みなさんこんにちは! 北海道在住のライター、絹張 蝦夷丸(きぬばり・えぞまる)です!
突然ですが問題です! デデン!
北海道の政令指定都市でもあり一番の都市といえば札幌市ですが、北海道第二の都市はどこでしょう?
それは……
全国的にも有名な「旭山動物園」がある旭川市です!
動物園のほかにもラベンダーが有名な富良野市や、青い池が人気の美瑛町など道内有数の観光地へのアクセスもよいため、年間500万人の観光客が訪れる観光都市となっています。
しかし札幌や函館、小樽など、ほかの北海道の観光都市と比べて、旭川の街の情報はあまり知られていないように思います。みなさん、もしかして旭山動物園だけで満足していませんか……?
観光ガイドブックに載っているような有名スポットに行くのも、もちろんたのしいです。ただ、個人的にはその土地に暮らす人に紹介してもらう「地元の人に愛される場所・お店」を巡るのも、とてもたのしい体験だと思っています。
とはいえ初めて訪れる場所で、いきなり現地の人と仲良くなったり人をつなげてもらったりするのはハードルが高いですよね。
そこで今回は、実際に僕が旭川で暮らす人たちとつながって知ることができた「旭川駅から徒歩圏内のおすすめ観光スポット10箇所」をご紹介します!
いまは時世的に遠方からの観光は難しい時期ですが、晴れて旅行できるようになった際には、この記事を街ぶらガイドとしてご活用いただけたら幸いです。
それではいってみましょう!
目次
※取材は新型コロナウイルス感染症対策に配慮したうえで行われ、撮影の際だけマスクを外しています。
旭川屈指のグルメスポットを巡るなら
旭川といえば「醤油ラーメン」を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、僕がジモコロ読者のみなさんにおすすめしたいのはもう一歩踏み込んだグルメスポットです。
日常に溶け込むお洒落カフェ「coffee stand container(コーヒースタンド コンテナ)」
旭川駅前のメインストリート、買物公園通りにあるカフェ「coffee stand container」。
外観も店内もオシャレで、本格的なエスプレッソマシンで淹れるカフェラテがおいしい!
若者だけでなく近所のおばちゃんたちや、近隣でお店をやっている人たちも気軽に利用している、地域の日常に溶け込んだお店です。
coffee stand container(コーヒー スタンド コンテナ)
〒070-0037 北海道旭川市7条通8丁目38-19
https://www.instagram.com/coffee_stand_container/
北欧雑貨とふわふわパンケーキ「SUNUSU(スヌス)」
1階は北欧雑貨などを取り扱うショップになっていて、横の入り口から階段を上がった2階にはカフェがあります。
カフェの店内もオーナーさんのこだわりを感じるインテリアや雑貨に囲まれた素敵空間。
そしてこのカフェの人気メニューがこちら!
ふわっふわのパンケーキ! これ、めっっっちゃくちゃおいしいです!
濃厚な甘さと滑らかな口当たりのパンケーキと、深煎りのブレンドコーヒーがバツグンに合う! パンケーキってこんなにおいしかったっけ……?と思うほど衝撃的なスイーツ体験でした!
SUNUSU(スヌス)
〒070-0037 北海道旭川市7条通8丁目左2
https://twitter.com/sunusu_ask
スーパーディープなグルメスポット「姫小路」
SUNUSUの目の前にある路地を入っていくと、いかにも異質な空気が漂う建物が見えてきます。
ここは、飲食店やゲストハウスなどが身を寄せ合って営業している「姫小路」。昭和初期、もしくは大正後期に建てられたといわれている元遊郭の建物です。
この佇まい、シブくないですか? ディープスポットと呼ぶにふさわしい小路の奥は昼でも薄暗く、雰囲気満点です。
そんな姫小路の中でも僕の一番のお気に入りだったお店が、「館(やかた)」です。
どうして過去形なのかというと、つい先日閉店してしまったから。
写真:小林直博
中学を卒業してから、ずっと飲食業界で働いてきたというご主人の作る洋食メニューがとてもおいしかったのですが、今年1月にお店を閉められたそうです。
残念ながら「館」は閉店してしまいましたが、ほかにも名店が揃った姫小路で、ディープな雰囲気を味わってみてください。
旭川でクラフトビールならここ!「Freehouse THE YEAST(フリーハウス ザ イースト)」
ここ数年で全国各地に広がっているご当地ブリュワリー。その土地ごとのクラフトビールを飲むのが旅の楽しみになっている人も多いはず!
