こんにちは、ライターのギャラクシーです。
僕は一時期、従業員数1000人の巨大工場で働いていました。他にも大小様々な工場で派遣やアルバイトとして働いてきたので、今回はその時の経験をもとに、工場勤務の人間だけがわかる“あるある”を50個挙げてみたいと思います。
そういった場所で働いたことがない人にとっては、驚きの連続かも!?
※あくまでギャラクシーが働いていた工場の話です
工場勤務あるある50選
1:朝が早い
デスクワークは9時や10時に出社する会社が多いですが、工場は8時開始とかザラです。しかも朝は作業服に着替える時間とラジオ体操の時間があるので、実際は開始20分前には集合する必要があります。
2:朝礼がある
「ヒヤリ・ハット」といって、危うく事故につながりそうだった事例を各部署で報告します。※ヒヤリ・ハット=ひやっとして、ハッとなった事例のこと(肉体労働系の仕事ではメジャーな用語です)
「とにかく何か報告しなきゃいけない」という雰囲気なので、ありもしない「ヒヤリ」を捏造したりする(カッターで指をケガしそうになりました、道具の扱いに注意しましょう、みたいな)。
3:終わるのも早い
17時には終わります。時間がいくらでもあるので、働き始めた頃は「帰って何をしたらいいんだ」と思いました。
4:と思ったら残業もあるのでいつも早く帰れるわけではない
納期に関してはデスクワークよりシビアでした。そのため残業が多いこともあります。ただ残業代はちゃんとつくところが多かったです。良くも悪くも労働時間の管理にすごく厳しいです。
5:自分が何を作っているのかわからない
大きな工場だと「謎の機械の一部に使われる小さな機械の集合体」とかを作る部署などがあり、全員「これ、なんなの?」って思いながら延々“何か”を作り続けます。
6:何を作っているのかがわかりすぎても混乱する
食品工場でベルトコンベアから流れてくるおにぎりに、延々明太子を注入する作業をしたことがあるんですが、途中から自分が何をしてるのか、それを考えている自分とは何なのかがゲシュタルト崩壊して、完全に脳が白くなったまま“そこ”に存在し続けます。
7:そんな中、ブラジル人のおばちゃんは余裕でベラベラ喋ってる
おしゃべりしながら他人の手伝いまでしてくれるので、「ブラジル人はタフで優しい」というイメージができあがってしまいました。
8:バスの送迎がある
海辺の工場で働いていた時は、最寄り駅からバスの送迎がありました。夜勤だったので、夜中に静まり返ったバスにゴトゴト揺られていると完全にドナドナの気分になります。
9:巨大な工場は田舎に作るので虫がいる
クリーンルーム(空気洗浄度が一定の数値を保っている部屋)なのにクワガタとかナナフシが歩いてたりする。
10:寒い
やっている業務によっては暖房をつけられないこともあるので、作業服の上にフリースを着たりするんですが、すぐにズタボロになります。
11:暑い
こっちの方がやっかい。そこら中で機械が動いているため、そもそも構内はサウナみたいに暑い。でもクーラーをつけてはいけない業務の場合は汗ダラダラで仕事をする。
12:ポカリとお茶の争奪戦
夏場は水分補給が大事なので、味の薄い飲料からどんどん売り切れていく。朝のうちに何本か買いためておくことが肝要。
13:最近の耳栓の性能にビビる
大きな音を出す作業時には耳栓をするんですが、最近の耳栓はネッチョリしててきれいに耳を塞いでくれるので、効果にビビる。ただ、それを上回る騒音があることを知り、さらにビビる。
14:工具類にはワクワクする
巨大なレンチや精密な工具類は見てるだけでワクワクする。自前ですごい特殊な道具を持ってる人もいる。
15:ベテランの人は工具をほぼ自分専用にしてて困る
それぞれの部署、それぞれの人でよく使う工具というのがあり、勝手に持ち出されないように変なとこに隠してたりする(本来は共用のもの)。休日出勤するとその工具がどうしても見つけられず、めちゃめちゃ困る
16:女性もいる
規模が大きければ、鉄工所みたいなところでも、少ないながら女性が働いてます。工場で見ると、どんな女性でも、めちゃめちゃかわいくて色っぽく見えます。
17:女性がめっちゃ多い工場もある
