こんにちは! 株式会社人間の社領エミです。
私は、ただいま…
歯科検診の真っ最中でございまーす!
なぜこんな状態になっているかというと…。
皆さんは2014年、ネット上でとある歯科医院のサイトが物凄い話題を攫ったことをご存知でしょうか?
ム、ムキムキの歯科医がおる〜っ!!!
『何故タンクトップ』『素手で歯抜きそう』などのコメントと共にこの医院の情報は瞬く間にネット上を駆け巡り、サイトを紹介したツイートはなんと6000RT! NAVERまとめには、この院長先生のまとめが出来るほどの人気っぷりとなりました。
歯医者終了。先生とのツーショット。#パトリア歯科pic.twitter.com/LKZpxScqYu
— オカダ・カズチカ (@rainmaker_chaos) 2013年6月7日
新日本プロレスのトップレスラーであるオカダ・カズチカ選手も通っていて、当時こんな写真をTwitterにUPしていました。
歯医者の背中がオーガ
— mark-1 (@voodoo2001aug) 2013年6月25日
RT @rainmaker_chaos歯医者終了。先生の背中。#パトリア歯科pic.twitter.com/KiId6TDHbz
背筋は範馬勇次郎を彷彿とさせるオーガ級…!
そしてそんな情報に、2016年にして気付いた私……。
し、知らなかった〜! こんな歯医者〜! しかし、私もマッチョ好きライターの端くれとして放っておくわけにはいきません。院長先生に会いた〜い!
ということでやって参りました。
東京は表参道にございますパトリア歯科医院!
こちらがパトリア歯科医院の待合室でございます! す、すご〜! ハワイか!
やっぱりというべきか、こんなフィギュアも飾られております!
先生はなんでマッチョなの? どうして歯医者でマッチョなの?
今日は、根掘り葉掘り聞いちゃいたいと思いま〜す!!
「先生、よろしくお願いします!」
「はい、関西からはるばるどうも。よろしくお願いします」
嶋田先生の超理論『歯=筋肉』
嶋田泰次郎(しまだ・たいじろう)。1976年東京生まれ、40歳。パトリア歯科医院 院長。
2010年「ボディビル東京オープン」(70kg級)にて、初出場で見事優勝を飾った。
「ムキムキだと思ったらボディビルのチャンピオンやがな! 先生は、どうして医院のホームページにあんな写真を?」
「ホームページ用の写真撮影の時、たまたま患者で来てたやつに『先生、タンクトップの方が絶対良いっす』って言われて脱いだんだよね。そしたら、サイトを開設した翌年にものすごい数のアクセスがあってさぁ。サーバーがダウンしたって聞いてびっくりしたよ」
「私もあのサイトにはびっくりしました…!! 先生は、どうして体を鍛えてるんですか?」
「筋トレ自体は、高校時代から趣味でずっと続けていたんだよ。鍛えれば必ず自分の体が応えてくれるのが面白かったんだよね。ボディビルを始めたのは34歳の時、知人に『一緒にやろうよ』って軽く誘われたのがきっかけだね」
2010年、東京オープンで優勝した時の写真。歯科医にあるまじきキレキレすぎる筋肉!
