記念すべき第一回の教材は「燃えよドラゴン」です。
燃えよドラゴン(1973 / 主演:ブルース・リー)
ブルース・リーとカンフーが世界的に大ブームとなった格闘アクション超傑作
勤務時間内に見ました。そういう仕事だから…。
【見人(みんちゅ)の紹介】
筆者。年間150〜200本ぐらい映画を見てる暇人
暇なので一緒に見てもらった暇人ゴッド
「このメディアのコンセプトである『地元』とか『仕事』とか、ぜんぜん関係ないけどいいんですか」
「いいらしいです。今回はブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』です。ぼくは好きすぎて数え切れないくらい見たんですが、一回も見たことないんですか?」
「映画はそれなりに見てる方なんですが、ブルース・リー作品は一つも見たこと無かったですね…。何故か分からないんですが、スルーしてました」
「まあ有名すぎて逆に…というパターンはあるかもしれませんね」
「断片的には知ってます。鏡の部屋とかヌンチャクとかあの曲とか」
「本当にちょこっとですね。早速見ていきましょう!」
「一応言っておきますが、この記事には『燃えよドラゴン』のネタバレが含まれています」
「おそらくですが、ブルース・リーが大活躍して勝ちます」
■「燃えよドラゴン」あらすじ・起
少林寺の武術の超達人であるリーは、ある日 悪に手を染めて少林寺を破門となったハンが主催する武術大会に参加するついでに、ハンの犯罪行為の証拠を探るべく内偵をしてきて…という依頼を受ける。リーは全然やる気が無かったが、ハンの部下オハラがリーの妹を追い詰めて自殺に追いやったという話を聞き、ハンとオハラもろともブチ殺したるという復讐を誓うのであった…
「ブルース・リー作品の中で、『燃えよドラゴン』だけがアメリカのワーナー・ブラザースと共同で製作してるんですよ。だから脚本もしっかり作り込まれてる上に、今までのアクションの集大成っていう位置づけでもあるんです」
「少林寺の師範とブルース・リーが思いっきり英語で話してるのも世界に目を向けてるからなんですね。舞台はどこなんですかこれ」
「香港らしいです」
「英語教育がかなり行き届いてるんですね…」
(オープニングでスパーリングを行うリー)
「ん?この最初のスパーリングの対戦相手…サモ・ハン・キンポーですか!?」
※サモ・ハン・キンポー
『プロジェクトA』や『スパルタンX』の出演で有名な香港の俳優
「これ、そうみたいです。僕ら世代にはすぐ分かりますよね」
「やっぱそうなんだ…。こうしてちょっとお肉なサモ・ハン・キンポーと比べると、ブルース・リーの肉体の仕上がりヤバすぎますね。ブルース・リーを引き立てるためだけに戦わせてるような…」
「噂ですが、暇さえあれば鏡を見てたらしいです」
「僕と同じですね」
「そうなんだ…。ちなみにこのシーンでオープンフィンガーグローブつけて戦いつつ最終的に関節技で決着をつけるんですが、これが総合格闘技の原型になってるらしいです」
「そうなんだ、すげ〜」
「そして子供がやってきた。あっ、このシーンもしかして…」
「考えるな、感じろ(Don’t think. Feel.)」
「ワッ!!!!!!出た!!!大名言!!!!」
「ここは何回見てもカッコいい!!ドンスィン、フィィィィ〜〜〜ォ」
「スター性と存在感、この時点で圧倒的だ…。でもその前の説教がかなり嫌味ったらしく言うんですね。言われた方も去り際に『何だこいつ』みたいな感じで二度見してますけど」
「ほんとだ!ブルース・リーがあまりにもカッコいいもんで今まで見逃してましたけど、不服そうな顔だな〜〜〜」
Theme From Enter The Dragon (Main Title)
(あのオープニングテーマ「Theme of Enter The Dragon」が流れて、タイトルイン)
「わ〜この曲!バラエティ番組とかパロディで何回も聞いたことある超有名なやつですが、改めて『燃えよドラゴン』本作の中で聞くとめちゃめちゃシックリきますね…」
「ほんとそうなんですよね…これからの戦いを期待させてくれるような…」
「合間によく聞くブルース・リーのあの奇声は本編では入ってない、というのも発見でした」
■「燃えよドラゴン」あらすじ・承
武術大会への参加者として、借金を重ねて追われている大男ローパー、悪徳警官を懲らしめて逃亡状態にあるアフリカ系の武術家ウィリアムズなど、腕に覚えのある者が続々とリーに合流する。
舞台となるハンの島は要塞と化しており、銃の持ち込みが禁止となっていた。リー達は前夜祭として祝宴に参加するが、ハンに仕える女性が次々と姿を消していることを掴み、不信感を募らせる…
