ジモコロライターの原宿です。
「リモートワーク」という働き方に注目がにわかに集まり、ZOOMなどを使ったテレビ会議で打ち合わせや取材をこなすことも日常的になってきた今日この頃。
ある日、勤め先の会社のメンバーと打ち合わせをしていたところ、こんなことを言われました。
「原宿さん……そのコップ、何ですか?」
なんか飲み口のところ、グネってなってません?
なってますね。
それ、グネってることにこだわるブランドのやつなんですか? 結構高いとか。
いや、これ多分高校の時に陶芸の実習で作ったやつです。
それをまだ使ってるの!?
ぜんぜん使えるので……。でも確かにこれを使ってるところを人に見られるって初めてかも。え、見てたの今!?
そりゃ見てますよ、テレビ会議なんだから。
なんか恥ずかしっ
今までリモートワークをほとんどしたことが無かったので気が付かなかったのですが、「自分で使うもんだし何でもいいや」という感覚で使っていたアイテムが、不意に「第三者の目」に触れてしまう。それがテレビ会議というものであり、自宅にお客を招くことに通じるものがあるんだな、ということにこの時初めて気が付きました。
裏を返せば、こういった日用品にも細やかな美意識を行き届かせていれば、テレビ会議にシャレたマグカップが映った途端、「飲み口グネってません?」とかじゃなく、「あらま! いいご趣味ですわねえ…ホホホ…」という方向に話が発展し、「趣味のいい人」として認識してもらえるかもしれません。
「でも、どういうマグカップが世の中的に『趣味がいい』とされるのか、全然知らないな……」
そんな疑問をもった自分は、「こだわり」のあるマグカップについて教えを請わんと、ある方の助けを借りることにしました。
渡辺平日さん
日用品愛好家。趣味は町歩きと物件探しと民話収集。自分の足で見つけた道具や雑貨への思いを、SNSやWebマガジン、雑誌などで発信している。公式サイト
さいきん買ってうれしくなったもの、「70cmの景色」のミニテーブル。茶碗の底にある高台をモチーフにしたアイテムで、新しくも、どこか懐かしい印象に仕上がっています。こういう「どう使うかは使い手次第」なプロダクトが好きなので、いろいろとアレンジしてみたいですhttps://t.co/EwVP38silK pic.twitter.com/FglorkE2K7
— 渡辺平日 (@wtnbhijt) May 13, 2020
「部屋をきれいにするための掃除道具が、部屋の調和を乱している」。これは大いなる矛盾ではないかと僕は考えています。そんな自分が愛用しているのが、使っているときも使っていないときも美しい、天然木を使用したフロアワイプですhttps://t.co/lqwpQOi9gZ
— 渡辺平日 (@wtnbhijt) April 25, 2020
日用品や雑貨への造詣が深い渡辺平日さんであれば、きっと「オシャレ」なマグカップを教えてくれるはず……。そんな下心を抱きながら、いざテレビ会議の場へと乗り込んだ自分は、5秒と立たない内に自身の浅薄さを悟ることとなります。
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という経緯で、今回は渡辺平日さんに「センスのいい人」に見られるマグカップをお尋ねしようと思っておりまして…。
なるほど。マグカップ選びでお困りなんですね。参考になるかは分かりませんが、できる範囲でお答えさせていただきます。
いきなり話をひっくり返すようで申し訳ないですが、僕は日用品を選ぶとき見た目だけで評価しないようにしています。特に「オシャレ」とか「ダサい」とか、そういう見方は絶対にしません。
え!? あ~……っと、すいません、まずその理由から伺ってもいいでしょうか?
