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ジモコロ流の防災訓練‼︎ V字回復した「草津温泉」に60名集めて自腹で楽しんできた

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ジモコロ流の防災訓練‼︎ V字回復した「草津温泉」に60名集めて自腹で楽しんできた

♪草津よいとこ 一度はおいで

ア ドッコイショ

お湯の中にも コーリャ

花が咲くヨ

 

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♪チョイナ

 

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♪チョイナーーーーーーー

 (※群馬地方民謡『草津節』より)

 

こんにちは、ジモコロ編集長の柿次郎です。突然ですが「草津温泉湯もみショー」の一部をお届けしました。

 

さて、今回なぜ僕が草津を訪れたかというと……答えはひとつ!

「ジモコロ草津応援ツアー」で、草津温泉の今を伝えるためです!

 

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ジモコロ草津応援ツアーとは?

ジモコロでは2016年の熊本震災直後、被災地の正しい情報を伝え、現地の観光に貢献すべく「100人のライターを集めて、自腹でお金を落としながら、情報発信をする」という震災支援イベントを行いました。

 

自腹で情報発信! 熊本震災支援イベントに「100人のライター」が集まった結果

 

ツアーでは地元の方から目一杯おもてなしを受け、心揺さぶられる時間を過ごしたことで、参加者全員が熊本を大好きになって帰ってきました。

また、熊本での体験を通じ、僕自身「何か起きたときに現地に乗り込み、情報発信することの大切さ」を強く感じました

 

そして2018年1月23日、群馬県にある草津白根山(本白根山)で噴火が発生。

 

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草津白根山から約5km離れた草津温泉に、噴火による直接の被害はありませんでした。しかし、直後に宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、地元の温泉などでは推定3億円の被害が出たと言われています。

 

熊本でやって草津でやらない理由はない! みんなで草津温泉を応援したい!

そんな想いから、今回のプロジェクト「ジモコロ草津応援ツアー」がスタートしたのです。

 

・自腹で参加し、草津温泉を全力で楽しみ、全力でお金を落とす

・現地の姿を「#ジモコロ草津応援ツアー」というハッシュタグをつけてSNSで発信する

 

と、企画の内容はとってもシンプル。

 

4/1(日)〜2(月)という年度始めの平日にかかる強行日程にも関わらず、総勢60名が参加! 

そんなジモコロ草津応援ツアーの2日間の模様をレポートします!

 

若者たちで賑わう草津温泉

硫黄の匂いに包まれた草津温泉へ降り立つと同時に、あることに気がつきました。

あれ、めちゃくちゃ賑わってる? 

 

しかもその多くが若者たち。温泉街といえば観光客の平均年齢が高くなりがちなのでは?と思いきや、10〜20代とおぼしきカップルの姿もあちこちに。

 

ライターのヨッピーさんも先日、おでかけ・旅行メディア「SPOT」にて草津を取材しているのですが、どうやら草津の盛り上がりの秘密は町長が「街の整備」を進めたことにあるようです。

 

以下、ヨッピーさんの「SPOT」の記事を元に草津温泉の復活劇について紹介します!

 

 「観光客を300万人に戻す」を公約にした町長

草津温泉はバブル期をピークに、観光客数が減少し続けていました。

ピーク時の300万人から265万人にまで減少した頃、現町長の黒岩信忠さんが就任!(ちなみに黒岩さんは、草津町や東京都内でも事業を手がける実業家です)

 

そして黒岩町長は

「観光客を300万人に戻す」

を公約にしたのです。

 

 観光の中心を「旅館から街」へ

300万人を草津に呼ぶべく、町長が取り組んだのは街の整備でした。

 

まず、草津にしかない観光名所を作るべく「湯畑の夜間ライトアップ」をスタート!