北海道のクラフトビールはもちろんのこと、全国各地、世界各国のクラフトビールが楽しめるビアバーが、こちらの「Freehouse THE YEAST」です!
なんと9種類のフレッシュなクラフトビールが樽生で味わえます。
写真:小林直博
上富良野町のブリュワリー忽布古丹(ホップコタン)のうますぎるクラフトビールに脳天をぶん殴られて固まってしまいました。
1階には立ち飲みスペースもあるので、待ち合わせの1軒目にもおすすめ! クラフトビールをサクッと飲んでから、夜の旭川に繰り出しましょう!
Freehouse THE YEAST(フリーハウス ザ イースト)
〒070-0036 北海道旭川市6条通8丁目37-5
https://www.instagram.com/freehouse_the_yeast
昭和レトロな飲み屋街「5・7小路 ふらりーと」内にある
「元祖やき鳥 よしや」
旭川駅から徒歩13分ほどの場所にある「5・7小路ふらりーと」には、飲食店を中心に18のお店が軒を連ねます。
暖色系の温もりあるネオンに、お店から登る香ばしい煙、昭和レトロな飲み屋街の雰囲気に気分も高まります。
名店揃いのふらりーとの中でも、「よしや」さんの焼鳥は本当においしい!
とりもつ玉子のみ(きんかん)、肝臓(豚レバー)、とりもつ (写真:原田啓介)
チャップ(豚肉一枚焼) (写真:原田啓介)
狭い小上がり席に身を寄せ合って、肉を頬張り、瓶ビールでグビッと流し込むと、もう、たまりません!
新子焼やキンカンもおすすめだけど、チャップ(豚肉)もおいしいので、ぜひ食べてみてください!
元祖やき鳥よしや
〒070-0035 北海道旭川市5条通7丁目右6
牡蠣を食べるなら専門店で!「味処居酒屋 野はら」
旭川は北海道のほぼ中央にある内陸の都市です。にも関わらず、北海道の流通の拠点であるため、オホーツク海、日本海、太平洋の3つの海から新鮮な海産物が集まります。
だから、海が近くになくても新鮮な牡蠣を専門店で味わえるんです!
写真:原田啓介
ジモコロ編集長の柿次郎さんも、厚岸産の生牡蠣をじゅるりと食べてこの表情
生牡蠣も焼き牡蠣も、いろいろな味で楽しむことができるのですが、絶対に食べてもらいたいのが「牡蠣素干し」です! これがたまらなくおいしい……。干すことで牡蠣の旨味がぎゅ〜っと凝縮されて、噛めば噛むほど味が出てくる。旨味の無限天国です。もちろんお酒にもめちゃめちゃ合いますよ!
