こんにちは、ジモコロ編集長の柿次郎です。網走の独居房から失礼します。
2016年も残すところあと僅か。世界情勢から国内の芸能ニュースまで、激動の一年だったのではないでしょうか。今年もジモコロ編集長として地道に全国47都道府県を対象にあちこち取材してきたわけですが…
一年半でジモコロが訪れた都道府県はこんな感じです。
※赤が行った場所、緑はまだ行けていない場所
ちなみに2016年でいえば約26カ所を取材しました。複数回訪れたのは長野県、京都府、福岡県。来年は47都道府県を制覇したいんですが、一度行けば土地や人との縁が生まれて、「もう一回行きたいな…」となるのが人間の性です。
とりあえず年明けに九州取材が確定しているので「鹿児島県」「宮崎県」「大分県」のどこか行ければなぁ、と。
ジモコロの取材は基本、地元の人におすすめを教えてもらいながら行動するスタイルなんですが、あまりにもあちこち巡りすぎて記憶力がやばいことになっています。1982年式の僕の脳みそのHDD容量は128MBほど。デフラグをいくらかけても隙間が生まれない状態…。歯槽膿漏の歯茎みたいに記憶がガタガタです。
まだ少しでも記憶があるうちに、脳みそを雑巾絞りの要領で棚卸ししたいと思います。絞り落ちろ! 記憶の果汁…!
というわけで、ジモコロらしく「もう一度行きたい!」と思った「◯◯県」「温泉」「グルメ」「ゲストハウス」に合わせて、「もう一度買いたいお土産」、「買って良かった旅グッズ」なんかをベスト3形式で紹介させていただきます。あくまで主観に基づいたセレクトですが、今後の参考にしてみてください。
もう一度行きたい「都道府県」
1位:山形県
上野から新幹線で約3時間。決してアクセスは悪くないものの、観光視点であまり語られることの少ない山形県ですが、個人的には超好みでした。
まず人が優しすぎる。個性豊かなメシも美味いし(麺の量が多い!)。各市町村には温泉施設が必ずあるのもポイント高いです。
また、山の形で山形という地名まんまの景色も素晴らしい。出羽三山中心の山岳信仰が生まれて当然だな…と納得できます。2017年は何度か通いたいな〜。
2位:福岡県
今年は二度、福岡に行く機会があったんですが…ようやく高い文化度を支える歴史的背景みたいなものが理解できて「そりゃ、強いわ!」とハラオチしました。
飯が美味い、女の子が可愛い。そこに大好きなコーヒーとカレー文化が高いレベルで共存している。「お前、明日から福岡な」って言われても「おっけー!」と、軽いレスポンスで移り住める自信があります。家賃めっちゃ安いし。移住者の多さも納得!
3位:長野県
相変わらず長野に通い続けた2016年。ちゃんと数えていないんですが、15回以上行っていると思います。
そもそも「長野=インド説」を唱えたくなるくらい広大な土地に、個性豊かな町があちこちに点在しているため、「何度行ってもまわりきれねぇ!大迷宮か!」と好奇心が尽きません。
よく通った土地は長野、松本、上田、諏訪、信濃町、安曇野、白馬など。来年は佐久、軽井沢も行きたいし、伊那、木曽、飯田のよりディープそうな南信も攻めたいですね。
もう一度浸かりたい「温泉」
1位:北海道 屈斜路湖「和琴温泉」
一度記事にしていますが、カルデラ湖畔沿いに突如出現するドラクエ感は2016年ベストでした。根室中標津空港から車で一時間ちょっとで行けるアクセスの良さ。「秘境温泉」のカテゴリには入らないものの、インパクトと満足度はさすが北海道クオリティです。来年も道東エリアに行く機会があれば絶対行くぞ!
住所:北海道川上郡弟子屈町字屈斜路和琴
TEL:01548-2-2191(弟子屈町役場)
2位:長野県 信玄の隠し湯「加賀井温泉」
いつかジモコロでも記事化を狙っている長野のディープスポット「加賀井温泉」。語るべき要素はたくさんあるんですが、特筆すべきは茶褐色の泉質ですね。硫黄成分が強すぎて、写真右側の源泉が湧き出ているところに鼻を近づけると…「ギュンッ!!」と身体がねじ曲がるほどの刺激臭を体験できます。脳が拒絶するやつ。
痔がひどいときに訪れて「治れ、治れ、治れーっ!」と湯治していました。キュッとお尻に力を入れて。信玄が隠すだけのことあって肌もスベスベになります。
住所:長野県長野市松代町東条55
TEL:026-278-2016
3位:長野県 エメラルドグリーン「七味温泉」
また長野ですみません。北信エリアにある信州高山温泉郷の「七味温泉」が想い出深いので、3位にさせていただきました。
文字通り7つの源泉が出る土地らしく、ホテル渓山亭が運営する日帰り温泉施設は、ご覧の通りエメラルドグリーンのお湯が特徴。標高1,300mの立地もあって抜け感もある露天風呂がすばらしいです。詳しくは以下の個人ブログでどうぞ!
