うどんを食べながら失礼いたします。バーグハンバーグバーグの原宿です。
ずぞぞぞぞっ! んめっ! んめっ! 冷凍うどん美味すぎっ!
こちらは冷凍うどんをレンジでチンして、スーパーで買ってきた海老の天ぷらを乗せただけの海老天うどん。簡単に作れるのにお店のうどんと変わらない美味しさ! いや、何ならお店以上かも知れません!
ところで皆さんは好きなうどんの食べ方、ありますか? さぬきうどんの定番、ぶっかけうどんや釜玉うどんはもちろん、鍋のシメや洋風の変わり種のうどんなど、うどんは手軽に食べられる上にレシピも無限大です。
最近うちの会社では冷凍うどんブームが来ており、オフィスの冷凍庫には社員のうどんストックが常にある状態。社員それぞれが色々な食べ方に挑戦しており、今回は特にオススメの超手軽な食べ方を3つ紹介しますね。
柚子胡椒バターうどん
<材料>
- 冷凍さぬきうどん 1食分
- バター 10g
- めんつゆ 大さじ1
- 柚子胡椒 小さじ1
- 青ネギ 適量
- 刻み海苔 適量
<作り方>
- 冷凍さぬきうどんをレンジで温める。
- ボウルにうどんとバター、柚子胡椒を加えて混ぜあわせる。
- 青ネギと刻み海苔を散らしたら完成
これはクックパッドを参考にしたレシピです。柚子胡椒のピリリとした爽やかな辛さと、とろけたバターの芳醇さが口いっぱいに広がり、季節を問わずに食べられる一品です。
カルボナーラうどん
<材料>
- 冷凍さぬきうどん 1食
- ベーコン切り落とし 5枚程度
- ピザ用チーズ 適量
- 卵黄 1個
- コンソメ(顆粒) 小さじ1
- ブラックペッパー 適量
<作り方>
- 皿にチーズとベーコンをのせ、別皿の冷凍うどんと一緒に温める。
- チーズとベーコンが入った皿に温めたうどん、コンソメ、卵黄を入れて混ぜる。
- ブラックペッパーをまぶして完成!
これは蕎麦アレルギーの反動により異常なほどうどんが好きになってしまったバーグハンバーグバーグ社員、加藤がすすめる食べ方。フライパンを使わずにレンジだけで激ウマな洋風うどんが食べられて、しかも調理時間も5分かかりません。イタリア人がこのメニューを知ったら邪道だとブチ切れて殴りかかってくるかもしれませんが、美味けりゃいいっしょ!
蒙古タンメン 中本つけうどん
こちらはセブン-イレブンで売っている「蒙古タンメン 中本」のカップ麺。お店の味をしっかり再現しており、これだけでも十分美味しいのですが、ちょっと量が足りないなぁと感じる方にピッタリの食べ方を紹介します。
それがこちら!
<材料>
- 冷凍さぬきうどん
- 蒙古タンメン中本のスープ
- 付属の辛味オイル(残っていれば)
- めんつゆ 大さじ2
<作り方>
- スープを残すことに全神経を集中させながら、麺を食べる。
- 冷凍うどんをレンジで温め、カップ麺に付属している辛味オイルを麺に絡ませる
- 残った中本のスープに、めんつゆを加えて完成!
カップ麺の残ったスープをうどんのつけ汁にアレンジ! めんつゆを加えたことでスープの味が濃くなり、うどんに絶妙に絡み合って美味! 汁がなくなるまで何食でもうどんが食べられる、激辛好き大満足の一品です。
冷凍うどんの秘密を探る
そんな冷凍さぬきうどんですが、特にスーパーに必ずと言っていいほど売っている「カトキチ」のやつが好き!
こんなに手軽で美味しいうどん、一体どうやって作っているんでしょうか?
と、いうことで……
ヴオォォ……ォォオン
はい、やってきました。新潟県魚沼市にあるテーブルマークの工場です。
ここで冷凍うどんの美味しさの秘密についてレポートしたいと思います!
