こんにちは。ゲーム大好きライターのオケモトです。
みなさんゲーム、やってますか? 僕は現在、2年前に発売された『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』というゲームで翼君のオーバ―ドライブシュートをゴールに打ち込みまくっています。
それはさておき、昨今のゲームはオンラインで協力したり対戦を楽しむものが多くなってきました。
しかしゲーム好きの間でもどうしてもオンラインに苦手意識を持っている人々が存在します。
・コミュニケーションが苦手
・自分だけの力で攻略したい
・やりこみプレイヤーには敵わない“雑魚プレイヤー”としてゲームするのがイヤ
など様々な理由があるようですが、今回はそのあたりを座談会で話し合ってみましょう!
▼登場人物紹介
オケモト|ライター
この記事を書いてる人。オンラインゲームがちょっと苦手。好きなゲームは『MOTHER』『メタルスラッグ2』『FINAL FANTASYⅦ』
ギャラクシー|WEBメディア「ジモコロ」編集長
オンラインゲームが苦手。好きなゲームは『SIREN』『NieR:Automata』『バーチャファイター3tb』
加藤|ライター、編集者
オンラインゲームが苦手。好きなゲームは『ポケットモンスター』『fallout4』『サイバーパンク2077』
ヤスミノ|ライター
オンラインゲームが苦手。好きなゲームは『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』『ゴーストトリック』『家族計画』
一体彼らはなぜオンラインゲームが苦手なのか!?
解き明かしていきましょう!!!
なんでネットゲームが苦手なの?
「みなさんはなぜオンラインゲームが苦手なんでしょうか?」
「やっぱりコミュニケーション要素ですよね。人付き合いが本当に苦手で」
「ゲームって社会から逃れたくてやってるのにどうして社会と繋がらなければいけないんだっていう気持ちがすごくある」
「ゲームの中で人や社会と繋がりたくないという気持ち、わかるな~。以前『フォールアウト76』というゲームをやってる時―」
「出た! 僕も『フォールアウト』シリーズが好きだったんですけど、新作で完全オンラインになっちゃってショックだったな」
「そう、『76』から急にオンラインになったんですよね。このゲームをプレイ中に、知らない人と二人っきりになって、相手からフレンド申請が来たんです。オッケーしたらボイスチャットが繋がって……英語で『ハロー?』と」
「外国の人だったんだ」
「その瞬間あたまが真っ白になって、PS4の電源切っちゃいました」
「電源を切るなって! マナー違反よ!」
「今から考えたら失礼だったなと思うんですが、その時は急にボイチャくると思ってなかったし、それが英語で何を言ってるかわからないしで、本当にパニックになってしまって……」
「僕もボイスチャットの話があって。『フォートナイト』やってたんですけど、イベントみたいなので急にボイチャが繋がったんですね」
「え、勝手に!?」
「勝手に。特殊なイベントだったんで徒党を組んで入らなければいけなかったらしくて」
「オケモトさんとまったく同じ。びっくりして電源消しちゃいました」
「電源消すなっちゅうの!」
「今、客観的な立場なら冷静に判断下せますけど、突然その状況になったら前後不覚になるんですって!」
「反省して今後 絶対に気をつけてくださいね」
「『フォートナイト』とか『Apex』のプレイヤーって、自発的に人間を叩きのめそうとしてる人間たちじゃないですか。喋るの怖くないですか?」
「言い方! ゲームだから!」
「それ分かるわ。コンピューターを撃つのと、中に実在の人間が入ってるキャラを撃つのとでは感覚が違う。そいつを倒した後『めっちゃ怒ってんだろうな』って考えちゃう」
「実際怒る人もいますし」
「自分が勝ったとしても他人のストレスに関与してると思うと嫌だし、負けても同じチーム側の人に迷惑かけるの嫌だし」
「ただ同時に、『人間と戦って勝つ』という楽しさもめっちゃわかる。負けた時にチームに迷惑かけるのはほんとにイヤだけど、活躍してヒーローになれたら気持ちいいだろうし……難しいですよね」
どうすれば正解だったの?
