こんにちは。ヨッピーです。本日は、以前ジモコロでも記事にしたタクシー会社「互助交通」さんにお邪魔しております。
互助交通さんがどういう会社かと言いますと……、
まあこんな感じです。昭和の匂いしかしない。そんな互助交通さんに何故やって来たかと言いますと、我々が書いた記事がきっかけで新卒の若者が2名採用されたらしく、いい機会なので新入社員の心得を叩き込んでやろうと思ったからです。
こちらが今回のターゲットとなる、最近互助交通に入った新入社員2名。
竹内さん(写真左)と関根さん(写真右)であります。
さらにアドバイス役として、ジモコロの担当でもある読売広告社の佐藤さん(写真左)と新人2名の上司にあたる専務取締役の中澤さん(写真右)に来てもらいました。
以上のメンツで今日はお届けしたいと思います!
タクシー会社に入社して大変なこと
「で、どうですか。入社して7カ月経ちましたけど。大変なことはある?」
「やっぱり、なかなか道を覚えられないのが大変ですね。たまに道が分からずモタモタしていると『なんで○○通りを知らないんだよ!』って怒るお客さんもいまして」
「え?なんで? 今のタクシーってほぼナビついてるじゃん。検索すればいいのに」
「ナビはもちろん搭載してるんですが、ルートを決める権利はあくまでお客さんにある、というのがタクシーの基本的な考え方なんですよ。ナビを使って良いかどうかも事前に確認するマニュアルになってるため、そのやりとりを煩わしいと感じる方もいるんでしょうね」
「おお。言われてみればタクシーに乗ると『○○通りからでよろしいですか?』とか聞かれますね。あれってなんでわざわざ聞くんだろうと思ってました」
「お客さんによっては『あの道は昔事故を起こして嫌な思い出があるから通りたくない』とか『会社の近くは通りたくない』みたいなことがあったりするんですよ。あと、ナビ通りに行くのが必ずしも最短ルートとは限らないので、事前にお客さんに了承を得る必要があるんです」
「なるほど。他に大変なことってないんですか? 今回のテーマである上司との人間関係とか」
「無いですね」
「無いのかよ! あれよ!」
「そもそも、タクシーの運転手って一人で行動するじゃないですか。朝の乗車前と、会社に戻ってきた時ぐらいしか会社の人と顔を合わせる機会が無いんですよね」
「会社の人と飲みに行ったりしないの? 普通、新入社員はそこでビールの注ぎ方とかあーだこーだ言われて覚える気がする」
「行くこともありますけど、逆にビールを注がれたりしますね。『まぁまぁ、いいから』とか言って」
「ゆるくて羨ましいな……! 僕が新卒で商社に入った新人時代なんて、席についてご飯食べてたら『お前メシ食ってる場合じゃねえだろ! 部長にビール注いでこい!』って怒られましたよ。こういうエピソードは、広告代理店の佐藤さんが適任だと思うので聞いてみよう!」
サラリーマンの飲みの席のマナーとは
学生時代はラグビー部で、社会人以降はゴリゴリの営業畑を歩んできた佐藤さん
「もちろん、飲み会でのマナーは先輩に叩きこまれました」
「ありますよね。ああいうの僕は心底嫌いで死ぬほどしょうもないって思ってるんですけど、でも実際偉い人ほどそういうのにうるさかったりするんで渋々付き合わされるんですよ」
「ビールはグラスの1/3まで減ったらすぐに注げるように気をつけろ!とか、瓶ビールを注ぐ時はラベルを上にとか……」
「あったわ。なんなのアレ?『本日は黒ラベルで御座います』って相手に伝える意味とかあるんですかね?」
「本当に飲み会の席って気を配るべきことが多いんですよね。これは噂なんですが、某ビールメーカーさんとの打ち上げの席で用意したお店に行ったら、こちらの手違いでライバルメーカーのビールしか置いてなくて。代理店側の社員全員が顔面蒼白で。近くのコンビニで片っ端からそのメーカーさんのビールを買い占めて、素知らぬ顔で席に並べたって話を聞きましたね。後日その店を用意した担当者は丸坊主になったそうです。あくまで噂ですけど」
「僕は新人の頃に飲み会の幹事を押しつけられて、滞りなく終わったと思ったら1つだけカバンが残ってたんですよ。黒いビジネスバッグが。それで僕がそのバッグ片手に『どなたかお忘れですよー!』って叫んでたら、いきなり後ろから後頭部を引っ叩かれて『お前、どのバッグが誰のもんかくらい把握しとけや!』って先輩に怒鳴られたんですよ。黒いビジネスバッグですよ!?あの時はマジで殺してやろうかと思いました」
「そんな会社嫌ですね……!」
上司にうまく取り入る方法とは?