今回お話を伺うのは、テーブルマーク魚沼水の郷工場の工場長、安永さんです。
「よろしくお願いします! 今回は冷凍うどんの美味しさの謎を暴きにきました」
「わざわざ東京からありがとうござます」
「魔法陣を使って一瞬で来たので大丈夫です! ところでカトキチって会社名じゃないんですね。パッケージに『テーブルマーク』と『カトキチ』が併記してあって、あれ?ってなりました」
「実は加ト吉(カトキチ)は旧社名で、2010年にテーブルマークという社名に変更しているんですね。ただ、昔から『カトキチのうどん』で覚えていただいているお客様も多いので、冷凍麺に限っては『カトキチ』のブランドを残しております。ちなみに社名は変わっても中身は従来と一緒です」
「わかりました! そういやこのあたりはブランド米の魚沼産こしひかりでお馴染みのところですよね。何でここに工場を作ったんですか?」
「ここ魚沼地区は豪雪地帯で、山からたくさんの雪解け水が流れているので、水質が非常に良いんです。この工場では『冷凍うどん』と『パックごはん』が作られていて、どちらも美味しさのために良質な水が欠かせないんですよ」
「なるほど、やっぱり水なんですね! 八海山や緑川など有名な日本酒もこのへんで作られてますよね。水以外にも美味しさのこだわりがあるんですか?」
「はい、これから加工場の中を紹介しながらご説明しますので、作業衣に着替えてください」
「やった!食品工場のあの服、一度着てみたかったんです!」
※今回は特別に加工場内に入れてもらいました。一般見学コースは別途あります。
「まずは時計や指輪などのアクセサリーを全て外して、足首にバンドをしてください」
「ズボンの裾から毛が落ちないようにするんですね。これ、下の毛がツルツルな人はやらなくてもいいんですか?」
「絶対に必要です!」
給食着を盗まれて途方に暮れる生徒のモノマネを経て……
着替え完了!
「これで完璧ですね!」
「いえ、これからが本番ですよ」
まずは40秒間全身をコロコロして、作業衣についたホコリを取り除く。
次に「取るミング」と呼ばれる掃除機で全身をまんべんなく吸引。
さらに四方八方から風が出る部屋に入り、両手を上げてクルクルと2回転して作業衣に付いたホコリを吹き飛ばす。
爪の中までしっかり手洗い。
そしてコロコロ。
「あれ……? デジャヴ??」
「コロコロは最初と最後にやってます。食品工場内はチリひとつ許されませんから、徹底しています。ちなみに2回目のコロコロは時間無制限です。気が済むまでやってください」
「コロコロ好きにはたまらないですね……」
最後の仕上げに手をアルコール除菌。これをやらないと扉が開かない仕組み。
「これでようやく工場内に入ることができます。全工程で10分ほどでしょうか」
「本当に衛生管理を徹底してますね。もし途中でトイレ行きたくなったらどうするんですか? 考えたら行きたくなってきました」
「行っても構いませんが、トイレに行くには今来たルートを戻らなければいけませんので、全て最初からやりなおしです」
「……わかりました、我慢します。でもここまで毎日清潔にしていると、逆に体の免疫力が弱って体調崩すことありませんか?」
「別にないですよ、いたって健康です!」
「でも世界に致死率100%のウイルスが蔓延したらどうします?」
「そのときは加工場の中に逃げ込みますね。ウイルスは入ってこれないですし、うどんがあるので食料には困りません」
「終末がやってきたら、うどん工場に逃げ込めばいいのか……」
加工場の中へ
いよいよ冷凍うどんの加工場の中へと入りました!