「これ、ストーリーがかなり分かりやすいですね。悪に落ちた同門を懲らしめるのと、犯罪の証拠を掴むという二軸」
「それと相まってこのブルース・リーの存在感ですからね。世界的大ヒットも分かる…そしてここ!ここ見てください!」
「これ!目的地に行くために小舟で移動するシーン、ぼく大好きなんですよ。このどっしりとした佇まい、凛とした表情…、小舟に乗ってるだけでこんなにカッコいいことあります!?」
「ほんとだ!めちゃめちゃカッコいい!!!どこからどう見ても完全なる “ブルース・リー” ですね…」
「それと、他の登場人物もそれぞれここに来るまでの回想シーンをしっかり紹介しておいてメインキャラとして際立たせてるのも良いですね」
「この、『各国から猛者が集まってくるシチュエーション』も最高なんですよね。その後の色んな作品でも影響あったと思いますよ」
(前夜祭の祝宴が始まる)
「この祝宴のシーン、ヤバ…。全てが狂ってる…」
「真ん中で永遠に決着がつかない相撲をとって、その外周をアクロバティックにバク転する奴らが取り囲み、上には無数の鳥かご、そしてさらにその外周にリー達客人が女にもてなされている…」
「最高ですね…肉欲の全てを表現しているというか…」
「さらにここから個室に戻った客人に対して、女を寄越しますからね」
「アフリカ系のアフロのウィリアムズ、5人ぐらい指名しましたけど」
「性豪、なんですね…」
「リーも女を指名した!?そんな…ブルース・リーは色に溺れることなく武に励んでほしかったのに…」
「ここで指名した女は実はスパイで、リー達の陣営なんですよね」
「あっ本当だ!そういえばそういう伏線があった…お見事。そしてハン達の怪しさがより一層強まっていきますね」
■「燃えよドラゴン」あらすじ・転
武術大会とリーの内偵が並行して行われる。リーの対戦相手は奇しくも妹を自殺に追い込んだオハラだった。リーは超圧倒的な表情と武術でオハラを始末し、復讐を完了する。ハンは内偵の疑いのあるウィリアムズを殺害し、ローパーにも自分の部下になるように勧誘する。
ウィリアムズの変わり果てた姿を見てローパーは服従を誓うが、リーはついにハンの犯罪の証拠をつかむ!ハンの手下たちの追撃をカンフー、棒術、ヌンチャクなどで蹴散らしていくが、攻防の末リーは閉じ込められてしまう…
「これ、武術大会ですか?これが本戦なんですか?」
「そうなんです。トーナメント表とか出場選手一覧とか何も説明されないんです。観客も舎弟だけなんで、大会感も全然ないという」
「まあブルース・リーが最高にカッコいいから他の要素がかなりどうでもいいと思ってしまいますね」
「かつてのカンフースター俳優のユン・ピョウも、『燃えよドラゴンはブルース・リーのワンマンショー』っていうコメントを残してたぐらいなんで、あんまり細かいところは気にしなくて大丈夫なんです!」
「それで成立してるからすごい」
「そしてこのリーVSオハラの対決がまたすごいんですよ」
「ブルース・リー、圧倒的に強いですね。動きのしなやかさ、疾風(はや)さ、パワー、全てを凌駕してる…」
「ボコボコに叩きのめして仰向けになったところでリーがとどめに踏みつけるんですが…これ見てください!!!!!」
「え!!??!?!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「うわ!!!!!!最高!!!すごい!!」
「この表情ね!!!!最高なんですよ!!!」
「たっぷり20秒ぐらい間をとって『妹の無念さ』『仇を討った達成感』『しかし復讐は何も生まない哀しさ』を全て表情で伝えている〜!!!」(※個人の感想です)
「一瞬でよくそこまで理解できましたね…さすが…。でもここ、ブルース・リー全作品の中でも屈指の名シーンだと思ってます。踏みつけた後のこの表情があまりにも凄すぎるから…」
「ウィリアムズが殺されたりとかローパーがハンに服従しちゃったり色々してますけど、そんなこともどうでもいい…もっとブルース・リーの爆裂大乱闘がみたい…」
「見れますよ〜〜〜〜〜」
(手下による追撃を、圧倒的武術でなぎ倒していくリー)
「やばい…強すぎる…昨今の格闘アクションと比べるとやっぱりカメラワークとかは見劣りするものの、この『常にブルース・リーを画の中心に入れて撮る』という演出は誰しもが出来るものじゃないですね」
「一撃でどんどん沈めていくのもいいですね。そしてブルース・リーといえばやっぱりこれ!」
「あっ!!これは…ついに…!」
(ビュンビュン!!ビュビュン!!ブンブン!バシッ!!!)