「まぁ、広告業界や商社に比べて、タクシー業界はまだゆるいのかもしれませんね。とはいえ、2人だって今後違う業界に行くこともあるかもしれないんだから、上司に取り入る方法は覚えておいて損はないと思うよ。佐藤さんはそこだけで出世してきたから」
「ちょっと、イメージ悪すぎでしょ! 僕が一番大事な感覚だと思ってるのは、会社に提出する書類を一番早く出すことですね。健康診断の紙や飲み会の出欠、報告書などなんでもいいんですけど、それを誰よりも早く出すキャラクターを作ることで『あいつはしっかりしてるな』ってなるんですよ。ほんとにそれだけのことをやるだけで周囲の評価は変わってくると思います」
「おお! たしかに……! 僕はむしろそういう書類を出すのが遅いタイプでした。よく経理の人に怒られてたんで『あいつはだらしない』っていう評価になってましたね。実際だらしないからしょうがないんですけど。今でもそこは変わっていません」
「昼間はそういう風に書類をきっちり出しておけば夜の飲み会ではっちゃけても、むしろ『あいつはオン・オフの切り替えがうまいヤツだな』ってなるんですよ。僕は常にハゲ頭のカツラをカバンに入れてるんですけど、飲み会の席で無茶振りされた時にそのカツラをかぶって社内の偉くてハゲてる人のモノマネをしたら鉄板でウケます。常に上司からの無茶振りに応える心構えも必要かもしれません」
「よっ! さすが! 広告代理店営業マンの鏡!」
「普通、そこまでするもんですか……?」
「媚びを売らなければやっていけないわけではないんです。ただ、そうしておけば普段の仕事がやりやすくなるのは事実なんですよね。その貯金があれば、自分が困ったときに社内の人が助けてくれますし」
「なるほど」
「ほかにも、出張に行けばちゃんとおみやげを買ってきたり、逆に何か頼まれごとをしたら全力でやってあげたりとか、そういった人間関係の積み重ねが大事ですね。それこそ会社にいるおばちゃんに気に入られて、味方になってもらえるかどうかで全然変わってくると思います」
「佐藤さん、おばちゃんウケよさそうだもんなぁ」
「ウチはそこまでしなくていいけどね。最低限失礼にならない程度に振る舞えれば問題ないと思う。僕も会社の中で一応立場が上というだけであって偉いわけではないし。下の人にもしそういうマナーみたいなものがあるんだとしたら、上の人もそういうのを受ける時のマナーみたいなのもあるべきだよね。それを当たり前に受けて『自分は偉いんだ』みたいな顔してるとどんどんぞんざいぞんざいになるし」
「いや、ほんとそうですよ。部長の機嫌を取るためだけに部下が3時間残業しないといけないとしたら、組織としては大きなマイナスじゃないですか。お店選びを完全に部長の好みに合わせて『この飲み会、楽しいの部長だけやろ』みたいなのもあるし。部長が何気なく言った一言や、部長のご機嫌をとるためだけに部下が大変な目に遭う…みたいなケースって往々にしてあるわけじゃないですか。そういった影響にまで注意を向けずに、それを良しとして当たり前みたいな顔してる連中は即刻滅びて欲しいですね」
「熱がすごい。ヨッピーさん、前の会社で何かあったの?」
「前職を辞めてから僕はずっとフリーランスなんで、会社員としてチームとして働くことの素晴らしさは全然肯定的に見てるんですよ。いかんせん大企業にありがちな古い慣習みたいなものは結構憎んでますね」
「タクシー業界だとそういう煩わしさは全然ないですね」
「会社全体の飲み会はないんですか?」
「会社としてやってるのは新年会くらいかな。後は労働組合が主体でやる社員旅行。あとはもうドライバー同士で連れ立って飲みに行くくらいだけど、そもそもお酒飲まない人も多いからね」
「えっ!そうなんだ! なんとなくタクシーの運転手さんって酒飲みの人が多そうなイメージだった」
「常習的にお酒飲む人だと運転手なんてやってられないでしょ」
「たしかに。じゃあ、今日話したことは二人にとってほぼ無意味じゃないですか。ちなみにこの二人をなんで採用したんですか?」
「応募してきたから」
「シンプルな解答だなぁ」
まとめ
そんなわけで意外に古いしがらみや慣習とは無関係なタクシー業界だったので、新人の2人はのんびりやっているそうです。勝手な親心で今回の企画を考えたのに意味がなかった…!
とはいえ、昔ながらの慣習や先輩から受け継がれた文化が強い会社もまだまだ多いのが実情です。佐藤さんの立ち居振る舞いを身につければ絶対損はないでしょうし、何でもかんでもドライに切り捨ててうまくいくほど世の中甘くもありません。
まずは会社の文化を理解して、その上でどう動くことが自分の評価に繋がるのか考えた方がいいはず。みんなが率先してやらないことに価値が生まれたりするからね!
今後、どこかで新人の2人が運転するタクシーに乗ることがあったら暖かい目で見守っちくりぃ~~~~!
※互助交通さんでは新しいドライバーをまだまだ募集してるよ!
採用エントリー|タクシー求人(ドライバー)募集中!互助交通有限会社
広告主:互助交通有限会社
協力:株式会社読売広告社
イラスト:マキゾウ
ライター:ヨッピー
「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける
Twitter ID: @yoppymodel / 公式サイト:ヨッピーのブログ(仮)