はじめまして。ライターの谷頭和希(たにがしらかずき)です。
今ぼくは、こんなところに来ています。
瀬戸内海に浮かぶ離島、佐柳島(さなぎじま)
香川県に属するこの島は、周囲わずか4km。ジョギングで有名な皇居の外周が約5kmなので、それよりも小さい島です。
人口は70人以下。特に目立った産業はありません。
そんな佐柳島が、近年にわかに観光地として人気が高まっていることをご存知でしょうか。
その理由が……
ネコです
もともと佐柳島は、島民の数よりも猫が多い島として、猫好きの間では有名でした。
それが近年、SNSなどで拡散され、一般の観光客もネコを求めてやって来るようになったんです。
佐柳島のネコが、SNSで爆発的に拡散されるようになった理由がこちら。
佐柳の名物の一つである、堤防の切れ目を飛ぶ猫。
堤防から堤防へ、ジャンプして飛び移るネコを撮影した写真が人気になったというわけです。もちろんぼくも、ネコに会うために佐柳島にやって来ました。
いや、
帰ってきました。
実は、ぼくの本籍はこの島にあるのです。
出身自体はこの島ではないのですが、先祖代々のお墓はこの島にあり、小さいころから何度も訪れていました。
というわけで、久しぶりの島で、ネコと宿と観光スポットを巡ってみます。
佐柳島ってどんなところ?
島の場所
佐柳島は香川県の仲多度郡多度津町(なかたどぐん・たどつちょう)に属する島。岡山と香川のちょうど中間ぐらいの場所に位置しています。
アクセス
東京から行く場合だと……
▼飛行機の場合
所用時間|4時間30分・値段|5万円前後
飛行機(羽田空港→高松空港)
↓
バス(高松空港→高松)
↓
電車(高松→多度津)
↓
フェリー(多度津港→佐柳島)
▼新幹線の場合
時間|5時間30分・値段|3万円前
新幹線(東京→岡山)
↓
電車(岡山→多度津)
↓
フェリー(多度津港→佐柳島)
を目安にしてください。
どちらも最終的に「多度津港」という香川県の港から、フェリーで島に向かいます。さすが離島、このルートが佐柳島への唯一のアクセスです。
なお、佐柳島行きのフェリーは1日に4本しか出ていないので時間に要注意です。
下記にフェリーの時刻表を掲載しておきますが、詳しくは運航会社「三洋汽船」のホームページを参照してください。
・佐柳島行きフェリーの時刻表
フェリーは本浦(ほんうら)地区と、長崎(ながさき)地区の2つの港に停泊しますが、島全体を観光したいなら最初の停留所である本浦地区で降りるのがおすすめです。
1時間ほどで到着します。
これが島の全体地図。
周囲4kmなので、1日あれば十分に観光出来るサイズです。
ではさっそく、ネコの島・佐柳島を、たっぷり観光していきましょう!
ネコノシマ上陸!
ネコがいっぱい
島に降り立つと……
すでにネコがいっぱいいる!
ていうか……
島中いたるところにネコがいるので、むしろ「いない」場所を探すほうが難しい!!
ネコも「人間はエサをくれる」とわかっているので、ガンガン寄ってきます。
ネコを目当てに来たであろう観光客の人も、結構いました。観光客が多く来るためか、こんな看板も。
・食べ物などのゴミは持ち帰りましょう
・家の敷地内に入って撮影するのはやめましょう
・(ゴミにならないよう)エサは一回で食べ切れるよう少しずつあげましょう
・道の真ん中でエサをあげると危険なのでやめましょう
あたり前のことばかりですが、ちゃんと守りましょうね!
港からほど近い場所に、飛ぶ猫が撮れそうなポイントがさっそくありました。
いい感じの堤防ですね。ここを、ネコがピョンと飛ぶわけか……
飛ぶ猫を撮ってみよう!
さっそく猫が飛ぶ姿を撮ってみましょう!
ネコが何匹かやってきました。
飛ぶかな……
飛ぶかな飛ぶかな……
飛ばない
飛ばないのです。ぜんぜん飛ばない。
ネットで「佐柳島 ネコ」と検索してみると、すごくいい感じでネコが飛んでいる画像がたくさん出てきます。簡単に撮れそうなのに、実は撮影するのが結構難しい……?
島の方に話を聞いてみると、
「うまくネコを誘導しないと飛ばないよ。エサでひきつけて飛ばすといいね」
とのこと。
結構なテクニックが要りそうです。
飛び猫誘導作戦発動
島の方に聞いた通り、堤防に交互にエサをまきながら猫の視線を引き、エサ目当てに飛んでもらうことにしました。
実際にやってみます。
右側の堤防にエサをまいて、しばらくすると……
エサを求めてネコがやってきました。夢中に食べていますね。
食べ終わるくらいのタイミングで、ネコの気を反対側の堤防へと向けます。エサの袋を振ったりして、音を出しながらエサをパラパラまくと……
向こう側のエサに気づきました。
反対側に置いたエサを見ていますね。飛ぶか、飛ぶか……?
飛んだ。
やりました。交互にエサを置いていく作戦、大成功です。
この方法をマスターすると、結構簡単に飛ぶ猫を撮ることが出来ます。
ネコの方もなかなか賢くて、「この人間、エサを持っているな……」と思うと、どんどん寄ってくるので、撮影確率もグンと上がります。
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慣れてくると、自然をバックにこんな美しい写真も
最初はエサを持っていてもなかなかネコが飛んでくれないので、ちょっとくじけそうになりますが、コツがわかれば簡単!
ただし、飛ぶ猫の写真を撮っていたプロっぽい観光客によれば、そもそもジャンプするネコと、ジャンプしないネコがいるそう。「全然飛んでくれないな~」と思ったら、諦めて別の場所に行くのも手です。
飛ぶ猫ポイント
さらに、島民の方に聞いてみると、撮影ポイントも大事みたいです。
ちょうどよい幅の堤防と、ちょうど猫が集まりやすい場所というのがあり、飛ぶ猫が撮りやすいのは……
この3か所とのこと。
フェリーが到着する本浦港に近い場所ばかりですね。
せっかく教えてもらったので、場所を移動して別のポイントにも行ってみましょう。
めっちゃネコ集まってる!
またまた先ほどの作戦で飛ぶ猫を狙っていきます。
撮れた! 瀬戸内海の絶景をバックに最高の一枚。
飛ぶ猫がこれほどまで話題になるのには、その背景にある美しい自然とネコが調和するからなのでしょう。
ネコと自然の調和……たった一枚の写真で、島の穏やかで独特な空気を感じることができるのです。