こんにちは。ヨッピーです。
本日は黒部峡谷(くろべきょうこく)のトロッコ電車に乗っております。
ちなみにトロッコ電車はこんな感じ!
窓が無い席もある!
そして死ぬほど山奥の秘境をガンガン通り抜けて行きます。
黒部峡谷は国内でも指折りの秘境、日本一深いV字峡谷と言われていて、山深い大自然以外何にも無いみたいな場所であります。
今日はそんなトロッコ電車を運営する上での苦労を聞いたり、マジ秘境の温泉に入ったり美味いお刺身を食べたりで富山県を堪能してきたのでレポートしたいと思います!
東京から北陸新幹線に乗ろう
はい。そんな感じでまずは上野駅から出来立てホヤホヤの北陸新幹線に乗ります。いやー、北陸新幹線のおかげで長野、富山、金沢あたりにはグッと行きやすくなりましたね!
※ジモコロ編集長 兼 カメラマンの柿次郎
「えーっと、何号車でしたっけ……あれ?」
「なんでこれ片道23,470円もしてるんですか!? 普通の倍の値段じゃないですか!」
「あ、それ?グランクラスっていうグリーン車より良い席を取ったからやで。そこしか席が空いて無かったんよ」
「本当に!? それに乗りたかっただけでしょ!?」
「いや、予約が取れなかったのは本当やで。待ち合わせに遅れるわけにもいかんからね。もったいないし僕も本当はこんなのに乗りたくないんやけど……」
はいグランクラス来ましたー! キャピピピピー!
めっちゃゆったりしとる! 後ろにもめっちゃ倒せるしクッションすごい! 沈むし包み殺される~~~~~~~~~!タスケテーー!
読書灯とか枕とかコンセントとか「行き届いてる感」がすげぇ!
で、おしぼりのサービスがあるやろ?
それを、こう!!!!!
アメニティのスリッパもあるし、
さらにはちょっとしたお弁当(美味い!)がついてくるし、
それをツマミながらお酒がなんと飲み放題! これ全部コミコミの値段です!
カァーーーッ!
仕事中のビールは最高に美味いし、人のカネで飲む酒ほど美味いもんは無い事を考えると、仕事中に人のカネで飲むお酒こそが究極ってこと!
わかるかなーーー!?
※ちなみにこの電車に乗ってる間、柿次郎は一切口をきいてくれませんでした
そして到着したのが黒部宇奈月温泉駅。ここから富山地方鉄道本線に乗り換えて宇奈月温泉駅に向かう!
そんなわけで宇奈月温泉駅に到着!
ざっくり東京出てから約3時間くらい! 思っていたほど遠くない!
宇奈月温泉はこじんまりとした温泉街で、ドーンと目に飛び込んでくる山の景色が爽快です。7kmも先の源泉から温泉を引いてるらしい。
駅の目の前には噴水があるんですが全部温泉だそうです。勢いもすごいし、結構熱い!
贅沢だなーーーーーーー!
「この温泉に入ったら怒られるかな?」
「たぶん捕まる」
無料で入れる足湯もあるよ!
ちなみにお目当ての黒部峡谷トロッコ電車はここ、宇奈月温泉駅が始発!
そして本日はその黒部峡谷トロッコ電車を運営する、黒部峡谷鉄道会社企画広報課の西田さんにお話をお伺いしました! 勤続20年のベテランです!
「こんにちは。なんでも、運営に苦労してらっしゃるっていう噂を聞いて東京からやって来ました!人の不幸は大好きです!」
「ええとですね、客足が減ってきてまして、トロッコ電車がいつまで存続出来るのか、っていう問題があるんですよ」
「え、そうなんですか?北陸新幹線が出来てお客さんは増えそうですけどね」
「たしかにそれはあるんです。おかげさまで東京方面からのお客さんは増えたんですが、宇奈月温泉ってどちらかと言うと県内のお客さんが多い所だったんですね。バブル期なんかは富山にある会社はみんなこの宇奈月温泉で忘年会とかやってまして、ピーク時は年間100万人くらいはお客さんが来たんですがそういうのがガクッと減りまして……」
「なるほど……。じゃあその埋め合わせをするためにも、北陸新幹線をきっかけに県外のお客さんにPRして、たくさんお客さんを呼ばなきゃいけないですね」
「そうなんですけど、富山県の県民性もあるのか、PRが下手なんですよ。富山県って『何もないところ』みたいなイメージありませんか?」
「え? 富山に何かあるんですか?」
「ほら! みんなそう言うんですけどありますよ! 立山黒部アルペンルートに代表される美しい山並みもありますし、魚介類の美味しさは国内屈指ですし、富山市内なんかは歴史も古いし意外と都会なんですよね。温泉もあちこちに湧いてますよ」
「へー、知らなかった……。魚が美味しいのと、持家比率が全国一、くらいのイメージしかなかったですね」
「ちなみに二世代、三世代で同居してる世帯が多く、共働きが当たり前なので世帯収入も全国トップクラス(※1)ですし、大きなお屋敷(※2)に住んでる人も多いんです。みんなで稼いで意外と裕福な暮らしをしているのが富山の人達なんですよ。田舎で何もないところっていうイメージとはずいぶん離れてると思います」
※平成25年総務省「家計調査」で世帯収入全国3位
※平成20年統計局「1住宅あたりの延べ床面積」全国1位
「えー、ぜんぜんそんなイメージ無い」
「でしょう。我々の会社もPRとかをあんまり考えて来なくて、ちゃんとパンフレット作って観光案内所に配ったりしはじめたのって、ここ数年の話でしかないんですよね」
「西田さん」
「はい」
「おっさんが狭い部屋で話してても絵ヅラが地味すぎるのでトロッコ電車に乗りながら話しましょう」
「おお。なるほど……!」
「そういうところですよ」
「何様なんだよ」
黒部峡谷トロッコ電車に乗ろう
そんなわけで西田さんに解説していただきながら黒部峡谷トロッコ電車に乗り込みます!
