こんにちは。ジモコロの「広告おじさん」及川貴雄です。
誰?って感じでしょうが、、、
こんなふうに後ろの方でこっそり片棒を担いだりしてきた人間です。
ジモコロもおかげさまで3年目に突入。
多くのみなさんに読んでもらえるようになって、とてもありがたいのですが、最近よく聞かれることがあるのです。
そもそも問題!なんでアイデムさんはジモコロをやってるの?
なんでアイデムさんはジモコロをやってるの?
編集長の柿次郎がアイデムさん騙して好きなことやってるだけじゃないの?
今日はそのあたりの「ジモコロ」の裏側、WEBマーケティング的な狙いと成果など、できるだけ赤裸々にリポートしたいと思います。
ジモコロの目的ってなんですか?
アイデムさんには「イーアイデム」というWeb求人情報サービスがあります。
ざっくり言えば、ジモコロはアイデムさんの企業ブランドの向上と「イーアイデム」のプロモーションのためにやっています。
まず、企業ブランディングの観点から見ると、ジモコロはアイデムさんの考え方や姿勢をつたえるオウンドメディア活動です。
昔はブランディングというと商品と店舗、広告なんかが主戦場だったわけですが、今は企業の態度や行動の事実がもっと重要になってきています。
嘘やただのイメージなんてすぐにウェブで丸裸にされてしまうので、メディア環境が企業に“事実”とか“誠実”を求めているわけですね。
アイデムのブランディングとしてのジモコロ
アイデムさんはふだん、仕事情報を通じて地域に活力を届けているわけですが、ジモコロとの共通点はまさにそこなんです。
まとめると以上のような目的でブランディング活動しているわけです。
アイデムさんの中でジモコロのフロントをやってくれている伊志嶺さんも以下のようにと言ってくれています。
「ジモコロでは様々なライターさんが記事を書いてくれていて、ライターさんごとに読者層や記事の拡散されるルートが異なるため、今までイーアイデムだけではリーチできなかった層(特に若年層)との接点がつくれていると感じます。SNS上でイーアイデムに関する反応が増えてきたのもジモコロを始めてからですね。
アイデムは新聞折込求人紙のイメージが強く、なかなかイーアイデム(Web)の認知度を高めることが難しかったのですが、採用活動の際に学生さんたちから『ジモコロ読んでます!』と言われたり、Web系の企業の方とお会いする時に『ジモコロをやっているイーアイデムさん』と言っていただくことがあったりと、数値面だけでない効果も感じています」
広告業界ではこういうのをひっくるめて「エンゲージメントが高まる」なんて言ったりするわけですが、言い方はなんにせよ、企業と人の関係を深めることが目的です。
でもだからこそ、、、
たとえば、ジモコロ×九州の取り組みがそうですし、最近の事例だとジモコロ×大雪渓もそうなります。
でも、ジモコロ×大雪渓はもう一つの目的であるプロモーションも意識した企画になっています。
今度は、そっちの側面から見てみます。
イーアイデムのプロモーションとしてのジモコロ
きっかけはジモコロの初代キャラクター「コロ沢」の非業の死です。
あまりにも突然の死でしたが、やっぱりキャラクターはいた方がいいよね、ということでカメントツさんに開発してもらった新キャラクターが「イエティ」でした。
いっぽうで信州安曇野でめちゃくちゃ愛されている大雪渓というお酒は、雪山がどーんとデザインされたとっても個性的なボトル。
このコラボは意外で面白いんじゃないか、ということでこんな座組みが生まれました。
ジモコロが間に入り企業コラボを記事化することで、大雪渓さんは新しい切り口でPRする。イーアイデムはツイッターキャンペーンに活用することでプロモーションにつなげる。ジモコロ的にも、新しいキャラクターであるイエティの存在感を高められるというわけです。
プロモーションの結果は?
そんなに爆発的に伸びたりしてるわけではありませんが、着実に反響があります。
ポイントはすべて自社メディア、自社企画で完結しているので、プロモーションを自給自足できているところです。
「これまでも弊社では何度かプレゼントキャンペーンを実施していますが、当選者からの反応の早さは今回がダントツでした。TwitterのDMで当選の通知をしたところ、あっという間にほぼ全員から返信をいただくことができ、賞品の発送までとてもスピーディーに進みました。日本全国への発送作業をしながら、ジモコロがなければずっとイーアイデムのことを知らないままだった人もたくさんいるよね~と思い、ジモコロの影響力を再確認しました。
『ジモコロが好きだから、当たって本当に嬉しい』という声の他にも、ジモコロの感想をたくさん書いてくださる方や、届いた日本酒を写真に撮ってツイートしてくださる方も多く、読者の皆さんの反応を見られたことは嬉しかったですね」
ひとりひとりに深く刺さっていることは確かだと思いますし、自給自足でここまでできるのは価値があるなと思います。
しかし、そうなると余計にこう思うのではないでしょうか?
