聖子~!!!!
明菜~!!!!
たのきん~!!!!!!!!わたしはマッチ派~!!
どうも、80年代大好きライター、みらいです。
私は今、昭和歌謡曲バーというオアシスに来ています。
町田ヒットパレード
住所:町田市原町田6-18-2 アークビルB1F
電話番号:042-785-5202
営業時間:19:00~翌日4:00
昭和80年代のカルチャーって本当に素敵ですよね!
といっても、私は1993年生まれ。リアル世代ではありません。そんな私がなぜ80年代大好きなのかと言えば―
ハイこれ!
どうですか?
どうなんですか???
私、気合いを入れておしゃれしても、周囲からは「古い」と言われてしまうんです。
でもこれ、古いんですか?
私が「おしゃれだな」「素敵だな」と思うものって、80年代のアイドルみたいに、女の子らしくて、かわいくて、守ってあげたくなる……そういうものなんです。文句あります!?
そんな私にとって、80年代はまさに憧れ!
あぁ、松田聖子さんと同じ時代を生きて、その魅力について同級生と語り合いたかった!
リアルでその時代を生きた人は、どんな青春を送ってたんだろう?
もっと80年代のことを知りたい!
まずは80年代アイドルについて話を聞く
というわけで、昭和歌謡曲バー『町田ヒットパレード』で営業企画部長を務める小原直子さんに話を聞いてみます。
小原さんにとって80年代はまさに青春真っ只中! 憧れのアイドルは松田聖子さんと堀ちえみさんだったそうです。
なお、ジモコロ副編集長のギャラクシーも、80年代ドストライク世代ということで、話に参加してもらいました。中森明菜のファンだったそうです。
「今日はよろしくお願いします! 80年代と言えばアイドル全盛期ですよね。当時のアイドルは今と比べてどう違ったんでしょうか」
「今はアイドルというと、AKBみたいに団体が多いですが、当時はピンの人が多かったですね。一人ひとりが個性的で、歌が上手かったイメージです」
「だってあの頃、よく『松田聖子は歌がヘタ』って言われてたからね」
「えーっ!!あんなに上手いのに!」
「今聴くと僕も上手いと思いますが、あのレベルでヘタって言われる時代だったということなんですかね」
「聖子ちゃんは『ちょっとオンチな方がアイドルとして可愛い』から、あえて下手に歌ってた……という説もありますね」
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「小原さんは聖子ちゃんが一番好きなアイドルだったんですか?」
「根っからの聖子ちゃんファンです。今も毎年欠かさず武道館のライブに行ってます。ちなみに、よく娘を連れて行ったせいか、今では親子二人でファンになりました(笑)」
「わー、羨ましい! 私も聖子ちゃんが憧れの女性(ひと)です! ルックスも最高なんですが、なんと言ってもまず、歌が良いですよね! 松本隆、細野晴臣、松任谷正隆といった豪華な作詞家・作曲家がついていたというのも、もちろんあるんですけど、あの甘い声と魅力的な歌い方あってこそではないでしょうか。そして、いつだって“皆のアイドル聖子”を演じるプロフェッショナルな生きざまがかっこよくて、私の永遠の憧…………」
※注:読まなくても大丈夫です
「うるせぇ!」
「まあ、語りたい気持ちはわかります(笑)」
「申し訳ありません、我を忘れてしまいました。というわけで小原さんは聖子ちゃんファンだったそうですが、ギャラクシーさんは誰のファンだったんですか?」
「あえて一人挙げるなら、中森明菜ですね。背伸びしたい年頃だったんで、ああいう、ちょっと不良っぽくて色っぽいお姉さんに憧れてました。歌詞も大人びてて、衣装も歌い方もエロかったなぁ……」
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「アイドルを邪(よこしま)な気持ちで見るのはやめてください」
「他には、杉浦幸が好きでした」
「あぁ!『ヤヌスの鏡』とか『このこ誰の子?』(どちらも当時流行ったドラマ)とかに出てた人! 彼女が出るドラマは全部ヒットしてましたね」
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「あと、流行に敏感な子はキョンキョン(小泉今日子)が好きでしたよね。店に来るお客さんの中でも一番人気だと思います」
「今でこそショートカットのアイドルは珍しくないですけど、当時はすごく衝撃的だったのでは?」
「クラスですごく話題になりました。あれ、事務所に黙っていきなり髪を切っちゃったらしいですね。そういう、奔放で自分を持ってるところが、女子にもウケてたんです」
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「やばい、永遠に喋っていられる……」
「そういうバーです」
当時のアイドルとの関わり方とは?