ちなみにこの黒部峡谷トロッコ電車、北陸新幹線開通にあたって日本政策投資銀行が行った「富山・石川沿線で行ってみたい観光地や味わってみたい味覚」のアンケートでダントツ1位の得票を得てるんだそうだ。
有名な金沢の兼六園を抑えての1位なので期待が高まる!
「元々はこのトロッコ電車、黒部川の電源開発……要するにダムを作るための人員とか資材を運搬する為に作られたものなんです。ところが、地元や観光客からの要望が強かったのでそのまま正式な鉄道路線になったんですよ」
「なるほど。だからこんな山奥を通るんですね。普通の電車はこんなところ通さないもん」
「マジで山しかない」
ちなみに写真の右のほうに映っている橋は「猿橋」と言って、黒部峡谷に住む野生の猿が移動しやすいように架けてあるらしい。
運が良ければ猿橋を渡る猿の群れを見ることができるそうだ。
いやー良いですね。この日はちょうど紅葉が「色づきかけ」くらいだったので、この記事が公開された週くらいが一番の見ごろになるはず!
「紅葉のシーズンが過ぎたら、今度は雪の季節になるんで運休なんですよ。12月から3月まではお休みしてます」
「その間はお仕事どうするんですか?」
「車両の整備、点検ですね。運転士さんも冬の間は整備工場に入って整備の仕事をするんです。正直に言って忙しくは無いので有給とかはみんな冬の間に消化しますね」
「冬の間だけ雇って欲しい」
こうして「黒薙(くろなぎ)駅」に到着! マジで周りに何にもない!
線路を横断して今度は山に入ります! なんでも、温泉大好きな僕のために西田さんが最高の秘湯を案内してくれるらしい。
とんでもない山奥でアップダウンもキツいんですが、道は割と整備されてて歩きやすい。
これ、紅葉のシーズンだったらめちゃくちゃ綺麗だろうなーーー!
伝説の秘湯「黒薙温泉」に到着
そして歩くこと20分、黒薙温泉に到着!
「マジの秘湯やんけ」
「でしょう。山道を歩いてこないと入れない場所なんです。ただ最近はテレビの取材とかインターネットの情報なんかでけっこう有名になりました」
そしてパイプからもうもうと出る湯けむりをかき分けて……、
露天風呂!でかーい!
この写真だとあんまり大きさがピンと来ないかも知れませんが、
僕が入ってもコレですからね! でかい!
くうううう、最高ぉぉぉぉ〜〜!!
