こんにちは。現在37歳のライターひにしあいです。
突然ですがアラフォー以降の全ての女性たち……………!
もう全身悩みばっかりあるし、その悩み、人に聞きづらいのばっかり増えてません????
そう、アラフォーの友人たちと集まって話すと、大体「女の老い」に関する悩みが話題に。
例えば…
「くしゃみすると尿もれするようになった」
「子供産まないまま年取ると婦人科系の病気になりやすいって本当?」
「体重は20代の頃と変わらないのに腹がたるむのは何故?」
うん、気持ち全部わかる
というわけで、「悩んでた!」「謎だった!」「相談しにくい」“女の老い”について、医師の方にいろいろ聞いてきました。
話を聞いたのはクレアージュ東京エイジングケアクリニック院長の浜中聡子先生
「今日はよろしくお願いします。アラフォー世代って、まだ老いに慣れきってないから『これは老いによるものなの? それとも自分だけが変なの?』と思って相談できなかったりする。色々聞けるのはありがたいです!」
「おまかせください。この機会に全部聞いてスッキリしてください」
▼今回聞いたお悩み
【1P】
性や下半身のこと
・尿もれ
・肛門のこと
・子供を産まないまま歳を取ると…?
・セックスが痛い
生理のこと
・生理期間が長くなった
・生理の血の色
・閉経って?
美容のこと
・乾燥、小じわ
・うぶ毛が濃くなった
・薄毛・白髪など
体の変化
・痩せない
・どんな運動したらいい?
・身長が縮んだ!
・歯の隙間
体調のこと
・更年期って?
・冷え
・歳を取ってもヘドバンしていい?
性や下半身について
尿もれ
「最初はこちらの悩みから!」
くしゃみするとちょっと尿もれするようになった。パンツも汚れるし地味に困る!
・A美さん 40歳
「このお悩み、私もちょっとわかるんですが……まず『これってよくあること』なんですか?」
「尿もれで悩んでる女性は非常に多いです。あなただけではありませんよ。前提として、女性は男性に比べて尿道が短いので、そもそも漏れやすいというのがあります」
「女性は男性よりも尿道が短いんだ! まあ、考えてみれば男性はホース(?)の分だけ尿道が長いのか。でも若い頃は漏れなかったんですけど……?」
「歳を取ると骨盤底筋群(排尿、排便に使われる筋肉)が緩んでくるので、ちょっと腹圧がかかると『あっ』と出ちゃうんですね。くしゃみだけでなく、腹圧がかかるような行為……笑ったり重いものを持ち上げたりといった状況でもよくあります」
「筋肉が緩んできちゃうんですね。鍛えればなんとかなるのかな?」
「お尻の穴を締める、おしっこを我慢する時の筋肉に力を入れる、みたいなトレーニングが有効です。ググるといくらでも出てきますが、慣れるまで『どこを締めていいかわからない』ことが多いかも。継続できるのであれば効果はあると思います」
「難しそう! 無理なら尿漏れパッドを使うって選択肢も全然アリだな」
「ちなみに、骨盤底筋群は若い方でも出産などの理由で緩んでしまうことがあるので注意してください。また、同じ筋肉が子宮を支えていたりもするので、緩み過ぎると『子宮脱』といって、子宮が下がってしまうこともあります」
「え~~~!? こわっ!」
「軽度だと下から押したら戻る方もいるんですけれども、重い場合は手術で子宮を元に戻してあげないといけません。『子宮脱』は股に何か挟んでいるような感じで、違和感がすごく強いです。そのせいで頻尿になることもありますね」
「初っ端から恐ろしすぎて震えてるんですけど……」
肛門のこと
「続いてはこちらのお悩みです。読者の皆さん、汚い話ですいません」
昔よりお尻の穴の緩みが気になります。大便後にいつも通り拭いたのに、次に小をした後ややついている時がある。これも加齢?
Kさん 43歳
「肛門が緩んで拭ききれない……うーん、あまり聞きませんね」
「原因として考えられるのって何かありますか?」
「先程教えた骨盤底筋群は、排便のコントロールもしているので、これが緩んだらあり得なくはないかな……あとは、歳を取ると痔になりやすいので、それが原因かも?」
「あ、なるほど! 痔になるとその部分を拭ききれなくて、便が残っちゃうってことか」
「女性の場合、痔になるいちばんのきっかけは出産なんですよ。グーッといきみますから。あとは食生活の乱れや、イスに座りっぱなしなど、生活の悪習慣が影響してたりします」
「痔って場所的に相談しづらいので、市販のお薬を塗って、ごまかしごまかし生活している方が多そう」
「そうですね。でも市販の薬でできることは限界があるので、早めに病院に行くことをおすすめします。最近は女性の先生で痔の治療をされる方も増えていますから、恥ずかしくないですよ!」
※痔についてはこちらの記事もご覧ください
子供を産まずに歳を取ると……
「次の悩みは私もかなり気になってます」
子供を産まないまま歳を取ると婦人科系の病気になりやすいって本当?
