どうも、株式会社バーグハンバーグバーグの加藤です。
自粛自粛でずっと家にいたら飽きてきました。「自炊」。もともと好きだったんですが、毎日毎日、自分の味ばっかり食べてて完全に飽きたわ! 作りたい料理もどんどん減ってきますしね……。
とはいえ、まだまだ不要不急の外出を控えるうえで、自炊は継続していかなければいけません。こうなったら一度落ちた自炊へのモチベーションを新しい調理器具でブチ上げるしかありませんよね? 無理やり理屈付けて欲しいもの買おうとしてるように聞こえる? 勘いいですね~ポーカーとかやりな~。向いてっから~。
というワケで今回は、包丁専門店で一人暮らしにぴったりの包丁を買って、自炊をワンランク上げてしまおう…といった次第です。
そこでお伺いしたのが「釜浅商店」。明治41年創業の東京・浅草、合羽橋の料理道具屋です。「庖丁売場」という包丁だけが売られている建物もあり、ズラリと並べられた包丁を見るだけでテンションが爆上がり! やったー! 刃物だー!!
一人暮らしがどんな包丁を買えばいいのかレクチャーいただくのは、そんな釜浅商店の百合岡さんです。
※この記事の取材は2020年12月に行いました
このシリーズの前回の記事はこちら
包丁は手に取って選ぶ
気になった包丁があれば、表面がすべてまな板で出来た机に並べて試させてくれます。
いくらでも並ばせてくれる…。今の僕のステータス「包丁×∞(無限)」じゃん…。
似たような包丁でも、実際に持ってみると違いに気づけます。
例えばこれは柄の先まで金属があるものとないもの。微妙な違いですが、握ったときの重みを感じる位置が変わってきます。
厚みや形なども少しずつ違うので、好みや相性によって選ぶのがいいそうですよ。
両手に持って真剣に選んでいるだけですが、真剣であればあるほど猟奇的に見えますね。ぼくの今のステータス「E:包丁 E:包丁」じゃん。源氏のこて持ってたっけ?
同じように見える包丁でもひとつずつ値段が違うので「やっぱり高い包丁のがいいんですかね……?」と素人丸出しっぽく尋ねると、「プロ用のお店で売っているものは、値段が高いからといっていい……というものではありません。自分に合うものを選ぶのが一番です」と百合岡さん。 魔界の名工ロン・ベルクもそんなようなこと言ってた気がする!
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最終的にぼくが選んだのがこちらのぺティナイフ。通常よりも刃渡りの少し長い(130mm)ものにしました。というのも、一人暮らしだと大きい野菜を買うこともないし、使い勝手の良さ、収納スペースや調理スペースの狭さ、洗い物の手間などなど…もろもろ考えるとペティナイフが最適だからです!
百合岡さんも「うちの母もペティナイフですべて料理してしまうので、大きい材料を切ることが少ない一人暮らしなら十分かもですね」とのこと。これ、もしかするとひとり暮らし用の最適解かもしれませんね…。宇宙を漂うモノリスにも同じことが書いてある気がします。
大きな野菜や肉の塊も切れるよう、一般的な三徳包丁も購入しました。
三徳包丁は、切っ先が尖っていて、刃先が緩やかに反っているのが特徴で、肉や魚、野菜など、あらゆる食材に対応できる万能包丁。
とりあえずちゃんとした包丁が一本欲しいという人は、三徳包丁を買っておくのが定番。
切れ味が落ちたら研ぐ必要が
お手入れについては、通常の包丁と同じく、切れ味が落ちたら研ぐ必要が出てきます。「釜浅商店」さんでは研ぎのサービスを行っているほか、研ぎ石の販売も。
ぼくは元肉屋だったので研ぎ石を使ってよく包丁を研いでいましたが、結構体力と時間を使うんですよね…。家に人が泊まりに来た夜中に研いで、ビビらせるくらいしなきゃコスパが悪い。
またシャープナーを使うことで、包丁研ぎを簡易的にすることも可能。研ぎの粗さが3段階あるものも売っているので、かなり切れ味を持続させられそう…。
どれくらい切れ味がなくなったら研げばいいのかを百合岡さんにお尋ねすると、「最初の切れ味を覚えておいてください。ピーマンやなす、トマトなどを切る感触を覚えておくとわかりやすいですよ。シャープナーでその切れ味が戻らなくなったら研ぎ時です」とのこと。包丁買いたてはナスやピーマンを切るべきなんですね…。
また包丁を洗う際は、食洗器はNG! 食洗器用の洗剤もですが、洗い・乾かす際の高温も包丁にはあまりよくないみたいです。「どうしても包丁を食洗器で洗いたいなら…持ち手もステンレスなどで作られている一体型のものを選んでください」とのこと。食洗器ユーザーは包丁選びに注意してください! 手洗いでも、洗ったらすぐ水分を拭いて保管しないとですね。
柔らかいまな板を選ぼう
また、切れ味を落とさないために大切なのが、刃があたるまな板選び。プラスチックなどの硬い素材のまな板だと、切れ味が早く落ちるそうです。なので、銀杏や桧といった木のまな板や「釜浅商店」さんで売られていた酢酸ビニル製のまな板がおススメだそう。
また、冷凍された食材や骨の多い魚など、硬いものを切るとどうしても切れ味が落ちるので、そういった硬いものを切る時用に、使い古した安い包丁を残しておいて使い分けるというテクニックも教えていただけました。新しい包丁を買ったからって、古い包丁は捨てずに取っておこう!
名前を入れるとテンションが上がる
釜浅商店さんでは銘入れを無料サービスしているということで、初めて入れてもらうことに。「別に包丁に名前が入ってもな…」とそんなに乗り気ではなかったのですが…。
めちゃめちゃ高速で名前入れられ…。
実際手に取ったらテンション上がる~~~~!!!!!!!!
刃文に刻まれた自分の名前を眺めると、「所有している」感が強くて高揚しちゃいますね…。意外と”良い”ので、みなさんも買われた際にはせっかくなので試してみてください…。
使ってみよう
こちらは購入したペティナイフと小さいまな板。一人暮らしだったら、これで十分な気がします。
表面が滑りがちなナスも「ソスーッ…」と刃が通ります。気持ちいい…。
さらにピーマンも切って…。
麻婆ナスを作りました。おいD…(おいDとは、おいしい→おいCのワンランク上の表現)。
ナスもピーマンを切って切れ味の確認もできるので、包丁買ったら麻婆ナスを作るのが一番ですね…。あと、歳をとるごとに麻婆豆腐より麻婆ナスのが美味しくなってきませんか? これ、共感ありますか?
大きな食材を切る際のことを考え、三徳包丁も購入したのでこちらも試していきます。刃があたる部分にだけ酢酸ビニル製のまな板を使い、はみ出たり食材を置いておく場として、もともと持っていたプラスチックのまな板を活用。古いものも捨てずに取っておこう!
豚の角煮を作りました。おいD…(おいDとは、おいしい→おいCのワンランク上の表現)。
でっけー野菜を切ることはあまりないですが(一人暮らしだと高確率で余らすので)、デカい豚肉のブロックを切ることはよくあるので、今後も三徳包丁を活用していきたいですね。
自炊って自分の食いたいものを食いたいように自由に作れて最高ですね…。食欲も所有欲も満たせる自炊をどんどん楽しんでくださいね!
▼取材協力
釜浅商店