「歯科医とボディビルを両立なさってたんですね! 大変じゃなかったですか?」
「ヤバかったよ〜! 仕事終わってから23時までジム、クタクタで帰宅して減量用のあっさり飯を食って、夜中に日サロ行って…。で、日サロ出たら朝の4時。鳥チュンチュンみたいな」
「夜明けじゃないですか!」
「大会前の1年間を使って鍛えたんだけど、その1年の間に結婚したし子供もできたしで大変だったよ。家帰ったら嫁は初めての子育てで疲れてるし、俺は初めての減量でキツいし、子供は夜泣きしてるし…。マジ家庭崩壊しそうだったから、そこからしばらくボディビルは辞めてたね」
「夫婦で『初めて』のジャンルが違いすぎて笑う…。でも、最近また大会に出てらっしゃるとか」
「そうだね、減量の方法にも慣れてきたし。これは2014年の写真」
「か、か、かっけ〜〜〜!!!!!」
「まぁ、2位だったんだけどね」
「ボディビルは、これからも続けるんですか」
「いや、今年で大会に出るのは本当にやめる。俺は筋トレよりも、家族と仕事の時間を大事にしたいなと思ってさ。ただ、ボディビルから得たものは沢山あるよ。一番大事なのは継続力だとか」
「継続力? わたしが一番苦手なことだ…!」
「肉体は、『筋トレ』と『健康的な食生活』を継続することで結果が出るからね。それって、歯でも同じことが言えるんだよ。ちゃんと継続して磨くことで虫歯にならないでしょ? 歯も筋肉も継続が大事! 歯=筋肉!」
「うわ〜〜!!! マッチョっぽい言葉〜〜!!!」
「だってどっちも肉体改造じゃん。楽したら、歯も肉体も維持できないよ」
(ヤバい……最近マジで歯が痛いなんて言えない……)
「診てあげよっか?」
「えっ!?」
「診るよ。今歯がどんな状態かチェックしてあげる」
「え〜〜〜〜〜!!!!!」
嶋田先生おすすめ、正しい歯の磨きかたとは?
そして、話は冒頭に戻ります。なんと嶋田先生に歯を診ていただくことに! あがー!
「結果は……」
「虫歯6本、歯垢どっさりです」
「き、汚ねえ〜! カメラマンが横から口だしてゴメンだけど汚ねえ〜〜!!」
「ご、ごめんなさい〜。私、小さい時から『夜しか歯を磨かない』という謎の習慣が…」
「朝は磨かないってこと!? 寝起きの口って肛門より汚いらしいよ……。社領ちゃんの口、肛門じゃん……」
「無念な気持ちしかない……」
「こんなんだったら後々歯がグラグラなっちゃうよ。歯って何から生えてるか知ってる?」
「なんだろう…? 歯茎?」
「ブー。答えは『骨』です」
本当だ。そういえば、ドクロって歯が生えてる!
歯茎というのは、骨から歯にかけてを覆っている皮膚のことなんだとか。
「歯茎と歯の間の歯周ポケットに歯垢が溜まるとダメなんだよ。まずあなたみたいに歯ブラシを歯に直角に当ててる人は、歯の表面しか磨けてない。歯ブラシは歯に対して斜め45度に当てて、歯周ポケットの中まで掻き出すことを意識して磨くべきなんだよね」
「ふむふむ」
「あとは、歯の間だね。歯磨きのあとは絶対にフロスと歯間ブラシを使わないと、後でとんでもないことになるよ」
実演してくれる先生! この時、歯肉炎だった私はムチャクチャ血がでました。
「これをしないと、マジで骨が溶けます」
「ひ、ひえ〜!」
「俺も頑張ろう…」
「歯が悪くなってから歯医者に行く人がいるけど、それは大間違いだからね。たまに『詰め物が取れたからもう一回つけて』って頼まれるけど、取れちゃうのは詰め物がひっついてる歯自体がもうボロボロだからだよ。日頃からきちんと歯磨きをして定期検診に行っていれば、痛くなる前の虫歯も見つかるし、悪い状態になってないから治療費もかさまない」
「正論すぎる…」
「痛いのが嫌っていう人がいるけど、痛くしてんのは自分だからね。歯医者に行って治したからって、その歯が一生虫歯にならないことなんてないんだよ。だから、歯磨きを継続することが大事。分かった?」
「筋トレも、継続することが大事」
「ちょいちょい筋肉挟むな…。でも、先生のおっしゃる通りです…!」
1日に診察するのはたった10人。その理由は?
「そういえば、嶋田先生は1人の患者さんを診察するのに、かなり時間をかけていらっしゃるんだとか」
「そうだね、1日10〜15人かなぁ。もともと、歯っていうのは短い時間で診れるもんじゃないと思う。患者さんの未来を決めてく大事な作業なんだから、時間をかけないと」
ホームページにも掲載されています。こんな熱心な歯医者さん、周りにいるか…!?