湯船から見た景色がコレ! マジで山しか無いし秘湯感すごいなーーーー。
この温泉に入ったことは温泉神としても結構自慢できる気がする。
ちなみに黒薙温泉は宿泊も出来るので内部はこんな感じ。
右側に映ってる階段は100年以上前のものなんだそうだ。
この黒薙温泉を管理している黒部観光開発株式会社の百石さんに話を聞いてみた。
「しかし、すごい所に旅館作りましたね……!一泊おいくらなんですか?」
「一泊二食付で9870円です。お料理も地元で採れる山菜にイワナ、そしてこの黒部の清流の水をふんだんに使って調理をするんで美味しいですよ」
「安い! ちなみにここ、車で来れないですよね? 物資とかどうしてるんですか?」
「一輪車を使って黒薙駅から旅館まで運んで来るんです」
「おお! 言われてみれば確かに一輪車が通れるようになってる。でも普通に考えればコストもかかりますし、一人一泊1万円程度じゃ赤字になりません!?」
「ええ、赤字ですよ」
「赤字なんかい」
「この、黒薙温泉は宇奈月温泉の源泉なんですよね。ここで湧いた温泉を宇奈月まで引いてるんです。で、私どもはその温泉の管理をする会社なんですね。せっかくなので源泉の近くでも楽しんで貰えるように、という事で続けています!」
黒薙温泉はこんな風に岸壁ギリギリに建てられているのですが、これは大正時代にダイナマイトで崖を爆破した跡地に建てたからなんだそうだ。
ダイナミックすぎる。
お部屋はこんな感じでテレビも何もないシンプルなお部屋。滝の音を聞いたり、五感で楽しむ、がモットー。
ちなみにこの黒薙温泉、源泉から宇奈月温泉までに通した引き湯管が通る土地を買収した人が土地の利用権をタテに「土地を買い取るか温泉止めるかどっちかにしろ!」ってゴネて高値で土地ごと売りつけようとした所、裁判所の判断で「権利の濫用」が認められて請求が棄却された「宇奈月温泉事件」の舞台として有名でもある。
法学部の人は最初の方に習う判例なので「あー、あそこか!」ってなるかも知れない。
歴史を感じるわー。
欅平温泉を堪能したらまた黒薙駅に戻ってトロッコ電車で宇奈月温泉へ
時間があるなら黒薙温泉のさらに奥地、鐘釣温泉まで行くと河原から温泉が湧いてる天然の露天風呂もあるらしいので機会があれば行ってみたいところ。
「いやー、良いところですね。トロッコ電車って乗ってるだけでがんがん絶景が飛び込んで来るし温泉もあちこちにあるしでめちゃくちゃ楽しいじゃないですか」
「でしょう。しかも北陸新幹線が通った事でアクセスもしやすいんですよ!例えば東京から金沢観光に行くんでしたら、ついでに立ち寄っていただければ良いんじゃないかと思います! この眺めはここでしか見れませんから!」
「西田さん、上手くなりましたね」
「ありがとうございます!」
「ヨッピーさん、偉そうだなぁ…」
そして富山市内へ
西田さんにお礼を言って今度は富山市内へ!
「魚介類が美味しい」との事なので富山市内ではごくごく普通の回転寿司屋さんに入ってみました。
何これ。めたくそキレイやん……。
すいません咀嚼が速すぎて口元がブレてしまいました。
全部美味いのは間違いないところなんですが、特にウニが圧巻でしたね……!
あの独特な臭みが全然無くて甘さだけが口の中に広がりよる……!
さらに目を引いたのが街並みの綺麗さ、というか上品さ!
ちなみにここは「世界一美しいスタバ」と言われる、スターバックスの富山環水公園店!
日本じゃないみたい!
時間の関係で乗れなかったのですが遊覧船も出ているらしい。
そして少し場所を移して、射水市新湊地区の「内川周辺」へ。昔ながらの港町の風景を残していて、ドラマや映画のロケ地として使われるなど、盛り上がってきているようです。なかでもオススメなのが「カフェ uchikawa 六角堂」!
落ち着いた空間のオシャレなカフェ。居心地よすぎ!
コーヒーとクリームブリュレが絶品!!
「自分でハンドドリップで淹れるくらいのコーヒー好きなんですけど、めちゃめちゃ美味いですよこれ! デザートとの相性もすごい!!」
「お、おう」
街のあちこちに運河が通ってるのが印象的であります!
んでこういう市場に行って、
その場で選んだお魚をその場で刺身にして食べられるんですよこれが。
「ふくらぎ」のお刺身!
丸々一匹、これだけの量で800円! やっす~~~~~!
当たり前ですが美味い! 脂が甘い!!
「北海道の魚介が美味いのはなんとなくわかるけど、富山はなんで美味しいんやろか?」
「富山湾っていきなり深くなるんですよ。だから港と漁場がすごく近いんですよね。そのぶん新鮮なものが食べられるんです。あとは水深も深いんで、あたたかい水温を好む魚は表層に、冷たい水温を好む魚は深い所に、っていう具合にいろんな魚にとって住みやすい環境なんです。あと、富山湾に流れ込む川がめっちゃ多いんで栄養も豊富なんですよ。だから美味い魚がいっぱい獲れるんです」
「なるほど。詳しいやん」
「さっきGoogleで調べました」
富山市内にはこんな風にかっこいい路面電車「富山ライトレール」が走ってるし、
駅のまわりも結構栄えております。新幹線開通で金沢に負けじと街開発が進んでいるんでしょうね。
「なるほどね。富山舐めてたわ。街並みにめちゃくちゃ品があるやん。海も山も川も近いし食べ物美味いしめちゃんこ暮らしやすそう」
「僕も舐めてましたね。立山の雪の壁とかはもう世界的にも有名ですし、これからグイグイ来るんじゃないですか! 富山!」
「新幹線なら割と簡単に来れるしね! 西田さんが言った通り金沢旅行行く時は富山に立ち寄る日程組んでも良いかも知れんね。よーし、じゃあ東京に帰るかー!あ、帰りもグランクラスで良いのかな?」
「殺すぞ」
ライター:ヨッピー
「オモコロ」「トゥギャッチ」「ぐるなび」「Yahoo! Japan」「ライブドアニュース」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける
Twitter ID: @yoppymodel / 公式サイト:ヨッピーのブログ(仮)