こんにちは、ライターのみくのしんです。皆さんは「ジョジョ」好きですか?
1986年から連載を開始し、現在までに133巻を刊行! そして……2023年2月には新シリーズの第9部『The JOJOLands』(ザ・ジョジョランズ)が始まったスーパー人気漫画です。
……ジョジョに限らず、今やネットが発達し、マンガについての「詳しい情報」や、「深い考察」は気軽に手に入るようになりましたが……
もっともっと……レベルを低く……!
なんなら全て覚えて無くてもいい!
自分の好きなシーンを言うだけでいい……!
そんな温度感でジョジョをダラダラ喋りたい! というわけで、これまでは「ストーンオーシャン(6部)」と「ジョジョリオン(8部)」を語ってきましたが……
今回は「スティール・ボール・ラン(以下SBR)」を「みんなでお酒飲んでたら終電がなくなって、近くの友達の家で飲み直すことになったけど、そいつの家もちょっと歩くからって、駅から家までコンビニ寄りながらで話す時みたいな温度感」で語りたいと思います。
▼登場人物
みくのしん|ライター
先日、本屋さんでジョジョの最新話が乗ってるウルトラジャンプを取り置きしてもらった時、電話で店員さんに「表紙がジョジョの奴ですか?」と確認されたのがなんか嬉しくて寝る前に思い出してはニヤついてる。
JUNERAY|ライター
メイクをするたびに「どうにか顔面が7部の作画にならんか??」と思う。 ポコロコのことを考えると勇気がわいてくる。加藤|ライター
「The JOJOLands」がおもしろすぎてウルトラジャンプを定期購読しはじめた。
ギャラクシー|ジモコロ編集長
いつか歳をとって総入れ歯になったら「GO! GO! ZEPPELI」と彫られた入れ歯にしたいと思っている
※ ネタバレ注意 ※
・この記事では、ネタバレを多分に含みます
・役立つ情報や鋭い考察などは無く、徳の低い会話しかしていません
・座談会のメンバーは特に詳しいわけでもマニアでもなく、ただ「好き」なだけです
・我々は、楽しませていただきます。
では、さっそく始めましょう!
スティール・ボール・ランのベストバウト!
「ジョジョと言ったら誰が何と言おうとスタンドバトル!って事で僕が一番好きな戦いはこれ!」
「リンゴォ・ロードアゲイン戦!これは外せないでしょ!」
「めっちゃわかる〜!」
「ちょっと!それを言うなら僕も……!」
「SBRと言ったらリンゴォ戦でしょ!」
「この戦いは、師であるジャイロが成長するのが良いよね」
「あんなに完璧だと思っていたジャイロが、リンゴォに『お前は対応者にすぎない』と言われて、むしろジョニィの方が褒められてて衝撃だった」
「時に関する能力が序盤に出てくるのもすごくないですか!?」
※ リンゴォのスタンドは、「6秒間時間を戻す」能力
「そう。今までジョジョって、『時間』に関する能力がラスボスだったんですが、時を戻す能力が(全24巻中の)8巻で出てくるってのもしびれますよね。西部劇みたいでカッコイイし」
「僕は単純にキャラクターのデザインが好きです! 髭とか、タレ目の感じも良すぎ……あと名前がいい! 名前に『ォ』が入ってるの凄くない?」
「リンゴォが戦いの前に震えてるのがかっこいいんだよなぁ〜。戦いの恐怖を乗り越えようとしてるのが……」
「感謝いたします。フーフーフゥーーフゥーー」
「感極まってギャラクシーさんがリンゴォになっちゃった」
「漆黒の意思という言葉が初めて出てきましたよね」
※漆黒の意思=目的のためなら人殺しすら厭わない強固な意志のこと
「以前の主人公たちは黄金の精神を持ってて明確に正しい側でしたけど、SBRは正義とか悪とかに重きを置いてない気がする。そこがすごい好きだな~」
JUNERAYのベストバウト
「私のベストバウトはコレです!」
「ホットパンツvsマイク・O戦! ルーシーが裏でめっちゃ頑張っててかっこいいんですよね……!」
「ルーシーが出る時って、基本めちゃくちゃハラハラするんだよなぁ」
※ ルーシー=レース主催者の妻。スタンド能力は無い
「スタンドが使えないから、その場の機転や誰かの手助けで乗り切るしかないっていう緊張感があるよね~」
「マイク・Oのスタンド、チューブラー・ベルズもめちゃくちゃ怖くて、じわじわ追い詰めてくる感じがすげー嫌でした」
「そもそもマイク・O自身も不気味で怖いんだよな。金属に空気入れてバルーンアートにする能力って何?」