「嶋田先生は、どうしてそんなに親身な方法をとるようになったんですか?」
「俺は人が好きだからさ、患者さんと向き合って人となりもよく知りたいんだよね。でね、そういうスタイルでこの仕事を16年やってると面白いのは、人生観が全然変わるってこと」
「例えばどんな?」
「やっぱりちゃんと人と向き合ってると、患者さんも継続して通い続けてくれるし、近況とかも色々聞けるわけ。すると、何年にもわたって診療する中で、お互い色んなことが変わってくのがわかるんだよね。俺はこの16年の間に嫁と子供ができたでしょ。患者さんの場合は、小学生だった子が大人になって家庭を持ったとか、アメリカに嫁いでったとかさ。そしてもちろん、病気をする人もいる。そんな時、人生って一回きりだし、必ずいつか終わるんだって思うんだよね」
「思わぬ深い人生観…!」
「俺がボディビルをやめようと思ったのって、そういう部分もあるかもね。一度きりの人生じゃん。ボディビルはすごい競技だけど、俺にとっては、これ以上筋肉だけに打ち込むのは味気ないなぁって思ったんだ」
歯=筋肉=人生と悟った、嶋田先生の深い教え
「ボディビルを辞めたあと、次は何をされるんですか?」
「そうだなぁ。とにかく、“自分らしさ“が出せればいいと思う」
「自分らしさ…?」
「どんな変な奴でも、むちゃくちゃ怖い奴でも、みんなひとつは最高の良い部分があるんだよね。些細なもので、自分しか持っていなくて、誰かと戦う必要もないようなもの」
「それが“自分らしさ”ってわけですね。先生がそう思ったのに、何かきっかけはあったんですか?」
「実は俺、超エリートな双子の兄がいるんだけど、いつも比べられてさぁ。すごいコンプレックスだったんだよね。大人になってもずっと誰かと自分を比べてたし。でも嫁と子供ができて、やっと自分だけのものを見つけて、『自分は自分だから、まっすぐ生きてりゃいいんだ』って思えるようになったね」
「うわ〜、全国の子供達に伝えたい言葉だ。先生は、ごく最近までそう思えてなかったってことですか?」
「そうだね。でも時間をかけてまで見つける価値は十分にあった。まぁ、『自分らしさを出したい=わがままで良い』ってわけじゃないんだけどね。まずは己を知って、自分に足りないものは何か、補うには何をすべきかを考え続けないといけないと思うよ。現状を知らないと何も変えられないじゃん、例えばさ…」
「俺の筋肉でいうと、俺は足・背中の下・ケツが弱い。それに特化したトレーニングをするしかない」
「歯でいうと、患者さんの歯磨きの中で弱い部分を俺が解明して、対策できる方法を伝える。で、患者さんにそれを実行してもらう」
「人生もそうじゃん。すなわち、歯も筋肉も人生も同じじゃん」
「歯って人生だったんだ〜〜〜!!!」
「俺は今年から息子の幼稚園のPTA会長だし、それを頑張ってみようと思う。他にも『護身術』とか色々やりたいことはあるけど、果たして次の“自分らしさ”が活かせる場所がどこなのか、今から楽しみだね」
「嶋田先生、ありがとうございました〜〜〜!」
まとめ
嶋田先生は筋肉をアピールするいかにも変な歯医者かと思っていたんですが、想像異常に深い人生観をお持ちの方でした。嶋田先生が次にどんなチャレンジをされるのか、私もとても楽しみです!
それにしても、歯磨きを入念にしないと骨まで溶けることになるとは…。歯垢だらけだった私ですが、大阪に戻ったらすぐ歯医者に行くぞ!
よ〜し! 今日から毎日、朝晩ちゃんと歯磨きするz……
う!!
う…ぐ……お……
お…お…おご……
おおおう〜〜!!!
(終)
ライター:社領エミ(株式会社 人間)
"面白くて 変なことを 考えている"会社、株式会社人間の書けるムードメーカー。マッチョが好き。
Twitterアカウント→@emicha4649