寺駅の駅キャラ、茶臼山けい子。

美容学校でいらなくなったマネキンを使った独創的な駅キャラ。いらなくなった服などを着せて、完全0円で展示されている(2016年4月現在公開休止中)

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plainまたすごいキャラクターが…大阪市営地下鉄は、どの駅に行っても創意工夫が見られますよね」

f:id:emicha4649:20160406153431p:plain「『人々が地下鉄に持つ暗いイメージを明るいものに変えたい』という思いで始めたCS活動の強化ですが、低予算でありながら皆さん自主的に一生懸命取り組んでくださっています。交通局としては、こうして話題にして頂く機会もございますし、駅員さん同士の団結力が高まったことも含め、大成功かなと思っています」

 

過去最高、300億円の黒字になった理由とは?

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「では最後に。ざっくりした質問ですが、最近の地下鉄のお金的なことはどうですか?」

f:id:emicha4649:20160406153457p:plain「かなりざっくりですね…(笑)そうですね、平成26年度は過去最高値の黒字でした。去年は運賃の値下げもあったのですが、乗車人員数の増加やコストカットなどの企業努力で、結果的に348億円の黒字となりましたね」

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f:id:emicha4649:20160406153449p:plainメ……メチャメチャ儲かってるじゃないですか!!! 金をくれ〜!! でも電車ってあくまで移動のために使うものだから、無理やり乗車数を増やす手段って無さそうですよね。大阪市営地下鉄さんはどう黒字対策をしてるんですか?」

f:id:emicha4649:20160406153457p:plain「まずは経費の削減です。あとは沿線のイベントに取り組んで少しでもお客さまを増やそうとするのも一つの手ですし、外的な要因に寄せていくといった事もあります。例えば、最近特に海外からの観光客の方が多いですよね」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「確かに! ここ2年くらい、大阪は中国・韓国からの観光客だらけですよね。それを外的要因と捉えるとすると…?」

f:id:emicha4649:20160406153457p:plain駅に中国語専門の案内員の方を配置したり…

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain乗っかってる〜!!

f:id:emicha4649:20160406153457p:plain「確かにそうかもしれませんが、これはより多くのお客さまに気持ち良くご利用頂くためでもありますので!(笑) 」

 

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外国語が喋れる駅員さんがつける『外国語バッジ』。

中には、英語は得意ではないものの『誠心誠意英語を喋ります』という気合の現れでつけている人もいるらしい…。

 

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「大阪の地下鉄はサインが5ヶ国語で表示されているし、海外のお客様に優しいですよね。そういった、団体全体でお客様を見極めた細やかな配慮を大切にしているからこそ、駅ひとつひとつも丁寧なCS活動を行えているのかもしれないですね」

f:id:emicha4649:20160406153457p:plain「交通局の経営理念が『お客さま第一主義』というのもありますし、やはりお客さまに対する細やかさは大事にしていきたいですね。地下鉄の職員たちが一体となってCS活動に力を入れた結果、お客さまが少しでも地下鉄を楽しんで利用していただけているとしたら、嬉しい限りです」

f:id:emicha4649:20160406153449p:plain「辻野さん、ありがとうございました!」

 

おわりに

ということでした〜〜〜! みなさま、大阪市営地下鉄のレポートはいかがでしたか?

今までの私にとって、"駅"は『ただ通り抜けるもの』であり、"駅員さん"は『ただ駅にいる人』という感覚がなんとなくありまして…。

今回このインタビューで、駅は生きていて、駅員さんひとりひとりが試行錯誤してお仕事をしている、ということを、やっと強く感じ取れたように思います。それぞれ多種多様な活動をされていましたね。また、駅ひとつひとつが、駅員さんがもはや家のように過ごせる場所だと認識できたことも面白かった! これから駅を通るのが何倍も楽しくなりそう〜!

皆様にも、少しでもそんな気持ちになって頂けたなら幸いです!

 

そして、大阪市営地下鉄に乗る機会がありましたら、ぜひ! 駅員さんが自由に手掛けるCS活動を探してみてください〜!

 

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(おわり)

 

ライター:社領エミ(株式会社 人間)

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"面白くて 変なことを 考えている"会社、株式会社人間の書けるムードメーカー。一番好きなコスプレは駅員さんのコスプレ。
Twitterアカウント→@emicha4649

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漫画家・まんしゅうきつこが「お洒落な部屋に改造したい」「出来ればお金もかけたくない」という願望を叶えるべく立ち上がった。眠ってた家を蘇らせるために何をすればいいのだろうか。次々に立ちはだかるトラブルと人間の闇…。まんしゅうきつこ版ビフォーアフターみたいな連載がドアラジオからジモコロへお引越し!


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まんしゅうきつこさんのことをもっと知りたい人は、ジモコロライターのヨッピーがインタビューしたこの記事を読もう! アル中について淡々と語ってるし、突拍子もなく川に飛び込むよ!

 

書いた人:まんしゅうきつこ

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埼玉県出身。日大芸術学部卒。漫画家、イラストレーター。2012年5月にHP「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」を開設。「アル中ワンダーランド」(扶桑社)、「まんしゅう家の憂鬱」(集英社)が絶賛発売中 Twitter ID→@kitsukomz 

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