 

「旅館で温泉に入って、旅館でご飯を食べて、旅館でお土産を買って帰るっていうのんびりした旅行ももちろん良いんですが、でもそれだと地域にお金が落ちないし、東京の人なら『箱根でいいや』とか『大江戸温泉でいいや』ってなるじゃないですか。だから『街そのものにもっと魅力を持たせなくては』っていう。湯畑の夜間ライトアップなんかは私からはじめたんですが、そうすると観光客が夜の街に出て来るんですよ」」(黒岩町長・SPOT記事より引用)

「そして撮った写真をInstagramにアップして頂くことで、それを見た友達が『いいな~!私も行きたい!』ってなりますよね。それで写真撮ったあと、そのまま近くの居酒屋に入ってお酒を飲もうとかね。街で遊ぶきっかけになるじゃないですか」(黒岩町長・SPOT記事より引用)

 

旅行客が「自然と夜に旅館から出て行きたくなる仕組み」を作り、それが街にお金を落としてもらうことにつながる……完璧な作戦ですね。たしかに湯畑、めちゃくちゃインスタ映えします。

 

さらに、江戸~明治にかけての建築を再現した公衆浴場「御座之湯」の整備も。

観光客の人たちが喜んで入るような魅力的な公衆浴場を作れば、観光客が旅館以外の温泉も利用する=街へ出る、というわけですね。

 

町長が「街へ出てもらう」ことにこだわったのは、観光客が旅館で過ごしてばかりで街に人が歩いていないと、さびれた雰囲気になってしまうから。

 

「街に出る動機作りですね。観光地って「華やかさ」が必要なんですよ。人気の観光地である軽井沢にしろ箱根にしろ、やっぱり華があるじゃないですか。その華やかさに惹かれて人が来るので、ある程度の賑わいは必要だと思うんです」(黒岩町長・SPOT記事より引用)

 

上記のような改革で街が賑わい、観光客も増加。

平成27年に公約の300万人を達成、平成29年は噴火さえなければ330万人が訪れる予想だったそうです。

 

見事、観光客数をV字回復させた町長ですが、「とにかく、草津温泉は今どんどん新しい事にチャレンジして、魅力ある街づくりに邁進してます」とのこと。こんなパワフルな町長が率いる草津、まだまだすごいことになっていくはず!

 

どんだけ楽しいんだ、草津

さて、想像以上に賑わっていた「NEW草津」。その魅力をツアー参加者のツイートから紹介します!

 

約70年も地域の人がボランティアで整備しながら続いている共同浴場が、草津には全19カ所も(観光客が入れるのは3ヶ所)。

僕も週に5日は温泉に入らないと死ぬ温泉中毒なのですが、草津の硫黄成分が強いお湯は、ほかでなかなか味わえない感覚。どんどん癖になっていきます。

 

江戸時代から日本有数の温泉として栄えた草津。あらゆる大物政治家や芸能人、作家なんかが訪れていてビビります。

 

この「まんじゅうおじさん」の圧はマジですごいです。歩きながら食べるまんじゅうの味は格別なので遠慮せずにガンガンもらっちゃいましょう。

 

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記事の冒頭でも紹介した「湯もみショー」は、温泉街の中心にある「熱乃湯」で1日6回上演。

こなれたトークスキルが炸裂する司会のお姉さんと、地域のご婦人っぽい湯もみガールズたちのビジネスライクなテンションの温度差も魅力です。

 

湯もみとは……湯温を入浴できる一定の温度まで下げるために、厚板で熱湯をかきまぜること。草津温泉の源泉は50度~90度と高温なため、江戸時代より「湯もみ」が伝えられてきた。温度を下げるだけでなく、湯を柔らかくする効果もある。

 

ちなみにこの湯もみショー、なんとお客さんの飛び入り参加も可能! 参加するには1階に陣取っておくのがコツです。僕は知らずに2階から見物していて参加できず……。

 

 

 

そして忘れちゃいけないのが、草津復活の立役者である「夜の湯畑」

 

 

ライトアップされた一面の景色は幻想的! これ彼女や奥さんと来てたら最高でしょ……ムード高まっちゃうこと間違いなし……!