工場にも色んな種類がありますが、食品工場で働いた時は女性ばかりでした。というか、気のいいオバちゃんばっかりでした。
18:かぎ続ければどんなニオイでも嫌いになる
ガムやチョコレートの工場は最初の30分だけ「甘くて良いにおいだなぁ~」と顔がほころぶけど、一日中嗅いでると靴下のニオイより嫌いになる。
19:デスクワークへの憎しみ
自分で選んでその仕事をやってるのに、なぜかスーツ着てネクタイ締めてる人を見るとほのかな憎しみが生まれます。「おれの手はこんなに油まみれなのに!」みたいな。デスクワークもやってみると大変なんですけどね。
20:現場をよくしらない人がかき回してくる
安全対策的な部署が、実態に則さない夢のような案を次々に実施して、効率が著しく低下する。下手すると危険度が増す。
21:休憩の時間が厳密に決まっている
大きな工場では部署ごとに一斉に2時間おきに休憩します。時間の区切りがすごく明確。どんなしんどい作業でも、とりあえず2時間頑張れば休めるという安心感があります。
22:クレーンの移動は「東西南北」
指示を出す時に自分から見てなのか、相手から見てなのか混乱しないように(混乱するとすごく危険)、右とか左ではなく、「ちょい東!そのまま南!」といった感じで指示します。どっちが東やねん!とならないように天井や柱に方角が書いてたりします。
23:B定食は人気がない
食堂の定食、Aはしょうが焼きなどの和風、Bはフライ系など洋食が多いイメージ。あと売店が閉まってからも残業組が食べられるように、パンやお菓子の自販機が設置されていました。
24:とりあえず缶コーヒーを奢れば仲良くなれる
工場に限らず、肉体労働系の仕事で缶コーヒーを奢るという行為は、最上級の「仲良くしよう」にあたります。
25:喫煙率がめちゃ高い
休憩時間は大多数が屋外の喫煙所に集結するため、周辺がものすごく煙たい。基本的にはここですべてのコミュニケーションが行われる(構内は騒々しいのでお喋りを楽しむのは難しい)。
26:工場内でのみ通じる免許や資格がある
僕が働いてた工場では「クレーン補佐」といった工場内免許、あと「薬品管理」などの工場内資格がありました。他の場所ではまったく意味がないものですが、それを持ってないとできない作業があり、給料もプラスされます。
27:元ヤン率は想像してるほど高くない
ただ、一定数は必ず居て(デスクワークにも居ますけどね)、そして元ヤンの人は仕事を頑張るし声が大きいので、それなりのポジションにつくことも多いです。
28:みんな結婚してる
若くして結婚してる人が多い。そして子供もポコポコ生まれる。この繁殖力は何なんだ……と畏怖の念を感じる。
29:しかしキャバクラや風俗には行く
割引券やスタンプカードを家庭に持ち帰るわけにはいかないので、独身社員が一括管理してたりする。
30:勤続年数至上主義
体育会系なのでほとんどの人は目上に対して敬語ですが、たま~に勤続年数至上主義の人もいて、10歳くらい年下の先輩が気さく過ぎる言葉遣いで話しかけてきたりします。
31:休憩中の話題はギャンブルが8割
残りの2割はスナックか風俗の話。「ついていけそうもない」って思いました?それが、そうでもないんですよ。なぜなら……
32:ずっと喋ってる派閥と、永遠に無口の派閥がある
大きい工場だと、仲間意識が強くてずっと喋ってる人たちと、「金を稼ぐ手段」と割り切ってコミュニケーションを取らない人たちが混在してて、普通に共存してました。人間関係苦手な人は大きい工場に行くのがおすすめかも。
33:ゴミの分別が大変
紙や不燃などはもちろん、金属や薬品もあるのでゴミ箱が何種類もある。
34:健康診断の項目に、デスクワークでは見かけない項目がある
大きな音が出る工場では聴力検査が何種類かありました。また、振動する道具を使う工場では、指先の感覚が鈍っていないかの検査もありました。
35:防毒マスクや手袋が必要な業務もあるが、めんどくさくなって使わない
新人の頃はかっこいいのでフル装備で仕事に挑むけど、しばらくするとめんどくさくなってつけなくなる。バレると班長に「おまえらのために言うとるんじゃ!」って怒られるけど、やっぱりつけない。
36:構内ではヘルメットか帽子(中がプラスチックで補強されてる)をかぶらなければならない