「オシャレな持ち物を使わなくてはいけない」という思い込みは、人によっては一種の「呪い」にもなり得るからですね。
人の目を意識するのは大切なことだし、モチベーションにも繋がりますが、他人の評価を気にしすぎるようになると、何を選ぶのも苦しくなってしまいます。日々の道具を選ぶことが辛いというのはちょっとおかしな話ですよね。
そういう思い込みって、ほとんどは言葉から生み出されると考えていて。なので、プロダクトに対して安易に「これはオシャレ、これはダサい」という言葉は使わないようにしています。
おっしゃる通り。
物には「見た目がオシャレ」という要素以外にも、「値段がいくら」「こういう機能がある」「手入れが楽」「自分の肌に合う」「ブランドのコンセプトは何か」など、色々なポイントがあると思うんです。それなのに、一つの基準だけで物事を決めてしまうのは健全ではない気がします。
なるほど。そういう色んなポイントをすっ飛ばして、「今、オシャレなのは○○!」と一つの要素だけでまとめようとするのは、あんまり本質的ではないということですね。確かに。
「いろんなポイントがあることを意識する」のはとても大事ですね。
何かを選ぼうとする時に「どんなものがオシャレなのか分からない…」と悩まれる方も多いと思います。そういう時は一度「オシャレ」という判断基準要素を封印してみるのも手ですね。例えば「環境に配慮しているものを選んでみよう」とか、「出身地が同じ作家さんの器を探してみよう」とか、違った視点から見てみると選択肢の幅が広がって、物選びがグッと楽しくなりますよ。
ああ……。僕、自分が何を買っていいか分からないから、「マグカップ オシャレ」とかでサジェスト検索しちゃってました。だからあんまり選択肢が広がらなかったのかも……
次は「マグカップ 日本製」などと調べてみるのもいいかもですね。こういうふうに物を見る視点が広がると、どんどん選択肢が増えていきます。それはもしかすると、生きやすさにも繋がるのかもしれません。
センスとは何か
一般的に言われる「センス」の正体。これはどれぐらいの物を見てきたかという知識量、すなわち「引き出しの多さ」と、「その引き出しから情報を取り出す早さ」が掛け合わさったものだと考えています。
センス=引き出しの多さ×引き出す早さですか。確かに雑貨だけでなく、スポーツとか全てにおいてそうかも。
スポーツで活躍する選手って、「どう攻めるか」という引き出しの数が多かったり、「どの方法をチョイスするか」という判断が早かったりしますよね。
雑貨や日用品を購入する上で、その2つの要素と同じくらい重視しているのが「文脈」です。つまり、その人がどういう理由でそれを選んで使っているのかということですね。「雑誌のコーディネートをマネしたのにしっくりこない」。こういうのって誰もが一度は経験したことがあると思います。理由はいろいろと考えられますが、文脈、言い換えると「必然性がないこと」が大きな原因だと捉えています。
確かに。「大切な人にプレゼントでもらったから」という文脈で大切にしている物があれば、そこにはオシャレとはまた別の価値が生まれていますものね。
はい。そういった意味で、原宿さんの「飲み口がグネってなってるカップ」を見たとき、僕は野趣があっていいなと思いましたし、「もの持ちがいい人なんだな」とも思いました。
ほんとですか! これは嬉しいぞ…。
実際に会議の時に「話のタネ」になって、場を和ませているのがいいですよね。この話ができるのって、世界で原宿さんだけです。そういう意味でもそのマグカップからは「文脈」を感じられます。
「人目に映るのにこんな無防備でいいのか?」と思っていたんですが、何かこのまま使っていても問題ない気がしてきました。
そのままで大丈夫だと思います。あるいはテレビ会議のいい相棒になるかもしれませんね。
ところで、今回の企画をお受けするにあたってマグカップについて一度考え直したのですが、ちょっとおもしろい気付きがありました。
あくまで自分の意見ですが、もしかするとテレワークの普及に伴って、マグカップは一種のコミュニケーションツールになりつつあるのかもしれません。ふと画面に映ったカップから話が広がったり、相手の違った側面が見えたりというのは、たとえばネクタイと同じような働きをしていると言えるのではないでしょうか。
そういう意味では、人の評価を気にするのも、場合によっては必要なのかもですね。
そうですよね。なので僕の「グネってるカップ」はこれはこれでいいとして、他にもどんなマグカップが世の中にあるのか、「引き出し」を増やすためにも渡辺平日さんに教えていただけると嬉しいなと……。
あくまで僕としては「好きなマグカップを使えばいい」という立場ですが、どういうものを選んだらいいのか分からない人は多いと思います。ほんの参考までに、僕が所有しているマグカップやグラスをいくつか紹介させていただきますね。
ぜひお願いします!
