こんにちは。ヨッピーです。
突然ですがここでひとつ、カミングアウトしたいと思います。
実は……、
僕の両親は、いまだに僕が何の仕事をしているのか知りません!
まあ、こんな事を言った所で僕の事なんて知らない人がほとんどでしょうし、
「何言ってんだこの屁こき豚が!」みたいなノリかと思いますので説明します。
僕の仕事の一例
すぐに脱ぐ僕。
iPhoneの恰好でiPhoneの行列に並んで取材を受ける僕。
自ら率先して真空パック詰めになってみる僕(※絶対に真似しないでね)。
恐ろしいことに、これでお金を貰ってるんですよね。
現在のところ、一応はWEBライターというカテゴリーに属しておりまして、ネットで色んな記事を書いているわけですが、ご覧の通りひどい記事もめちゃくちゃ多いわけです。言っておきますけどこれなんてほんの一例ですからね。
ね?
これが仕事だなんて両親に言えるわけないでしょ?
そもそも僕は大学を卒業して以来、新卒で入った商社で普通のサラリーマンをしており、両親も恐らく安心していたかと思うのですが、4年前に「仕事がつまらなさすぎる」という理由で7年間働いた会社を衝動的に退職したのであります。
もちろん両親には一切相談していません。
全て事後報告だったので「会社辞めたで」と伝えたところ絶句しておりました。
ちなみにサラリーマンをやっている間も、ネットで記事を書く事は大好きだったので趣味として会社に内緒でこっそり続けていたのですが、会社を辞めた事によって「会社にバレるとマズい」というタガが外れてやる事がどんどん派手になります。
タガが外れた僕の一例。
「代表的な日本のiPhoneファン」としてCNNで報道される。
そうこうしている内に、色んな人から「記事書いてよ」ってお願いされて「いいよ」って安請け合いをしてたら「あれ?なんかこれで暮らしていけるやん?」ってなりましてね、なんかもうそれが本職みたいになって現在に至るわけです。
ちなみに両親には「インターネットの仕事をしている」としか伝えてません。
嘘はついてない。
僕の両親について
実家の前で撮影した父親と僕。これも記事の企画で撮った写真なのですが、父親には「レポート報告用の写真」と嘘をついて撮ったので、父親はこの写真が何万人という人に見られていることを知らない。
とはいえ、ユーモアに理解のある両親なら僕の仕事を伝えた所で面白がってくれるかもしれません。しかしながら困ったことに、僕の両親はユーモアが一切通じないカタブツ人間なのであります。
【父親のカタブツエピソード】
・酒・タバコ・ギャンブル一切やらない学校教師
・僕が子供の頃はお笑い芸人を死ぬほど毛嫌いしており、「こんなもん見てたらアホになる」と言ってお笑い番組を一切見せて貰えなかった
・僕が大学生の頃に付き合っていた女性と写ったプリクラを、たまたま僕の部屋で見つけて「この女、茶髪やないか!お前は不良と付き合ってんのか!」と怒鳴った(当時も若い女性が多少髪色を明るくするのは割と一般的な時代)
・その女性の職業を聞かれた僕が「ネイルアーティスト」と答えた所、「ネイルアーティストってなんや?」と言うので「爪に絵を描く仕事」と返したら「お前、彫り師と付き合ってんのか!」と余計に怒った
などなど。
ね、どう考えてもチン◯丸出しで走り回る記事を書いてるとか言える雰囲気じゃないでしょ?
そんなこんなで僕も「いつ両親にカミングアウトするか?」という問題には常に頭を抱えているのですが、父親が最近タブレットPCを買ってインターネットをはじめたり、地元の友人のおかん連中が僕の事をインターネットで見たとか言い出してたりで、僕の両親にいつバレるかはもう、時間の問題だったわけです。
そして舞い込んだ千載一遇のチャンス
そんな時に、僕の母校である関西学院大学から学園祭に合わせて講演の依頼が来たのです!