味処居酒屋野はら
〒070-0033 北海道旭川市3条通6丁目左10
旭川のカルチャースポットを掘るなら
せっかくなら、もう一歩踏み込んでカルチャースポットにも足を運んでほしい! そこにはきっと、おもしろい人や情報との出会いがあるはずなので。
文化芸術の拠点「まちなかぶんか小屋」
旭川のカルチャースポットとしてまずご紹介したいのが、旭川駅前に伸びる買物公園通にある謎のお店「まちなかぶんか小屋」です。
店先には「沈黙ショップ」の張り紙と共に古着や雑貨が並んでいます。なんだか怪しそうですが、安心してください。ここには旭川のまちの魅力を知るうえで外せない、キーパーソンがいるんです。それが、スタッフの「たけちゃん」こと竹田郁さん。
向かって右にいるのが、「まちなかぶんか小屋」のたけちゃん
彼女は素晴らしいバランス感覚を持っていて、人と人をつなぐ天才。僕もお世話になっている、まさに、旭川の入り口になってくれる素敵なお姉さんです。
「今回紹介したお店も、ほとんどたけちゃんに教えてもらったんですよね」
「旭川は、実は駅から徒歩圏内におもしろい店がたくさんあるんです。こうして紹介してもらえて嬉しいな。カルチャーからおいしいごはんまで、なんでもそろっているので」
店内では本の販売も
たけちゃんが働いている「まちなかぶんか小屋」は、旭川市の中心市街地活性化事業の一環として、まちなかコミュニティの形成を目的に始まったプロジェクト。2013年にまちなかエリアの文化芸術の拠点として誕生しました。
現在はレンタルスペースとして市民に利用されたり、自主企画事業として音楽ライブや演劇、映画を上映したりと、さまざまな文化芸術活動の場として活用されています。
運営は「まちなかぶんか推進協議会」という任意団体が担っていて、運営費は約200名の会員からの年会費、レンタルスペースやイベントなどの自主事業、物販などの売上でまかなわれているとのこと。ほかには、市からの家賃補助などもあるおかげで、運営を継続できているそうです。
「『まちなかぶんか小屋』を見て感じるのは、行政が地域の文化芸術活動を積極的に支援しているってことなんですよね。これはあまり知られてない、旭川のまちの魅力だと思う!」
「そうだね、本や雑貨、古物や音楽まで、いろんなジャンルの文化があるんだよね」
まちなかぶんか小屋
〒070-0037 旭川市7条通7丁目右10 ※月曜定休
https://twitter.com/machi_goya
アートスペース「ギャラリーPuruPuru/こども冨貴堂」
まちなかぶんか小屋の斜め向かいにあるギャラリーもおすすめです。
映画にもなった絵本『あらしのよるに』の作画絵を担当した旭川市出身の絵本作家・あべ弘士さんが運営するアートスペース「ギャラリーPuruPuru」。
あべさんの作品原画を中心に、道内外のアーティストの作品を月替りで展示しています。
中に入ると、ちょうど翌日から始まる展示の準備が終わったところでした
ギャラリーPuruPuruのお隣には児童書専門の本屋さん「こども冨貴堂(ふうきどう)」があります。実はPuruPuruと冨貴堂はトイレが共通。トイレに向かう廊下からも店同士を行き来できるようになっていて、童心がくすぐられます……!
