先日、福島第一原発に行った。
10年前のあの日、「会社を辞めるぞ!」と決意したこともあって、退職手続きのあれこれに追われていたことを思い出す。
何事も「面倒臭いことは全部後回しにする」というややこしい性質を持っている上、「どうせもう辞めるし」と完全に会社を舐めてかかっていたので退職にまつわる書類の提出も期限ギリギリになって大目玉を食らった。
「今すぐ持って行け!」と上司に言われ、しぶしぶ東京の本社ビルに出向き、経理課長から「お前はいつも提出が遅い。最後の最後まで……」などとお小言を食らっている最中に大きな地震が来た。
書架が倒れそうになったので支えていたら、課長から「危ないから離れろ!」と怒られる。そのうち電気が消えて天井まで落ちてきた。
慌ててビルから飛び出し、駐車場にひとまず避難したのだけど、駐車場に集まった同じ会社の人たちがワンセグ付の携帯でニュースを流していると悲鳴が起こった。津波が東北の街を飲み込んだのだ。その後の社会の混乱は皆さんもご存知の通りだけど、正直「とんでもないタイミングで会社を辞めてしまった」と思った。あれから10年である。
「福島第一原発を見に行かないか」というお誘いを受けた時にまず好奇心が働いた。不謹慎かもしれないけど純粋に「行ってみたい!」と思ったのである。
そして、本来そう簡単に入れる場所ではないし、せっかく行くのであれば現場を見て感じた事を伝える義務もあるな、と思った。なので今日はその辺について正直な感想と共に書いておきたい。
福島第一原発に入るまで
ちなみに一緒に行ったメンバーの中にはこの人もいる。『電波少年』の「懸賞生活」で一世を風靡したなすびさんだ。なすびさんは福島出身という事もあり、事故後の福島・東北を間近で見続けた人でもある。それにしても顔が長い。
廃炉を進める上で指揮を執る場所となる新事務本館・協力企業棟
大型休憩所の中にはコンビニや食堂もある。福島第一原発で働いている作業員、1日あたり約4,000人がこれらを利用する。2015年にこの大型休憩所ができたことで、作業員が暖かい食べ物を食べられるようになった。
「福島第一原発を見に行く」と言っても、その行程はかなり面倒臭い。事前にPCR検査を受け、持ち込む機器の事前申請を行い、身分証もチェックされた上で空港の保安検査とは比較にならないくらい厳重な検査を受ける。
「カメラは1台のみ持ち込み可。ただしスマホなど通信機能を持ったものは不可」と言われた時は「すわ! 何か不都合を隠蔽するつもりか!」などと思ったのだけど、テロ対策の関係でそういう扱いになるらしい。
監視カメラがどこにあるのか、どういう警備体制になっているのか、どこに出入り口があるのか、などなど、セキュリティの関係で映してはいけないものもたくさんあるため仕方がないのだという。
そして視察前に自分の身体の放射線量を計測。視察後の放射線量と比較し、異常値が検出されれば直ちに再検査の上、医療機関を受診させるという仕組みだそうだ。
我々を案内してくれた東京電力廃炉コミュニケーションセンター副所長の木元さん
現在、福島原発及び東京電力が抱える問題は大きくわけて3つある。
・福島の復興
・廃炉を進める上での技術的・費用的な問題
・汚染水の処理
まずは福島の復興について、間近で見続けてきたなすびさんにお話を聞きながら視察を進めようと思う。
なすびさんに聞く、震災後の福島
「言っておきたいのは、あの震災で被害を受けたのは福島だけでなく、当たり前ですけど宮城、岩手も大きな被害を受けているんですね。地震・津波による直接的な被害を受けた死者・行方不明者は宮城県が10,758人、岩手県が5,786人、福島県が1,810人です※」
※2021年3月9日の警察庁発表による
「つまり、直接的な被害は福島よりむしろ宮城・岩手の方が大きかった。でも、『震災関連死』と言われる、避難先で体調を崩して亡くなったり、将来を悲観して自ら命を絶ったりする人の数は宮城・岩手より福島が圧倒的に多いんです。しかも、福島の震災関連死はいまだに増えてる。なんでだと思います?」
「まあ、原発があるからですよね」