「当時は今と違ってネットなんてなかったわけですよね? 好きなアイドルの情報はどうやって集めてたんですか?」
「明星(現:Myojo)とかの雑誌を買ったり、番組表を調べて出演番組をチェックしたり、ファンクラブに入ったり……」
「ファン側から、かなり能動的に動かないと、情報は入ってこなかったわけですね」
「今って、歌番組のトーク部分も長いし、本人のブログ、SNSなんかで、アイドルの日常生活すら簡単に知ることができますよね。それは、彼女たちを身近に感じることができるという良さもありますけど……」
「うんうん、あの頃はそうじゃなかった。アイドルって別世界の住人でしたよね」
「そう、身近に感じるなんて恐れ多いカリスマだった。だからこそ、想いが強く募ったのかもしれません」
「ブラウン管の中にしか存在しない、生きる伝説だったんですね。私も、80年代アイドルたちの“天上人”感に、惹かれる部分はすごくあります」
「昭和の歌謡曲は、今の若者が聴いても心に響くと思います。あの頃の曲の良さって、言葉にするとどういう部分なんでしょうか」
「メロディや歌詞がシンプルで、覚えやすいっていうのが、まずあると思います。あと、単純に聞き取りやすいですよね」
「確かに! 歌詞カードがなくてもすぐ覚えられる!」
「詞もストレートだから、共感しやすいんですよね。今のアーティストが、昭和の曲をカバーすることもあるじゃないですか。シンプルだからこそ、どの世代にも受け入れやすいのかなって」
「エグザイルの『銀河鉄道999』とかですね。良い曲は世代を超えるんですね……!」
「80年代には憧れを感じているんですが、当時を生きたリアル世代としては、80年代ならではのマイナスの部分があったのではないでしょうか?」
「ありましたよ~! やはり何かにつけ、情報が少なかったというのが大変でした。例えば曲の視聴もできなかったから、レコード屋でジャケットだけを見て買ったりしてね」
「ジャケ買いってやつですね。そう考えると、ネットで当たり前に視聴ができる今の時代は、ジャケ買いとう概念がほとんどないですね」
「あとは、本人の顔がわからないというのもあった。レコード屋の店頭で『杉山清貴&オメガトライブ』の歌を聴いた瞬間、声に一目惚れ(?)しちゃったことがあって―」
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「『どんな人が歌ってるんだろう』ってジャケットを見ても、海の写真がプリントされているだけ……歌っている人の顔が写ってなかったんですよ。今ならネットで検索すれば一発ですけど」
「神秘のヴェールに包まれていたわけですね」
「結局、声の魅力に抗えずレコードを買って、『きっとこういう人が歌ってるんだろうな』って想像しながら過ごしてました。実際にテレビで本人を見て、印象と違ったのでびっくりしましたが」
「それは、良い意味で?」
「…………何がですか?」
「わかりました。ありがとうございます」
「いや、コンサートにも行くくらいファンになっちゃたんですけどね。今でも大好きなミュージシャンです」
「ネットがないと、アイドルや歌手との出会い方もドラマチックですね! 今は情報が多すぎて、偶然の出会いから遠ざかってる気もしますね。情報が少ないって、ひょっとして良いことなのかも?」
「情報量が少ないと、クラス全員が同じ話題を共有できるので、それは良い面だったかもしれません。『昨日のベストテンで聖子ちゃんが1位だったね』とか、『明菜の衣装が可愛かった』とか、誰とでも話せた」
「知らない人とでも共通の話題があるって、すごく羨ましい!」
「確かにね。当時は透明な下敷きの中に、好きなアイドルの写真を挟むのが流行ったから、下敷きを見ればそいつの好きなものは大体わかるんです。気軽に『お前も明菜が好きなん?』って話しかけられたな」
「ありましたね! 私も『明星』とか『平凡』(どちらもアイドル雑誌)から、自分の好きなアイドルを切り取って、下敷きに入れてました」
今は一人ひとりの趣味が細分化されて、話題を共有することって、あまりないですよね。
知らない人同士でも、同じ話題で盛り上がれる……そういう、“世代全体の一体感”って本当に羨ましい……
本当に知らない人同士でも共通の話題で盛り上がれるの?
と、ここで常連さんが来店されたので、お話を聞いてみました!
80年代世代は、本当に共通の話題で盛り上がれるのでしょうか?
左が、『町田ヒットパレード』がオープンした直後から通っているという常連さん
「80年代はちょうど高校生だったな。僕はキョンキョンが好きだった」
「やっぱりキョンキョンは大人気なんですね!」
「高校時代、まだ素人の女子高生だった小泉今日子を、駅で見かけたことがあってね。素人なのに、当時すでに、可愛い子がいる!って有名だったんだよ。その後スター誕生でアイドルとしてデビューして、『やっぱり』って思ったな」
「普通の高校生だった頃のキョンキョン、私も見たかった……!」
「男性アイドルだと、吉川晃司が好きで、髪型を真似してましたよ。肩パット入れて」
「吉川晃司は僕も憧れてました。背が高くてカッコよかったなぁ。当時流行ってた『TO-Y』っていうマンガにも、吉川晃司をモデルしたキャラクターが出てた」
「哀川陽司ね(笑)」
「吉川晃司は、センスも個性的でオリジナリティがありましたね」
「(マジで知らない同士で話が合ってる……)」
「この店に来ると、あの頃の青春時代を思い出すんだよなぁ。この曲を聞きながら、好きな子にラブレターを書いたなーとかさ」
「手紙をハート型とかに折って、『to~さん』とか『Dear~さん』とか書いてね」
「あ、書いてた書いてた! 当時付き合ってたヤンキーの人に書いてた」
「どこの『ホットロード』だよ」
『町田ヒットパレード』のカウンターには、昭和のお菓子がズラリ。これだけでもすでに懐かしさ爆発です
「当時の若者には、どういうファッションが流行っていたんですか?」
「クラス全員が聖子ちゃんカットでした」
「いや、真面目に訊いてるんです」
「嘘みたいだけど本当です。私の卒業アルバム見ます?」
ドサッ
ドーーーン!!