冨貴堂で僕の娘へのお土産に絵本を探していると、店員さんが声をかけてくれて、一緒に絵本を選んでくれました。ホスピタリティもすごい。
ギャラリーPuruPuru
〒070-0037 北海道旭川市7条通8丁目左1(買物公園通沿い)
https://twitter.com/gallery_puruこども冨貴堂
〒070-0037 旭川市7条通8丁目買物公園
https://www.facebook.com/kodomofukido/
旅と文化の交差点「あさひかわ編集室/BAITEN」
旭川駅から徒歩10分。旭川の歓楽街「3・6街(さんろくがい)」のすぐ近くに、フリーのライター・ナガソクミコさんが営む民泊「あさひかわ編集室」があります。2020年には1階に小さなお土産屋さんの「BAITEN(バイテン)」もオープン。
古い商店をリノベーションした店内には、北海道の作家さんの作品や、リサイクル商品、オーガニック商品、古物などこだわりの商品が所狭しと並べられています。
ナガソさんセレクトの木彫り作品は可愛らしいデザインの物が多く、北海道ローカルのピンバッジなど、空港やホテルのお土産屋さんでは手に入らないようなアイテムがたくさんあります。
実は、「まちなかぶんか小屋」のたけちゃんを紹介してくれたのはナガソさん
「お店の内装は友人の建物を解体した時に出た古材を使ってDIYしたり、商品も古物やリサイクルのものを取り扱っていたりします。単に消費するだけではなく、物を大切にする心も感じてもらえたら嬉しいです」
「お土産屋さんでもあり、2階が宿でもあるので、旅人と地域の人たちを繋げる場にもなっていそうですよね。僕自身ナガソさんに出会ったことがきっかけで旭川のおもしろい場所や人に出会うことができましたし、きっとこの場所にはそういう機能もありそうですね」
「個人でやっているっていうのがうちの売りだと思ってます。お店を開けてる時は必ず私がいるので、旭川のおもしろい情報を知りたいという人が来てくれたらどんどん紹介していきたいと思っています。
私自身が音楽好きなので、旭川ローカルのクラブイベント情報なども常に最新のものがあります。旭川でなにかおもしろいことに出会いたい人はぜひいらしてください!」
あさひかわ編集室/BAITEN
〒070-0032 北海道旭川市2条通5丁目2110−2
カルチャー好きが集う秘密基地
「ライブハウス モスキート/居酒屋ボーフラ」
繁華街から少し離れた路地に入ると、一見廃ビルに見える建物の入り口に「MOSQUITO」の看板が光っています。
写真:原田啓介
階段を降りた先にあるのは旭川のかっこいい人々が集うライブハウス「モスキート」と、併設されている居酒屋「ボーフラ」です。
写真:原田啓介
ボウフラは毎週水曜日に営業していて、オーナーのカズマサさんお手製の料理がなんと投げ銭方式で食べられます。しかもドリンクも200円〜という超良心的な価格設定! 気軽に来て、楽しんでもらいたいというカズマサさんの心意気がビシビシと伝わってきます……!
写真:原田啓介
実はカズマサさんは、まちなかぶんか小屋のたけちゃんの旦那さんです。
夫婦揃って地域に根ざしたカルチャースポットを運営しているなんて素敵すぎる……!お二人とも優しくて柔らかい空気を持っているから、人が集まって来やすいんでしょうね。
ライブハウス モスキート / 居酒屋 ボーフラ
〒070-0033 北海道旭川市3条通9丁目 木下ビルB1F
https://twitter.com/livemosquito
旭川のローカルフードをお土産にするなら
旅を締めるのに欠かせないものといえばお土産です。旭川市民に愛されるローカルお土産をぜひゲットしてください!
旭川土産といえば「旭豆」
昔から愛されている旭川の銘菓といえば「旭豆」です! 旭川の友人に名物土産を聞いてみると「旭川のお土産といえば旭豆でしょ!」と口を揃えて教えてくれるほど、地元の人に愛されている定番です。
炒った大豆に砂糖がコーティングされているだけの、シンプルイズベストなお菓子。素朴な甘さとポリポリとした心地よい食感で一度食べると止まらなくなっちゃいます!
アイヌの民族衣装を着たキャラクターのパッケージデザインも、昔から変わっていないそうです。
旭川のソウルフードはこれ!「ジュンドッグ」
ヒゲのコックさんが印象的なパッケージの「ジュンドック」。大人から子どもまで多くの市民に愛されている旭川のソウルフードです。
その正体は、なんと棒状に握られたごはん! そしてその中にはエビフライやチキンカツなどの具が入っていて、1本食べるとお腹がいっぱいになるボリュームです。
旭川の隣町、美瑛町のレストラン「ピジョン」が開発したジュンドッグですが、現在は旭川市と美瑛町で販売されていて、旭川駅のキオスクでも購入することができます。
次のページでは旭川のキーパーソンたけちゃんへのインタビューと、最後に今回紹介したスポットをまとめたGoogleマップを公開しています!