こんにちは、ジモコロ編集長のギャラクシーです。ロロノア・ゾロみたいな髪型で失礼します。
髪はいつも美容院で切ってもらってるんですが、美容院って『今さら聞けないアレやソレ』めちゃ多くないですか??
・シャンプーの時「かゆいところありませんか?」って毎回聞かれるけど「かゆいところあるんで掻いてください」とか実際に言うやついねーでしょ!?
とか!!
・カットの最中に雑談したくないんだけどマイルドに伝える方法ない?
とか!!!
あるでしょ!????
というわけで今回はmod’s hair(モッズ・ヘア)銀座店にお邪魔して、今まで疑問に思ってたことをすべて聞いてきました。
答えてくれたのはこちらのお三方。さあ、長年の疑問に答えてくれ!!
mod’s hair(モッズ・ヘア)銀座店
住所|東京都中央区銀座2-3-12 マロニエゲート銀座3/B2F
電話|03-3564-4848
なぜ美容師はあんなに話しかけてくるの
「人と話すのが苦手なのでできれば黙ってたいんですけど、美容師の人ってめちゃめちゃ話しかけてくるじゃないですか。なんで? 本当、なんで?」
「理由は場を楽しくするため……なのですが、会話したくないという方は結構いますので、そういう時は喋りませんよ!」
「でも直接『ちょっと黙ってて』なんて言えないから、仕方なく好きな芸能人の話とかせざるを得ないんです」
「例えばホットペッパーなどで予約をされる場合など、備考欄に『静かに過ごしたい』って書けば大丈夫です。また、どの美容院でも初回はカウンセリングをすると思うんですが、その時に言うという手もあります」
「そもそも雰囲気で『あまり喋りたくなさそうなお客様だな』と思ったら必要最低限のことしか喋らないですね」
「喋りたくなさそう、喋りたそう、というのはどこで判断を?」
「一番最初に『今日はどんな感じにします?』って聞くターンがありますよね? その時、『こうしようと思ってるんだけど どう思います?』って意見を求められたりすると、会話しながら進めたいタイプなのかなと判断することがありますね」
「表情とか喋り方でなんとなくわかりますよ」
「そもそも美容師の人ってなんであんなに喋るのが好きなんですか? 10年くらい座敷牢に閉じ込められてて人と喋ることに飢えてるの?」
「そうではないですが、喋るのが好きな人は多いですね。でも私は得意じゃないので、話しかけられた時だけお話しするって感じですね」
「そういう美容師さんもいるんだ……」
「私たちが喋るのはあくまで場を楽しくするためなので、静かにしたいという場合はほんと遠慮なく伝えてくださいね」
「最近だとお客様がスマホを取り出して何かし始めたら、あまり話しかけないですね」
「そういう手もあるんだ! 髪を切ってもらってる時にスマホ触るのってマナー的に悪いのかなと思ってた」
「今は席についてすぐスマホを触るお客様、普通にいますよ! 全然大丈夫です」
「なんだったらSwitchでゲームする人とかもいます」
「そういう時代なのか……」
シャンプーの時に『かゆいところございませんか?』
「美容院で『かゆいところありませんか?』って聞かれるたびに思うんですけど、『どこそこがカユいです』とか言うわけなくないですか?」
「いや、全っっ然います!『こめかみの上あたりがカユいです』とか」
「えー!? いるんだ!」
「多いのは、こめかみ、頭頂部、後頭部って感じですね」
「なのでシャンプーの際は必ず聞くことになってます」
「統計取ったわけじゃないですけど、私の経験だと2割近くの方が『どこそこがカユいです』っておっしゃいますね」
「に、2割!? シャンプーなんて数分間なんだから、ちょっと我慢して自分で掻いたほうが気持ちいいと思うけどなぁ……」
「いえいえ、数分間待たなくても、かゆければいつでも言ってください!」
シャンプーの時、首に力を入れた方がいい?
「成人の頭部って5kgくらいあるらしいんですよね。500mlのペットボトル10本分! なので、シャンプーしてもらう時『重いんじゃないか?』と心配で、首にビキビキに力を入れちゃうんです」
「力なんて入れなくても全然大丈夫ですよ!」
「男性なら5kgくらい平気かもしれませんが、女性のお二人はどうですか?」
「人によりますね~。体格のいい人だと重いと感じることはあります」
「イケるはイケるんですが、100%預けられたらちょっと重いかも」
試しに首の力を抜いて支えてもらったんですが、僕の頭は全然重くないとのことでした(脳が詰まってないから?)
「ということは結論、首には力を入れたほうがいい?」
「う~~~~ん、軽くなるとありがたいですが、一方でこちらに委ねてほしいというのもあって……難しいですね」
「お客様の首が濡れないように、こちらで頭を自在に動かす必要もあるんです。なので力が入っていると動かしにくいかも?」
「じゃあ理想は美容師の人が自在に動かせる程度……10%か20%くらい力を入れて、軽さと動かしやすさを両立させる感じかな」
「『支え方のテクニック』ってあるんですよ。肘を脇腹に固定して、テコの原理で持つとか。なので、重くはあるけど思っているほどには苦ではないですね」
「あぁ~~、めちゃめちゃ痩せた運送屋のおじいさんが、重い冷蔵庫をヒョイっと持ち上げたりしますもんね。筋力じゃなくてテクニックで持ち上げてる感じなのか」
全然イメージ通りじゃなかった場合、どうしたらいいの?