これは千載一遇のチャンス!
何故なら、このタイミングでカミングアウトすれば、「息子のやっていることは一切理解出来ないけど、母校で講演するくらいなら立派になったのかもしれない」と両親が勘違いする可能性あるな、と思ったからです。
プラスとマイナスで、ちょうどプラマイゼロくらいになるはず!
逆にこのチャンスを逃せば、父親が不幸にもインターネットで僕がチン◯丸出しで走ってる記事にいきなり遭遇してショック死するかも知れません。
さあ、前置きが長くなりました。
そんなわけで今回のジモコロは「両親に自分の仕事をカミングアウトする」という実録レポートをお届けしたいと思います!!!!!!!
地元に帰ろう
※講演には友人のセブ山(@sebuyama)が同行しています
新幹線で品川から新大阪に向かう。明らかにテンションが低い僕。
「どうしたんですか。いきなり元気無いじゃないですか。そんなに怖いんですか?」
「いやね、流石に34歳にもなって親に怒られるのが怖いとかは無いよ。ただね、僕の父親、怒鳴った後にめちゃくちゃ落ち込むタイプなんよ。学校の先生やってるからか、僕が問題起こした時に『自分の子供もまともに育てられへんのに、ひとさまの子供を預かる事は出来ん!もう死にたい!』とか言い残して家出したことあるからね」
「おお……、しかもユーモアには一切理解無いんですよね?」
「うん。志村けんとビートたけしを心の底から憎んでた」
「先が思いやられる」
「あーもう緊張するわ~~~。新幹線で寝たいのに全然寝れる気がせん……」
10分後
「緊張感全然無い」
学園祭当日
そんなこんなで学園祭当日。関西学院大学の最寄駅は学生さんでいっぱい!
駅からトコトコ歩いて……、
学校に着いてもまだテンションが低い。
講演まで時間があるので食堂で腹ごしらえをする二人。
「ひさびさの母校なのにテンション低すぎでしょ。懐かしいな~~!みたいなの無いんですか?」
「無いよ。僕ほとんど学校来てなかったもんね。出席取る授業しか出たことないし、その授業ですら出席日数きっちり計算して限界まで休んでたから週に2回くらいしか学校来てなかったもん」
「そんなに学校サボって何してたんですか?」
「麻雀とパチスロやね」
「なんでこんなやつを講演に呼んだんだろう。で、ご両親は今日の講演にいらっしゃるんですよね?」
「うん。『何の話すんの?』とか言うてたけど適当にお茶を濁して逃げたんよ。作って来たパワーポイントに僕の過去の悪行をまとめたページがあるから、それを公開する事によって講演中に両親が全容を知ることになるやろうね……」
そしていよいよ講演スタート!
「思ったより人が多い!」
関西学院大学はアホ揃いの大学なのかもしれない。
そして若い兄ちゃん姉ちゃんに混ざって最前列を陣取る両親。
これから檀上で惨劇が繰り広げられることは知る由もない。
■講演、スタート!
そんなわけでいよいよ両親に見守られながら講演がスタート!
ここからは実際に講演で使ったパワポを見ながら進めて行きたいと思います!