「そうです。原発があるから故郷に戻れずに何度も引っ越しを繰り返し、慣れない土地で体調を悪くしたり、故郷の土を踏めないまま暮らすうち、未来に希望が持てなくなるんですよ」
「福島に分断が生まれてる、というような話も聞きますけど……」
「そうなんです。僕も耳にしますね。こんな事態ですし、福島が一致団結して、未来に向かってポジティブに進んで行ければ一番いいんですが、例えば、福島原発からの距離や区域によって支払われる賠償金の金額に差があって、たくさん賠償金を貰った人も居ればまったく貰えなかった人もいる。
そんな中で、ごくごく一部です。本当にごくごく一部なんですけど、たくさん賠償金を貰った人の中には高級車を買って、仕事が無いからパチンコに行って夕方から飲み歩く人もいるとか。そういった行動が県内の避難先で反感を買ったりするんですよ」
「うーん、ひょっとしたらそういう人も震災で家や家族を失って自暴自棄になってるんじゃないかな、なんて思いますけど……」
「そうですね。もし周囲の人に余裕があれば見過ごせたのかもしれません。でも避難先の人たちだってみんな困っていて余裕がないので、どうしてもギスギスしちゃう。
それに、福島の中でも例えば会津なんかは津波の影響も原発による放射線の影響もごくごく軽微なんですが、『福島』っていうだけで農作物が売れなくなって甚大な被害を受けているわけです。
でもそういった被害に対して補償金が支払われない。被害を受けてる人は納得がいかない。『貰った人』と『貰ってない人』の分断ですね。これは他の被災地域にはない、原発があったからこその福島特有の問題です」
ひとりひとりに手渡される線量計。規定の数値を超えない範囲で視察が行われる。
そして手袋、靴下、マスク、ベスト、ヘルメットなどを装備。思ったより簡易的な装備でびっくりした。これぐらいの服装でも視察出来る範囲が事故後に比べるとだいぶ増えているらしい。
原発は予想以上に大きかった
いよいよ現場へ。
まず目に飛び込んで来るのが、とんでも無い大きさのタンクが敷地中に所狭しと並んでいる風景である。写真に見える電柱と比べてもタンクの大きさがわかると思う。これはいわゆる汚染水を溜めておくタンクで、これでもごくごく一部だ。
そこかしこに津波の爪痕が残る。かなり整備されてきた、とは言え優先順位をつけながらの作業になるので、緊急性が高くないものについては長らく放置されたままになっているそうだ。
本当は全景を映したいところなのだけど、前述のとおりセキュリティの問題から撮れない場所も多いため、こうやってアップの写真が多めになってしまうことについてはご容赦頂ければと思います。
これは「凍結管」と呼ばれるもので、地中深くにこの管をぶっ刺し、その中に液体窒素を循環させる事で地中に氷の壁を作り出し、福島原発1~4号機と自然発生する地下水を遮断する役目を負っているそうだ。
雨水や地下水などは、
山→原発→海
という風に流れ、そのままでは山から流れてきた地下水が原子炉を経由し、放射線で汚染された水となって海に流れ込んでしまう。そのため、1~4号機の周囲をこの氷でできた隔壁で囲むと同時に、流れ込む地下水を大量に吸い上げる事で水位を下げ、汚染水の発生を抑制している。
この「凍土遮水壁」については建設を請け負った鹿島建設のページに詳しい。
「言われてみればテレビで『果たして本当に出来るのか』などと報道されていたような記憶があるなぁ」と思ったのだけど、無事に完成して稼働中、効果も出ているらしい。前例のない工事だろうし、汚染区域内での作業には想像を絶する苦労があったんだろうな、と思う。この辺で不意に感動を覚えてしまった。
こちらは3号機と建屋。目の前にすると予想以上にデカくてビビった。デカめのマンション・ビルぐらいの大きさがある。3号機も水素爆発したが、建屋を大型カバーで囲い、2021年2月には使用済燃料プールから核燃料の取り出しに成功。メルトダウンを起こした1~3号機の中で核燃料の取り出しに成功した事例は初。
そして水素爆発する映像をこれまでにニュースで何度も見た1号機。これから燃料棒を取り出す作業に移るため、この1号機にも大型のカバーがかけられる予定だそうだ。