「コレですよね」
「あ、釘に空気入れてる!」
「ルーシーの話でいうと……敵側である大統領夫人が、女性だけど女性が好きということが判明して、接近するために抱きつくシーン。このコマちょっと見てもらっていいですか?」
「この大統領夫人の集中線、なんかおもしろくない? どういう感情なのこれ」
「『衝撃』?『快感』? 表情もおもしろい」
「SBRがアニメ化されるとしたら、ここは効果音かBGMが入ると思うんですが、どの音を想像しても笑っちゃう。ドォーーーン!!みたいな音なのか、ムーディな曲がかかるのか……」
加藤のベストバウト
「僕のベストバウトは、一旦これを入れとかなきゃいけないだろうという事で……!」
「ジャイロもスタンドが目覚める!馬も乗る!でも倒せない!のラブトレイン戦!」
「面白いですよね〜!」
「もはや神の領域というか、勝てるわけない能力だから緊迫感あった」
「SBRのラストバトルのひとつですよね。SBRのラストバトルって、別の世界のDioが急に来たりして……個人的にはちょっとだけピンと来なかったかも」
「え!?あのファンサービスめっちゃ良くないですか!?」
「そこは嬉しいんだけど、あのDioは僕らが知ってるDioとは別人ですよね……? 急に出てきて何?って戸惑っちゃった」
「僕としては、当然なんだけど昔のジョジョを荒木先生が覚えてくれていたんだという嬉しさがあったなぁ」
「大統領が『ようやくお前に会えた』って言ってたけど、それまでの間ずっと浅い穴でくるくる回転してると思うと笑けますよね」
「めっちゃいい! ジョジョのそういう所好きなんですよね。3部でディオが時を止めた後に、階段でポルナレフを担いでる姿とか想像するとほんわかする」
「大統領のスタンド・D4Cのデザイン、他のスタンドに比べてもトップクラスにカッコよくないですか?」
中心にいるのがD4C
「キラークイーン以来のかっこよさ!」
「わかる〜! デザインがカッコイイスタンドといえばキラークイーンかD4Cだよね〜!」
「メイド・イン・ヘブンは?」
「メイド・イン・ヘブン、完全にコントの志村けんだからなぁ」
※第六部『ストーンオーシャン』のラスボスのスタンドは上半身が人型で下半身が馬形
「なんでメイド・イン・ヘブンの良さがわからないんだ……」
好きなシーン
「SBRって、強く印象に残るシーンがめちゃくちゃありません?」
「あるある! 特にこのシーン!」
「このシーン、全ジョジョシリーズの中で一番好き」
※手に入れたものを全て失い、飲みかけのワインで乾杯するシーン
「当たり前だろ!!」
「うるさっ」
「良いですよねぇ……あそこでカメラが引いて、吹雪の中2人が地面に座り込んで乾杯してるのが本当に良い……」
「何もかも失ったけど、だからこそ底の底にまだ残された可能性とか、分かち合える友がいる救いとかあって、悲しいのに微笑んでしまうのよ……ほんと好き」
「たまんないよな……」
「ただあのスタンド戦(11人の男たち戦)って軽くワケわかんなかったですね」
「それは、僕もよく理解できていません……」
SBRの怖いシーン
「私が印象に残ってるのは、強烈なインパクトがあったこのシーン」
『STEEL BALL RUN 5 大統領の陰謀』 p109 より(荒木飛呂彦著、集英社)
「怖すぎない?」
「ジョニィも『う……………』って言ってる」
「これ、怖かった〜!この直後にジョニィが釣り上げられるんですよね」
「スタンド使いの名前が“ポーク・パイ・ハット小僧”て」
「万年筆のインクをおいしそうに飲む少年ね……SBRてこういう、“愚鈍で凶悪”みたいなキャラが多くて怖いんだよな。リンゴォの家に押し入った強盗とか」
「ジャガイモを生のままボリボリ食べるおじさんだ」
「『スゲェ美しいッ!百万倍も美しい!』」
「語彙力がないのに、なんとかリンゴォの美しさを表現しようとしてるのが怖いのよ!!」
過去作のオマージュが良い
「さっきもちょっと言いましたけど、SBRは1部、3部のオマージュが多くて普通に嬉しい!」
※ SBRは今までのジョジョの世界が一巡してしまった後の平行世界の別世界
「いやらしくないオマージュなのが良いですよね。ダニーとかエンヤ婆がチラッと出てたりとか」
「『道端に夏だけ座ってる占い師のババァ』」
「僕、ジョジョをまだ読んでない頃にザ・ワールドが再登場する事を聞いてしまってたから、それが悔しいんですよね。実際リアルタイムで観た時どうでした? 誰かに電話とかしました?」