「僕がオンラインでのコミュニケーション苦手だと自覚した話、聞いてもらっていいですか? 20年くらい前、『ファンタシースターオンライン』っていうゲームでの話なんですけど―」
「でた! PSO!」
「コンシューマー機でのオンラインの走りみたいなゲームですね」
Phantasy Star Online OPENING THEME ~The whole new world~ (Lyric Version)
「初めてのオンラインゲームだから知らない人と冒険してみたくて、ロビーにいた人に声をかけて二人で潜ったんです。その人は美容師をやってるらしくて、へぇ~おしゃれですね~とか話しながら冒険して、その日は別れたんですね」
「人付き合い苦手とか言いながら、普通にコミュニケーションとれてるじゃないですか」
「それから忙しくてゲームできなかったんですが、1か月後くらいにログインしたら、ロビーにその人がいたんですよ。仲間みたいな人らと談笑してて」
「再会したんだ」
「こういう時、どうしたらいいの?」
「声かければいいじゃないですか」
「でも一回プレイしただけだから、覚えてないかもしれない。覚えてないやつが急に『ぼっ僕です!あの時の僕です!』って近寄ってきたら怖いじゃないですか」
「じゃあ逃げればいいのでは?」
「僕のことを覚えていた場合、挨拶もなしで去ると感じ悪いじゃないですか。今後も会うかもしれないのに」
「だから僕どうしていいかわからなくて、ゲーム内で一歩も動かず15分くらい過ごしました」
「15分!?」
「長っ」
「15分後に何があったんですか」
「15分後に……その人、僕に気づいたんですよ。近寄ってきて『こないだ一緒に潜った人ですよね? 僕です、美容師の』って」
「よかったじゃないですか!」
「でもそうなると『近くに居ながら15分も話しかけなかった不自然さ』がキモすぎると思って。うわ~どうしようどうしようって考えてるうちに時は過ぎ……」
「その人は僕の周りをぐるぐるしながら『お~い』とか『テレホ中だから回線重くてフリーズした?』とか言ってて……もうこれ打つ手なしだな、と」
「ヒュンッて」
「さんざん人に言ってたのに自分も無言ログアウトしてるじゃないですか」
「何がしたかったのか全くわかんないですよこの話! 15分待ってせっかく話しかけてくれたんでしょ?」
「なんで喋らなかったんですか??? 回線が落ちてしまったと思わせることが最適解だとなぜ思ったのか」
「すべての行動に不自然じゃない辻褄を合わせようと思ったら回線落ちを偽装するしかなかったんです」
「反省してください」
「話しかけるだけでこんなに悩む性格なら、自分にオンラインは向いてないと思って。これ以来マジで一回もオンすることはありませんでした」
「でも確かに、仕事でちょっとだけ喋ったことがある程度の人を街で見かけたら、話しかけるか逃げるかで迷うな。『フリーズしたフリでログアウト』できるならしたいかも」
完成品をプレイしたい
「ゲームをするのって、優れたクリエイターが作った良質なコンテンツを楽しみたいっていうのがありませんか? 例えば『ICO』ってゲームありますよね?」
「良いゲームですよね」
「キャラクターも良いし細部まで作り込まれてるし、ストーリーも感動するじゃないですか。実際ボロボロに泣いたし」
「もう完全に作品として完成してるんですよ。そこにオンライン要素を加えたとして、全然しらない一般人が操作するキャラが闖入してきたら、邪魔ー!って思いません?」
「ネトゲはそもそもストーリーに重きを置いてないんじゃないですか?」
「いや、そうでもないんですよ」
「え?」
「さっき話に出た『フォールアウト』、僕はストーリーも好きだったんですけど、『76』からオンラインになって。完全オンラインだから、もう人との接触を避けられないのよ」
「それだと大規模なレイド(ゲーム内で多くの人を集めて戦うこと)を作れる人には勝てなそう」
「それにも文句言いたいんですよね」
「怒ってる?」
「オンラインでもソロでもできます、みたいなことを謳ったゲームありますけど、”ソロでも”って、もう損した気持ちになるんですよ。ソロしかやらない場合は100%では楽しめないのか?と」
「あるあるあるあるある」
「わかりすぎる」
「確かにオンラインをやることで楽しさが100%に達するゲームってありますよね」
「オンラインは苦手だけど損するのは嫌なんです。だからオンラインゲームでなまじ“ソロでもできます”、みたいなのは言わないでほしい」
「最低限オフラインでソロできるようにはしてほしいよね。ソロですらオンラインに入らなきゃいけないってなると、人が集まるクエストなんかによくわからないまま参加して失敗しちゃったりするし」
「味方に迷惑かけるプレッシャー、マジで耐えられん……」
