こんにちは、ジモコロ編集部です(上の写真は福井県鯖江の眼鏡製作現場であり編集部ではありません)。
毎月いろんな場所に取材に出かけ、人に会い、記事を書いている我々ですが……実は、取材したすべての内容が記事に書かれているわけではないのです。
例えば11月の記事―
ヒグマの怖ろしさと対策を、北海道の知床まで聞きに行った時のこと。
ライター(モンゴルナイフ)と、カメラマンが、夕闇迫る北海道の大地を車で駆けていると……シカが飛び出してきて危うく事故になりかけたことがありました。
※ドライブレコーダーの画面では伝わりにくいですが、後部座席に置いてた荷物が助手席に飛んでくるくらいの急ブレーキをかけています
ライターのモンゴルナイフも「ヒグマよりシカのほうが怖い」と真っ青な顔で言っていたのですが、「ヒグマの怖ろしさを伝える記事」でシカの怖ろしさを書いてしまうと、なんか、ややこしくないですか?
というわけでこの事件は記事に入れなかったんですが、このように、取材をしていると色んなこぼれ話があるのです。
そんな話を交えながら、ジモコロ編集長・柿次郎と、副編集長のギャラクシーが、2018年1月の記事を振り返ってみます。
1月10日 ライター:根岸達朗
「北海道の旭川空港から車で2時間。自然豊かすぎる下川町に行って来たんですけど、林業の未来都市として今後話題になっていく土地だと思います」
「林業の未来都市と聞いて、チューブ状の道路とかホバーカーを木製で作るのかと思ったら、ちゃんとした話だった」
「孫の世代まで考えて事業に取り組むって無理ゲーですよね。その難しさのせいで日本の林業は衰退し、山は弱まる一方みたいです。過去に何度か林業取材してるのでなんとか記事にできましたが…」
「テレビゲーム好きは林業用ハイテクマシンの扱いに向いてるって良い話ですよね。今後、土地を見極めて林業に入り込んでいけば稼げるようになるかもしれない」
「必要に駆られたら人材需要は高まるので、今のうちに一次産業の担い手になるのはめっちゃアリだと思います」
1月12日 ライター:菊地誠
「天才陰陽師である安倍晴明といえば、エクソシストとして、鬼や妖魔を封印しまくっていたのだろう、と考えてたんですが……」
「安倍晴明の子孫に『そんバカな(笑)』って一蹴されてましたね。本来はカレンダーを作る国家公務員だったとか」
「完全に夢こわれた。しかも50歳で学生だってさ……」
「まあまあ、完全に占いやまじないの要素がなかったわけでもないんですよね? 当時の科学水準で『統計的にこうじゃね?』っていう吉凶を暦に活かしてたんだから」
「取材させてもらった安倍晴明の子孫・藤田さん。小学校6年生の時にはすでに、親と一緒に図書館へ行って古文書の写し書きをさせられていたらしいですよ」
「陰陽師のサラブレッドだ!」
「エリートなのかと思ったけど、バンドをやったりキャバレーで働いたり、人生経験も色々豊富な方で。社会の裏も表も知ってるおもしろい人でした」
1月16日 ライター:友光だんご
「ライターの友光だんごと一緒に長野県の辰野町に行ってきたときの記事ですね。1泊でマジで危険な蜂を追いかけるお仕事です」
「絶対やりたくない。なぜなら僕は子供の頃にハチに刺されたことがあって、次に刺されるとアナフィラキシーなんちゃらで死ぬかもしれないからです」
「その場面撮りたかったです」
「記事では割愛してますが、体幹どうなってんだよ!っていうめちゃめちゃ豪快なおじさんもいたりとか」
「名人はこっそり蜂に刺されていて、そういう時は重曹を皮膚に塗り込んだら治るって言ってました」
「すべてがおおざっぱで最高」
1月17日 ライター:ジモコロ編集部
「この記事を書くために、小学校で先生やってる人にインタビューしたんですけど、言えないような話がてんこ盛りでした。特にモンスターペアレントの話は『マジで!?』っていうエピソードばっかりで驚いた」
「記事の中だと『運動会の写真、ウチの子の顔が切れてて縁起悪いだろ!』っていうのがありましたね。アルバムの後ろの方にある“行事の写真コーナー”みたいなところですよね?」
「そう。『うちの娘が写ってない!』っていうのも多いらしくて。運動会とか遠足とかのスナップ写真に、全員写るわけないやん……と思うんですけど」
「こわ~……」
「個人的には『Yahoo!きっず』っていう、子ども向け検索サイトが存在してることを初めて知って、へぇ~!って思いました。確かに、セックスとか、お○○○とか、ア○○○○○○とか検索してみたんですが、検索結果が0件だった」
「検索すな」
1月22日 ライター:別視点ガイド
「別視点の松澤さんは全国の珍スポットに詳しい人なんですよね。会社を始めてからは、一ヶ月間ずっと同じ土地に泊まり続けて、10本以上取材するという生活をしていて。土地に入り込むパワーが異常なんです」
「僕はできるだけ家にいたいので絶対マネできないですね」