 

「天然温泉・食べ歩き・最高な景色」の三拍子がそろったところですが、草津温泉の「おもてなしの底なし沼」はまだまだ続きます。

 

 

草津温泉の「本気のおもてなし」はすごかった

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宿泊先である「ホテル櫻井」に向かうと、立て看板がお出迎え。こんな風に歓迎されたのは人生で初めてだー!

 

ホテルのロビーも宴会場もシャンデリアやじゅうたんで飾られ、ビビるくらい豪華でした。こんなホテルがあるなんて、さすが一大温泉地・草津……!

 

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料理もメチャクチャ美味しいし、仲居さんの心のこもったおもてなしと笑顔でベロベロに酔っ払いそうになりましたが、楽しんでばかりではないのが今回の「ジモコロ草津ツアー」。

 

実はもう一つ、大事なコンセプトが用意されていました。

 

 

情報発信チーム「Doooo!」(ドゥー)とは?

 

そう、今回のツアーには災害時に現地へ飛び込み、情報発信するためのチーム「Doooo!」(ドゥー)の発足という目的があったのです。

 

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写真左から、柿次郎、アウトドアショップ「Purveyors」の小林宏明さん、ホームレス芸人の小谷真理さん

 

宴会の終盤にはトークセッションを開催。僕とともに今回のツアーの発足人をつとめる、群馬桐生市にあるアウトドアショップ「Purveyors」小林宏明さん、さらに緊急参戦してくれた「ホームレス芸人」小谷真理さんとともに、いざ壇上へ。

 

「そもそも、なぜ今回のツアーを企画をしたのかというと、熊本震災の時の応援ツアーを通じて『やらないよりやることの意義』を強く感じたからなんです

「俺が『熊本でやって草津でやらないの?』って柿次郎を焚きつけたのもあるけどね(笑)。現地に行かないと見えてこないホントのことってたくさんあるもんな」

「今回のツアーで僕が一番伝えたいのは、とにかく『やる』ってことなんです。災害時には考えるよりもまずは動いて、動いてから考えようよっていう

 

ホームレス芸人の小谷さんもまた「考えるより先に動いた」一人。2018年2月に台湾でマグニチュード6を超える大きな地震が起きた際、真っ先に現地へ向かったのです。

 

「東日本大震災のときに台湾が日本へ桁違いな支援をしてくれたので、そりゃ向かいますよね。するべき支援も、動かないとわからないと思って、とりあえず身一つで飛行機に乗り込みました」

「現地はどんな状況でしたか?」

「実際に見に行ってみると、地震の6日後にはなんの問題もなく街が動いていましたね。現地の人から『なんの問題もないし不足もしてない』といわれてびっくりしました。さらにわざわざ来てくれて嬉しいと、めちゃくちゃおもてなしされましたよ」

「すごい!台湾の人ってパワーあるなあ」

「台湾での体験をふまえ、僕が台湾の人のためにしてあげられることは『もっと知ること』だと思ったんです。だから、皆さんも現地へ行くことが、地元の人にとっては一番のお返しになると思います」

「確かに熊本の時も、とにかく『行ったこと』に現地の人が心から喜んでくれたんですよね。今回の草津温泉もそう。災害直後にすぐ行って、知って、情報発信することで少しでも風評被害を減らせたらと思います

「今回のツアーって、僕的には『ジモコロ流の防災訓練』なんですよね。次に災害が起きたときの予行演習みたいな。ツアー直前に作った『Doooo!』の手ぬぐいも、知り合いのデザイナーに急遽頼んで作ってもらったんです」

「そんな風に、何かあった時に巻き込める人たちのチームを作っておきたかったんですよね」

 

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「僕は『Doooo!』のメンバーには、それぞれが持ってるリソースを提示してもらいたいんです」