「僕のせいで失敗した時、参加してた人がめっちゃ殴ってきたことありますよ。フレンドリーファイア(仲間同士でもダメージが入る仕様)とかはないからダメージは無いものの、やっぱりヘコみますよね」
「うわ~! 不満があると殴るのオンラインあるあるすぎる」
「悪しき習慣」
「オンラインのゲームって本当にやったら『グリードアイランド』(HUNTER×HUNTER作中の“自らが入り込みプレイするゲーム”)のモタリケみたいになっちゃうと思うんですよ」
「クリアすることも脱出することも諦めて、ゲームの中に住むことを決めた人ね」
「主人公のゴンとキルアになれるのは1人か2人なのに、ああいう主人公いる中にレベル1で放り込まれるのキツいなって」
「たしかに」
「ゲームなのに、自分が主人公になれないっていう感覚」
「そもそも競うのが好きじゃないんですよ。あらゆる物事で」
「わかる」
「学校の成績でも運動会でも順位とかに興味ないし競いたくない。なんでゲームで競わなければいけないんだと」
「競いたくないという気持ちはわかりますけど、だからと言ってセカンドライフ系のゲームはハマんねえだろうなという気持ちはありますね」
「う~ん、そうなんだよね」
「ただボンヤリ過ごせと言われても困っちゃう」
バトルロワイヤル系が苦手
「MMOって今あんまりないじゃないですか」
「対戦型の方が主流よね」
「MMOのほうが弱くてもやれる余地はあるんと思うんですよ。ギルドとか入ったりして、戦ったり、見抜きしたり」
「しょうがないにゃあ・・」
「力の差がより如実なのはバトルロイヤル系のFPSですよね。ほんとに、実力の差がありすぎて」
「今はPUBGから始まったバトルロイヤル系のゲームが人気で、『Apex legends』とかは人気ですよね」
「そういうゲームって、おっさんの反射神経だとうまい人との差を埋めにくい……こっちがうまくなる間に向こうはもっとうまくなってる」
「Apexは援護役に回ることも可能らしいですけど、流石にずっと逃げてるわけにもいかないしでしょうし」
「いま僕が10代ならやるんですけど、社会人だとプレイできる時間に限りがあるから、絶対に追いつけないじゃないですか。無双はできないわけですよ。やる意味あんの? って思っちゃう」
「しかもそういったFPS系は積極的にボイスチャットでコミュニケーション取った方が、敵のいる場所とか知れるから有利なんですよね」
「コミュニケーション前提」
「コミュニケーションとれる人はどんどん強くなっていく」
「FPSをやれる人はゴルフやれる人だと思うんですよ」
「なんでゴルフ?」
「技量とコミュニケーションと時間をかけて誰かと一緒にコースを回れる社交性。僕らみたいな人間は絶対うまくなれない」
「まあそれはね、楽しむくらいならいいんじゃないですか?」
「楽しむくらいって言うのができないんですよね」
「こわ! 一位じゃなきゃ我慢ならないってこと?」
「0か100しかないの!?」
「競うのが苦手なんじゃなかったのかよ……」
格ゲーはどうなの?
「これ聞きたかったんですけど、ギャラクシーさんって格ゲー好きですよね?」
「昔はかなりやってましたね。ゲーセンで50人抜きとか70人抜きとかしたことありますよ」
「だとしたらゲームセンターでの格ゲーの対戦はどうだったんですか? ある意味オンラインよりも人と関わるのでは?」
「確かに、当時はネットが無かったので技の出し方とかを知らない人に話しかけて聞いてました。でも目の前にいる人間には失礼な言動しにくいんで、みんなフレンドリーでしたよ」
「リアルだったら周りに人がいるんで、みんなある程度マナー守るっていうのはありますよね」
「オンラインより、現実の知らない人間に話しかけるほうが難易度高いと思うけどなぁ」
「リアルだとちょっとした表情の変化で『あ、話しかけてほしくないんだな』とかわかったりするじゃないですか。ヤバそうな人にはそもそも話しかけないとか。オンラインはそれが見えなくて怖い」
「僕は『ストリートファイターⅣ』をオンラインで結構やってましたけど―」
「格ゲーって煽りプレイが屈伸を高速でするとか決まってて」
「挑発ボタンがありますもんね」
「それやられたときに無限の悪意を感じます」
「“死体蹴り”(決着がついたあと、倒れてるキャラをさらに蹴ったりする行為)とかね。人という生き物の無限の悪意を感じる」
「オンラインだと人と人との距離が薄まっちゃうかもしれませんね。で、何をやってもいいみたいになっちゃう。実際はモニターの向こうに血の通った人間がいるのに」
「すごい教育的な話だ」
「でも実際、オンラインだと『一回限りの相手』が多くなるから、距離が薄まっちゃうのは仕方ないかもね。ゲーセンなら“行きつけ”ができるから、常連とかよく来る人とか顔を覚えてたし、話しかけて友達になったりしたけど」