「カットが終わって鏡で確認した時、『イメージ通りの髪型になってない』ことってあるじゃないですか。切られた後に言っても仕方ないので、僕は『あ~……悪くないですね』とか言って諦めるんですけど」
「思ってたのと違う、みたいなことは普通に言われたりしますね。完全にこちらのコミュケーション不足だと思います」
「あるんだ!」
「『もうちょっと短くしたい』とかならその場で切っちゃえばそれでいいんですが……」
「『もっと長く残すつもりだった』場合は?」
「つまり切りすぎちゃった場合ですよね……それは元には戻せないので、お客様と相談しながら、できる最大限の修正を行うしかないですね」
「お客様にも予定があるので、別の日に改めてカットさせて頂いたり」
「うわ~……へこむなぁ。でもお客さん側の指示が正確ではなかった、というケースもあるのでは?」
「指示が正確じゃない……?」
「美容師が自分の髪を切ってもらう場合なら、『サイドは何ミリで刈り上げて、後ろはシャギーを入れながらこうして、トップはこう!』みたいな指示が正確にできるじゃないですか」
「まあ、そうですね」
「でも僕ら客側は『髪を切る指示』に慣れてないし、用語もわからない。うまくイメージを伝えられてないせいで、仕上がりが違っちゃうのかなと」
「確かに、『サイドは短めに』とだけ言われても、刈り上げるのか、普通に切るのか、ツーブロックにするのか、と種類がありますね」
「そういった曖昧さを回避するために、切りながら都度『こういう感じでいいですか?』って聞くんですが……切ってる途中を見せられても『これでいいのかどうか』慣れてないとわかりにくいかもしれませんね」
「じゃあ写真か何かを見せて『これと同じ髪型にして』っていうのが一番正確なのかな」
「写真があると確かにイメージを共有しやすいです。ただ前方から見た写真だけだと後ろは結局想像で切ることになっちゃうので、理想はヘアカタログみたいなものを持ってきていただけたら!」
「モッズ・ヘアのオリジナルヘアカタログというのもあります。美容室が作ったヘアカタログなので、ここから選んでいただけたらかなり正確に再現できると思いますよ!」
モッズ・ヘアオリジナルのヘアカタログ
WEB版もあります
「あと、例えば木村拓哉さんと同じ髪型にしてほしいという希望があったとしても、骨格や顔、髪質、毛量の違いがあるので、100%イメージ通りというわけにはいかなくて」
「100%イメージ通りになるのって木村拓哉さん本人だけですよね、そりゃあ」
「できるだけ近いイメージになるようにしますので、ご相談しながら進めましょう!」
自分に似合う髪型って?
「例えば僕が ↓ この髪型にしたいって言ったとしますよね」
モッズ・ヘアWEBヘアカタログ、スタイルNo.2702
※2023年8月時点
「でもそんなの絶対に似合うわけないじゃないですか。その場合、『似合うわけないんだがwww』ってちゃんと言ってくれるんですか?」
「似合わない、できない、は言えないですね」
「言えないんですが、どうしても骨格や髪質の違いってあるんですね。その場合はヘアカタログから似た髪型を探してきて、『骨格的にはこっちも似合うかもしれませんよ』とかはアドバイスします」
「つまり“骨格的に”とか“別の髪型も似合いますよ”っていうワードが出た時は、『あ、この髪型、似合わないんだ』って思えばいいんですね?」
「……まあ……今後の仕事がやりにくくなっちゃいそうですが、その可能性はゼロではないです」
「ちなみに僕は、美容院に行くと必ず『おまかせで』って言うんです。僕より美容師さんのほうがセンス良いんだから、好きに切ってくれたほうが効率いいなと。それってアリですか?」
「おまかせ自体は全然ありますよ! 男性は特に多いかも。ただ『何でもいいです』って言う人ほど実はこだわりが強かったりするので。鵜呑みにして好き勝手に切ると『ここまで何でもいいわけじゃない』ってことになりがちです」
「ありますね~」
「おまかせとはいえモヒカンにされたらイヤとかはあるわけじゃないですか。なのでカウンセリングに時間を取ることになりますね」
「なるほど。カットの前に事細かに聞くんですね」
「結果、今まであまり希望を外したことはないと思います。お客様に喜んでもらって『気に入りました!』って言われると、やっぱり美容師としてすごく嬉しいですね」
美容師をチェンジするってあり?
