こんにちは、散歩おじさんwithレスラーです!
普段は「サンポー」という散歩専門サイトで愉快な散歩をしています。意図せず服装が黒で固まってしまいすみません。真ん中の井上マサキがこの記事を書いております。
今日は小田急小田原線の柿生駅に来ています。住所で言うと川崎市麻生区。新百合ヶ丘から1駅だけ西に位置する、快速と急行が止まらない駅こと柿生駅です。
小田急沿線の方しか知らない駅かとは思うのですが、柿生は散歩おじさんにとって歩きがいのある街です。大きなショッピングモールも無く、昔ながらの、しかも古すぎず、新しすぎない商店街があります。味のある看板や建物も多く残っています。「手付かずの自然が残っている」みたいなノリで降り立っています。
今日はこちらで「散歩王決定戦in柿生」を行います!
【ルール】
- 街をぶらぶらして、お題に沿った写真をそれぞれ撮ってくる
- 制限時間は30分。写真はお題1つにつき3枚
- 30分経ったら再び集合。写真を見せ合って、みんなでやいのやいの言う
前回の「散歩王決定戦in高津」とルールは同じ。街から「お題に沿ったもの」を借りてくる、借り物競争+大喜利みたいな競技だとお考えください。
本日のエントリーメンバーはこちらの3名です!
今回はゲストプレイヤーとして、新百合ヶ丘に拠点を置くプロレス団体『プロレスリングHEAT UP』から兼平大介選手に参加していただきました。散歩力は未知数ながら、路上プロレスで鍛えられた街を見る目には光るものがあるはず……!
「今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
「路上プロレスって、ほんとにその辺の街角で戦っちゃうんですか?」
「やっちゃいますね。こういうのとか……」
「思ったよりアスファルト!」
「珍しいところだと川崎市長の市長室で戦ったことがあります」
「市長と!?」
「いやいや(笑)うちの団体で市長を訪問したときに、流れで川崎市長にプロレスを見せることになったんですよ。でも、その時よりも今回のほうが緊張します」
そんな百戦錬磨のレスラーをも緊張させる、本日の気になるお題はこちらです。
というわけで、集合して5分も経たないうちにプレイヤー3人は柿生の街に散りました。相手が何を撮ったのかはお披露目まで内緒。30分後のお楽しみです。
お題の答えを求めて柿生の街をブラブラしていると、あちこちでこのキャラをよく見かけます。「かきまるくん」という名前らしい。なんでも、ここ柿生は昔『柿生村』という村で、日本最古の甘柿と言われる『禅寺丸柿』の原産地なのだとか。なるほど、ゆるキャラにするわけだ。
「かきまるくんとも戦ったことあります」
「対戦相手のレンジが広すぎる」
~30分後~
プレイヤーが再集合し、さて撮った写真をお披露目……ということで、場所を探して中華料理屋に入ったのですが、これがまぁちょうどランチタイム。
全員でガッツリ昼食をとってしまいました。美味しかったので「あ!写真!」と思ったときには料理がありませんでした。法事を終えた一コマみたいな写真ですね。
そうそう、前回は参加者3人だけの内輪でMVPを決めましたが、今回はきちんと川崎市麻生区にゆかりのある「審査員」をお呼びしましたよ!