「世代じゃないのか、そういうの全然経験してないですね」
「僕も学校帰りにゲーセン行くみたいなのはなかったなぁ。地元にゲーセンもそんなになかったし」
「昔はそれが当たり前ってくらい流行ってたからね。今はオンラインゲームが流行ってるってだけで、僕らがいま小学生だったらオンラインにハマってたかもね」
でもいいところもあるよね
「モンスターハンターとかも野良苦手です。太刀とかをぶんぶん振り回すと味方に当たる仕様だから」
「モンハンは野良で入ってもモンスターを倒すっていう“作業”だからまだいける」
「僕間違えて高レベル3人組パーティーの中に入っちゃって、そのまま抜けれなくて『すみません! 抜け方わからなくて、でももう始まっちゃいます!』ってことがあったんですが、意外と『(笑)』みたいな感じでした」
「優しい世界じゃん」
「その後のフレンド申請はなんか怖かったので無視しましたけど……」
「まあ、そんなにレベル差があったら一緒に遊ぶ機会もそう無いでしょうしね」
「オンラインゲームで良いと思ったのは、『スプラトゥーン』とか」
「スプラトゥーンも技術が必要なんですけど、結構そうでもないところで楽しめる」
「相手を倒すこともできるけど、結局は床を多く塗った方が勝利するっていうルールですよね。任天堂のバランスのとり方すごい!」
「あと『風ノ旅ビト』もよかったですね」
「あれは良いゲーム! グラフィックも音楽も良かった」
「『Sky 星を紡ぐこどもたち』とかも作ってる『thatgamecompany』のゲームですよね」
「砂漠みたいなところからスタートして、目的もわからないし文字も出ないんですけど、ただ進んで、その映像美と世界観を楽しむゲームです。これ実はオンライン要素もあって」
「あれオンライン要素あるんだ」
「その時にプレイしてる誰かとランダムでマッチするんですよ。その人と協力して何かするというよりは、ピーンってシグナルをちょっと送り合ったりするだけなんです」
「はいはいはいはい」
「だからバラバラに進んでもいいし、ついて行ってもいい。“誰かがどこかで同じゲームをやってるんだな”っていう感覚だけを共有できるんです」
「小島秀夫監督の作った『デスストランディング』も同じような感じだったよね」
「そうそう。オン要素が邪魔にならなくて、まさに“誰かがどこかで同じゲームをやってるんだな”っていう感覚」
「誰かが作った橋が架かっていたり、誰かが残していったアイテムが落ちてたり」
「ちょっとしたメッセージが残ってたりね」
「あ~メッセージシステムは『エルデンリング』にもありましたね」
「エルデンリングのうそのメッセージよくないよね~」
「そういったさりげなさはオンラインであってもいいと思う」
「バトルロイヤル系でも『フォールガイズ』とかだったらカジュアルで良いかも」
「みんなでいろんな障害物レースをして1位を目指すやつね」
「そう考えると苦手な人でも、向いてるオンラインゲームはあるってこと?」
「苦手なだけで、決してやりたくないってわけでもないんだよなぁ。仲間と冒険の喜びを分かち合うとか憧れるし……。自分のコミュ能力がついていけないだけで」
「そう、やりたいはやりたいんだけど」
「我々だって昔は憧れがあったわけじゃないですか。みんなで同時にゲームやるのなんて」
「やりたかった!」
「未来はそういうゲームができるものと思ってワクワクしてた」
「オンラインゲームにやんややんや言ってきましたけど、リアルで会いにくい友達とかとオンラインでゲームできるのは、普通にいいですよね」
「コロナになってからは特にそうですよね。ゲームする相手がネットにいるって良いことだと思う」
「そもそもオンラインゲームも今が完成形ってわけじゃないもんね。『デスストランディング』みたいに、コミュ力を必要としないコミュニケーションっていう新たな形も生まれてきてるわけで」
「今後のオンラインゲームに期待しましょう!」
まとめ
「せっかくだからこのメンバーでオンラインゲームやってみません?」
「いいですね」
「何にします?」
「みんなが持ってるゲーム機で……」
「じゃあスマホかPS4?」
「あ~これなんて良さそうだね」
「でもこれだとオンラインで集まるのにレベルを上げる必要があって」
20分後……
「じゃあこのゲームで!」
「今度やりましょう」
「やるときチャットワークで連絡しますね!」
「なんかワクワクしてきた!! やるぞ~!!」
しかし彼らが集まりオンラインゲームをすることはなかった。
実際やる段になると連絡を取り合ったりするのが面倒になってしまったからだ。
それが……オンラインゲーム苦手人(びと)……
彼らは今日も一人でゲームをしているという……