「すごい! 見渡す限りズラーっと機械が並んでる!」
「機械を操作したり検品したりする人間が数名いるだけで、うどんを作る工程は全てオートメーション化しています」
「でも手打ち麺みたいなあの味やコシを出すためには、機械に何か工夫があるんじゃないですか?」
「そうですね、いくつかポイントがあります」
「まずは、材料を混ぜて生地をこねたあと、しっかりとかつ優しく圧力をかけて伸ばします。テレビなどで職人さんが生地を足で踏んでいるのを見たことがあると思いますが、それを機械で再現しています」
「職人さんの足を!」
「生地を伸ばす工程と畳む工程を繰り返すことで、うどんに強いコシが生まれます。ただこの時点で生地には強いストレスがかかっているので、次の工程では2時間ほど休ませます」
「映画1本観てリフレッシュする感じですね」
「どちらかというと『2時間寝る』のほうがニュアンス的には正しいかと」
「『タイタニック』だと前半しか観られないのかあ」
「話、聞いてました? しっかり休ませると生地が熟成して、なめらかな麺になるんです。今度は生地をうどんの厚みになるまで伸ばして行きます」
「生地を徐々に伸ばしていき、うどんの厚みになったら生地をカットするのですが、ここにも秘密があります」
「おっ、知りたいです!」
「通常機械で生地をカットする場合、スリッターと呼ばれる円盤の刃に板状の生地を流して細くしています。これには作業効率が大変良いというメリットがありますが、弊社では別に包丁切りというカット方法も採用しています」
「包丁切り?」
「人が包丁を使うように、機械で包丁を上下させて1本1本生地をカットするんです」
「スリッターに比べてスピードは落ちるのに、包丁切りにするメリットって何かあるんですか?」
「はい。それは麺の断面を見るとわかるのですが……」
「このように『包丁切り』の方が、エッジが立っていて麺の表面が凹んでいます」
「ほんとだ!」
「この凹みにうどんのつゆが乗っかることで、麺とつゆがよく絡まり、口に入れた時の美味しさがアップするということなんです」
「包丁で切ることによって、麺が美味しくなっていたとは知りませんでした」
鍋を移動しながらたっぷりのお湯で茹でられるうどん。
「お風呂みたいで気持ちよさそうですね。ところで安永さんは、冷凍される前のうどんを食べたことあります?」
「はい、実際食べたことありますが、わたしには解凍したうどんとの違いが分かりませんでした」
「えっ? できたての方が美味しいんじゃないんですか?」
「冷凍食品は『できたての味をそのまま届ける』という商品なので、できたてのうどんと解凍後のうどんの味はまったく同じだと思いますよ」
「そう言われればそうですね」
茹でた後、冷水で締められたうどんは急速冷凍工程へ。
うどんに冷気を当て続け……
カチカチに凍結されて、検査工程へと進みます。
いくつもの厳しい検査を通過する冷凍うどん。
パッケージングされて全国へ!
「ところで冷凍うどんって、3個か5個入りで売っていることが多いですよね。10個入りとかにして、もっとお得感を出したりしないんですか?」
「一般家庭の冷凍庫ってそれほど大きくないですよね。なので沢山うどんが入ったパッケージはあまり需要がないんですよ……」
「確かに一人暮らし用冷蔵庫とかだと、5個入りのうどんで半分くらいスペース使いますもんね」
「ついでに言うと、夏場は皆さんアイスを買うので、冷凍庫のスペースの取り合いが更に激しくなります。なので『もっとうどんのパッケージを小さくしてほしい!』といったお客様の意見も頂いているようです」
「味と量を保ちつつ、省スペース化したら革命ですね!スマホサイズくらいまで小型化するのを期待してます!」
「今ってほとんどの料理が冷凍食品で買えちゃいますけど、『これは冷凍食品にするの無理!』 っていうものはあるんですか?」
「例えばレタスチャーハンですね」
「え?」
「冷凍のレタスチャーハン、見たことないですよね!」
「まぁ……確かに見たことないですね……。なぜ無理なのでしょうか?」
「レタスに限られた話ではありませんが、レタスのような水分の多い野菜を解凍すると、水分が出てビシャビシャになってしまいます。一般的にレタスチャーハンは食感の良いレタスとパラパラごはんというイメージをお持ちでしょうから、この情報を事前に知らなければ、発売しても誰も驚かないかもしれませんね……」
「安永さん、僕は冷凍レタスチャーハンが発売されたあかつきには、真っ先に驚くことを約束します。待ってますよ、冷凍レタスチャーハン。」
「ありがとうございます」
おわりに
見学の後はこの工場で作られた「さぬきうどん」と「おにぎり」を頂きました。
ずずっ……
やっぱりうまぁ……工場で食べるこのうどん、いつものより美味い気がする!
「もしかして出来立てですか?」と聞いたら、一度冷凍しているのでスーパーで売っているものと同じだそうです。
気のせいでした。
いかがだったでしょうか。
テーブルマークの冷凍さぬきうどんの美味しさの秘密、それは
- 新潟県魚沼地区の良質な水
- 職人の技術を機械で完全再現
- 出来たての美味しさを閉じ込める冷凍技術
にあったようです。
ぜひ皆さんも今日の晩ご飯は冷凍うどんを食べながら、いつか発売されるかもしれない冷凍レタスチャーハンに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
僕は大好きなのになかなか手に入らないテーブルマークの「スープが旨い鶏そば」に思いを馳せて、この場を去りたいと思います。それではさようなら。
ライター:原宿
株式会社バーグハンバーグバーグ所属。ご飯をよく噛むオモコロ編集長として活動中。Twitter:@haraajukku