KINTOのSCS サインペイントマグ(アンブレラ柄)
※在庫がなくなり次第終了。詳しくはメーカーにお問い合わせください。
こちらは、テーブルウェアブランド〈KINTO〉の、スロー・コーヒー・スタイルというシリーズの作品です。なんというか、ヴィンテージなものへの愛と今っぽさとを両方感じられて、すごく気に入っています。
ハッ、一個目からステキ……。「RAINY DAY MEANS COFFEE TIME」って書いてますね。雨の日の意味はコーヒー…?
「雨はコーヒーの時間を与えてくれる」というような意味でしょうか。
ショーウインドウに直接文字や絵を描くサインペインティングという技術があって、それをデザインに落とし込んでいます。サインペインターの金子裕亮(かねこ ゆうすけ)さんの手によるもので、このシリーズは全部で5種類あるんですが、どれもいいんですよね。
これ、素材は何ですか?
「ミルクガラス」という素材をイメージした耐熱ガラスです。ミルクガラスは20世紀半ば頃のアメリカで生まれた素材で、ヴィンテージマグといえばこのガラスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。このマグがどこかレトロに感じられるのは、こういうバックボーンがあるからかもしれません。
なるほど、そういう素材からも時代感が感じられるものなんですね。今までそんなところぜんぜん見てなかったな……。「白っ」「黒っ」ぐらいしか思ってなかったかも。
五月女哲平の「MUG」
こちらは、アーティストの五月女哲平(そうとめてっぺい)さんのアートワークをあしらったマグカップです。お店で見かけたときに一目惚れして購入しました。ネイビー系の色もあって、ペアでプレゼントにしても素敵だと思います。
飲み口も広くて使いやすそうですね。
緻密にデザインされたマグカップで非常に飲みやすいですよ。というのも、実はこのプロダクト自体は〈Common〉というブランドのものなんです。
普通、こういうマグカップって、ノンブランド製品を使うことが多いんですよね。もちろんそれ自体が悪いわけではないんですが、しっかりとデザインされた製品を使うことで、「もの」としての完成度がさらに高まっているように思います。
はあ~っ、よく見るとそんなところまで分かるんだ。「センスは引き出しの多さ」という言葉を実感しています、今。
ヴィンテージマグ
10年くらい前によく行っていた古着屋で購入したヴィンテージマグです。衝動買いしたものですが、めちゃくちゃ愛着があるし、あとは日常使いするにはかなり重いので、食器としてではなくペン立てとして活用しています。
そういう使い方もアリなんですね。ヴィンテージマグってつまり、かなり古いものということですか?
はい。少なくとも数十年前のマグですね。買ったところがとても素敵なお店で、いい思い出がいっぱいあるから、なおさら愛着を感じます。ペン立てとして活用しているのも、絶対に割りたくないという気持ちがあるからなんです。
もちろん、食器として使ってあげるのがベストですが、割りたくないからと保管するよりは良いかなと…。
なるほど。愛着のある場所にまつわるアイテムが手元に残っているのって、いいですね。自分にとって大事と感じるお店の商品なら、衝動買いしてしまうのも全然アリだな…。
そうした一期一会には「文脈」が現れやすいですよね。
リサ・ラーソンのゆのみマグ
※取り扱い終了品。同作家の湯呑みは取り扱いあり。
こちらは北欧を代表するアーティスト〈リサ・ラーソン〉さんの作品です。日本の湯呑みとマグカップが合体したような不思議な造形が気に入っています。リサさんは日本文化にも造詣が深くて、タヌキをモチーフにした置物なんかも作っているんですよ。ところで、原宿さんはパッと見た時にどう感じられましたか?
