あと少しで2019年も終わり。皆さんにとってどんな年でしたか?
ジモコロでは今年の夏から徳谷柿次郎・ギャラクシーのダブル編集長体制がスタートし、「地元」と「仕事」をテーマに、これまで以上にバラエティ豊かな記事をお届けしてきました。その数なんと169本!
年末年始の休みに、見逃した記事をぜひゆっくり読んでいただきたい……ということで、両編集長が厳選した10本を、ふたりの来年への抱負とともに紹介します。
実家のこたつで、帰省や旅行の電車で、ぜひぜひのんびり読んでみてください〜!
▼徳谷柿次郎
株式会社Huuuu代表取締役。全国取材で買い集めた大量の調味料を使った料理にハマりつつある。その流れで読み始めた漫画『美味しんぼ』の食の奥深さとウンチクにうなる日々を過ごす
▼ギャラクシー
株式会社バーグハンバーグバーグ所属。最近無理して高価な革ジャンを買ったので、元を取るためにそればっかり着ている
柿次郎のおすすめ記事5本
2019年に公開されたHuuuuの記事の中から5本を紹介します。地方だけでなく東京も含めた「ローカル」を深掘りした記事から、ウェブではなかなか言語化されていない新しい生き方や価値観を伝える記事まで、柿次郎が厳選しました!
北海道・函館で30年以上店を構え続けているパン屋「ぼんぱん」。毎朝早朝に起きてパンを仕込み、ひとつ数百円の価格設定で売っているわけですが、数十円の利益を積み重ねて娘三姉妹をどうやって育てたのか?
そんな疑問について、「ぼんぱん」店主の娘であるライター・きむらいりが両親取材を敢行。パン屋の知られざるビジネスのウラ側から家族の物語まで、ホックホクに発酵したエピソードが盛りだくさんでした。
これぞローカルを舞台にしたジモコロ取材の醍醐味なのかなと改めて思います。未読の人はぜひ読んでください!
東京に住んでいると、中央線のカルチャーは異常なくらいディーブだな?と思ったことありませんか。
中野、高円寺、そして本記事のテーマである「西荻窪」……。町の成り立ちは歴史とワンセットで語られがちですが、フタを開けてみると世界の都市研究をしているファーラー・ジェームズ教授が登場。関東大震災と太平洋戦争が、現在の西荻窪カルチャーに繋がっていきました。
歴史好き、民俗学好き、ブラタモリ好きにはたまらない記事となっています。公開後、じわじわとSNSで反応が増え続けたのも印象的でした。
ジモコロを含めたローカル取材で大変なのが「離島」です。
鹿児島の西側に位置する「甑島(こしきじま)」は、鹿児島空港から車で約1時間、フェリーで約50分と決してアクセスはよくありません。ただ離島としての魅力・ポテンシャルは素晴らしいものがあります。青い海、きびなご、世界の考古学者が「半端ない!」と興奮しきりの地層と化石たち……。
そんな力強い離島でローカルプレイヤーが思いつくかぎりの事業(14個!)を片っ端から形にしている山下賢太さんは、観光産業としても難しくなる時代の流れに逆らう「島の守り人」でした。
インタビュー中に取材班が涙するほどの熱量をギュッと詰め込んでいるので、この記事を読んで春先にでも「甑島」へぜひ遊びに行ってください。
毎年台風被害の驚異が増している日本ですが、気圧の変化で現代人を悩ませているのが「低気圧の偏頭痛」です。
そもそも低気圧と頭痛の関係性は? どう対処すればいいの? 頭痛専門の先生に話を聞いて丁寧にまとめた結果、「片頭痛 気圧」で検索トップに……! 台風が近づいて気圧が下がると、この記事が大勢の人に読まれるスパイラルが生まれました。
検索結果からジモコロにたどり着いてもらえるのはありがたい限り。来年も検索に強い記事も作っていきたいですね。
全国行脚をしていると多種多様な人たちと出会います。当時14歳(中学2年生)のキョウノオウタくんもその一人。長野で知り合ってから1年近い時間をかけてコミュニケーションを重ね、彼の個性や悩みを理解した上でインタビューしました。
記事の大きな目的は、学校に行く/行かないの話よりも、まずはオウタくんの存在を可視化すること。そしてビデオグラファーとしての才能を伸ばしてほしかったんです。ひとつの記事が名刺代わりになることで、意外と人生は切り開けるもの。僕がジモコロを通じて、過去に何度も体験したことです。実際この記事の後で、彼はいくつかの仕事を掴んでいます。
大人が作ったきっかけで、成功体験と失敗を積み重ねる。このシンプルで大切な環境を少しでも用意できたのは、ジモコロにとっても意義深いんじゃないでしょうか。
オウタくんが撮影した「長野県天龍村」(高齢化率日本No.2の村)のツアー映像もぜひ。動画ネイティブのセンスが光る…!
