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【トラックドライバー】大型免許取得……それは給料“激”アップへのパスポート

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【トラックドライバー】大型免許取得……それは給料“激”アップへのパスポート

 

こんにちは、トラックに乗りながら漫画を描いている ぞうむしです。ジモコロでは以前、こんな記事を書きました。

 

【配送】トラックドライバーあるある50選【物流】

 

実は現在、トラック業界は未曾有のドライバー不足なんです!

以前は普通免許で4トン車まで乗れたのが、2007年に免許法が改正され、現在では2トン車すら一部運転できなくなりました(同じ2トン車でも総重量によって運転できる/できないがあります)。

そのため、普通免許しか持ってない人は、大きいトラックを運転できず、結果、ドライバー業界は圧倒的に人手不足なんです。

 

僕は、4トンまで運転できる中型免許を持っているのですが、大型を取得したら10トン以上の車でも運転が可能。圧倒的にトラックドライバーとしての幅が広がり、給料アップも期待できます。

だって2020年には国際的なスポーツの祭典がありますよね? そのための特需で、大型免許を持っているドライバーは高給で雇ってくれるという噂も……?

 

というわけで今回は、大型免許取得への道のりをレポートしてみます。

 

※ちなみに、マイクロバスなども運転できるようになるので、社員旅行や子どもの部活の遠征などで大活躍できます。まあ、そんな運転したくないと思うので、黙っとくのがかしこいですね。

 

大型免許の取得方法、期間、費用など

中型免許まで持っていれば、直接 試験場へ行って、1発合格を目指すという方法もあります。が、僕は教習所に入ることにしました。

なぜなら……

 

試験に使われるトラックのサイズが大きくなったから!

 

以前は、試験場で使われる車両のサイズは4トンで、普段トラックに乗っているような人であれば、さほど苦にならない大きさでした。でも、改正後は試験車両が本当の10トン車になったんです。

慣れてないとちょっとした山にしか見えません。

 

というわけで、いきなり巨大モンスターマシンを操縦する自信がない人は、教習所に行ったほうが良いでしょう。

 

必要な期間

僕の場合は、中型免許まで持っているので、学科無しの実技20時間。

普通免許しか持っていない人だと、実技だけで30時間、学科に1時間必要です。

実技は1日2時間までしか乗れないし、働きながらだと、1時間の教習すら大変なので、免許取得までには、平均2ヶ月半くらいかかるのではないでしょうか。

 

必要な費用

費用は、入学金の約27万円に加え、仮免、卒検にそれぞれ約1万円ずつかかるので、全部で30万円くらい必要。うぐぐぐ……高い〜!

※教習所によって違います

 

でも、一生モノのライセンスだし、本気出して大型トラックのドライバーをすれば、たぶん数ヶ月で元はとれます。

職場の先輩ドライバーによると、大型を持ってたら生涯年収が数千万は変わるぞ!……とのこと。ただしその先輩自身は、4畳半のアパートに住んでパチンコばっかりやってるような人なので、真偽の程はわかりません。

 

大型トラックドライバーの先輩 通称「便所サンダルさん」

 

ちょっと変わった適性検査

入校にあたっての最大の難関は、適正検査の中で行われる深視力。物体の遠近感、立体感、奥行きなどを捉える目の能力の一つです。
この能力により、物体の位置状況が把握できるため、大きな車を運転する時には非常に重要です。

 

今まで試されたこともないような能力なので、かなり戸惑うのではないでしょうか。

 

他は普通免許の時と同じような検査なので、誰でもクリアできます。すべてクリアしたら、いよいよ入校です!

 

実際の教習はこんな感じ

18歳で免許を取って以来、26年ぶりの教習所は、周囲を見渡すと若者ばかり。先生すら若い! 昔はもっと年取った鬼教官ばっかりだったけどなぁ。

 

久しぶりの「学生気分」に、かなりワクワクしてしまいました。ひょっとして……

 

ピチピチの女子大生と仲良くなれるかも!?

