こんにちは、ジモコロライターの田中です。
ず~っと在宅で仕事をしてると退屈だしストレスが溜まりますよね。かといって大っぴらに外で発散するのも難しいご時世。
このモヤモヤどうすればいいの!?と編集長に相談したところ……
ホラーがすべてを解決してくれると言われました。
確かに、ホラーは退屈な日常を壊してくれる刺激に満ちているし、大声で叫べばストレスも発散できる!
でもぼく、怖いものが苦手で、ホラーに関しては映画もマンガもあまり見てこなかったんですよね。一体どれを見れば(読めば)いいのか……。誰かおすすめを教えて~!!
パッ
「こんにちは……くっくっく……」
「だ、誰!?」
「ホラー系のコンテンツを専門に作っている株式会社闇の代表、頓花(とんか)聖太郎です。ホラーのおすすめを知りたいと聞いたので」
株式会社闇(やみ)
お化け屋敷の企画や、映画「貞子」や映画「犬鳴村」のプロモーションなど、ホラーに関するプロジェクトをいくつも手がけている。怖すぎる自社ホームページも話題
「ホラーのプロじゃないですか! 僕、超初心者なんですが、オンラインで自宅でも楽しめるようなホラー作品を教えてもらえますか? 怖がりなので、優しい作品を……」
「くっくっく、わかりました。心臓が爆裂四散するほど怖いホラーをお望みなんですね?」
「ちっ、違っ……!」
「大丈夫ですよ、ちゃあ~んと初心者用から最恐ホラーまで導いてあげますから……洋画・邦画・マンガ・小説・You Tube動画などなど、何でも揃ってますよぉ~。さぁ、宴(パーティー)の始まりだ」
・目次
1P目
▼初心者向けホラー作品
『ハッピー・デス・デイ』prime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー(吹替版)、Google Play(吹替版)など
『キャビン』prime video、NETFLIX、U- NEXT、 TSUTAYA TV(吹替版)、YouTubeムービー、Google Play(吹替版)など
『ゲット・アウト』prime video、NETFLIX、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー、Google Play(吹替版)など
▼最恐ホラー作品(洋画)
『ヘレディタリー 継承』prime video、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー、Google Playなど
『ドント・ブリーズ』prime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー(吹替盤)、Google Play(吹替盤)など
『イット・フォローズ』prime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー(吹替盤)、Google Play(吹替盤)など
▼最恐ホラー作品(邦画)
『リング ~事故か! 変死か! 4つの命を奪う少女の怨念~』FOD
『CURE』rime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー、Google Playなど
『貞子vs伽椰子』prime video、NETFLIX、U- NEXT、 TSUTAYA TVなど
2P目
▼最恐ホラーコミック
『青野くんに触りたいから死にたい』Kindle
『ROUTE END』Kindle
『後遺症ラジオ』Kindle
▼最恐ホラー小説
『黒い家』Kindle
『メドゥサ、鏡をごらん』Kindle
『ユージニア』Kindle
▼You Tubeホラー動画
『Horror Short Film“The Dollmaker”』
『The Whistle – A horror short film by Bäppel』
※視聴可能、購読可能のリンクはすべて2020年4月時点のものです
怖さよりもドラマ性を楽しめ! 初心者向けホラー作品3選
『ハッピー・デス・デイ』
視聴可能サービス:prime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー(吹替版)、Google Play(吹替版)など
「では紹介していきましょう。初心者ならまずはこちらから! 何度も何度も殺人鬼に殺されて、殺されたら最初の1日目にループする話。永遠に殺され続けます」
「こわっ! 全然初心者向けじゃないような?」
「大丈夫です。何度も殺される設定自体を利用した謎解きエンタメともいえる作品ですから。テイストはホラーですが、最高におもしろおかしい映画ですね」
「え? そうなんですか?」