住所:長野県上高井郡高山村七味温泉牧2974−48
TEL:026-242-2921
もう一度食べたい「グルメ」
1位:島根県 久鶴「赤鯛」
魚の美味さは鮮度に尽きるな…と真理に近づいた体験がありました。それが島根取材で訪れた出雲市駅前の料理屋「久鶴」で注文した「赤鯛の煮付け」です。老夫婦二人で小さく営んでいるお店。
大将いわく「朝獲った鯛を活き締めして、市場を通さずに漁師から直接仕入れている」とのこと。鮮度には相当な自信があるようで「え、鯛ってこんなに美味いの!?」と感動しました。いやー、脳が覚醒するほど美味しかったなぁ。
店名:久鶴
住所:島根県出雲市今市町1273
TEL:0853-23-2801
2位:岩手県 大寿司「寿司」
2016年は奥深い寿司の世界に踏み込んだ一年でもありました。都内で1万円以上する寿司を誕生日祝にご馳走になったんですが、技術料が乗った寿司の世界やべー!と柏手を連発。「このレベルの寿司をもっと食べられるようになりたい」と心に誓いました。
その一ヶ月後。岩手県宮古市取材でふらっと入った「大寿司」は、手間暇を惜しまず職人技術をふんだんに盛り込んだ激ウマ寿司が出てきてテンションMAXに。都内の1万円以上する寿司よりも美味いのでは…?と思うぐらいだったんですが、一人たったの3000円ぐらいで唖然としました。この寿司のためだけに岩手にもう一度行きたい。マジで美味かったなぁ。
店名:大寿司
住所:岩手県宮古市西町2-1-8
TEL:0193-62-7417
3位:静岡県 炭焼きレストランさわやか「げんこつハンバーグ」
ジモコロ的に外せないのが「さわやか」のげんこつハンバーグ! 山本さほさんの愛情がすごすぎたので「確かめに行きましょう」と取材同行したら、ガチで美味かったです。
備長炭の強火と遠赤効果。ギュッと旨味が閉じ込められていて、口の中にミディアムレアな肉の塊を放り込むと昇天確実…! この記事きっかけでテレビ、ネット含めて露出が増えたような印象すらあります。この記事を参考に、行列対策を考えて向かいましょう。
もう一度泊まりたい「ゲストハウス」
1位:長野県 信濃町「LAMP」
累計20泊以上している長野県信濃町の野尻湖沿いにあるゲストハウス「LAMP」。
全国あちこちのゲストハウスに泊まっているんですが、元々ペンション×アウトドアスクールの施設をリニューアルして、「アウトドアアクティビティを遊べて」「安く泊まれて」「美味いメシが食える」というゲストハウスへ進化。
しかも、シャワーだけのゲストハウスが大半の中で風呂付きです。総合力の面で1位にしました!来年も行くぞ!
2位:長野県 下諏訪「マスヤゲストハウス」
「一ヶ月ぐらいここで暮らしたい」――そんな気持ちになった唯一のゲストハウスが、長野県の下諏訪にある「マスヤゲストハウス」です。
老舗温泉旅館を改装しているため、空間にゆとりがあって居心地が良い。スタッフの空気感もほどよく、居間のコタツでゴロゴロしているだけで癒やされます。
周辺には200円代で入れる銭湯(お湯熱い)があちこちあるし、寿司とウナギが美味いし、観光視点でも申し分ないというか。7年に一度の奇祭「御柱祭」でお世話になったんですが、諏訪大社の厳かさは一見の価値あり!
3位:京都府 河原町「Len」
観光客激増で宿の手配がシビアになってきている京都。ジモコロが毎度お世話になっているのが、京都河原町近くのゲストハウス&カフェバーラウンジ「Len」です。
東京で大人気のゲストハウス・入谷「toco.」、蔵前「Nui.」の姉妹店で、オシャレな内装と宿泊客&地元民の交流の場となっているラウンジが最高!