「うわぁっ! ページが聖子で溢れてる! 本当に、全員聖子ちゃんカットだ~!」
「だから言ったじゃないですか。当時は、石を投げれば聖子に当たるって言われてました」
ちなみにこれが当時の小原さん。可愛い!!
「今も昔も、学生は制服を改造するものですが、今みたいにスカートを“短くする”子はほとんどいなかったです。むしろ、長くするのが流行ってた」
「“スケ番”と、“ぶりっ子”っていう、正反対のものが同時に流行ってたんだよなぁ」
「ぶりっ子志向の女子は、パステル調のトレーナーをよく着てましたよね。それで、袖をこうしてた」
こう
「してたしてた!」
「してた! アニメの女性キャラクターも全員それしてた!」
「全然分かんない。リアル世代の人には『あるある』なのかな。『町田ヒットパレード』に来ると、こういう話が無限にできるんですね。客層としてはやっぱり40~50代の方が多いんですか?」
「そうですね、世代ど真ん中の方が、懐かしさから店を訪れて、当時の話題で盛り上がったりしてます」
「知らない人同士でも、『俺もこの歌好きだったよー』とか『私もこのレコード持ってたな』とか言ってね」
「私のような小娘が入っていっても怒られません?」
「私も店を始めてから驚いたんですが、若いお客さんもよく来てくださるんです。昭和の曲が好きで歌いに来たり、当時の話を聞きに来たり。みらいさんみたいに、ここに来て『懐かしい』て言ってくれるんです」
「へー! リアル世代じゃないのに『懐かしい』って感じるのは、なんだか不思議ですね」
「私にはその気持ちが分かります。世の中が複雑になりすぎてて、疲れてる若者が多いんですよ! だから、昭和のシンプルで温かい曲を聴くと、安心するんですよね」
「若い人から見ても、今の時代って複雑なんだ? みんなが便利さを使いこなしてるのかと思ってた」
「だって、みなさんは、今の時代の複雑さとかスピードに、何十年もかけて慣れてきたんですよね? でも、今の子は生まれた時からいきなりこの複雑さだったわけで。ついていけない子は、最初からずっとついていけないって状態ですよ」
「めっちゃ理解した」
「今の子も大変なんだ……」
「では、疲れた時にはいつでも居らしてくださいね。会社の先輩や上司を連れてくるのもおすすめですよ!」
「なるほど! 昭和世代の上司を連れてきたら盛り上がるし、気に入られそう! そんな賢い使い方があったなんて!」
「次は客同士として盛り上がりましょう」
「ありがとうございます! まだまだ語り足りないので、絶対また来ます!」
まとめ
というわけで、今回は大好きな80年代の魅力を探るべく、昭和歌謡バーに来てみましたが、いかがだったでしょうか?
話を伺っているうちに、改めて感じました。あの時代のシンプルさやストレートさ、そして温かさを!
だから私は80年代のことが好きなんだって!
これからも、落ち込んだり悩んだりした時は、80年代歌謡曲を聞いて日々を生きていきます。
この記事を読んで、昭和歌謡曲の魅力が、私と同世代の人にも伝わったら幸いです。その暁には、一緒に昭和歌謡曲バーで歌い明かしましょう!
きっとマブい時間を過ごせるはず!
以上です。ありがとうござました。
(おわり)
町田ヒットパレード
住所:町田市原町田6-18-2 アークビルB1F
電話番号:042-785-5202
営業時間:19:00~翌日4:00
料金:
男性1時間2000円・その後延長1時間1500円|3時間セット4300円
女性1時間1500円・その後延長1時間1000円|3時間セット3300円
『町田ヒットパレード』は、時間内飲み放題で、懐かしの駄菓子も食べ放題。金・土・日は混み合うが、平日ならゆっくり静かに飲めるかもしれないとのこと。懐かしの昭和歌謡を聞いてカラオケを歌って、みんなで盛り上がりましょう!
書いた人:みらい
1993年東京は八王子生まれ。春霞のように生きることが目標のかけだしフリーライター。ゆるい記事書きます。お笑いとコーラが好き。
HP:http://miraisigoto.hatenadiary.jp/