「「ヌンチャクだ〜〜〜〜〜!!!」」
「今この瞬間、カッコよさがLV999カンストしてしまいました…」
「本編で見ると何故か圧倒的にカッコよく感じるんですよね…」
「スーパースターの中のスーパースターだ…」
「ちなみに今ヌンチャクで殴られて池に落とされたの、若き日のジャッキー・チェンらしいです」
「そこは全然わからんかった」
■「燃えよドラゴン」あらすじ・結
ローパーVS謎の筋肉マンとの武術大会本戦もそこそこに、ハンの労働力として地下に囚われていた囚人達が解放されて、ハンの手下達と大乱闘を繰り広げる。リーは逃げたハンを追いかけるが、鉄の爪を装備して鏡の部屋に逃げ込み窮地に立たされるが、ブルース・リー力(ぢから)を見せつけてハンをやっつける!
THE END
(すっかり日が傾いてしまったんだけど、そんなこと全然気になってない二人)
「最終的にドンチャン騒ぎの大乱闘がはじまった…」
「ハン側の門下生(=悪)が白い道着、反旗を翻した囚人達が黒いカンフー着っていうのもなんかよく見たらイメージ的にちぐはぐなんですけどね」
「このわちゃわちゃ大乱闘という終盤のたたみかけ、『バーフバリ 王の凱旋』とか『HiGH&LOW THE MOVIE』とか色んなアクション映画で踏襲されてますね…」
「全てのアクション映画は『燃えよドラゴン』に通ずるのかも…」
「そしてブルース・リー、この終盤でようやくクリーンヒットの打撃を受けましたけど、このダメージの受けなさ『イップ・マン 序章』とほぼ同じですね。数えてたんですが、イップ・マンはその時2回しかクリーンヒット食らってなかったです」
「イップ・マンはブルース・リーの師匠なんで、これより後に作られた『イップ・マン 序章』で意識しているのかもしれませんね…あ、そして例の鏡部屋ですよ」
「ここマジでアーティスティックですね…最高だ…」
「そうなんですよね。何時間でも見てられる…」
「真っ向勝負すると一撃で終わっちゃうから、最後にこういうギミック入れるアイデアも素晴らしいし、さらにブルース・リーの肉体を刻んだ鏡面でいくつにも重ねて360度余すところなく見せるなんて、本当に全てがブルース・リーのためにあるシーンですね…」
「そしてピンチが訪れるけど、序盤に聞いた師匠の言葉を思い出して勝つ!!」
「うわ!これは…!!!この死に様はお見事…!」
「そしてその後のブルース・リーの去り際!」
「うわ〜〜〜!!カッコいい!!!嘘でしょ!ってぐらいカッコいいですね(ここは本当にカッコいいのでその目で確かめよう!)」
「おわった…」
「どうでした?」
「最高ですねこれ…。一人で黙々と見てもブルース・リーのカッコよさは伝わりまくるんですが、こういう形で凄さをすぐ伝えられるように複数人で見た方がいいですね。細かい矛盾点とか色々ありつつも、そんなこと関係ないぐらいブルース・リーの魅力が10000%溢れてました。最高。なんで死んだんや!って今悲しみが押し寄せてきてます」
「死因があんまり分かってないっていうのも謎めいてるんですよね…」
「あと、ブルース・リーって色んなゲームとか映画でモチーフにされてキャラクター創造されてるし、あの曲も今でも使われてるぐらい定番で目や耳にする機会はすごくあるんですけど、こうやってオリジナルの『燃えよドラゴン』を見ることで今日までいかに世界に影響を与えてるのが分かった気がしました」
「喜んでもらえて良かったです!」
「貴重な機会でした。ありがとうギャラクシーさん…。あと、これ当メディアのコンセプトである『地元』や『仕事』の要素が一切無いんですけど大丈夫なんですか?」
「いいんです。第二回もまたやりましょう!」
THE END