まず1つめのサプライズで「両親が来ている」ということを公表しました。
なぜか歓声が起こる教室内と同時に、下を向いて顔を伏せる両親。
まずは僕の昔の写真や大学時代なんかを軽めに振り返るのですが、
ネグリジェに網タイツ、ロウソクを片手に撮った写真を公開したあたりから両親の表情が完全にヤバい感じになってました。
数百人と両親の前で公開された、渋谷でパンツを配りすぎておまわりさんに怒られた事件当時の写真。
詳細はこちら→http://omocoro.jp/kiji/13843/
日本史上初めて電車内での緊縛に成功したことや、
詳細はこちら→http://omocoro.jp/kiji/15501/
人類史上初めて国会議事堂前で●●●をしたことなど…
詳細はこちら→http://omocoro.jp/kiji/2195/
ちなみにこの辺で父親が机に突っ伏して顔を上げなくなりました。
このままでは流石にヤバいので、昨年開催された「ジャーナリズム・イノベーションアワード」という立派な大会に招待されて何故か予選を一位通過した話や、
仕事をしたことがある大手自動車メーカーの名前を出したりしました。
大きい会社の名前を言っておけばとりあえず安心するかなと思ったからです。
そのあとは、ちゃんと学生さん向けに「これからどうやって生きる?」みたいなちょっと真面目な話をしたりもします。
ちなみに冒頭にあった「2つのサプライズ」の内のひとつは僕の両親が来ていることで、
もうひとつは「先着50人まで全額ヨッピー持ち飲み会の開催」でした!
これをパワポで発表した時が一番盛り上がってたし、なんなら「ウォォオオ!」みたいな感じでちょっと地響きが起こってたので、貧乏学生相手だとやっぱゼニころで釣るのが一番ちょろいなって思いました。
講演を終えて
そんなわけで無事(?)にカミングアウトを済ませ、両親に感想を聞いてみる。
「で、息子の仕事を初めて聞いてみてどう思った……?」
「恥ずかしいわ。今も写真撮ってるっていう事は、これもインターネットに載せるつもりでおるんやろ」
「おっ。良くわかったね」
「まあ、お前がインターネットの仕事してるって言うてた時から、ひょっとしてお前の名前で検索かけたら何か出てくるんかなと思ったけど、お父さんはそれが怖くてできんかったんよ。ひょっとしたら変なことしてるんちゃうかと思ってたけど案の定や……」
「いやー、黙っててすまんかったねホンマに……」
「ただ、インターネットの仕事って言うたらお父さんの世代はホリエモンとかを想像するし、お前もいつか堀江さんみたいに警察に捕まったりせんやろかって思ったんやけど、今日聞く限りでは立派な会社とも仕事してるみたいやし、そういう心配は無さそうやなと思ってそこは安心したかな」
「なるほど。作戦成功や」
「ただな、やっぱりお父さんはこういう世界が全然理解できんのよ。逆に聞きたいけど、もしお父さんがお前の仕事をどこかで見つけて、『今すぐやめなさい!』って言うたら辞めてたか?」
「いや、絶対やめてないと思う」
「まあそうやろうな……。昔からお前は言い出したら聞かん子やったから……。ただまぁ、母校に呼んで貰ってこれだけたくさんの学生さんの前で話すんやからお父さんには理解できんだけで、立派になったんかも知れんねぇ……」
「よし、ちょうどプラマイゼロくらいの感じになってるし、作戦成功!」
そんなわけで作戦成功!
作戦成功~~~~~!
そんなわけで皆さんも両親に言いづらいことがある時は、結婚の報告とか初孫が産まれたとか、良いニュースと一緒にまとめて言ってしまえば丁度プラマイゼロくらいになるかもしれません。
まあ今回の僕の場合は、両親が感動して号泣するでも激怒するでもないし、特にほっこりするセリフがあったわけでもなく、長々と引っ張った割に「まあこんな感じかなぁ」という結論なので、多くの親子関係なんてだいたいこんなもんなのかも知れませんね。
とりあえずは「こんな息子に育ててしまって世間に申し訳ない!家出する!」って言い出さなかっただけでも良しとしておきたい所です。
は〜、疲れた!
その日の夜に行われたヨッピー自腹飲み会の檀上で踊り狂うセブ山。「学生に恩を売っておいて偉くなったら仕事をもらおう」という打算で開催したのに、コイツが一番楽しそうにしてたので殺そうかと思った。
ライター:ヨッピー
「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける
Twitter ID: @yoppymodel / 公式サイト:ヨッピーのブログ(仮)