これからの廃炉に至る1号機の道のりは、ざっくり言えば以下の通り。
1.汚染物質の飛散を防ぐのと同時に、天井クレーンなどの重機を設置するために建屋を覆う大型カバーを設置
2.建屋内のガレキの撤去
3.燃料プールから使用済核燃料の撤去
4.格納容器内に溶け落ちた燃料デブリの撤去
5.燃料の撤去が終わったあとの建屋などの始末をどうするか
こうやって思いのほか軽装で建物に近づけるようになった、とはいえ建屋内は依然として放射線量が高く、人間が立ち入る事は出来ないためガレキの撤去や燃料の取り出しはすべてロボットによる遠隔操作によって行われる。
この写真に写っているクレーンも遠隔操作によって操縦されており、これまでに事例のない作業だけに難航しているそうだ。廃炉には40年かかる、と言われており、今後の技術革新頼み、みたいな部分は少なからずあるだろう。仮に燃料の撤去に成功したとしても、大量に発生した汚染物質や建屋の処理をどうするか、については方針が決まってすらいない。
そして汚染水である。原子炉自体を継続的に水で冷却する必要がある事や、前述の通り建屋内に地下水や雨水が流れ込むため、廃炉が完了するまではこの汚染水が出続ける。写真は処理施設内で働く人々。
凍土壁や地下水のくみ上げその他によって汚染水の発生が減ってきた、とは言え今でも1日に約180トンもの汚染水が発生しており、その汚染水を溜めているのが冒頭にあった巨大なタンク群だ。
元々あった汚染水の処理施設ではセシウム以外の放射性物質を除去する事が困難であったが、2013年から稼働している「ALPS(多核種除去設備 Advanced Liquid Processing System 通称アルプス)」によってトリチウムを除く62種の放射性物質を除去する事が可能になった。稼働当初はトラブルにも見舞われたが、現在はおおむね安定的に稼働しているらしい。
こちらが処理後の水。トリチウムは水溶性のため取り除くのが難しいらしい。ただしトリチウムは自然界にも存在し、基準値以下であれば人体への影響もほぼない、とされる。
【※編集部注】トリチウムとは?
水素の仲間で、放射性核種のひとつです。
自然界にも存在し、大気中の水蒸気、雨水、水道水にも含まれています。
「トリチウム」は水素に中性子が2つ加わったもの(三重水素)で、水素とほぼ同じ性質を持っています。放射性核種のひとつであり、ベータ線という放射線を出しますが、そのエネルギーは小さく、紙1枚で遮ることができるほどです。
もともと「トリチウム」は、宇宙から降りそそいでいる放射線(宇宙線)と大気がまじわることによって常に生成されています。そのため、トリチウムが水素の代わりに酸素と結びつき、「水」のかたちで大気中の水蒸気や雨水、海等自然界に存在しています。
「トリチウム」は、日常生活でも飲水等を通じて体内に取り込まれていますが、新陳代謝等によって、蓄積・濃縮されることなく体外に出ていきます。
なお、国内外にある原子力施設(原子力発電所や再処理施設)では、核分裂等を通じてトリチウムが生成されており、各国が、それぞれの国の規制に基づいて管理されたかたちで、海や大気等に排出しています。(処理水ポータル|東京電力「「Q&Aページ」より引用/太字は編集部による)
「これを海洋放出するかどうかで反発が起こってるんですよね。2022年には施設内のタンクがいっぱいになるとか」
「そうですね。そりゃね、いくら『科学的に安全ですよ』とか『人体に影響ありませんよ』とか言われても、それがそもそも信用出来るのか、っていうのがひとつ。原発を巡る問題ではこれまでも色々やらかしてますから。
そして、本当に安全性が立証されて、自然にも人体にも何の影響が無いとしても、やっぱり怖いのは風評被害ですよ。海洋放出されるとなると大々的に報道されるでしょうし、消費者は『安全って言われてもちょっと怖いからやめておくか』って福島の魚を敬遠しちゃう」
「うーん、震災後にも起こったことですね」
「震災以来、福島の漁業は壊滅的なダメージを受けていて、ずっと長いトンネルの暗闇の中にいてね。やっと少し光が見えてきたかな、っていう状況でこれでしょ。そりゃあ『ちょっと待てよ』ってなりますよね。