「兼平さんや稲垣さん、浅井さんは普段からこの辺りでお会いしてるんですか?」
「いや、こういう形で全員揃うのは初めてですね」
「私は普段Cloverとして活動してるのですが、兼平選手はイベントでご一緒することもありますね。『プロレスマルシェ』という川崎野菜の直売会とプロレスを楽しめるイベントで、私はテーマソングを歌ってます。1月19日(木)に新百合ヶ丘・トゥエンティワンホールで開催されるのでぜひ!」
「川崎野菜とプロレス?」
「あ、そうだ動画ありますよ」
「のっけから兼平選手が登場してる。プロレスと何かって絶対面白いからずるいなー」
~~発表タイム~~
□1番手:井上マサキの発表
「じゃぁ僕からいきますね。これたぶん、なにか封じ込めてると思うんですけど……」
「チェーンを巻くだけでも厳重なのに、ブロック片まで置かれてるんですよ。ファンタスティク・ビースト的なやつを封じ込める便利グッズかと」
「魔法じゃなくて物理的に封じ込めちゃってるし、便利というより、必死? ギリな感じがしますけども」
「いざとなったらブロック片の予備もありますからね。ガタガタ!ってしたら乗せてもらえれば。ちなみにここ、飲食店の店先です」
「飲食業界の闇だ。なんかいいダシでも出るんですかね」
「次はですね、使う人次第のグッズです。地図なんですけど……」
「柿生の街をベースに自分だけの地図を描こう!という便利グッズ」
「抜けてるところを自分で描くんだ」
「俺だけの最強の幹線道路とか、ここにTSUTAYAとオリジン弁当がほしいとか思いのままです」
「いいなぁ。アナログなシムシティですよね」
「私はこの辺にスタジオが欲しいです。ところで、これ一度書いたら消せるんですか?」
「また剥がしてもらえれば」
「剥がすんだ(笑)」
「結果いいところだけ残るんで、柿生の住民の理想がどんどん蓄積されるようになってます」
「右上とか一回も剥がされてなさそう。すっごい良いこと書いてあるのかな」
「最後はよーく見てほしいんですけど……」
「駐輪場の前に石の柵があって、フックがすごい並んでいるんですよ」
「自転車と一緒に犬をつなぎ止められると思うんですよね」
「あの白い枠のなかで犬がずら~っと待ってるんでしょ? いい光景ですね」
「柵は駐輪場と同じように『当日利用』と『月極』にわかれてますから。月極に無断で止めると罰金2万円取られます」
「帰宅時間あたりは犬たちが大騒ぎしそう」
「ご主人が来ない忠犬はじっと待ってるんで、50年後には5,6体銅像があるでしょうね」
□2番手:ぜつの発表
「僕はタクシードライバーなんですよ。タクシーって『担当車』が決まっていて、僕の担当車にはドリンクホルダーをつけてるんです。でも、たまにドリンクホルダーが無い別の車に乗ることがあって、すごい不便。そんなときにこれ」
「このヘルメットさえあれば、どこでもドリンクホルダー」
「これはすごいなあ。なんとなくこなれてるし、工事現場では常識の可能性ありますね」
「どれだけ荒い運転してもこぼれないですから。バケツに水入れて振り回すやつみたいに」
「それヒゲダンスで観たことある」
「次のやつは便利グッズっていうか、X JAPANのYOSHIKIが……」
「もうおかしい」
「便利グッズの説明でYOSHIKIの名前が出る時点でおかしい」
「YOSHIKIが首に巻いてるやつあるじゃないですか。あれが壊れちゃったときの予備なんですけど……」
「??」
「YOSHIKIが首に巻いてるやつ??」
「YOSHIKIは巻いてます」
「全然共感できないけど、YOSHIKIは巻いてますって断言してるから巻いてるんだろうなぁ。あとで『YOSHIKI 首』で画像検索しよう」
「まぁとにかくYOSHIKIは首に巻くんですけど、夜は目立たないんですよ。だから……」
「暗闇で光る巻くやつです」
「なるほど、これなら夜の六本木でも『あ!YOSHIKIだ!』ってなる。でも電源の確保とかどうやってるんだろう」
「日中に蓄電して、夜放電してるんじゃないですか。ちょっとしたそういうシステム。YOSHIKIシステム」
「YOSHIKIシステム」
□3番手:兼平大介の発表
「いやぁ……みんなのと全然違うなぁ……」
「何出すんだろう」
「便利グッズですよね。みなさん、筋斗雲に乗りたいときがあると思いますが……」
「そんなときはMr.Mushipanの上に乗っていただければと」
「かわいい~」
「なんなら食べられますからね。だけど飛びながら食べちゃうと、力が弱くなってどんどん高度が下がっちゃう」
「以上です」