朝は美味しいコーヒーとパンも堪能できるし、こだわりのクラフトビールもあるし、ついつい長居しちゃいます。これでドミトリー=2600円〜って最高かよ。いや、最高なんだよ!
もう一度買って来い!と嫁に言われた「お土産」
全国あちこちに出かけて家を空けがちなんですが…。大切なのは、嫁のご機嫌取りです。夫として必死に選んできた「お土産」の中でも、嫁の反応が良かったモノを選んでみました。ポイントは「ご飯のおともになる」、「食べきりやすい」の2つ!
1位:京都府「辛ごまふりかけ どうぞおかけやす」
京都で360年続く老舗「七味家本舗」の「辛ごまふりかけ どうぞおかけやす」。なにげなく買って帰ったら、これがご飯のおともとして優秀な逸品…! 七味とごまの香ばしい風味と食感は、ふりかけに求められる“飽きのこなさ”の視点で嫁に好評でした。
価格=432円ってのも嬉しい。好きすぎて販路リサーチをしていたんですが、JR京都駅でも買えることが判明。ぜひ一度お試しください。
2位:山口県「しそわかめ」
続いて山口県で人気の井上商店「しそわかめ」。理由は上記の「辛ごまふりかけ」と同様。飽きのこなさ、白飯によく合う風味がクセになります。おにぎりにたっぷり混ぜ込めば、山口県のソウルフードに早変わり!こちらも価格410円とお得!
3位:福岡県「博多 通りもん」
もはや説明不要かもしれません。福岡を代表するお土産「博多 通りもん」は、甘い系のお土産の中で全国トップレベルだと言っていいでしょう。
上品な甘味と生地の食感は、独自の黄金比率によって成り立っているのでは…? そのあたりARuFaくんの記事でご確認ください。通りもん、コンビニで売ってほしいな…。
買ってよかった旅グッズ
1位:てぬぐい
全国旅行取材のコツとして「荷物をどれだけ軽くできるか」があります。中でもかさばるのがタオル類なんですが、てぬぐい一枚に絞ってから旅の準備から温泉対応まで、めちゃめちゃ捗るようになりました。
一番のメリットは、「汗を拭く」「風呂で身体を洗う」「風呂上がりに身体を拭く」がてぬぐい一枚で済むこと。日中の汚れは身体を洗えばついでにキレイになるし、夏場は1〜2時間で乾くのも最高。
日本人はもっとてぬぐいを愛用すべきではないでしょうか? てぬぐい愛好家として今後も情報発信していきます!
2位:チコバッグ(携帯用エコバッグ)
リュックやトランクとは別に「チコバッグ(携帯用エコバッグ)」を持ち歩いていると超便利! サイズはいろいろあるんですが、僕が持っているのはいなり寿司ぐらいで約44グラム。超軽量でコンパクトです。特にアウトドア用の素材であれば濡れたモノも気にせず入れられるため、荷物を置いて温泉や銭湯に行くときに活躍します。
広げるとこんな感じ。アウトドア好きな金太郎の衣装みたいですが、使い込みすぎてシワシワになってしまいました。アウトドアショップで購入できます。
3位:サコッシュ
取材中はもちろん、ちょっとした買い物時や音楽フェスの移動時など、デカい荷物を常に持ち歩くのってツラいじゃないですか。 そこで重宝するのが、肩がけで超軽量のサコッシュ。
小物類を入れたり、ペンや小さいノートを入れたり、フェス中には缶ビールを差し込んだりなどなど…使い勝手の良さは申し分ありません。僕が買ったのは登山用で防水対応。スマホやモバイルバッテリーといった水に弱い機械類を肌身離さず持つのもおすすめの使い方です。こちらもチコバッグ同様、とりあえずリュックに入れておくと便利!
まとめ
1年半で全国あちこちまわった気でいましたが、知れば知るほどに「知らないことが増えてくる」という無理問答みたいな心理状態に陥るローカル取材。
あくまで主観かつ、知っている範囲でのセレクトとなりましたが、毎年このまとめ記事を作っていけば変化があって面白くなるんじゃないかなと思っています。
ステキな情報があれば、ジモコロのお問い合わせフォームからご連絡ください。
それでは!
書いた人:徳谷 柿次郎
ジモコロ編集長。大阪出身。バーグハンバーグバーグではメディア事業部長という役職でお茶汲みをしている。趣味は「日本語ラップ」「漫画」「プロレス」「コーヒー」「登山」など。顎関節症、胃弱、痔持ちと食のシルクロードが地獄に陥っている。 Twitter:@kakijiro / Facebook:kakijiro916