「上手い方法は無いもんですかね……」
「これね、結構知らない人が居て驚かれるんですけど、僕は今福島の実家に居て、そこで使ってる電気って東京電力の電気じゃなくて東北電力の電気なんですよ。福島って東北電力の管轄なんで。
震災以前も、原発が近くにあるのにそこで発電された電気を福島の人が使っていたわけではないんです。福島の原発で生まれた電気は全部東京、首都圏で使ってたんですよ」
「えー! そうなんだ!」
「そう! 福島の原発って、東京電力っていう東京の会社が、東京の人たちに電気を送るためにつくったものなんです。なのに、事故が起こって福島の人たちがこんなに困ってるのに、まるで他人事で『福島は大変だな~』くらいにしか見てない東京の人もいる気がしていて……。
僕はね、コストとか技術的な問題とか色々あって実際にはできない事はわかってるんですが、それでも『本当に安全なんだったら、福島の海じゃなく東京湾に流せよ』とも思っちゃいますね」
「福島の実情を見ていると、それくらい強い気持ちも生まれるかもしれませんね。今日見て僕思ったんですけど、『めっちゃスケールがデカいな』って。建物もタンクも巨大だし、働いている人の数も多いし、僕らが着てるこの防護服だの手袋だのも全部使い捨てじゃないですか。
凍土壁も処理施設も『これをずっと動かしてたら凄まじいコストになるな』とか思っちゃうし、廃炉までに8兆円かかるとかいや50兆円だとか色々言われてて『そんなにかかるの!?』って思ったんですけど、これ見たら『いやまあそりゃ、お金かかるわ……』って思いましたね」
「そうなんです。だからこそ福島の原発の問題は東京の問題でもあるし、ひいては国民全部の問題だっていう事をちゃんと理解して欲しいですね。福島の人たちが可哀想ですよ」
地元の水産関係者に聞く、福島の海をめぐる現状
そして最後に、当事者である福島の水産関係者の方のお話を聞こうということで、いわき市小名浜のサンマの加工業「上野台豊商店」を営む上野臺 優(うえのだい・ゆたか)社長にお話を聞きました。
「率直に言って、処理水の海洋放出についてはどう思いますか?」
「処理水については、風評や悪い方の影響が考えられるので、できるならやめてほしいです。この10年、本当に苦労したんですよ。津波の被害ももちろんありましたし、原発の問題もあった。そうなると農業も漁業も、福島のものが売れなくなったんですよ」
「震災前から、かなり変化があったんでしょうか」
「元々、福島の海っていうのは親潮と黒潮がぶつかる所で、魚にとってのエサも豊富だし魚の種類も多いし、首都圏にも近くていい漁場だったんですよ。震災前は東京の業者さんから『巻網船のカツオをとにかく売ってくれ』っていうくらいには引き手あまただったのが、パタッと止まりました」
「そういうのに対して補償はないんですか?」
「補償もありました。しかし水産加工の皆さんは、風評で魚が売れない現実に、今までやってきた事を否定されたように感じて、頑張ろうという気持ちが削がれたと思います」
「若い後継者の方々はいるんですか?」
「今は試験操業と言って少しずつ魚を獲るようにはなってますが、それでも底引き漁なんかはピーク時の2割くらい。来月4月からは本格操業になりますので、水揚げはもう少し増えると思いますが。
なので『漁業やりたい!』っていう若者がもしいたとしても、そもそも船が出てないので修行も何もあったもんじゃないですからね。
「そうか、漁師さんが働く場所も減ってるのか……」
「『このままじゃ福島の漁業が終わる』と思って、なんとか福島の魚が安心・安全であることを証明しようと、福島で獲れた魚は全量放射線測定してるんですよ。ここまでやってるのは世界中で福島だけですし、そういう意味では福島の魚ほど安全なものはない、と胸を張って言えます」
「この間、基準値を超える放射線が検出された魚が出た、というニュースがありましたね」
「あれも、逆に言えば福島でやってる検査が正常に機能している証拠なんです。検査してるからこそひっかかって、はじく事ができるわけですから。それでも、スーパーで例えば北海道産のサンマと、福島産のサンマが並んでたら消費者の人はなんとなく北海道を選んじゃうのではないでしょうか」