 

 

はい、大型トラックのクラスはオッサンばっかりでした。本当にありがとうございました。

 

というわけで、いよいよ実技の始まりです。

 

10トン車は巨大なので、乗りこむことすら一苦労。やっとのことで乗り込んで周りを見てみると……

 

車高、高ぇぇぇぇ~~~!!!

 

が、車高が高いということは、視界が広いということでもあります。道路状況の把握しやすさは乗用車の比ではありません。

 

最初は車体の大きさや幅、長さにビビり倒すと思いますが、教習所内のコースなら絶対に大型車が通れる設計になっているので大丈夫です。縦列駐車や方向転換(車庫入れ)も絶対入ります。

公道では「車体が通るかどうか」などの判断を自分でしなくてはいけないので、教習所にいる間に感覚をつかみましょう。

 

もうひとつ、驚くだろうと思われるのがブレーキ。4トン以上の大型車は、エアブレーキというシステムなので、乗用車や2トン感覚で踏むと信じられないくらいガツンと効きます!

 

・エアブレーキ

一般乗用車のが採用する油圧ブレーキとと異なり、外部から空気を取り入れて圧縮しブレーキにする機構

 

サイドブレーキを戻す時なんかには、エアーが排気されブシューッという音を響かせる。この音を聞くと、大きい車を運転してる感があり、テンションが上がることでしょう。

 

1段階目

大型免許の教習は2段階しかなく、すでに中型を持っている僕の場合は

1段階目で8時間乗車→見極め→仮免

2段階目は12時間乗車→見極め→卒検

合計20時間(学科なし)

という流れになります。

 

ちなみに普通免許しか持っていない場合だと

1段階目で12時間→見極め→仮免

2段階目で18時間乗車→見極め→卒検

合計30時間(+学科1時間)

となります。

 

1段階目で難しく感じたのが「隘路(あいろ)」。直線から曲がって枠線の中に一発で入れる、という項目です。

 

ハンドルを切るタイミングが想定してるよりかなり遅いんです。

右手に見える図のAの部分をだいぶ過ぎてからハンドルを切るのですが、通り過ぎてしまうのでは?と不安になります。

車体をラインに真っすぐ合わせるのが難しくて最後まで(検定でも)微妙にななめってました。

 

2段階目

 

1段階目で仮免を取っているはずなので、2段階目は路上にも出ます。一般ドライバーの小さな車(大型車と比較すると乗用車がラジコンみたいに見える)が足元をビュンビュン通っているので、めちゃめちゃ怖い!

 

といっても、路上講習のコースも大型が走れる道しか通らないので、必要以上に怯えることはありません(個人的には、通れる・通れないの判断こそ大型車両の運転におけるキモだと思います)。

 

テクニックとして難しく感じたのが、教習所コース内の縦列駐車です

 

普通車でも苦手なひとが多いといわれる縦列駐車……これが大型車ともなると、大きさ、挙動が全然掴めません。

僕は仕事で乗っているので感覚で入れることができたんですが、横から教官に「何番目のポールが見えたらハンドルを2回まわして!」など、口を出され、「なぜ2回まわすの?」なんて考え始めたら手と思考が追いつかなくなってパニックになります。

 

とにかく言われたままやればできるので、感覚を掴むまでは「自分はロボット自分はロボット」と割り切ったほうがいいです。

 

もうひとつ難しかったのが、後方確認。バックで入れて、奥のポールまで50cm以内に停車します。普通車と比較すると、運転席からの距離が長過ぎるのでめちゃめちゃ難しいんです。

 

検定の時に「こんなもん何に必要なんだ」とボヤいてた深視力は、ここで必要になってきます。車体の端がどこにあって、奥のポールとの距離はどれくらいなのか、深視力で判断するわけですね。

 

後方確認に関しても、「まず最初に感覚を掴もうとする」のではなく、「ポールの色がここまで消えたらブレーキ」みたいに、機械的に覚えたほうが楽です(それを繰り返していれば、勝手に感覚は掴めるから)

 

余談

あらゆる検定で必要になってくるのが、確認。曲がる前に「右・左」が基本であり、この時……

 