「1枚で終わったぞ!」
「ひとつのお題に対して3枚撮るルールが伝わってなかった!」
「すいません」
□1番手:井上マサキの発表
「70円くらいのものを探してたんですけど、ちょうどフリーマーケットをやってたみたいで……」
「駐車場にトレーナーがかけてありました」
「なんなんだろう、謎の70円っぽさがある」
「USAって書いてるし米軍払い下げなんじゃないかと」
「米軍ってことはテクノロジーがすごいんでしょうね」
「銃弾が飛んできても繊維がグルグルッ!って巻き付いて止めますからね。あとすごい暖かい。ヒートテックの200倍」
「暖かさ、そんなに要ります? ヒートテックでも小汗かくし、200倍とかただただ暑そう」
「次はですね……。これたぶん、元々100円のものだったと思うんですよ。30円分無くなってて……」
「元々は長方形で100円だったのに、30円分無くなってこれなのか。ユザワヤみたいに切り売りしてるんですね。10円単位とかで」
「切り売りしてもギリギリなんとか使えてますけど、半分以上売っちゃうと『だすな』だけになっちゃうのが悩みのタネです」
「まぁでも、右上に『PRICE DOWN』って書いてありますからね。30円分PRICE DOWNしたんでしょうね」
「ホントだ……!気づかなかった! じゃあそれで!」
「最後は、『いろいろあったけど、結局は70円だよな』ってやつです」
「結局どれだけ宝くじを買ったとしても、当たったりハズレたりして、手元に残るのは70円だよね……という……」
「それ20年選手のベテランが言うやつっぽい。でもプラスにできてるだけすごいですよね。期待値から言うとプラスにはならないですよ」
「ちゃんと計算したらとんでもなく損してるから、なんとなく70円って言ってる感じなんでしょうねぇ」
□2番手:ぜつの発表
「最初はそこそこの価値だったんですけど、余計なことをして70円になったのがこれです」
「スシ……」
「スシ……」
「寿司屋限定なんで70円です」
「そういえば兼平さん、よくパイロンを凶器に使ってますよね」
「あー使いますね、路上プロレスで。ちょうどいいですよね」
「じゃぁ今度ぜひ! これ写真には無いんですけど、実際はこれと同じものが2個ありましたから、両手にスシを構えられますね」
※ちなみに、兼平選手は普段はこんな感じでパイロンを使用しているそうです。
「じゃ次ですね。やっぱり寒い季節は鍋かなと思うんですよ。スーパーに白菜が並んでますけど、さすがに70円じゃ買えない。そこで……」
「枯れた白菜です」
「リアルに70円くらいのものじゃないですか。無人販売所とかで売ってそう」
「味は変わらないのに店頭に並ばないタイプだ。TOKIOが喜んで持っていくやつ」
「最後のこれは、すごく一生懸命作ったやつだと思うんですよ。でもまぁ、せいぜい70円……」
「なんですかこれ……?」
「植木鉢で作った人形ですね」
「ホントだ、小さな植木鉢がびっしり。ハンドメイドだからminneとかで売れるかな……。それにしてもだいぶ年月経ってますね、これ」
「若干のラピュタ感がありませんか。あんなに大きかったのに、いまこんなサイズに……」
「これ巨神兵だったんですか!?」
□3番手:兼平大介の発表
「70円の価値のものですよね……」
「えー、毛皮です」
「これを剥いで……」
「生々しい!」
「悪いなぁ~。悪いうえに70円だもの。通常の毛皮の流通ルートじゃつかない値段ですよ」
「柿生から猫が消えたら真っ先に兼平さんが疑われますよ。所持金が70の倍数だったら完全にクロ」
「あと、サイがいたんですけど……」
「このサイの角を取って売ると、70円です」
「やたら取ったり剥いだりしちゃうな、この人。さすが発想がレスラー」
「今のところ、持ってくるものは全部可愛いんですよ。筋斗雲と猫とサイ。でも剥いじゃう」
□1番手:井上マサキの発表
「このお題難しかったんですよね……。まぁベタなところから」
「つかんで投げてつかんで投げてだと思うんですよ」
「兼平さん、凶器の専門家として、このなかで実際投げられたら痛いのなんですか?」
「バスケットボールですかねぇ。色はベーシックな茶色が良いと思います。お客さんにわかりやすいっての大事なんで」
「ためになるな〜。一生使わない知識だろうけど」
「次のはね、結構大掛かりなものですよ」
「上流の流れが緩くて、途中でガーッって急流になって、また流れが緩くなるエリアがあったので、懲らしめたい子供がいたら上流から船で流してください」
「『川から流すぞ!』と連れてこられて、なんだ大丈夫じゃんと思ったら……」