「『福島の魚を食べて応援!』みたいなものはあんまりないんですかね」
「もちろん、そうやって福島の魚を選んでくれる人もいますし、それを通じてファンになってくれる人もいます。『もっと応援して欲しい!』とは正直思いますが、いつまで経ってもそれで自立出来ないのはお恥ずかしい話なので。もっともっと福島の魚のよさをアピールする必要があるな、と思っています」
「ただ、悪い話だけではなくて、こういった問題が出てきたからこそ福島の漁業関係者がみんなで集まるような機会も増えましたし、農家の人や料理店の人ともコミュニケーションを取ってみんなでなんとかしよう、という機運も生まれたのでポジティブな面もあります」
「この記事を見てる人たちに言いたい事ってありますか?」
「とにかく、一度福島に遊びに来て、福島の魚を食べてください。今はコロナの影響もあってなかなか難しいですが、ECにも力を入れているので、お取り寄せでも美味しい物がたくさん買えますから。
これは別に『応援してください』という意味ではなく、『本当に美味しいから食べてください』という意味ですね。弊社の商品で言うとサンマのポーポー焼きなんかは子供たちにも喜んで食べて頂けると思います」
「なるほど! ありがとうございました!」
☆上野台豊商店のオンラインショップはこちら↓
「さんまのポーポー焼き」は、いわき市の郷土料理。さんまを水揚げ後24時間以内に加工し、旨味と鮮度をすり身に閉じ込めている。写真は「さんまのポーポーつみれ」
おわりに
というわけで福島第一原発に行ってきたのですが、なにより「行ってよかった!」と思いました。
世界中の教科書に載るであろう、人類の歴史にとって重大な出来事があった場所をこの目で見ることができたことは恐らく一生の記憶になる。
遠く離れた場所の出来事のようにとらえていたものを、目の前にありありと突き付けられた時の衝撃もよかった。
なすびさんが言った「東京の会社が作った東京の人のための施設」という言葉もよかった。
廃炉まで40年と簡単に言うけれども、40年だ。大学を卒業した新卒社員が廃炉の仕事に携わったとしても、60歳の定年までには終わらない計算になる。途方もない年月である。
そして、この福島第一原発に注ぎ込まれている資金だって途方もない。
僕らが見学した時に身に着けたマスクや靴下、手袋といったものは全て使い捨てだ。
凍土壁のシステムも汚染水を処理するプラントも、普通に考えて動かすだけでとんでもないコストがかかるだろうし、撤去した放射性物質を含むガレキも処理するのにこれまた莫大なお金がかかる。
1,000万円、2,000万円という金額は僕らにとってはもちろん大金だけど、この廃炉に向かうプロジェクトの途方もないスケール感からすると誤差の範囲くらいのものだ。
下手するとゼロが4つぐらい違う感覚かもなのかもしれない。
そしてこれだけのたくさんの人が働き、たくさんの資金と年月を投入したとしても「やっとスタート地点に戻せる」というものでしかない。
よく大規模な工事を請け負うゼネコンの人たちは「地図に残る仕事」なんて言うけれども、今この福島第一原発でやってるのは「地図から消す仕事」なのである。
それでも大切な大切な仕事である事は間違いないので、働いている方々に対しては敬意を表したいと思います。
そしてその上でやはり「どこか他人事」のように捉えていた過去の自分を反省すると共に、皆さんも一緒にこの問題について考えて欲しいなと思っております。
福島県産品についてはお取り寄せサイトなんかも充実していますので、この機会に皆さんも一度食べてみてはいかがでしょうか! 僕も今度から福島の魚を優先的に買おうと思います。
☆福島県産品が購入できるサイト
「ふくしまプライド」https://fukushima-pride.com/
「ふくしま市場」https://fukushima-ichiba.com/
「楽天 福島の魚」
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