2020年は日本に大きな変化が訪れる年。地方創生? SDG`s? 時代の流れと共にローカルを取り巻く環境もより厳しくなってきている印象です。毎年、東京の人口が10万人ずつ増えているのが何よりの証拠。地方の若者がどんどん抜けていって、日本を支える一次産業の高齢化が加速するハードな時代なんですよね。
私は長野と東京を行き来しながら全国47都道府県を周るのはこれまでと変わりませんが、ジモコロきっかけで入り込んだこの世界、引き続き課題に立ち向かっていく所存です。取材を通して出会った20代、30代、40代のプレイヤーたちは、みんな目をキラキラさせながら、いつか時代がひっくり返るのを待ち望んでいます。私もその時が楽しみで仕方ありません。
その日までジモコロが存在し続けることの価値を信じて…!
ギャラクシーのおすすめ記事5本
続いてギャラクシーはバーグハンバーグバーグが製作した記事の中から5本を紹介。おもしろ記事や、気軽に読める仕事&ローカル記事をチョイス!
当初はまったく売れなかったのに、じわじわと口コミで売れていくのがスペクタクルでおもしろかった。
ブラックサンダーというと色んな企業やキャラクターとコラボしてる印象ですが、その一番最初が『神谷浩史・小野大輔のDearGirl〜Stories〜』という声優さんのラジオだったのも驚きました(その番組のファンだったから『あれが最初だったの!?』ってなりました)
昔からホントかよと思っていた「アメリカの働き方は最高! それに比べて日本は……」という言説。4000リツイートされてるんで、みんな気になってたんですね。
まとめると、「アメリカはフェアだけど、フェアだからこそ仕事できる人にはどんどん給料を払うし、仕事できない人には全然優しくない」とのこと。
僕は日本のほうがいいです。仕事できないから。
猫が山ほどいる孤島の紹介。飛ぶ猫の撮り方や、島の文化なんかをちゃんとレポートしてて良い記事です。美しい瀬戸内海に囲まれた島で、景色が最高だったな~。
後半に意外な出会いがあったのも、ドラマみたいで良かった。
よくある座談会にめちゃめちゃスゴイ人を呼んだらどうなるかなーと思ってやってみた記事です。
こんなヘンな企画なのに、ももクロの4人は全員めちゃめちゃ一生懸命「あるある」を考えてくれて、超かわいかった~~!
ネットではマンガに関する「正確な情報」「役立つ情報」がすぐに手に入るわけですが、僕は、放課後の教室で気楽にマンガのことを喋っていたあの空気感の記事が読みたかった。
実際、座談会をやってる間中ゲラゲラ笑ってすごく楽しかったです。
このシリーズ、他にもやる予定なので、どのマンガのを読みたいとか意見くださいね。
記事が、興味を持ってもらうための「入り口」になればいいなーって思っています。入り口さえあれば、あとは自分で進むことができるけど、なければ遠くからスカした顔で「あーそういうの、あるよねー」って見ることしかできないからです。
というわけで、「あーそういうの、あるよねー」ってならないように、2020年もわかりやすくて読みやすい記事を作るぞー!
来年もよろしくお願いします!
ジモコロでは2020年も引き続き、日本各地を飛び回りながら、みなさんが地元をいっそう好きになるような記事をお届けしていきます。
それではみなさん、よいお年を〜!!! 来年もよろしくお願いします!
☆過去の年末まとめ記事もどうぞ!