「僕がこの店の常連だとして、ずっとReinaさんに切ってもらってたとします。でも密かに『この人とは合わないな~』と思ってたと。そういう場合、次回から高木さんを指名してもいいんですか?」
「ああぁぁ~~~……はいはいはい」
「まあ……いや全然アリだと思います」
「実際、お客様が別の美容師を指名する、というケースはたまにあります」
「その場合、Reinaさんは『この泥棒猫が!!』とか言って高木さんをいじめますよね?」
「いじめません!!!!!」
「客をとったとられた、で嫉妬心とか悔しいとかはないんでしょうか?」
「それは……ゼロではないですね。何か悪かったのかな?と気になるし」
「やっぱり言いにくいなぁ……」
「ただ、よくあることと言えばよくあることなので大丈夫ですよ。例えば男性美容師が担当していた女性のお客様が、『女性の美容師に替えてほしい』みたいなことは全然あります」
哀しくてジェラシー
美容院にはパーカーを着ていっちゃだめ?
「風のうわさで美容院にはパーカーを着ていっちゃだめと聞いたことがあるんですが」
「だめというわけではないですが……」
「やはりパーカーやタートルネックのニットなんかは首のあたりがモコモコになるので切りにくいかもですね。とはいえモッズ・ヘアではどっちみち上を脱いでガウンを着ていただくので……」
「え、ガウン!? 上を脱ぐ!?」
「こういうやつですね」
モッズ・ヘアのガウン。洋服が汚れないようにこれに着替えるのだそう
着てみました。骨格がよく見えるようにデザインされているらしいですよ!すごい!
「というわけでモッズ・ヘアではどっちみちガウンに着替えていただくので、服はなんでもOKですね」
「なるほど。ただ一般的な美容院ではわざわざ着替えたりする店は少ないと思うので、やっぱりパーカーやタートルネックは着ていかないほうが無難なのかな」
美容師になるには?
「僕が突然 美容師になりたいと思った場合、どういう手順を踏んだらなれるんですか?」
「法律で定められた国家試験を受験し、美容師免許を取得すれば美容師になれます。受験するためには、厚生労働大臣が指定する美容師養成施設を卒業する必要がありますね」
「そしたらすぐにモッズ・ヘアでお客さんの髪を切れる?」
「いえ、モッズ・ヘアはちょっと特殊で。髪を切るためには、美容師免許を取得した後、モッズ・ヘア独自の技術認定制度『スタイリストディプロマ』の資格試験に合格する必要があります」
「!? 国家資格を取ってもモッズ・ヘアでは髪を切れないってこと?」
「はい。『スタイリストディプロマ』の資格を取るまでは“アシスタント”なので正規に髪を切ることはできません。資格が取れたら“スタイリスト”となり、髪を切ることができます」
「な、なんでそんなに厳しいの……トップガンじゃん」
「モッズ・ヘアのクオリティを身に着けたスタイリストだけが髪を切る……それによってお客様は世界のどのモッズ・ヘアでも同じ技術を体感できる、という考え方があるからですね」
「なるほど。ところで、先程から出ている『スタイリスト』とか『アシスタント』とかの役割がちょっとイメージしにくいんですが、それぞれどんな感じなんでしょう?」」
「私は銀座店の『スタイリスト』です。一人のお客様を、カットからパーマまですべて任され担当するのがスタイリストですね」
「僕は新宿店の『ディレクタースタイリスト』です。スタイリストが、設定された売り上げを達成するなどして昇格すると、ディレクタースタイリストになります」
「私は銀座店の『アシスタント』です。スタイリストの手が足りない時にシャンプーしたり補助する役割ですね。独自のカリキュラムで3年修行を積んだらスタイリストに昇格できます」
「高木さんはアシスタントということは……髪を切れない?」
「正規の料金では切れないですね」
「ん? 非正規の料金というのもあるんですか?」
「『モッズ・ヘア アカデミー』という技術研修所があって。そこは技術向上を目的として開設された、いわば学校みたいなものなんですね。そこでなら、アシスタントたちがモニターの方をカットしたりできるんです」
・モッズ・ヘアアカデミー公式HP ヘアモニター募集のページ
「へ~ちょっと確認してみよ。……かなりお安い料金設定になってますね! アシスタントの技術向上にも役立つからこの価格なんだ」
「はやくスタイリストになって、一般のお客様の髪を任されてみたいです!」
「僕もライターをクビになったらディプロマの資格を取るために勉強します!」
「お待ちしてます。モッズ・ヘアはみんな仲が良いし、一緒に登山に行ったり飲みに行ったり、めっちゃ楽しいですよ!」
まとめ
というわけで今回は美容院についての様々な疑問について聞いてきました。昔からの謎がほぼほぼ氷解したのではないでしょうか?
ちなみに美容師の人は 自分の髪をどうやって切るの?という質問をした時―
「NARUTOのサクラみたいに自分で切るんですか~?www」って聞いたんですが―
まったくウケませんでした。
以上です。
そんなmod’s hair(モッズ・ヘア)では、現在大々的に求人を募集中! インタビューの最中もほんとみんな仲良くて働きやすそうでしたよ!
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