それって結局、ビジネス的にはどうなの?
という疑問です。
深く刺さるのはわかったけど、狭くない?
この”問い”と言いますか、じわじわとしか効果を顕在化できないつらさというのは、オウンドメディアに携わる人の最大のハードルかもしれません。2年間の節目として、そのあたりもリポートしたいと思います。
で、本当に役立っているの?定量データから読み解きます
「定量的」というのはどれだけ拡散した、とかどれだけフォロワーが増えたという「実績」でもなく、「個人的な印象」でもなく、ある程度たくさんの人に同じ質問をして統計的に傾向を見る方法です。認知率とか、好意度とか、いわゆるタレント好感度なんかも定量データです。
この手の調査、やらなきゃやらなきゃと思いながら、なかなかできなかったのです。
調査の設計と実施をやったYOMIKOの佐藤さんいわく、、、
「ブランド施策における<効果の見える化>はとても難しい課題ですが、webアクセスなど『行動の定量データ』だけでなく、人々がジモコロに触れて持ってくれた『意識の定量データ』を把握してみることも大事なことだという話をアイデムさんとしました。
意外に、分かっていてもこういったことまでできない場合の方が多いと思うので、実施に踏み切っていただいたことはジモコロの今後を考える上で本当にありがたいことだと思ってます。
オウンドメディア1つで人の気持ちがどこまで動かせるのかは未知数だなと思ってましたが、できるだけ、広告代理店っぽい結果ありきの調査(自分もたまにやってしまうんですが…)にならないように、ジモコロの現在地点をきちんと見てみようという気持ちで設計はしてみたつもりです」
そうなんですよね。オウンドメディア施策で人の気持ちがどこまで動くのか?
これを調べるのはちょっと怖い。あんまり動いていなかったら「意味ないからやめましょう」という話になってもおかしくないですし。
で、結果は以下の通りになりました。
(※データというのはどう読むかですので解釈に異論反論あるかもしれません。ご指摘ある場合は穏便にお願いします。)
イーアイデムの助成想起は伸びた?
まず、助成想起。「言われれば知っている」という認知率です。
「知っている求人サイト」に仲間入りしますので、利用の安心感につながったりすると言われています。
イーアイデムの純粋想起は伸びた?
つぎに、純粋想起。「求人情報といえばイーアイデムだ」という人の割合です。
これも1%上昇しています。CMも広告もしていないのに、これが1%も増えるというのは正直驚きでした。ほんと、そんなに上がると思っていなかったのです。
1%というと大したことないように思いますが、100人に1人ということは、100万人の1万人です。実はけっこうなものなのです。
広告屋さんには、TV-CMをどれくらいオンエアすると〇%上がるという統計データがあります。状況にもよるのですが、それに換算すると1%上げるのに数千万円かかることだってある。しかも、せっかくそうやって上げた認知率もオンエアをやめると下がってしまうのです。
その点、ジモコロで獲得した1%は、忘れにくい1%。同じ1%でも価値が違うんじゃないかなーと。手前味噌ながら長年関わってきた者として感じています。
イーアイデムのことが好きだと感じる人は増えた?
もちろん、ジモコロの読者はアイデムさんに好意をもってもらえているようです。
ちなみにアクセスデータのハイライトは以下の通り。
月々変動しますので、なんとも言えませんが、平均するとこんなもの。
PVやUUという「広さ」も重要ですが、平均滞在時間や離脱率の低さ、またはSNSでのシェアからの流入など「深さ」につながる部分は、ジモコロらしさとして大切にしたいですね。
さいごに
というわけで、こんな内輪なデータでも、少しは興味を持ってもらえる人がいるかなということで、思い切って公開してしまいました。
ここまで公開させてくれるアイデムさん、すごいです。
来年もまたご報告したいところですが、できなかったら大人の都合だと思いますのでそっとしておいてください。とりあえず、3年目のジモコロをよろしくお願いします。
書いた人:及川貴雄
ジモコロの広告おじさん。フリーのクリエイティブディレクター(ddd inc.)。ブランドに関わることもろもろ全般的に。コピーライター17年目。ウェブライター1年目。