「嬉しかったけどそこまで大きな驚きじゃなかったかなぁ。そもそもそれまでが『へ?』の連続だったので」
「3部では花京院が『ひょっとして敵は時を止めているのでは?』と命がけで謎を解明してたから、SBRでも謎解きタイムが始まるの?とは思ってたなぁ」
「でもジョニィが早々に時を止めていることに気づいたんだよね」
「花京院の努力は何だったの……」
みくのしんの推しポイント
「僕は主人公のジョニィが人間すぎる所がめちゃくちゃ好きです。ジョジョの中で一番好きな主人公かも」
「めちゃめちゃ分かる」
「SBRって1部のパラレルワールドのようだけど、1部の主人公・ジョナサンと逆の性格してるんですよね」
「言われりゃ何もかも真逆だ」
「ジョニィは本当にだらしなくてどうしようもない奴なんですけど、だからこそ近さをすごく感じるんですよね。こんな人間臭い主人公いない」
「物語の主人公なら普通持ってるはずの倫理観とか、みんなのために自分が犠牲になるみたいな精神とか、無いよね」
「むしろ性格悪いし自分のことしか考えてない。でも綺麗事を言わず、人生に立ち向かおうとしてる所が良くて……」
「『これは僕が歩き出す物語だ』……」
「そのセリフ好き〜!」
「SBRで言うと、人間的にはDioの方が真っ当かもしれないですね」
「真っ当か……? 『肉を食べる生き物はほとんどやってる健康法だ』とか言って石たべてたけど……」
「私はDioの母親が好き。『どんなに貧しくても気高さだけは忘れてはいけない』」
レース部分の良さ
「1、2巻の勢いが本当にレースを見てるみたいで熱かった。序盤おもしろすぎません?」
「SBRって単行本が1巻と2巻同時発売だったんですよね。2冊一気に読むとまさに怒涛のような勢いだった」
「おもしろいですよね! 今までのジョジョには無いパターンだったから先が読めなくてハラハラした」
「わかる……」
「ぼく、正直、SBRとの出会いは最悪だったんですよ」
「ラブコメ?」
「中学生の時、ジョジョを知らない状態で新連載のSBRを読み始めたんですけど、ジャイロの歯とかも『ちょっと嫌だなぁ…』と思ったし、そもそも絵のタッチが濃すぎて苦手だった……」
「それはジョジョあるある」
「ジョジョってバトルマンガだと思ってたから、レースっていうのが意外だったんですけど……レース部分めちゃくちゃ面白い。ていうかバトルもレースもどっちも面白い」
「今までのシリーズではずっと能力バトルを描いてきたのに、なぜ急にレース!?というのは驚きましたよね」
「SBRって『黄金の精神』じゃなくて『漆黒の意思』を描くのが目的だと思うので、『正しいとか間違ってるとかじゃなく、自分の道を見つけて走れ』というのがテーマなのかなーと。だからレース形式にしたのかも」
「たしかに!『遠回りこそが俺の最短の道だった』ってジャイロが言ってましたよね!」
「言ってた!言ってた!全部の道がそうだったんだよな……。毎回忘れてるから読み返した時にそこで泣いちゃう」
「明日起きて道があることを祈るとか、雨が振っていない事を願うとか。結構生活なんだよなぁ」
「それなのに、レースの結果はポコロコが1位になるのもすごいですよね……」
「それも好き」
「この不条理みたいなのもジョジョなんですよ。毎回ラストバトルって圧勝したことなんて無くて、ギリギリ勝つけどほぼ負けてるみたいな所もめっちゃ好きです」
「せっかくジャイロが助けた子どもも、後日 風邪であっさり死んじゃうんですよね。世界って無情すぎる……でもだからこそ、そんな中を生きる人々に『乾杯』したくなるよな~~」
「まじで、人生の本としてもSBRはオススメ……」
様々な疑問「なんでこうなったの?」
「あの、これ一個確認したいんですけど」
「ゾンビ馬ってなに?」
「いやほんと何?」
「良かった。みんな『あれ何?』って思ってたんだ」
「『ゾンビ馬』を用意している。 手に入れろ。『ゾンビ馬』はレースの疲れと傷を癒す力を持っている。役に立つだろう」
▼行ってみた▼
「現地来たらひもQで書いた馬のイラスト←は?」
「ひもQじゃないけどね」
「6部まで回復キャラがいたけど、SBRの回復これ!?と思った。どういう仕組みの物質なのかわかんないですよね」
「わからないで言ったら、大統領の背中の傷がアメリカすぎない?」
※大統領の背中には星条旗のような傷がついている