「もうちょっと外出ましょうよ。松澤さん、記事を作りすぎたせいなのか、見た目もどんどんおもしろくなっています」
「なんかもうふざけてますね」
「実際会っていても独特過ぎるキャラをしていて最高です。根はめっちゃ真面目だと思うんですけどね」
「ところで記事については?」
「これは取材お任せしているので特に言うことないです」
「ないんかい」
1月24日 ライター:もりれい
「本物のプロ棋士は『ヒカルの碁』をどう思っているのか聞いてきました。話を聞いた関山九段は、かなりファンらしく、アツく語ってくれました」
「『ヒカルの碁』がきっかけで、囲碁人口は爆発的に増えたらしいから。やっぱり好意的になるよね」
「上の写真は、『初心者でもわかる囲碁のやり方』を教えてもらった時に、試しに一局やってみましょうと言われ、僕が! 関山九段に! 勝った時の写真です!」
「嘘をつくな」
「本当です。ただし、『あ、そこじゃなくて、ここに打ったほうが有利ですよ~?』といった感じで、言われるがまま打った結果です。でも勝ちは勝ちだから」
「それを勝ちと言える民度すごいな」
1月25日 ライター:まきのゆうき
「日本のメガネフレームは福井県の鯖江が96%作っている。この話は3年ぐらい前から聞いてたので一度行きたかったんですよね。ライターのまきのは、元々『メガネバリヤー』というテキストサイトをやってた男です」
「たしかに彼は365日メガネかけてますね。メガネ外した状態で出勤したこともない」
「結局記事には入れてないんですが、彼がメガネを取材する必然的な理由があるんです」
「ほう?」
「5年ぐらい前かな。男だけで沖縄の海に行ったんですが、ゴルゴツの岩場に水たまりがあったんですね。すると、何を思ったのか、まきのがSASUKEの1stステージみたいに水たまりを超え始めたんですよ」
「ええ!危ない!」
「案の定、ズボーン!と水たまりに落ちて。一瞬で180cmの成人男性が目の前から消えました。ええーー!大丈夫ー!?って近づいたら、ごめーん!って言いながら水たまりから立ち上がったんですけど、メガネが消えてるんですよ」
「あーあ」
「しかも目尻を大きく切って血が出ている。水たまりの中を探してメガネは見つかったんですが、レンズごとバキバキに壊れていました」
「もしもメガネをかけてなかったら大事故じゃないですか」
「そうなんです。メガネのおかげで目尻の傷だけで済みましたが、裸眼だったら失明していたかもしれません」
「つまり…?」
「彼はメガネバリヤーに助けられたんです。ちなみに怪我直後の写真がこちら」
「笑えないレベルのケガすんな」
1月29日 ライター:社領エミ
www.e-aidem.com「焼き芋屋に、夏場は何してるの~?って気軽に聞いたら、意外過ぎるというか破天荒すぎる事実が判明したって記事」
「これはこの人が特殊なのであって、普通はかき氷とかが多いんですよね?」
「焼き芋屋がこんな人ばっかりだったら怖いわ」
「蜜がたれてる! 焼き芋うまそ~!」
「実際めちゃめちゃ美味しいらしいです。ただし、記事には書きませんでしたが、この焼き芋屋さん……芋たべると胸焼けするので苦手だそうです」
「それで美味しい焼き芋作れるって、逆にすごくない?」
1月29日 ライター:菊地誠
「アイキャッチ画像のママ綺麗すぎません?」
「マジで福井駅近くの名店なんですけど、カウンターで座ってたら地元の社長連中がわいわい集まってくる場所でした」
「こんなママがいたら絶対通うもんな…」
「お酒も料理もめちゃめちゃ美味いんですが、ママの気遣いが素晴らしいですね。気づいたら初対面の隣同士で盛り上がってる空間というか。正直、近所にあったら週4で通ってます。島耕作の気持ちがわかってきた」
「ジモコロの地方取材の醍醐味!」
連載マンガ・コラムなど
まとめ
というわけで、今回のまとめはここまで! 来月のジモコロをお楽しみに!
なお、ジモコロでは、皆さまからのネタ提供や、調べてほしいことなどを常に募集しています。
【地元ネタ求む!】ジモコロは今年5月で3周年を迎えます!しかし奈良・愛媛・広島・鹿児島の4県にまつわる記事はまだありません…。47都道府県制覇を目指して地元ネタ(場所、仕事、人、小ネタなど)を大募集!取材してほしいネタがありましたらこちらからお送りください→ https://t.co/AP6C46NvS7
— どこでも地元メディア「ジモコロ」 (@jimocoro) 2018年1月30日
2018年5月11日に丸3周年を迎えるジモコロですが、47都道府県制覇は残すところ「奈良県」「愛媛県」「広島県」「鹿児島県」の4つ。3月、4月に編集部がガガっと取材ツアーを観光するので、ぜひジモコロで取り上げて欲しいネタをお送りください!
(おわり)
書いた人:ジモコロ編集部
どこの地元にもコロがっているような魅力ある「場所」や「仕事」「小ネタ」など、地元愛を感じてしまう話の数々を集めて発信していくメディアの編集部です。Twitter|Facebook