う~ん、なんかクチバシっぽい? 生物的な感じがしますね。
持ち手のところがニュッとしていて、なんだか鳥みたいにも見えますよね。どういうところに面白さを感じたかを言葉で残しておくと、自分の好みを理解する手がかりになりますよ。
このカップを見たとき、ほとんどの人が「どう持つのかな?」と戸惑うと思います。実はこのクチバシのような突起が持ち手になっていて、親指と人差し指で挟み込むようにして使用します。慣れるとなかなか使いやすいですよ。ちなみに、両手で包み込むようにして持つこともできます。
温かい飲み物を注ぐと、手にじんわりと温かみが伝わってきて、なんだか落ち着きます。お菓子やサラダを入れてもいいですし、自分で使い方を見つけていく楽しみがある器ですね。
これでスープを飲むと余計にホッとしそう……。
これで温めた甘酒を飲むのがマイブームです。さて、ここからはグラスやタンブラーなども紹介させていただきますね。
KINTOのCAST ダブルウォール カクテルグラス 290ml
こちらは最初に登場したマグと同じメーカー〈KINTO〉のダブルウォールカクテルグラスです。ガラスが二重になっていて、注いだものの浮遊感を楽しめるのが特長となっています。
二重ということは……ガラスだけど、暖かい飲み物を入れても手で持てるということでしょうか?
はい。あとは冷たい飲み物を入れても結露しないので、デスクが濡れたりせずに大変使い勝手がいいです。
これは密かな楽しみなのですが、ホットコーヒーにミルクを注いだときに、渦を巻きながら混ざっていく様子を眺めるのが好きですね。マグカップだと上からしか見えないじゃないですか。冷たいコーヒーとはぜんぜん違う混ざり方でおもしろいですよ。
それは見てみたい!
このシリーズはバリエーションが非常に豊富なのも素晴らしい点で…。
すいません、「バリエーションが豊富」とは具体的にどういうことなんでしょう…?
シリーズ展開がとても多く、マグカップやスープカップはもちろん、キャニスターもソースポットなどもあるんですよね。
ガラス製品でもメーカーが違うと色味が変わったりしますから、同じトーンでアイテムを揃えられるのってけっこう大事だと思います。
あ、食器ってそうやって統一して買うんですね。僕、必要になったらその都度バラバラで買ってました……。
持ち物に統一感を持たせたいという時は、ぜひシリーズ展開にも注目してみてください。
RIVERSのウォールマグ スリーク
こちらはドリンクウェアメーカー〈RIVERS〉のタンブラーです。持ちやすい、軽くて丈夫、倒してもこぼれにくい。支持されるのも納得の利便性です。カラー展開が豊富なのも魅力ですね。
ムダがなくて良い佇まい…。
スッキリしたいいデザインですよね。
余談ですが、〈RIVERS〉はアフターフォローが手厚いことでも有名です。グラインダーのハンドルだけとか、フレンチプレスのフィルターだけとか、細かい部品をオンラインショップで気軽に購入できるんですよ。
どのメーカーさんもカタログにはパーツを載せてるんですけど、エンドユーザーが直接注文できるのってけっこう珍しくて。長く使うことを考えたらうれしいですよね。
見た目以外に、そういう部分でも「引き出し」を増やしていくと、「だから自分はこれを使うのだ」という理由が見えやすくなりますね。
grafのOWN ティーカップ
こちらは大阪を拠点に、グラフィックから空間まで幅広く手がけているクリエイティブユニット 〈graf〉のティーカップです。これはですね、とにかく手に馴染みます。デザインも程よくモダンな感じで、和にも洋にも合わせやすいのもポイントです。
特別なことは何もしてないように見えるのに、「なんか良さそ~」って雰囲気だけ感じています。
独特の佇まいがありますよね。この〈own〉のシリーズには、これとほとんど同じ形のガラス素材の器もあって、並べてみると面白いですね。実験的な趣向を感じるというか…。
ベーシックなようでいて、新しいアイディアに溢れているというのが面白いです。
YAMAZAKIのカップカバー
おや、これはさっき見たマグカップ……
テレワークライフをより楽しめるように、あると便利なアイテムも紹介していこうと思います。このカップカバーは、小さな雑貨から軽家具まで幅広く取り扱う〈YAMAZAKI〉の製品です。