「『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』みたいな作品が好きならおすすめです。続編の『ハッピー・デス・デイ2U』もすごくいいのでセットで楽しんでほしいですね!」
『キャビン』
視聴可能サービス:prime video、NETFLIX、U- NEXT、 TSUTAYA TV(吹替版)、YouTubeムービー、Google Play(吹替版)など
「小さな山小屋の入り口が世界の破滅に繋がっている、という感じの作品ですね。ストーリーが命なので、あまり語りすぎるとネタバレになってしまうため、黙って見てください。おもしろいのは保証します」
「そんな~!」
「この映画にはホラーの文脈、お約束、モンスター、全部登場するので、これさえ観たら、現代ホラーは全部理解したといっても過言ではないでしょう」
「そう聞くと初心者が最初に観るにはピッタリですね」
「ですね。でもホラー好きならさらに『お約束』を楽しめてしまう作品なので、マニアな人にもおすすめしたいです」
『ゲット・アウト』
視聴可能サービス:prime video、NETFLIX、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー、Google Play(吹替版)など
「こちらはホラーというよりも、よくできたヒューマンドラマといったほうが正しいかもしれません」
「へえ?」
「もちろんホラーの要素もあるけど、そこまで怖すぎないですし、観た人たちは口をそろえて『脚本が最高』と評します。社会問題も折り込みつつ、完璧なエンターテインメントに仕上げている点は本当に素晴らしい……」
「そう言われたら、ちょっと観たくなってきたかも」
「実は、監督のジョーダン・ピールはコメディアンの顔もあるんですよね……『コメディアンなのにホラー?』という気もしますが、観賞後には妙な納得感があると思います」
「ホラーは苦手だけど映画自体は好きなので、脚本が良いって言われたら観たくなっちゃいますね」
ホラーの真髄へようこそ! 最恐ホラー洋画作品3選
『ヘレディタリー 継承』
視聴可能サービス:prime video、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー、Google Playなど
「初心者向けを楽しめた人のために、ちゃんと怖いホラーも紹介しますね。まずは洋画から」
「初心者向けだけで良かったのに……でもどちらかというと邦画のホラーより洋画のホラーのほうがまだマシだな」
「『ヘレディタリー』は、祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラーですね。ぼくが純粋に最恐だと思う作品のひとつです。悪意がすご過ぎる! メンタルごとへし折られる怖さがあります。」
「そ、そんなに……」
「妹・チャーリーの顔がめちゃ怖いのもいいですね。焦点が合わなくて、心がないように見える」
「ちょっと画像検索してみていいですか? ……うわ、本当だ。虚ろ~」
「ホラーがニガテな方って『効果音が怖い』って言うじゃないですか?」
「あー、僕がまさにそれです。急に“ジャーン!!”って鳴るのとか超ニガテです。それは恐怖じゃなくて驚きなんだから卑怯じゃない!?って思っちゃう」
「そんなものなくても怖いものはつくれるってことを教えてくれる作品です。たとえば、主人公・アニーの絶叫する顔で一気に恐怖に陥れられる」
「そう聞くと、ジャーン!のほうがまだマシなような…… 」
「個人的に好きなのは、アニーがつくるミニチュアです。このミニチュアの使い方が、映画のカメラワークとしても、心情を表現するうえでも、象徴的なシーンを再認識させる装置としても、バリバリに機能していてうまいですね」
『ドント・ブリーズ』
視聴可能サービス:prime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー(吹替盤)、Google Play(吹替盤)など
「こちらの作品は、幽霊やオバケの類は出ないんですよ。舞台は、大金を隠し持つと噂される一人暮らしの老人宅。盲目の老人と、不法侵入した若者グループとが対峙するお話ですね」
「え~、老人が若者にいじめられる姿なんて見たくないな……」
「逆です。盲目の老人は聴覚と嗅覚が異様に長けていて、ずば抜けた筋力があり、そして銃の扱いも優れています」
「追い詰められるのは若者のほうなの!?」
「最恐の老人が、主人公の目の前ギリギリを通り過ぎていく……少しでも息を漏らせば音やニオイで即座に見つかってしまう緊張感が怖すぎて! タイトルの通り息ができなくなりますよ」
「……はっ! すでに息が止まっていた」