検定員に「ほら確認してますよ!」とアピールするため、首を大きく振ったほうがいい、という通説があります。

僕も石臼のごとく首を振っていたんですが、検定員さん曰く「目の動きを見てるんで、過剰な確認はしなくて大丈夫」とのことです。

 

卒業検定

実技をすべてクリアしたら、最後は卒業検定です。この時の緊張感はハンパなかった……。

僕だけではなく、教官サイドも緊張するそう。そんな教官を見てさらに緊張が高まり……という地獄のスパイラル。

 

しかも、検定の時は不正がないように、後ろに事務員さんなどが乗るんです。なんで急に!? 視線が一人分増えてさらに緊張は高まるのでした。

 

会社を休んでの試験だし、落ちたらまた休みをもらわなきゃいけない。同じ職場(運送会社)には、教習所に通わず、試験場で一発で取った先輩もいるのに……20時間も教習を受けて落ちたらどうしよう。

 

そんな心の葛藤については、僕からは何とも言えないのですが……物理的なアドバイスをひとつ言うと、『とにかくポールだけ見る』ことを心がけてください。

教習所内のポールなどに接触したら、その時点で即・検定中止なので、生き延びたければポールの位置を把握し、車体との距離を深視力で見極めましょう。

 

公道での検定もあります。

※公道で事故を起こすと自己責任なので、気をつけてくださいね

 

僕の場合は、黄色信号だけどタイミング的に行ったほうがいい!と判断して発進したんですが、その後、検定が終わるまでずっと「停まったほうが良かったかな? 教官も渋い顔をしてる気がする。だめだもう落ちたわ」という後悔が頭の中をグルグル回って、全然集中できませんでした。

 

さて、そんな調子で我ながら全然できてなかった卒業検定ですが、さて結果は……?

 

 

 

 

 

やったああああああああああああああああああ!(何でそんなにもったいつけるの?!)

 

僕が通った教習所は国の認定校なので、試験場での実技は免除されます。中型を(普通でも)持っているので、筆記試験も必要ありません。

試験場で行われるのは、視力、深視力の検査のみ。あとは数時間の手続きで取得できます。

 

僕は教習所を卒業したその足で試験場へ向かい、大型免許をついに取得できました。

 

まとめ

結局、僕は2ヶ月半で教習所を卒業できました。

仕事をしながら教習所に通ったので、18時に勤務を終えて19時に教習所へ、家へ帰るのは20時とかでしたが、不思議と疲労はありませんでした。

久々の学生気分で本当に楽しかったです。

 

なお、教習生たちと仲良くなれるかな? なんてワクワクしていましたが、誰とも一言も話すことはありませんでした。

 

費用

入学金 43,200円

授業料 194,400円

夜間料 25,920円

適正検査料 2,490円

高速手数料 2,160円

合計 268,170円

 

期間

約2カ月半

※普通免許しか持ってない人はもう少しかかります

 

 

さて、大型免許を取得してから何か変化があったかというと、僕の場合、給料が……

 

1日300円アップ

 

しました!

苦労の割に微々たるものだな~と思うかもしれませんが、1ヶ月で7,200円、1年で86,400円のアップです。

3年ちょっとで大型免許取得にかかった費用は元がとれる計算ですね。

※僕の会社では、免許さえ持っていれば、大型車に乗ってない時でも「大型手当」が付きます

 

みなさんの会社にも毎年 昇給ってあると思いますが、一気に8万以上も給料がアップしたと考えてください。ね?すごいでしょ。

 

というわけで、大型免許を持っていないトラックドライバーの人……もしくは別業界で働いてるけどトラックドライバーになろうと考えている人は、大型免許の取得を考慮してみてください。

 

ちなみに大抵の運送会社には大型取得費用をフォローしてくれるようなシステムがあると思います。僕の会社にもあったんですが、免許だけ取ってすぐ辞めるような人がいたからか、「3年間は辞めません」という誓約書を書かされます。

僕はそれが厭だったので自腹で取りました!

 

だってせっかく大型免許を取ったんだから、もっと良い会社に転職することだってできるかもしれないでしょ? 稼ぐぞ~!

 

 

取材協力:福岡県公安委員会指定 大善寺自動車学校

 

 

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