「ガーッと!なりますから」
「真ん中の平らなところでお父さんが腕組みして立ってるんでしょうね。最後流れが緩くなったところでお父さんが『……な?』って言う。」
「この緩急はディズニーランドとかの手法ですかね。スプラッシュマウンテンの落ちるところと同じ原理でしょ」
「あー、急な流れのところで勝手に写真が撮られてて、出口で1500円とかで売ってたりするやつ」
「次に子供が悪いことしたら『お前こんな顔してごめんなさいしてたじゃん』って写真を見せつけよう」
「あ、ちょうどお金の話が出たので、最後はそういう凶器を紹介しますね」
「見てください、この目つきの悪さ! 僅かな年金をも搾り取っちゃう」
「あれっ、JAのリス、こんなでしたっけ!?」
「チャイルド・プレイのチャッキーでしょ。『退職金!キキキ……!』とか言いそう」
「そんでグレムリンみたいに水を浴びたらたくさん増えたりして」
「実はブラインドの向こうに何匹もいるんじゃないですか。JAの職員が血を流して倒れていて……」
「怖い怖い! JA怖い!」
「全部おじさんたちの妄想なので大丈夫です」
□2番手:ぜつの発表
「今日の曇り空とリンクさせようと思って選びました」
「殴ったら痛いんだけど、雨のなか戦っているとずぶ濡れになるので、最後は一緒に傘をさして帰ります」
「兼平さん、実際、傘で殴られると痛いんですか?」
「痛いですね。何度か殴られたことあります」
「でも最後にそっと傘をさされたりしたら……」
「優しいですね」
「あとこれ折り畳み傘だから、伸ばした状態で突き刺せばシャコン!って縮みますよね。おもちゃの飛び出すナイフみたいな感じに。そういう意味でもこれは優しい」
「次のやつはね、こいつの足を片手で持った状態で、ふわっと殴れば……」
「これは……?」
「フクロウです。足は爪があるからぶつかっちゃうと痛いんで、足はちゃんと持って叩くと」
「足握ってフクロウ振り回している人は全然優しくないんじゃないですか。あとこのフクロウの目の笑ってなさもすごい。『ねないこだれだ』の目ですよね」
「最後は運任せの凶器です」
「『やれっ!』バサバサバサ!って感じで」
「鷹匠みたいなこと!? この鳥は訓練されてるんですか?」
「されてないです。野生のムクドリなんで懐かないです」
「あれ、ムクドリって群生してませんでしたっけ? 仲間を呼んで一斉についばんだら『わ~!』ってなりますよ」
「ヒッチコックだ。攻撃力高いじゃないですか」
「ただ、自分が思ってる相手を攻撃してくれるかどうかは運次第です」
□3番手:兼平大介の発表
「いよいよ凶器の専門家ですよ!」
「これはね、この顔を見た瞬間に、凶器としか思えなくなりました。」
※議員のポスターです
「この、悪そうな顔……」
「めちゃくちゃいい人ですよ!地元のお祭りに来て、いっつもフランクフルト食べてますし」
「敵に回すと怖いなって」
「まぁ敵に回したらそうでしょうね。プロレス防止条例とか議会に出されますよ」
「2枚で終わりなんですけど、この人から蹴られたらもう……」
※サッカー選手のポスターです
「顔は優しいですけど、キック力はすごいと思うんですよ」
「だから戦っちゃだめだってば!」
「動物も人間も全部対戦相手として見てますよね!?」
「あの、ちょっといいですか。兼平さんの写真、記事で使えなくて困る!」
~~MVPを決めよう~~
最後にひと波乱ありましたが、全ての回答が出揃ったので、審査員の方々にMVPを決めていただきます!
その結果、栄えある「散歩王in 柿生」に選ばれたのは……
「70円の『とびだすな」です!」
お題「実際70円くらいのもの」から、井上マサキの「とびだすな」がMVPになりました!やった!ありがとうございます!MVPに選んだ決め手はなんでしょう?
「PRICE DOWNですね」
「減っていったというストーリー性がよかったです」
「なんでこの部分だけ真っ直ぐ切れてるんだろう?っていうのも不思議でした」
「長方形のものがゴッ!って当たったんじゃないですか?」
「なんだその長方形のものって」
優勝賞品は柿生の交差点に落ちていた枕です!なぜここに!
以上、散歩王決定戦 in 柿生でした!
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書いた人:井上マサキ
ライター。好きな路線図はロンドンとプラハ地下鉄。子供のころ「脱サラ」はサラ金から逃げ切ることだと思っていました。 Twitter:@inomsk 個人サイト:イノミス