「リソースを提示する?」

「僕のまわりにはライターや編集者、メディア関係者が、小林さんの周りにはミュージシャンやアウトドア業界の人が、小谷さんのまわりにはお笑い関係の人がいますよね」

「そうですね」

「災害が起きたら、最初は情報発信やボランティアが必要。でも、落ち着いてきたタイミングでは、音楽やお笑いなどのエンタメがすごく大事になってくるそうなんですよ。だから、その時にそれぞれの知り合いがリソースを差し出して動けたら、できることがあるんじゃないかなと思っていて」

「そのためのチームが『Doooo!』だと」

「はい。実は僕も東日本大震災の時に東京にいて、すぐに動けなかった人なんです。同じように、何か起きた時に動きたいけど、動き方が分からないっていう方は多いと思います。だから、次に何かが起きたとき動ける準備をしておきたいんです。まさに防災訓練ですよね」

 

 

「Doooo!」の今後の動き

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「今後の『Doooo!』はどんな活動をしていくんですか?」

「まずはリソース集めですね。集まった方々のリソースを整理して、緊急時にチームでどう動くべきかを考えたいんです」

「ただ、日にちが経つと、みんなすぐ忘れちゃうからなあ」

「そこなんですよね。でも災害が起きるのは急だからこそ、日々の防災意識が大切なはず。今回のツアーだけでなく、ふだんから防災について考えられるようなコンテンツも発信していけたらって考えてます」

「うん、ぜひみなさん協力をお願いします! できればチームの一員として」

 

「最後に伝えたいのが、災害時に限らず『Do』って今必要なマインドだと思っていて

「『Do』がですか」

「ええ、われわれの生活を支えてくれてる一次産業……農業や林業、漁業って、色んな課題に直面していたりするんですね。そういう課題の解決に向けても『Do』のマインドは必要だなと」

「何か行動しなきゃってことですね。それは確かに」

「日常に追われて、大切なことになかなか気づけない世の中になってるのかもね。そういう『ちゃんと気づこうとする意識』って緊急時にも役立つと思うな」

本やテレビだけ見て満足してちゃ駄目なんですよね。やっぱり自分の時間を使って、現地へ足を運んで、そこで感じたことを自分の言葉でどう伝えるか。本が苦手な人でも、直接会って聞いた話なら、自分ごととしてめちゃくちゃ頭に入ってくるんで」

「『自分ごと化』していくのが大切なんだろうな。他人事のままだと、きっとずっと動けない。今回、どうしてもツアーに参加はできなかったけど3000円分のおまんじゅうを『みんなで食べて』って届けてくれる人もいた。それもひとつの『Do』じゃないかな」

「小さなことの積み重ねですね……みんな、Doしてこー!!」

 

宴会&トークセッションはDoooo!の決起集会として盛り上がりとともに終了。ツアーの参加者は温泉や部屋飲み、地元のスナックへと繰り出し、夜遅くまで草津を楽しんでいたようです。

 

参加者も、ハッシュタグで様子を見ていた方も、それぞれに考えていただくきっかけになったようです。

 

さらに、参加者によるツアーのレポート記事も!

 

イラストレーターの中村一般さんの漫画レポ

 

あいめいさんのレポート記事

 

防災をテーマに様々な情報を発信するWebメディア『未来防災課』の斎藤啓之さんのレポート記事

 

力の入った記事ばかりなので、こちらもぜひご覧いただけたら!!!

 

おわりに

とにかく楽しみ、地元にお金を落とそう!という今回のツアーの目的は、無事果たすことができました。そして、これから「Doooo!」としての活動もスタートします。

 

【まとめ】知って備えよう!ジモコロの「災害」記事12選

ジモコロの災害に関する記事のまとめもあるので、ぜひ確認してみてください!

 

予期せぬ災害が毎年のように起こる今、もう災害は他人事ではありません。災害だけでなく、皆で取り組まなければいけない課題たちが、実は身近にたくさんあるのです。

この記事がそれらを「自分ゴト化」して考えてもらう、ひとつのきっかけになれば幸いです。

 

それではまたー!

 

写真:なかむらしんたろう(Instagram)、藤原 慶(Instagram


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