ムレるしめんどくさいけど、絶対に一回二回は機械(鋼鉄)のカドに頭をぶつけてその衝撃に呆然とするので、「かぶっといてよかったぁ~~!」と思い知る。
37:ものすごい姿勢で仕事してる先輩がいる
機械の底面などをいじる時、バレリーナみたいなすごいポーズで隙間に入り込んで仕事してる人がいる
38:工場内で荷物を運搬する牽引車のBGMがファンシー
牽引車が動く時はパトランプをつけて音楽が鳴るんですが、その電子音が「おどるポンポコリン」などかわいらしい曲が多い。40代~50代のコワモテの職人がそのメロディと共に真面目な顔で構内を進んでくると絶対笑う。
39:定時になった時の「仕事が終わった感」はデスクワークの比じゃない
カラダを使うので単純に達成感が大きい。あと「作業服や安全靴を脱いで私服に着替える」という儀式的行為も「仕事が終わった感」を高めてくれます。
40:帰りの電車で女子高生にイヤな目で見られる
薬品とかを扱った時に、めんどくさくて手袋をしなかったり、終わってからちゃんと洗えてなかったりすると、手がめちゃ臭くなります。電車に乗って下校中の女子高生の集団なんかがいると、きれいに自分の周囲だけ人がいなくなります。すいませんでした。
41:靴下にすぐ穴があく
安全靴の先が硬いからか、ハードに使用するからか、穴があくのを前提で履くことになります。ちなみに安全靴というとブーツみたいなものを想像すると思いますが、最近はパッと見はスニーカーにしか見えないものも多いです。
42:休み中は、休める
基本的に「工場を出たら仕事のことは脳から追い出してOK」なので、家で仕事を思い出すことは、ほとんどありませんでした。デスクワークだと家に仕事を持ち帰るなんてこともありますが、工場の機械を持ち帰るわけにはいかないですからね。
43:結構良い給料
僕が行った中で一番高かったところは1年めで30万くらい(ただし残業・休日出勤かなりあり)でした。工場勤務は、残業が多くて稼げるところと、給料低いけどあまり残業がないところに分かれていて、そしてそれはどちらもメリットと言えます。なので、僕は面接の時に「残業ってどれくらいありますか?」と正直に聞いてました。
44:失敗したらエライことに……と思ったら意外と何とかなる
これはもう腹を切ってお詫びするしかない、という失敗も、熟練の職人さんだけが知ってる裏技によって何とかなったりします。ただし怒られるのは怒られます。
45:仕事の腕一本でのし上がってきた職人の迫力
基本的に叩き上げの人ばかりなので、めちゃめちゃ迫力があって怖いです。普段は優しいけど、ヌルい仕事してると失神しそうなほど怒られます。
46:仕事はできないけどめっちゃ優しいおっちゃんがいる
10何年もその工場で働いてるのに全然仕事できないおっちゃんというのがどこの工場にもいて、そういう人は大体すごく優しい。他の先輩などは怖いので、新人の頃は何かあったらそのおっちゃんのところに行って相談することになる。
47:おっちゃんを卒業する
ある程度仕事を覚えてきたら、相談相手はもっと仕事ができる先輩になる。世話になったにも関わらず「あのおっちゃん仕事できねぇなー」と軽く見るようになり、卒業する。
48:というあたりで油断して大きな失敗をし、おっちゃんに泣きつく
「まぁ失敗なんかよくあることや。ワシなんか今も毎日失敗しとるわ(笑)」という言葉をかけてくれるのでホッとする。
49:おっちゃんを卒業する
ほとぼりが冷めたらやっぱり卒業し、「あのおっちゃん仕事できねぇなー」と軽く見るようになる。
50:仕事を辞めてからもおっちゃんには会いたくなる
おっちゃん、元気かなぁ。
まとめ
いかがだったでしょうか。
個人的な感想ですが、僕が働いてたいくつかの工場は人間関係が気楽で働きやすかったです。「休み中は、休める」という項目などもありましたが、とにかくオンとオフがめちゃめちゃハッキリしてて、だから無理に構ってこないんですね。
逆にアットホームな環境が好きなら町工場も良いのではないでしょうか。
今思えば工場ワークもなかなか楽しかったなぁ。気になった方は検索してみましょう!
(おわり)
ライター:ギャラクシー
株式会社バーグハンバーグバーグ所属。よく歩く。走るし、電車に乗ることもある。Twitter:@niconicogalaxy