「特に注目していただきたいのが、地下室の出口で老人が叫ぶ言葉ですね。あとあと、ものすごい意味を含んでいることに気づき、全身の毛が逆立ちますよ……」
『イット・フォローズ』
視聴可能サービス:prime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー(吹替盤)、Google Play(吹替盤)など
「肉体関係を持った男に、呪いを移された女性の話。呪われると“それ”という存在に追いかけられることになります」
「そ、それ?」
「“それ”には名前もなく、姿形も毎回変わるため、いつまで経っても慣れることはありません。追いかけるスピードは遅いんですが、永遠に逃げ続けなければいけない恐怖」
「真綿で首を絞めるような……」
「現代ホラーの決定版といえるでしょう。映像もかっこいいんですよね。アーティストのMVのような感じ。音楽も素晴らしくて。ゲームなどの音楽も作曲している音楽家・ディザスターピースが担当してて、スタイリッシュです」
「へぇ~それなら見てみようかな」
「ただし、映像や音楽に心を奪われて油断していると、唐突に“それ”に襲われることになるのでご注意ください」
和モノならではの恐ろしさ。最恐ホラー邦画作品3選
『リング ~事故か! 変死か! 4つの命を奪う少女の怨念~』
視聴可能サービス:FOD
「邦画は、なんと言っても『リング』ですね」
「『リング』はさすがに知ってます。テレビから貞子が出てくるやつですよね?……ん? でも、ぼくが知ってる松嶋菜々子さん主演のバージョンとは違う」
「それは中田秀夫監督の映画版ですね。確かにあの『リング』も最高なんですが、ドラマ版がありまして……」
「ドラマ版? あ~、あった! 確か柳葉敏郎さんが出てた……」
「いや、それは連ドラ版です。ぼくがおすすめするのは、高橋克典さん主演の2時間ドラマ版なんです。リング初の映像作品であり、『リング完全版』とも呼ばれる作品です」
「そんなにバージョンあるんだ」
「原作に忠実なのですが、はっきり言ってめちゃくちゃ怖いですよ。演出、展開、演技どれをとっても最高得点です」
「具体的にはどのあたりが怖いんですか?」
「謎解きのシーンですね。一気に『そういうことだったのか』というのがわかって、ゾッとする感じがやばいです。脚本家・飯田譲治さんの味わいでしょうね。あと、主人公の相棒役を演じた原田芳雄さんの安定感がすごい。バディものとしても最高ですね」
『CURE』
視聴可能サービス:prime video、U- NEXT、 TSUTAYA TV、YouTubeムービー、Google Playなど
「黒沢清監督のホラーにはハズレはないと思います。Jホラーの権化と言ってもいいのではないでしょうか。なかでも『CURE』は別格です。一人の娼婦が胸をX字に切り刻まれて殺されているのを、刑事が発見するところから始まるストーリーですね」
「その女性が恨んで霊になる?」
「いえ、幽霊やオバケは出ないんです。いわゆるサイコサスペンスですね。1カット長回しのシーンがとても重厚で。そうかと思うと衝撃的な短いカットが差し込まれて、『え!? 今のなに!?』と混乱させられて、解説もないまま淡々と進んでいきます」
「それって怖いんですか???」
「本作のキーマン・間宮邦彦を演じた萩原聖人さんの演技がすごいんですよ。『嘘でしょ?』と目を疑いたくなるほど、いい意味でセリフに魂がなく、独特の空虚感を生み出しています。人間って怖い」
『貞子vs伽椰子』
視聴可能サービス:prime video、NETFLIX、U- NEXT、 TSUTAYA TVなど
「Jホラー界のベストバウトといっても過言ではないですね。監督・白石晃士が、ほぼケレン味だけで構成したプロレスが最高なんです。最恐ホラークイーン決定戦!」
「貞子は『リング』、伽椰子は『呪怨』のキャラクターですよね。確かに、日本のホラーでは最も有名なキャラクター、2トップかも」
「そしてサブキャラが全員クセ者! 貞子大好きな大学教授、クチの悪い盲目少女霊媒師、イケメン霊媒師相棒などなど。隙間なくビチビチに要素が詰め込まれてます」
「貞子と伽耶子のバトルって、なんかネタっぽいですけど、マジなんですよね?」
「ネタにされがちですけど、ちゃんと怖いんですよ。発端は、『呪怨 -ザ・ファイナル』のエイプリルフールプロモーションだったんですが、それを目にした白石監督が『本当にやるなら、わたしに監督やらせてもらえませんか?』とツイートしたことで実現しました」
「ホラードリームだ」
「『バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!』このセリフで熱くならないわけがない。絶対におすすめです」