T子さん 37歳
「ほんとかどうか知らないんですけど、統計的に出産したことがない人は婦人科系の病気になりやすいって聞いたことがあるんです。私も出産を経験してないから結構こわいんですけど」
「これは、どちらかというと『出産の経験がない人は、婦人科に行く機会がない』からだと思います。妊娠・出産の時には色々な検査をするし、その後も定期的に婦人科に行ったりしますよね?」
「確かに、私自身は婦人科に行く習慣ってあまりないです。そして、そのせいで婦人科に行くことに対して抵抗があるというか、ちょっと怖い!」
「不調があっても病院に行かず、アラフォーぐらいになって不具合を自覚して、やっと受診してみたら病気が発覚、とかね。会社の健康診断がない専業主婦だと、がん検診すら受けていない人もいます」
「女性の体は複雑だから、ちょっとしたことでも念のために受診したほうがいいんですね」
「以前、『5〜6年前ぐらいに子宮筋腫だって言われたことがあります』という人がいたんですが、聞いてみるとその後は『ほったらかし』ということもありました」
「うぅぅ~~……でも後回しにしてしまう気持ちもわかるんだよな……」
「いえ、不調があったら絶対に病院に行ってください。婦人科疾患……特に子宮筋腫って3〜4人に1人はいるんです。なので、定期的に診てもらうというのは、女性にとってすごく大事なことかなと思います」
※子宮筋腫=軽度だと月経量が多くなったり、月経痛や貧血など。重いと子宮全摘手術が必要な場合も
「月経痛とか貧血くらいの症状だと、自分で気づかないことが多そう!」
「他にも、乳がん、子宮がん、卵巣がんは、20代や30代の方でもなるので、早め早めに検査するということが大事になります」
「とにかく定期的に婦人科に行こう」
セックスが“痛い”?
「続いてはこんなお悩みが……こういうの誰にも相談できないから困る」
最近、性交痛がひどいんです。脂汗が出てくるレベルの痛みで、とても耐えられない。一体なぜ? 歳を取ると子宮や膣が硬くなることってありますか?
E子さん 40歳
「性交痛は、基本的には『乾燥』が原因です。なので年齢による部分も大きいですね。萎縮性の膣炎(膣が乾燥・萎縮し炎症を起こす)などが考えられます」
「そうか…そこも肌だもんな。『乾燥』か……老いを突きつけられるわ」
「膣炎になると、痛みやかゆみ、おりもの、におい、などの症状があります。性交時は潤滑剤を使うというのもありですね」
「潤滑剤も今はネットで気軽に買えますもんね」
生理に関する悩み
生理期間が長くなった
「続いて、お悩みの数が非常に多かった“生理”の話題」
生理の終わりが延びたのが気になる。血の量は以前より少ないけど、チロチロ続くのは腹筋の衰え? 加齢?
Kさん 44歳
「40歳を過ぎてから生理がダラダラ延びるようになったみたいなことを、けっこうまわりでも聞くんですけれども」
「普通は短くなるんです。ホルモンの分泌量が減ってくるので、途中で長くなったりしながらも、基本は短くなって、出血量が減っていきます」
「なるほど。じゃあ悩みをくれた人は“途中で長くなったりしながらも”の期間なのかな。不規則になりながらも最終的には短くなっていくっていう」
「そうかもしれませんね。もし量が多くなるとか、痛くなるということがあれば、それこそ婦人科疾患を疑ったほうがいいですよ」
生理の血の色、正しい?
「次はこちらのお悩み。“比べられない”っていうのが大きなポイントになってますね」
生理の血液が赤くない……加齢?それとも病気? 他の人と見比べることもできないし、検索しても出てこない!
Y子さん 39歳
「たしかに、ナプキンの経血を他人と見比べることはないですよね。でも、気になる!」
「『レバー状だとよくない』とかいろいろ言われますけれども、正直、『この色だったら大丈夫です』とか、『凝血感が出たらダメです』ということはないので難しいですね」
「これはヤバい!みたいなのは無いんですか?」
「例えば血液の色がすごくドス黒いとか、生理ではない時の不正出血があった場合は、婦人科で相談していただいたほうがいいでしょうね」
「加齢のせいではなく、なんらかの病気や別の不調も疑うべきだと」
「すぐに加齢によるものだと決めつけるのは危険です。一度婦人科でエコーなどを取って大丈夫なことを確認しておいたほうがいいですね」
閉経のことを考える
「続いては……あまり考えたくはないですが、そろそろ考えなきゃいけない、こんなお悩みです」
早期閉経について詳しく知りたいです!
Cさん 36歳
「そもそも閉経ってどういう状態のこと? そして何歳くらいから考えればいいんですか?」
「閉経と判断されるのは“一年以上生理が来ない”状態のことですね。日本人女性の場合、閉経の平均年齢はおよそ50歳と言われています」
「じゃあアラフィフ世代になってから考えたらいいのか~」
「いいえ、四十代で閉経する人も普通にいます。摂食障害の人やダイエットを繰り返していた人、また、もともと卵巣の機能が低いと閉経が早いことがあります」
「うぅぅ、そうなのか。でも閉経することでデメリットとかあるんですか? むしろ生理から解放されるというメリットも……」
「閉経というのは、卵巣の機能が低下しはじめ、女性ホルモンを十分に分泌できなくなった状態と言えます。そのため、閉経が早すぎるとコレステロールが上がりやすくなって高脂血症のリスクが上がったり……」
「え」
「他にも骨密度が落ちて骨粗鬆症リスクが上がったり……体の他の部分に問題が出てくる可能性があるんですね。また、早くに更年期症状が出てくるリスクもあるので、女性ホルモン補充の治療をすることもあります」
「他のリスクにまで影響するんだ。こわっ。治療は女性ホルモンのお薬を飲んだりするんですか?」
「飲んだり、貼ったり、塗ったり、注射したり、いろいろありますよ」
「どういうものが取り入れやすいんでしょうか?」
「パッチ剤ですかね。小さい湿布みたいなのを貼るだけなので、ご自身でコントロールしやすいです。ただし! 他に婦人科疾患がある場合……例えば子宮筋腫などは余計に大きくなる可能性もあるので、その場合は別の方法を考えなければいけません」
「生理がなくなるって、人体にとって結構デカい問題なんですね」