「あの傷で大統領以外の仕事してたら笑っちゃうよね」
「大統領は謎が多すぎる。なんか最初は太ってたのに、痩せていったし」
「あれって、隣の世界から連れてきた可能性があるって聞きましたけどどうなんでしょう……」
※ 大統領はスタンドの能力で平行世界を行き来する事が出来る
「そうだとしても太ってる大統領が基準の世界なんだから、もっと『太り』を大事にするべきでは?」
「ていうか、そもそもスタンドって本当になんなの? SBRでわからなくなっちゃった。遺体ってなに? 悪魔の手って?」
「6部までの『矢』は隕石を削って作ったものでしたよね。SBRの悪魔の手は隕石墜落の跡地か何かで、スタンド成分みたいなものが周辺の土に染み込んでるんじゃない?」
「SBRではスタンドという言葉に関して、”側に立つ者”じゃなくて、”立ち向かう者”になっていたりしてますし、他とは違うんですかね?」
「6部で宇宙が一周しちゃったから、細かい部分が色々と違ってるんでしょうね。遺体に関してはどうですか?」
「スタンドは悪魔の手によって引き出されるのかと思ってたら、遺体由来でも引き出されるんだ?ってなった。イエス様にも隕石のスタンド成分が染み込んだの?」
「遺体が体から出ていったらスタンドが使えなくなったりして」
「『もぉ〜』とはなりました」
「だが、良いですけどね……」
レースとしてどうなの
「イベントとして考えたらスティール・ボール・ラン・レースって炎上案件すぎません? 3600人くらい参加して、ほとんどがリタイアしてるってやばすぎる」
「しかも何人か死んでますからね」
「レース開始前、すでにスタート地点のトイレからウンコが溢れ返ってるし、フランス人の男女がおっぱいとかチンとか丸出しでビーチにねそべってるし……」
「もうむちゃくちゃだ」
「あのイベントをよくやりきった。スティール氏は偉い」
「実際、劇中では経済効果が7兆ドルとか書いてありましたね」
「じゃあ、ウケてるじゃん」
「炎上商法だったのか……」
ジョニィとジャイロの関係
「あとこれ!みんなそうだと思うんだけど、師弟関係と友情がめちゃくちゃいいんだよなぁ〜!」
「僕もそれだわ」
「途中のなんでもない話が良すぎる」
「好き~! ロードムービーっぽくて良いよね」
「揃っちゃった」
「コールタールみたいに真っ黒でドロドロで同じ量の砂糖を入れて飲むイタリアンコーヒー……」
「馬にも飲ませてあげたり……」
「二人で雪の彼方をみながら、今日も雪が降りそうだとか言ってたり……」
「『バンドやろうぜ』『ギャグ思いついたんだ』なんかも最高ですよ」
「『し・トゥ・れいィィィ』もね!」
そこちょっと失礼(し=4・トゥ=2・れい=0)ィィィィィ~~~
「あとナベアツのマネやばすぎるんだよな」
「なんだっけ なんだっけェェ へへへへへへへへへへへへへへへへへへ」
「ドメニカ日曜日」
「2人で旅してて頭おかしくなったのかも」
「なんか本筋と関係ない所で2~3Pの雑談が入るじゃないですか。ギャグを思いついたから披露したり……それがこの二人と一緒に旅してる感覚になるんですよね〜!」
「それでいうと大統領戦の直前。お互いに秘密を言い合うのがかっこよくないですか?」
「ジャイロが秘密にしてた恥ずかしい本名(ユリウス・カエサル・ツェペリ)を教えた時、ジョニィは『君のオヤジさんどうかしてる』って言ってた」
「ジョニィだなぁ〜」
「ジョニィの秘密は『蚊に刺されフェチ』だってさ」
「ジョニィだなぁ〜」
「でも、最後にジャイロが死んじゃう時、『オレの本名は……約束したよな……誰にも言うなよ』っていうの含めて最高ですよね……」
「ジョジョのシリーズって毎回師匠が死んじゃうから辛いんだよな……。いつ読んでも別次元のジャイロ来てくれと思っちゃう……え? みんなだったらどうする?」
「別次元から連れてきても、それは共に旅をしたあのジャイロじゃないからなぁ……むしろ嫌かも」
「情緒がなくなっちゃう」
「ジャイロはあのままのほうが物語として美しいと思う」
「すまない………さようならジャイロ……さようなら」
まとめ
子供の頃読んでいた漫画を大人になってからも話せるって、めちゃくちゃ幸せなことですよね。楽しすぎる。朝までやろうと思ったらぜんぜん出来る。
それでは皆さん……
本当に………
本当に……「ありがとう」……
それしか言う言葉がみつからない……
TO BE CONTINUED……
構成|佐藤 英