これをつけることで冷めにくくなるし、飲み物にホコリが入らないんですね。なるほど。
洗ったあと干しやすいようにフックがあったり、ズレないように裏面に突起が付いてたりと、細かいところまでよくできています。シンプルだからどんなカップにも合わせやすいのもいいですね。
北欧、暮らしの道具店のコースター
北欧雑貨を中心に、さまざまなアイテムを取り扱っている〈北欧、暮らしの道具店〉の オリジナルコースターです。結露でデスクが濡れるのを防ぐのが一番の役割ですが、カップやタンブラーの定位置を作るという役割もあります。なんというか、コースターがあると空間が締まっていいんですよね。
コースターって全然使ってこなかったんですけど、興味が湧いてきました。
ひとつあると便利ですよ。ところで、コースターはだいたい直径9cmぐらいのものが多いのですが、これは直径12cmとやや大きめなんですよ。そのぶん安定感もあるし、菓子皿として使うこともできます。ピアスや指輪などアクセサリーを置く場所にするのもおすすめです。
そんな使い道もあったとは。あとこれ、コースター自体がちょっと浮いているように見えて面白いです。
よく見ると台形になってるんですね。これもサイズが大きいことと関係あるのではと推測しています。
というのも、人間は体格のいい人でも、親指と人差し指を広げたときの距離はせいぜい17cmぐらいなんですよ。当然小柄な人だともっと小さいわけで、12cmのコースターが机にぺったりくっ付いていると持ちにくくなります。
あ! だから傾斜をつけて持ち上げやすくしているんですか。単にそういうデザインなのかと思ったら、理に適った気持ちよさがある!
こういう部分も何でだろう? と細かく見ていくと、思わぬ発見があったりしますよ。
DRAW A LINEのTension Rod
(写真提供 / 平安伸銅工業)
ん? これは突っ張り棒ですか…? 突っ張り棒だけどすごく洗練されてるな。
突っ張り棒のイメージが変わりますよね。これは突っ張り棒のトップシェアメーカー〈平安伸銅工業〉のプロダクトです。アイデア次第で暮らし方をガラッと変えてくれる優れものでして……。
たとえば、デスク周りにマグカップやグラスを置くのってちょっと怖いですよね。万が一、パソコンとかタブレットが濡れてしまっては大変です。そんなときはこのアイテムの出番です。
こういうふうにトレイやテーブルを取り付けられるのでここに食器を載せれば、うっかり倒してしまうこともなくなります。作業スペースも広がって便利ですよ。
便利すぎる! 使いこなせる自信がないんですが、これを使いこなせている自分に出会いたいです。
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いやあ~、たっぷりと良いものをご紹介いただき、ありがとうございます。今まで見えてなかったものが見えてくるようで、なんだかウットリとする時間でした。
お役に立てたのであれば良かったです。なにか気になるアイテムはありましたか?
正直ぜんぶ欲しくなってしまったのですが、少しずつ自分で使い心地を試しながら、自分なりの物へのこだわりを育てていこうと思いました。
最初のカップも人となりが現れていて素敵でしたから、ぜひあちらも大切に使ってくださいね。
はい!
雑貨を愛する渡辺平日さんのお話を聞いた後、「コーヒーにミルクを注いだ時の見え方」の話が妙に心に引っかかり、手始めにKINTOの「ダブルウォール カクテルグラス」を購入して使ってみました。冷たい飲み物をデスクに置いてもぜんぜん結露しなくて、こいつは確かにすぐれものです。
そして初めは「大丈夫なのかな?」と思っていたグネりんカップも、色々な物に対する愛情や洞察のお話を聞く中で、「またとない器だし、味があってこれはこれでいいぞ」という気持ちに変化しました。おひたしとか入れてみても割とアリだな。
新しくて良い商品を探すことと、古いものを大切に使うことは深い部分ですごく繋がっている。他人の目から見てどうというよりも、自分の中のそういう感覚を育てていくことが、物を選ぶという行為の楽しさに繋がっていくのかもしれません。
(photo /小出和明)